pk_3630
MAIKING拗れ練習用に書いた現代AU 曦澄 第12話無気力状態のまま地方に飛ばされてしまった澄
そんな澄にある人から会いたいという話が?
今日は結構頑張って書きました
想・喪・葬・相 12「おい、そろそろ出るぞ」
「はい、すぐに準備します」
「早くしろ。全く!その仕事、まだ終わらせてなかったのか!」
過剰に仕事を引き受け、それを平然と部下達に押し付けた奴がよく言えたものだ。以前ならすかさず皮肉を交え反撃に出ただろうが、もはや言い返すのも面倒になった。
(それに、今夜の接待を考えれば気力はできるだけ残しておきたいしな)
「先輩、後はやっておきますから。そもそも俺の仕事だったものですし。本当にすみません」
「必要ない。引き受けたのは俺だ。明日やるからそのままにしておけ。いいな」
「ですが…」
「言う通りにしろ。お前も帰れる時は早く帰れ」
上司がわざとらしく靴の音を鳴らしている。もうタイムリミットだ。
上司と向かった先は高級リゾートホテル内にあるレストランだった。
5698「はい、すぐに準備します」
「早くしろ。全く!その仕事、まだ終わらせてなかったのか!」
過剰に仕事を引き受け、それを平然と部下達に押し付けた奴がよく言えたものだ。以前ならすかさず皮肉を交え反撃に出ただろうが、もはや言い返すのも面倒になった。
(それに、今夜の接待を考えれば気力はできるだけ残しておきたいしな)
「先輩、後はやっておきますから。そもそも俺の仕事だったものですし。本当にすみません」
「必要ない。引き受けたのは俺だ。明日やるからそのままにしておけ。いいな」
「ですが…」
「言う通りにしろ。お前も帰れる時は早く帰れ」
上司がわざとらしく靴の音を鳴らしている。もうタイムリミットだ。
上司と向かった先は高級リゾートホテル内にあるレストランだった。
pk_3630
MAIKING拗れ練習用に書いた現代AU 曦澄 第11話澄が曦に別れを告げられてから三年後のお話
想・喪・葬・相シリーズの後編導入です
メンタルどん底状態の二人なんでちょっと暗いです
見合い相手泣かせる曦…
想・喪・葬・相 11曦臣と別れて三年が経った。
この三年、自分は何も変わっていなかった。
任される仕事が増え、やり遂げる度に評価が上がって、昇進もした。その後しばらくして転勤があって、住まいが変わった。縁もゆかりもない土地だったから関わる人間も三年前とは皆違う。
表面上は変わったことがたくさんあったように思うが、それらを遠くの景色でも眺めるかのような毎日だった。
(どうでもいい)
何に対しても興味も気力も湧かなかった。
仕事が上手くいこうが、上司に嫌われ地方に飛ばされようが、出世コースを外れた俺を同僚達がどんな目で見ていようが、心がひくりとも動いたことはなかった。
時間の流れに身を任せ、その日その日に与えられた物事をやり過ごす。
2019この三年、自分は何も変わっていなかった。
任される仕事が増え、やり遂げる度に評価が上がって、昇進もした。その後しばらくして転勤があって、住まいが変わった。縁もゆかりもない土地だったから関わる人間も三年前とは皆違う。
表面上は変わったことがたくさんあったように思うが、それらを遠くの景色でも眺めるかのような毎日だった。
(どうでもいい)
何に対しても興味も気力も湧かなかった。
仕事が上手くいこうが、上司に嫌われ地方に飛ばされようが、出世コースを外れた俺を同僚達がどんな目で見ていようが、心がひくりとも動いたことはなかった。
時間の流れに身を任せ、その日その日に与えられた物事をやり過ごす。
ataryusei
MAIKING夏と殺りん水浴び 季節というものは人間にとって脅威であるらしい。
らしい、と言うのは、殺生丸もそのことを知ったのが最近だからである。そもそも強大な妖力によって身を守っている彼には季節の移り変わりや、それに伴う環境の変化など全く影響は無いし、そもそも興味の無いことであった。春に咲き誇る花々、夏の厳しい陽射し、秋の移ろう彩り、冬に吹き下ろす風。何百年とその眼に映し、その身に感じてきた記憶はある。
しかし、だからどうしたと。季節が巡るからと言って暑いとも寒いとも、心地よいとも不快だとも思わない。ただ、そこにあるだけ。そうした認識。
それを変えたのは、一人の少女との出会い。
「そーーれっ!!」
ばしゃんと、派手な水飛沫が上がる。穏やかな川が唐突な衝撃によってその流れを散らして、周囲にこれでもかと降り注ぐ。清涼な川の水は陽の光を浴びて輝き、見ている分には涼しげで眩しい光景であった。しかし、それを頭から被った人物はそれどころではない。案の定濡れ鼠となった邪見は、短い腕を振り回して怒りを露にしている。
3471らしい、と言うのは、殺生丸もそのことを知ったのが最近だからである。そもそも強大な妖力によって身を守っている彼には季節の移り変わりや、それに伴う環境の変化など全く影響は無いし、そもそも興味の無いことであった。春に咲き誇る花々、夏の厳しい陽射し、秋の移ろう彩り、冬に吹き下ろす風。何百年とその眼に映し、その身に感じてきた記憶はある。
しかし、だからどうしたと。季節が巡るからと言って暑いとも寒いとも、心地よいとも不快だとも思わない。ただ、そこにあるだけ。そうした認識。
それを変えたのは、一人の少女との出会い。
「そーーれっ!!」
ばしゃんと、派手な水飛沫が上がる。穏やかな川が唐突な衝撃によってその流れを散らして、周囲にこれでもかと降り注ぐ。清涼な川の水は陽の光を浴びて輝き、見ている分には涼しげで眩しい光景であった。しかし、それを頭から被った人物はそれどころではない。案の定濡れ鼠となった邪見は、短い腕を振り回して怒りを露にしている。
緒々葉
MAIKING同棲計画に際して意思を違えるマサトキ。(心理描写など粗いのであとから改変するかもしれない)⚠最初以外不穏です。
(ふぉろわさんのネタを拝借しております)
同棲とは如何に?「一ノ瀬。……俺は、日々をもっとお前と共に過ごしたい。一緒に、暮らさないか」
それは、真斗の元に一泊した日の晩。やや湿気の残る素肌を重ねながら余韻に浸っていた時に告げられた言葉だった。トキヤにとっても一番近くに在りたい想いは漠然と強まっていた自覚はあったから、やや重たくなってきた瞼もぱちりと全開になって相手の瞳を凝視した。
「……本当ですか」
「ああ。一応言っておくが、ただの突飛な出任せではないからな。……ここ最近、常々考えていたことだ」
真斗が熱のこもった桔梗色で、真摯な心を伝える。トキヤの脳裏には、普段の生活の中に彼が存在する光景がいくつもちらちらと浮かんでは消える。
「嬉しい、です」
くすぐったそうにはにかんだ答えを聞いた真斗は、満足そうに瞳を細め恋人の腰を優しく抱き寄せた。
4953それは、真斗の元に一泊した日の晩。やや湿気の残る素肌を重ねながら余韻に浸っていた時に告げられた言葉だった。トキヤにとっても一番近くに在りたい想いは漠然と強まっていた自覚はあったから、やや重たくなってきた瞼もぱちりと全開になって相手の瞳を凝視した。
「……本当ですか」
「ああ。一応言っておくが、ただの突飛な出任せではないからな。……ここ最近、常々考えていたことだ」
真斗が熱のこもった桔梗色で、真摯な心を伝える。トキヤの脳裏には、普段の生活の中に彼が存在する光景がいくつもちらちらと浮かんでは消える。
「嬉しい、です」
くすぐったそうにはにかんだ答えを聞いた真斗は、満足そうに瞳を細め恋人の腰を優しく抱き寄せた。