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    ZeRo_Roku_

    CAN’T MAKE暗い話になる予定なので閲覧は自己責任でお願いします。
    人魚銀土前編『決心』

    俺の恋人は人魚だ。

    最初にアイツが浜に打ち上げられてた所を見つけた時は、とうとう俺は飢餓状態が長すぎて気が狂いだしたんだと卒倒した。気を失ったのも一瞬の間のようだったようだが、目が覚めもう一度奴を見ると、ちゃんと腰から下が鱗で覆われていた為、幻覚では無かったと再認識し、清々しい笑みを浮かべて俺は再度卒倒した。助けた後に分かったことだが、黒く輝く髪とよく似て美しい輝きを放つ鱗を身に纏ったこの人魚は土方といい、あろう事かあの真選組の一員であるようだ。正直何がどうなって人魚であるこいつが真選組の副長の地位にまで上り詰めたのかは気になるところではあるが、ここまでくるともうどうでもよくなった。それより俺が困っていることは、ここ最近の記憶のほとんどが飛んでしまっている事だ。感覚としては、小学校の頃のアルバムを見つけてふと開いてみたらある特定の人の顔だけが切り取られていて、その人の顔が思い出せない不快さと、何故穴が空いているのか何故思い出せないのかという気持ち悪さが混ざりあったような感じだ。さて、俺は冒頭で俺の恋人は人魚だと言った為、土方くんが俺の恋人だということは皆も分かっていることだろう(どういう経緯で恋人になったかは割愛させてくれ、いつかその話はしてやるつもりだ)。そして俺が浜に打ち上げられていた土方のことを助けた(俺が人魚が存在しているのを目の当たりにして卒倒したということでもまあ別に良い)ということは、俺が人間であるのだということも説明しなくても分かるだろう。
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    ss8_is_ss

    CAN’T MAKEバレンタイン真イヌ
    SS通い始めの頃から欠かさず毎年チョコあげてる🐶ぴ
    チロルチョコ1個に始まって子どもが出来る精一杯を上げてたけど真ちゃんからお返し貰ったこと無くてでもあんまり気にしたことなかった20歳の年のバレンタイン真ちゃんがキメッキメでめちゃくちゃベタな告白する話を書きたかったのにプレゼントのとこはしおってせめてやらしいとこまでいこうとしたら途中で気力が尽きちゃいました
    S・Sのバレンタイン真っ白な頬が薄いピンクに染まり、見る度綺麗な花緑青の瞳は伏せられ長い睫毛が震えている。その姿がたまらなく可愛かった。しかもオレへ差し出すちっこい手の上には一つのチロルチョコ。




    「……これ、真一郎くん貰って」




    そう言った姿にオレは愛おしいと思ってしまった。まだ小学生の男の子。オレよりオレの弟の万次郎と歳が近いその子に圭介や春千夜には抱かない感情を抱いてしまった。




    「ありがとな、青宗」





    それを隠すようにチロルチョコを取り撫で慣れた柔らかいブロンドに手を置く。いつもと違いわしゃわしゃと撫でて抱く感情に蓋をした。





    「ううん!貰ってくれてありがとう!」




    なのにさっきまでの照れを感じさせないデカい目を閉じるかのように細めて、口を限界まで開けた笑顔は純で無垢で何よりも美しくて。胸に何かがとぐろをまくのが自分でよく分かる。愛おしさとその何かはイザナや万次郎、エマに対するものと明らかに違ってて、また圭介や春千夜とも違っていた。
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