身支度▽王様にアクセをつけるぐだおの話(マロお題)
▽ぐだキャスギル
わしわしとまだ濡れた髪を拭きながら、部屋のドアロックを解除する。後頭部を拭くために少し俯けていた顔を上げれば、うっすら透ける薄い布がカーテンのように四隅でまとめられているベッドの上に、衣類だけまとったギルガメッシュが座っていた。
「あれ? まだ準備できてなかったんですか?」
頬に垂れてきた水滴を、首にかけたタオルで拭いながらベッドへ歩み寄る。いつもなら、立香がシャワーを浴びて戻る頃にはギルガメッシュはいつも通りの布面積の狭い色鮮やかな衣服をまとい、冠も戴いて準備万端で待っているはずだ。こんな、服を着ただけのシンプルすぎる装いで待つことなど今までなかった。
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