あんこ
MAIKING好きな人の為に変わりたいと言った伊をプロデュースしていく内に惹かれていく五の話それがロマンスの運命(さだめ)なら 日が高く登っているお昼時、任務終わりの五条が談話室の前を通ったら、なかなかに面白い話題が聞こえてきた。好きな人が振り向いてくれるような女性になりたい、と伊地知が家入に相談をしていたのだ。
「(伊地知に好きな奴ね〜……、面白そーじゃん)」
そう興味と揶揄い半分の気持ちのまま勢いよく談話室の扉を無遠慮に開けた五条は、突然の来訪者に驚き目を剥いて固まっている伊地知と家入など無視して、二人の会話に割り込んだ。
うんざり顔の家入と、顔を赤らめた――まさか相談内容を五条に聞かれていたとは思わなかったのだろう――伊地知と先の話題について笑い混じりに話し合った。そして、どういう話の展開でそうなったのか今になっては不明だが、五条が伊地知を魅力的な女性になれるようプロデュースをすることになったのだ。
1663「(伊地知に好きな奴ね〜……、面白そーじゃん)」
そう興味と揶揄い半分の気持ちのまま勢いよく談話室の扉を無遠慮に開けた五条は、突然の来訪者に驚き目を剥いて固まっている伊地知と家入など無視して、二人の会話に割り込んだ。
うんざり顔の家入と、顔を赤らめた――まさか相談内容を五条に聞かれていたとは思わなかったのだろう――伊地知と先の話題について笑い混じりに話し合った。そして、どういう話の展開でそうなったのか今になっては不明だが、五条が伊地知を魅力的な女性になれるようプロデュースをすることになったのだ。
あんこ
MAIKING記憶を無くしてしまう伊と付き合っている五の話27人目の最愛なら君へ 二十六歳、名前は伊地知潔高。それが、私。
五条の恋人である伊地知潔高は毎日欠かさず日記をつけている。どのような内容を書いているのかと訊けば、その日出会った人との出来事や自身の心情を事細かく書いているそうだ。実に律儀な男だな、と五条はこの時そう思った。
「すごくあるね」
「小学生の頃からつけてますから」
五条が二十二歳で伊地知が二十一歳の、恋人として付き合い始めた頃だ。初めて伊地知の自宅に行った日に見た五条の背丈と同程度の本棚には、今まで伊地知がつけてきた日記が上から下、さらには端から端までびっしりと詰まっていた。
「見てもいい?」
「どうぞ」
持ち主の了承を得て、五条は本棚から適当に一冊を手に取りパラパラとページをめくる。ノートの中身も、本棚と同じようにびっしりと文字が並んでいた。なるほど確かに事細かく心情などが書かれていて、読む分にはなかなかに面白い。
6287五条の恋人である伊地知潔高は毎日欠かさず日記をつけている。どのような内容を書いているのかと訊けば、その日出会った人との出来事や自身の心情を事細かく書いているそうだ。実に律儀な男だな、と五条はこの時そう思った。
「すごくあるね」
「小学生の頃からつけてますから」
五条が二十二歳で伊地知が二十一歳の、恋人として付き合い始めた頃だ。初めて伊地知の自宅に行った日に見た五条の背丈と同程度の本棚には、今まで伊地知がつけてきた日記が上から下、さらには端から端までびっしりと詰まっていた。
「見てもいい?」
「どうぞ」
持ち主の了承を得て、五条は本棚から適当に一冊を手に取りパラパラとページをめくる。ノートの中身も、本棚と同じようにびっしりと文字が並んでいた。なるほど確かに事細かく心情などが書かれていて、読む分にはなかなかに面白い。
あんこ
MAIKING片想いしてるクズな五条と身体の関係を始めてしまう伊の話屑の弁解 誠実な人が好きだ。相手の気持ちに真摯に向き合い、思いやりのある行いをしてくれる人が。
五条さんは複数の女性とお付き合いをしている。その事を知ったのは、補助監督の職に就き五条さんを送迎する機会が増えた時だった。車での帰宅途中、時折黒い目隠しからサングラスへ変える日がある。そんな日は必ず、五条さんは高専や自宅には帰らずに私へ指定した場所を伝え、そこに向かうのだ。場所は様々だが、到着すれば高確率で女性がいる。女性が見当たらない日もあったが、きっと別の所で待ち合わせをしているのだろう。車から降りる時の五条さんは「じゃ、お疲れ」とおざなりに私へ挨拶した後、颯爽とした足取りで去っていくのだ――――私がどんな思いで、見送っているかも知らずに。
4266五条さんは複数の女性とお付き合いをしている。その事を知ったのは、補助監督の職に就き五条さんを送迎する機会が増えた時だった。車での帰宅途中、時折黒い目隠しからサングラスへ変える日がある。そんな日は必ず、五条さんは高専や自宅には帰らずに私へ指定した場所を伝え、そこに向かうのだ。場所は様々だが、到着すれば高確率で女性がいる。女性が見当たらない日もあったが、きっと別の所で待ち合わせをしているのだろう。車から降りる時の五条さんは「じゃ、お疲れ」とおざなりに私へ挨拶した後、颯爽とした足取りで去っていくのだ――――私がどんな思いで、見送っているかも知らずに。
あんこ
MAIKINGゲイバーで出会う五伊地LIAR × LIAR 物心がついた頃から興味を抱くのは異性ではなく同性だった。小学校低学年頃まではなんら不思議に思うことなく興味を持った子から話しかけられれば素直に応え、そして素直に気持ちを口にしていた。その事が世間一般的に〝おかしな事〟だと気づいたのはいつだっただろうか。気になる異性の話題で盛り上がる同性達を眺めていた時だろうか、それとも気になる同性の友人に「好きだ」と気持ちを伝えたとき「好きとか言うなキモいぞ」と冗談だと受け取られ笑われた時だろうか。もう十年以上前のことだから覚えていない。けれど、その二つの記憶は私の中に強く残っていて、今は自分の素直な気持ちを吐き出せなくなってしまった。もちろん、異性ではなく同性に興味を持ってしまう事も隠して私は生きている。
1675あんこ
MAIKING五の初恋を実らせる為に奮闘する伊の話no title 人は誰しも叶いたい恋というものがある。
「はつこいいい?」
それは十七歳の秋であった。調子外れな声で放たれた言葉を聞いた私は、資料室へと向かっていた足を思わず止めていた。ちらり、と声が聞こえた方へ視線を向ける。そこは四年生の教室だった。
「ウケる」
「ウケんなよ。真面目に言ってんだけど!」
「だってお前が恋とか……」
「わかんねぇからこうして相談してんじゃん」
あの五条悟が、恋愛相談をしている。意外だ。しかも初恋らしい。
――五条先輩の好きな人かぁ。どんな人なんだろう。そんな風な事を思いながら私は資料室へ向かう為、教室から視線を外し歩みを再開した。気にはなるが、この時から特段仲が良いとは言い切れない、ただの先輩後輩の関係であった人に好きな人の事など聞けやしないか、と思った私は早々に知る事を諦めた。知ったところで……とも。だがすぐに、私は五条さんの好きな人を知る事になるのだ。
2615「はつこいいい?」
それは十七歳の秋であった。調子外れな声で放たれた言葉を聞いた私は、資料室へと向かっていた足を思わず止めていた。ちらり、と声が聞こえた方へ視線を向ける。そこは四年生の教室だった。
「ウケる」
「ウケんなよ。真面目に言ってんだけど!」
「だってお前が恋とか……」
「わかんねぇからこうして相談してんじゃん」
あの五条悟が、恋愛相談をしている。意外だ。しかも初恋らしい。
――五条先輩の好きな人かぁ。どんな人なんだろう。そんな風な事を思いながら私は資料室へ向かう為、教室から視線を外し歩みを再開した。気にはなるが、この時から特段仲が良いとは言い切れない、ただの先輩後輩の関係であった人に好きな人の事など聞けやしないか、と思った私は早々に知る事を諦めた。知ったところで……とも。だがすぐに、私は五条さんの好きな人を知る事になるのだ。
karo44495018
MAIKING【2025 906 ボイリン展示用】あす日 ねこ漫画
勢いで描いたので急展開&ツッコミ所満載です。
あと数枚追加の予定です(未完すみません)
パスワードはあすく君の部屋番号を3文字で
◯◯◯号室 8
sadachbia7789
MAIKING※もんけま、こへ滝、雑伊、長仙、浜三木、次富を見守りたいモブの話。ネタ出し
女体化の予定でした。
【学園内に生存するカップルは全員見守り対象です】 モブとは群衆や野次馬、あるいは目立たないキャラクターを示す言葉である。
俺は便宜上A太郎と名乗るが、は組の一クラスメイトだ。まごうことなきモブである。
昨今、SNSを開けば浮気だモラハラだ離婚だのと、そういったニュースや広告が溢れている。誰が得するんだと思っているバナー広告もそうだ。おい、お前俺のスマホならもっと俺の好みをリサーチして純愛モノを表示してこいよと常々思っている。
そんな胸クソな情報で溢れているからこそ、俺は決意した。
学生の内に成立したカップルを陰日向と見守る、と。要は純愛を見たいのである。
俺は様々なカップルを見守ってきた。暴君と見せかけて実は冷静に物事を見極めた上で行動できる同級生と高飛車ナルシストだが実はさみしがり屋な後輩、保健室の天使もとい学園きっての不運大魔王には年上の恋人がいるらしいし、図書室の主で寡黙な文学青年(同い年だけど)と好きな人の前ではちょっと奥手らしい見目麗しい高嶺の花子ならぬ高嶺の女王様、後輩同士のカップルなら週刊の方のジャ○プの主人公みたいな転校生とその隣の席だった学年のアイドル、最近では無自覚な迷子と真面目で世話焼きな苦労人など将来教会やチャペルで再会を願うカップルばかりだ。将来はブライダル関係の仕事に就きたいと考えている。
592俺は便宜上A太郎と名乗るが、は組の一クラスメイトだ。まごうことなきモブである。
昨今、SNSを開けば浮気だモラハラだ離婚だのと、そういったニュースや広告が溢れている。誰が得するんだと思っているバナー広告もそうだ。おい、お前俺のスマホならもっと俺の好みをリサーチして純愛モノを表示してこいよと常々思っている。
そんな胸クソな情報で溢れているからこそ、俺は決意した。
学生の内に成立したカップルを陰日向と見守る、と。要は純愛を見たいのである。
俺は様々なカップルを見守ってきた。暴君と見せかけて実は冷静に物事を見極めた上で行動できる同級生と高飛車ナルシストだが実はさみしがり屋な後輩、保健室の天使もとい学園きっての不運大魔王には年上の恋人がいるらしいし、図書室の主で寡黙な文学青年(同い年だけど)と好きな人の前ではちょっと奥手らしい見目麗しい高嶺の花子ならぬ高嶺の女王様、後輩同士のカップルなら週刊の方のジャ○プの主人公みたいな転校生とその隣の席だった学年のアイドル、最近では無自覚な迷子と真面目で世話焼きな苦労人など将来教会やチャペルで再会を願うカップルばかりだ。将来はブライダル関係の仕事に就きたいと考えている。
むくげ
MAIKINGこのあとどうしようとしていたのだっけ?な書きかけサンフリ。
サンズに「血ってこんな味なんだな」と言わせたかったような気がしる…そんな気がしるる…
鉄錆の味がする。フリスクは手鏡に映った自分の左の頰を眺めて改めて失敗を悔やんだ。
子供の頃にリンゴやパンに例えられた丸みは落ちつき、幾分か大人っぽくなったと自負していた頰は今、痛々しく腫れ始めている。
明日の朝にはもっと酷い色になることだろう。口の中も切ってしまっているので少し表情を変えるだけでビリビリと痛む。
「あちゃー…ママ怒るかなぁ」
まだこの状況を知らせていないトリエルが、この顔を見たらどうなってしまうのか。怒ると怖い養母を想像し、フリスクは震え上がった。
そしてそれ以上に悲しませてしまうであろうことがため息を深くさせる。まったく、今回は本当に下手を打ってしまったものだ。
「ほい、冷やしなよ」
653子供の頃にリンゴやパンに例えられた丸みは落ちつき、幾分か大人っぽくなったと自負していた頰は今、痛々しく腫れ始めている。
明日の朝にはもっと酷い色になることだろう。口の中も切ってしまっているので少し表情を変えるだけでビリビリと痛む。
「あちゃー…ママ怒るかなぁ」
まだこの状況を知らせていないトリエルが、この顔を見たらどうなってしまうのか。怒ると怖い養母を想像し、フリスクは震え上がった。
そしてそれ以上に悲しませてしまうであろうことがため息を深くさせる。まったく、今回は本当に下手を打ってしまったものだ。
「ほい、冷やしなよ」
tooka_4120
MAIKING線画ようやく終わった...最近肩痛めているのでなかなか進められないのもどかしいです。(できれば今のタイミングでひいあい花火イラストもう一枚投稿したい)
今度手術受けるんですけどそれで調子よくなるといいなぁ(単にしこりとるだけなので別にヤバくはないです)
だいき
MAIKING二万字は書いてあるんですが、短編まとめみたいになる予定なので進捗としては40%くらいで抜けがあります出来ているトコだけ
※なんでも許せる人向け
椒モのまとめ仮出会い、過去の日常、バージョン2.5の話
※なんでも許せる人向け
◆序
星神、薬師という神を祀る「豊穣の民」彼等はその信仰により不老不死の恩恵を受けたという。豊穣信仰、薬王秘伝の蒔者たち信徒にモゼは育てられた。曜青にとって薬王秘伝は敵だ。子供の頃はそんな事なんて知らなかった。
「その時が来たら、互いに意志を継承しようではないか」
ただ家族が望むから、家族になれるならと、読める訳じゃない意味が分かる訳じゃない何かの文章を、それでも文字の形を覚えて書き、音を覚えて声に出せるようにもなった。
「蒔者は一心なり、共に仙道を登らん。苦難を乗り越えし者は、勝利すなわち生を得る」
家族は言う。蒔者になりたければ決闘で勝てと、そう言われて最初は偶然に野獣の牙を赤い口を避けて、手にした匕首が奇跡的な一撃を与えた事で死ななかった。周りに人がいた気がするのに、仲間だと家族が言っていたそれらが野獣に喰われたらしい真っ赤に塗装されたような床が朧げな記憶の中にある。
19723※なんでも許せる人向け
◆序
星神、薬師という神を祀る「豊穣の民」彼等はその信仰により不老不死の恩恵を受けたという。豊穣信仰、薬王秘伝の蒔者たち信徒にモゼは育てられた。曜青にとって薬王秘伝は敵だ。子供の頃はそんな事なんて知らなかった。
「その時が来たら、互いに意志を継承しようではないか」
ただ家族が望むから、家族になれるならと、読める訳じゃない意味が分かる訳じゃない何かの文章を、それでも文字の形を覚えて書き、音を覚えて声に出せるようにもなった。
「蒔者は一心なり、共に仙道を登らん。苦難を乗り越えし者は、勝利すなわち生を得る」
家族は言う。蒔者になりたければ決闘で勝てと、そう言われて最初は偶然に野獣の牙を赤い口を避けて、手にした匕首が奇跡的な一撃を与えた事で死ななかった。周りに人がいた気がするのに、仲間だと家族が言っていたそれらが野獣に喰われたらしい真っ赤に塗装されたような床が朧げな記憶の中にある。
たんごる
MAIKING娘にめっちゃオススメされて見たミルキーサブウェイよりマキナちゃん。キャラデザかわいくて、ゆるく見てます。
初見で、マキナちゃんとMaxが気になります。
娘はカート推してるようです…ほんと内山昂輝ボイスキャラばかり好きになる子ですよこの子は…。
tw6mp9
MAIKING「いつか」をそろそろ今にして乱太郎には、五つ上の恋人がいる。その人物とは、最高学年である六年生で乱太郎と同じ保健委員会に所属している六年は組の善法寺伊作だ。不運大魔王として度々不運が重なり、二人で出かけている時も帰りに猪に追いかけられたり、小銭落としたりという不運があったりするけれどそんな不運でもふたりで出かけることが楽しくて、嬉しいし、いつでも伊作は乱太郎に優しくて、甘ったるい声で自分の名前を呼んでくれて、好きだよとか、大好きだよ。という気持ちをいつでも伝えてくれるものだから、乱太郎には申し分ないほどいい恋人だと思っている。だけど、そんな申し分ないほど良い恋人だと思っている伊作に、ひとつ、乱太郎はある不満を抱えていた。
その不満というのは、伊作が乱太郎に口吸いをしてくれないということだけだ。好きだよ、大好きだよといつもありったけの愛を乱太郎に運んでくれて、愛おしそうに見つめて抱きしめてくれるのに乱太郎が目を閉じて口吸いをされるのを待っていても、そういうのは乱太郎が大人になってからだとか、今はこれで我慢してね。と頬や額にチュッと音を立てられて違うところに口吸いをされるのだ。
520その不満というのは、伊作が乱太郎に口吸いをしてくれないということだけだ。好きだよ、大好きだよといつもありったけの愛を乱太郎に運んでくれて、愛おしそうに見つめて抱きしめてくれるのに乱太郎が目を閉じて口吸いをされるのを待っていても、そういうのは乱太郎が大人になってからだとか、今はこれで我慢してね。と頬や額にチュッと音を立てられて違うところに口吸いをされるのだ。
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MAIKING忍務で女の人と一緒にいる所を町で偶然発見してしまった乱と利の話スケッチの小道具を買いに行く▶︎町で女の人とキスしている所を発見する▶︎忍務だと分かっているので気にしない乱と気にしてほしい(嫉妬して欲しい)利▶︎でも本当はめっちゃ妬いてて、キスをかます乱▶︎それを可愛いと思う利のはなしですかいてください
かわいい鎖骨を齧る先日ひとり裏山で薬草スケッチをしていた所、絵筆がバキッという音を立てて折れた。幸いまだ絵筆のストックはありそのままスケッチをする事は出来たのだが、壊れた絵筆は細い筆で細やかなタッチが必要なときにいるものなので、思い立ったが吉日ということで乱太郎はひとり外出届を出して絵筆が置いてあり、他にも画材道具が売っているいつも買いに行く店がある町へと繰り出していた。
本来ならばいつも乱太郎の両隣にいるきり丸としんベヱも一緒に来てくれるはずだったのだが、生憎ふたりとも土井先生から補習を言い渡されてしまい、こうしてひとりで町へと出かけているわけである。
「いつもありがとう。毎度あり。」
「こちらこそいつもありがとうございますっ!」
509本来ならばいつも乱太郎の両隣にいるきり丸としんベヱも一緒に来てくれるはずだったのだが、生憎ふたりとも土井先生から補習を言い渡されてしまい、こうしてひとりで町へと出かけているわけである。
「いつもありがとう。毎度あり。」
「こちらこそいつもありがとうございますっ!」
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MAIKINGタイトル未定 転生パロ 仙乱乱太郎は毎年、同じ時期に必ずと言っていいほど見る夢があった。桜が散る頃に綺麗な花を咲かせる藤の花の時期に乱太郎が見る夢。
それは、藤の花が咲き誇る藤棚で誰かと会う夢である。物心ついた頃から、その夢を見るようになりこの夢とはもう長い付き合いになる。
乱太郎。と甘やかな声で自分の名前を呼ばれ、手を繋いで藤の花を見ている自分ともう一人の誰か。顔はいつも藤の花と靄に隠されていて、その人がどんな顔か拝めることは出来ないが、唯一、藤の花と同じような綺麗な紫の髪色だけがその人が動く度に揺れている。
「…先輩、また見に来ましょうね。絶対ですよ!」
「こら、先輩ではないだろう?」
二人きりの時はなんと呼ぶんだった?と言われると、自分がまじまじと照れながら…さん!とその人の名前を呼んだ。
580それは、藤の花が咲き誇る藤棚で誰かと会う夢である。物心ついた頃から、その夢を見るようになりこの夢とはもう長い付き合いになる。
乱太郎。と甘やかな声で自分の名前を呼ばれ、手を繋いで藤の花を見ている自分ともう一人の誰か。顔はいつも藤の花と靄に隠されていて、その人がどんな顔か拝めることは出来ないが、唯一、藤の花と同じような綺麗な紫の髪色だけがその人が動く度に揺れている。
「…先輩、また見に来ましょうね。絶対ですよ!」
「こら、先輩ではないだろう?」
二人きりの時はなんと呼ぶんだった?と言われると、自分がまじまじと照れながら…さん!とその人の名前を呼んだ。
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MAIKING転生パロ・伊乱予定生まれてから今に至るまで乱太郎は何かを忘れているようなそんな感覚を持って生きていた。その何かは、乱太郎にとってとても大事なものだった気がする。でも、それが何なのか乱太郎には考えてもわからないので、今日も何かを忘れたまま乱太郎は生きている。
「わ、綺麗っ!」
授業が終わってひとりで帰路に付いていると、空には虹がかかっていた。乱太郎は思わず綺麗だと言ってスマホを取り出してシャッターを切って、後ろを振り向く。
「ねえ、綺麗です…ね、ってあれ?」
なんで私後ろを振り向いたんだろう…?
240「わ、綺麗っ!」
授業が終わってひとりで帰路に付いていると、空には虹がかかっていた。乱太郎は思わず綺麗だと言ってスマホを取り出してシャッターを切って、後ろを振り向く。
「ねえ、綺麗です…ね、ってあれ?」
なんで私後ろを振り向いたんだろう…?
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MAIKINGずっとあたためていた恋心(さこ乱)ずっと左近のことが好きな乱と、叶わない恋をしていると思っている左近の話
四年ほど前からずっと、叶うはずのない恋をしている。それは、とても不毛な恋だった。自分が相手に向けている感情が恋だと知った時にはもう、終わっていたのだ。終わっていると思いながらも、叶わないと思いながらも左近はこの恋を捨てることはできなかった。
だから、せめて。自分が忍術学園に在籍する間だけはどうか、と左近は願う。せめて、この学園にいる間は彼の隣で居られたら。と思うのだ。
左近が恋をしていることに気づいたのは、二年生の頃だった。一年生から上がったことで、自動的に後輩ができてどんな奴らか可愛がってやろうかと同じい組の三郎次と意気込んでいた時のことだ。初めてできた後輩たちにどうしても先輩面をしてみたくて、前年自分たちが使っていた教室から手当り次第に一年生の教室に足を運んだ時に所謂一目惚れというものをした。それが彼、乱太郎との出会いである。最初はまだ恋が、一目惚れというものが分からない年頃で、
435四年ほど前からずっと、叶うはずのない恋をしている。それは、とても不毛な恋だった。自分が相手に向けている感情が恋だと知った時にはもう、終わっていたのだ。終わっていると思いながらも、叶わないと思いながらも左近はこの恋を捨てることはできなかった。
だから、せめて。自分が忍術学園に在籍する間だけはどうか、と左近は願う。せめて、この学園にいる間は彼の隣で居られたら。と思うのだ。
左近が恋をしていることに気づいたのは、二年生の頃だった。一年生から上がったことで、自動的に後輩ができてどんな奴らか可愛がってやろうかと同じい組の三郎次と意気込んでいた時のことだ。初めてできた後輩たちにどうしても先輩面をしてみたくて、前年自分たちが使っていた教室から手当り次第に一年生の教室に足を運んだ時に所謂一目惚れというものをした。それが彼、乱太郎との出会いである。最初はまだ恋が、一目惚れというものが分からない年頃で、