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REHABILIゆる〜い現パロ(警察官×教師)ですクロロレ
離婚して再婚するやつ(仮)16 精神科のリソースにも限界がある。治療を拒否する患者より医者や臨床心理士の言うことを聞いてくれる患者が望ましいし、理由はともかくクロードのように途中で消える患者など慣れっこだろう。
「まず自分のことを考えたのね〜?自分を否定的にとらえたのは何故かしら?」
「自分がこんな有り様だからローレンツが動揺している、と思った」
会えない間にまっすぐな紫の髪が少し伸びていた。気になって整えていたから願掛けとして成立していないと思う、と照れくさそうに微笑んでいたのに今は別々に暮らしている。
「待ってちょうだい。そこはクロードが責任を感じることではないわ。そうよね、ローレンツ?」
「僕の感情は僕のものだ!動揺という単語にも異議を唱えたい。それに責任を感じるなら尚更、医療に頼るべきではなかったのか?」
952「まず自分のことを考えたのね〜?自分を否定的にとらえたのは何故かしら?」
「自分がこんな有り様だからローレンツが動揺している、と思った」
会えない間にまっすぐな紫の髪が少し伸びていた。気になって整えていたから願掛けとして成立していないと思う、と照れくさそうに微笑んでいたのに今は別々に暮らしている。
「待ってちょうだい。そこはクロードが責任を感じることではないわ。そうよね、ローレンツ?」
「僕の感情は僕のものだ!動揺という単語にも異議を唱えたい。それに責任を感じるなら尚更、医療に頼るべきではなかったのか?」
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離婚して再婚するやつ(仮)15 メルセデスがローレンツたちに厳命したのは言葉を遮らないこと、だった。ローレンツたちはお互いの言葉に耐えねばならない。カウンセリングルームのインテリアは優しい色合いで統一されている。そして置き時計や花瓶など掴んで振り下ろせるようなものがない。
激昂したクライアントが暴力に及ばないよう工夫されている。花は飾られていないが壁紙は花柄だ。依頼人が心地よく過ごせるような工夫がしてある。そのコンセプトにローレンツは好感を持った。
「この男は共に暮らすこの僕を適当な嘘であしらい、心身の不調について隠した」
この思いは当時から全く変わらない。クロードは自分の闇に巻き込みたくない、と言っていたがそういう問題ではなかった。病める時も健やかなる時も共に、と女神に誓ったあの言葉は嘘だったのか。
952激昂したクライアントが暴力に及ばないよう工夫されている。花は飾られていないが壁紙は花柄だ。依頼人が心地よく過ごせるような工夫がしてある。そのコンセプトにローレンツは好感を持った。
「この男は共に暮らすこの僕を適当な嘘であしらい、心身の不調について隠した」
この思いは当時から全く変わらない。クロードは自分の闇に巻き込みたくない、と言っていたがそういう問題ではなかった。病める時も健やかなる時も共に、と女神に誓ったあの言葉は嘘だったのか。
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離婚して再婚するやつ(仮)14 ローレンツは物分かりがとても良く、クロードが勤務のせいで彼を放置しっぱなしでも機嫌を損ねるようなことはなかった。彼は彼で仕事で多忙だったこともあり、結婚したての頃は上手くいっていたように思う。
クロードがそう述べるとアネットの親友だというメルセデスはそうなのね、と言って頷いた。隣の椅子に座るローレンツは腕組みをして黙っている。話し合いってとっても難しいから私のことを頼ってね、と最初にそう言われたからだ。
それは彼が教え子たちに常々伝えていることでもある。殴り合いや口喧嘩よりもずっと難しいからこそチャレンジして欲しい、その手伝いをするから───その指導方針を知った時、クロードは柄にもなく感動したのだ。彼の教え子が増えれば多分この街は変わる。
969クロードがそう述べるとアネットの親友だというメルセデスはそうなのね、と言って頷いた。隣の椅子に座るローレンツは腕組みをして黙っている。話し合いってとっても難しいから私のことを頼ってね、と最初にそう言われたからだ。
それは彼が教え子たちに常々伝えていることでもある。殴り合いや口喧嘩よりもずっと難しいからこそチャレンジして欲しい、その手伝いをするから───その指導方針を知った時、クロードは柄にもなく感動したのだ。彼の教え子が増えれば多分この街は変わる。
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離婚して再婚するやつ(仮)13 保護者たちが子供の頃は毎日撃ち合いがあったと聞く。しかしローレンツにとって銃を向けられるという体験は実に恐ろしく中々忘れられそうにない。流石に翌日はどの授業も自習にしたが何かしていないとあの瞬間を思い出してしまうため、ローレンツは毎日十九時半まで職場にいる。
アネットも同じ時間に退勤する時は駅まで一緒に行くことにしていた。大学時代、キャンパスに迷い込んだ附属中学の生徒と間違えて声をかけたのがアネットとの出会いで、それ以来ローレンツは彼女に頭が上がらない。そのアネットが肘を掴んだのでローレンツは踵を返すのをやめた。路肩にはクロードの車が停まっている。
「何の用だ」
騒ぎになるのも嫌だったので仕方なく窓を全開にしていたクロードに近づくと彼は封筒を寄越した。住所が見知らぬ筆跡で書いてある。封がされていなかったので中を確かめようとするとクロードが捜査用に使っているペンライトを点けてくれた。確かに街灯の灯りだけでは心許ない。
960アネットも同じ時間に退勤する時は駅まで一緒に行くことにしていた。大学時代、キャンパスに迷い込んだ附属中学の生徒と間違えて声をかけたのがアネットとの出会いで、それ以来ローレンツは彼女に頭が上がらない。そのアネットが肘を掴んだのでローレンツは踵を返すのをやめた。路肩にはクロードの車が停まっている。
「何の用だ」
騒ぎになるのも嫌だったので仕方なく窓を全開にしていたクロードに近づくと彼は封筒を寄越した。住所が見知らぬ筆跡で書いてある。封がされていなかったので中を確かめようとするとクロードが捜査用に使っているペンライトを点けてくれた。確かに街灯の灯りだけでは心許ない。
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離婚して再婚するやつ(仮)12 家族が事件関係者になった場合は捜査から外されるのが通例だ。しかしクロードとローレンツは離婚が成立していたのでそのままリシテアの補助についている。
「あんたの元夫、どうやら正当防衛が認められそうですよ」
銃声と黒魔法の発動音は全く違う。事件現場となったバーが繁華街にあり安普請であったことから音がした順番に関して、複数の通行人から証言を取ることができた。銃声が先、アグネアの矢が後、と内容も完全に一致している。
「きっとローレンツ先生の日頃の行いがいいからだな」
睡眠不足のせいで目の下に隈を作ったリシテアがクロードを睨みつけている。勿論、クロードの書類仕事が遅いせいではない。
「あんたって本当に人のこと弄びますよね」
963「あんたの元夫、どうやら正当防衛が認められそうですよ」
銃声と黒魔法の発動音は全く違う。事件現場となったバーが繁華街にあり安普請であったことから音がした順番に関して、複数の通行人から証言を取ることができた。銃声が先、アグネアの矢が後、と内容も完全に一致している。
「きっとローレンツ先生の日頃の行いがいいからだな」
睡眠不足のせいで目の下に隈を作ったリシテアがクロードを睨みつけている。勿論、クロードの書類仕事が遅いせいではない。
「あんたって本当に人のこと弄びますよね」
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離婚して再婚するやつ(仮)11 クロードにちょっかいを出されている間もローレンツの仕事用スマートフォンにはメッセージがひっきりなしに届いていた。供述を取りたいので後日、都合の良い時で構わないから署まで来て欲しいという警察からのものもあれば校長やアネットからのものある。元夫と違って真面目な警察官からローレンツの勤務校に連絡が入ったのだろう。
悔しい話だがローレンツは元夫が警察官なので捜査に理解があり逃亡の恐れなし、と判断された。だから今、自宅で誰からも邪魔されず食事しながら校長やアネットの生徒やローレンツを案じたメッセージを読むことができる。何かを食べながらスマートフォンを弄るなど実家にいた頃ならあり得なかった。これもクロードの影響で、どんなに足掻いても彼に灼かれた跡が消せない。
948悔しい話だがローレンツは元夫が警察官なので捜査に理解があり逃亡の恐れなし、と判断された。だから今、自宅で誰からも邪魔されず食事しながら校長やアネットの生徒やローレンツを案じたメッセージを読むことができる。何かを食べながらスマートフォンを弄るなど実家にいた頃ならあり得なかった。これもクロードの影響で、どんなに足掻いても彼に灼かれた跡が消せない。
小栗ビュン
REHABILI牛天ワンライ「午前零時」「海岸」「黒板」ホワイトボード教室のホワイトボードの前に立つ。白鳥沢学園高校には黒板がない。あまり好きじゃない過去にはいつも真っ黒の黒板があった。そしてそこには、誰かが書いた自分の悪口。
「妖怪」
そういった数々のあだ名と雑言。しかし不登校にはならなかった。幼い頃に心を殺す術を見つけてしまったがために、生き抜くことを自然と選んでしまった。どうせ義務教育など、義務でしかないのだ。たかが数年生きられれば、あとはどうにでもなる。
大人になれば、自由だ。何に染まることもない。逆に何かに染まってしまえばいい。自分を染めるものを選べるのが大人なのだ。そう思って生きてきた。誰かと交わることなんてないだろうと思っていた。
期待なんてしない。そんなものは持たない。使い古したバレーボールをひとつ持って、ただコートに立つ。勿論主役なんてなれない。けれど、何かを操作できるあの感じは、とても好きだった。自分で決められる何か。相手の悔しがる顔、仲間に驚かれる顔。そういうものに喜びを感じられる唯一のものだった。
2451「妖怪」
そういった数々のあだ名と雑言。しかし不登校にはならなかった。幼い頃に心を殺す術を見つけてしまったがために、生き抜くことを自然と選んでしまった。どうせ義務教育など、義務でしかないのだ。たかが数年生きられれば、あとはどうにでもなる。
大人になれば、自由だ。何に染まることもない。逆に何かに染まってしまえばいい。自分を染めるものを選べるのが大人なのだ。そう思って生きてきた。誰かと交わることなんてないだろうと思っていた。
期待なんてしない。そんなものは持たない。使い古したバレーボールをひとつ持って、ただコートに立つ。勿論主役なんてなれない。けれど、何かを操作できるあの感じは、とても好きだった。自分で決められる何か。相手の悔しがる顔、仲間に驚かれる顔。そういうものに喜びを感じられる唯一のものだった。
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離婚して再婚するやつ(仮)10 よりによって他人、とカテゴライズされたショックで言葉が出なかったクロードを尻目にローレンツは買ったものを冷蔵庫にしまっている。油断しきっている彼を後ろから抱きしめた。香水の好みは以前と変わっていないらしく甘い香りがする。腕の中におさめた身体は反射的に固くなったが耳元で名前を呼ぶと力は抜けた。
身体の向きを変えさせて味わった、彼の薄い唇の柔らかさや咥内の熱さ、薄くて少し長めの舌が絡みついた感触はあの頃のまま変わらない。以前のように快感に集中するため目をきつく閉じてクロードにしがみついてくれたら、と心の底から思う。
だが、ローレンツがこういう時に唇を塞いでなんとかなるようなタイプならそもそも離婚していない。最後に一度だけと縋った晩、彼はずっと白い身体を弄るクロードの顔を冷めた顔で見ていた。結婚前の厳しくも優しい視線とは全く違う。生理的な反応を見せ、熱く締め付ける内側と冷たい視線の格差にクロードは結婚生活の終わりを痛感した。仕事で心を麻痺させてやり過ごす日々は今も続いている。
970身体の向きを変えさせて味わった、彼の薄い唇の柔らかさや咥内の熱さ、薄くて少し長めの舌が絡みついた感触はあの頃のまま変わらない。以前のように快感に集中するため目をきつく閉じてクロードにしがみついてくれたら、と心の底から思う。
だが、ローレンツがこういう時に唇を塞いでなんとかなるようなタイプならそもそも離婚していない。最後に一度だけと縋った晩、彼はずっと白い身体を弄るクロードの顔を冷めた顔で見ていた。結婚前の厳しくも優しい視線とは全く違う。生理的な反応を見せ、熱く締め付ける内側と冷たい視線の格差にクロードは結婚生活の終わりを痛感した。仕事で心を麻痺させてやり過ごす日々は今も続いている。
aoitori5d
REHABILILC百物語によせて書いたローコラですが終始モブ視点で進みます。ホラーとかではないです。Find Out 下校のチャイムが鳴っている。リンゴン、リンゴンという重たい鐘の音は、どうして早く帰らなくては、という気にさせるのだろう。無性に気が焦り、心臓の鼓動が早くなる。いつもはこんな風に急かされるのが嫌ですぐに支度を整えて帰るのに、日直の当番ノートを書いていたら随分時間が経ってしまっていたようだった。慌ただしく荷物をランドセルに詰め肩に担ぐ。自分以外はもう帰ってしまっただろうが、その時は何故か、自分の他に教室に誰も残っていないだろうかと入り口の前、引き戸に手を掛けながら室内をぐるりと見渡した。そこで、教室の一番後ろ、窓際の席に金色の丸い頭があることに気が付いた。
「……あれ? ──くん? ぼくもう帰るけど、きみは?」
12217「……あれ? ──くん? ぼくもう帰るけど、きみは?」
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REHABILIゆる〜い現パロ(警察官×教師)クロロレ
離婚して再婚するやつ(仮)9 離婚した時これでクロードの車には二度と乗らないだろう、ローレンツはそう思っていた。大柄なローレンツのことを考えてクロードが選んだ大きなオフロード車で助手席に乗り込むと体がシートに馴染む。
「職場放棄だなんてらしくないことしたな」
本当にどうしてあんなことをしでかしてしまったのだろう。
「反省している……」
本当は分かっている。筒の中に違法な薬物が入っていた、と教師が確認してしまったらあの生徒はその時点で少年院行きだ。少年院から高校進学することは不可能ではないが家庭のサポートがない子には難しい。筒がオーナーの手に渡った瞬間を狙って通報しようとローレンツはタイミングを測っていたが失敗した。
「何にしても怪我がなくて良かった。食い物とか飲み物とか買わなくて平気か?」
962「職場放棄だなんてらしくないことしたな」
本当にどうしてあんなことをしでかしてしまったのだろう。
「反省している……」
本当は分かっている。筒の中に違法な薬物が入っていた、と教師が確認してしまったらあの生徒はその時点で少年院行きだ。少年院から高校進学することは不可能ではないが家庭のサポートがない子には難しい。筒がオーナーの手に渡った瞬間を狙って通報しようとローレンツはタイミングを測っていたが失敗した。
「何にしても怪我がなくて良かった。食い物とか飲み物とか買わなくて平気か?」
小栗ビュン
REHABILI20230917牛天ワンライ夜の部、お題「涙」侵入者誰に何を言われても、誰かに負けても、誰かに勝っても、卒業式を迎えても、泣かなかった。笑い転げて泣きそうになったことは何度もある。自分の頬に涙が伝っていく記憶はもう久しくない。
兄弟子に褒められても、師に褒められても、呆れられても、泣かなかった。
そうしてこうして、今日までなんとなく生きてきて、二十数年間。
泣きたくなったことは何度かある。その原因は全て初恋の相手、牛島若利にある。
兄弟子に夜を誘われて、断る理由もなく遊んでみた。西洋人の体の作りに惚れ惚れしたものだが、やはりあの全身バネのような筋肉が恋しくなる。牛島若利のあの体で遊べたことはない。遊ぼうだなんて思ったこともないのだが。体で遊んでくれるようなタイプでもない。健全な高校生をしていたのだ。
4020兄弟子に褒められても、師に褒められても、呆れられても、泣かなかった。
そうしてこうして、今日までなんとなく生きてきて、二十数年間。
泣きたくなったことは何度かある。その原因は全て初恋の相手、牛島若利にある。
兄弟子に夜を誘われて、断る理由もなく遊んでみた。西洋人の体の作りに惚れ惚れしたものだが、やはりあの全身バネのような筋肉が恋しくなる。牛島若利のあの体で遊べたことはない。遊ぼうだなんて思ったこともないのだが。体で遊んでくれるようなタイプでもない。健全な高校生をしていたのだ。
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REHABILIゆる〜い現パロ(警察官×教師)クロロレ
離婚して再婚するやつ(仮)8 繁華街で黒魔法の使用騒ぎがあると警察無線が途端にやかましくなる。現場は薬の売人が溜まり場にしているバーで使用されたのがウインド程度なら外から確認だけして放っておくような店だ。
だが今回使用されたのは上級魔法であるアグネアの矢で管区内にあんなものをぶっ放せる人物はほんの僅かしかいない。クロードはそのうちの一名に心当たりがある。予感が当たっていて欲しいのか外れていて欲しいのか自分でもよく分からない。
現着したクロードの目に真っ先に入ったのはまだらに黒焦げになった店内と泣きながら謝り続ける生徒を落ち着かせようと抱きしめるローレンツの姿だった。リシテアに手錠を掛けられているバーの店主と彼は本来なら住む世界が違う。ガルグ=マクやデアドラにある名門校に勤められたのに彼はクロードと共にいることを選んで、離婚した後もまだベルグリーズに居着いている。
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現着したクロードの目に真っ先に入ったのはまだらに黒焦げになった店内と泣きながら謝り続ける生徒を落ち着かせようと抱きしめるローレンツの姿だった。リシテアに手錠を掛けられているバーの店主と彼は本来なら住む世界が違う。ガルグ=マクやデアドラにある名門校に勤められたのに彼はクロードと共にいることを選んで、離婚した後もまだベルグリーズに居着いている。
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REHABILIゆる〜い現パロ(警察官×教師)です。クロロレ
離婚して再婚するやつ(仮)7 生徒の人相や特徴をひととおり聞き出してから私用電話への着信拒否は解除しないが感謝する、と言ってローレンツは元夫との通話を終えた。
不登校もしくは不登校気味な生徒たちの顔と名前を下の学年から一人ずつ思い出していく。おそらくクロードが説諭したのは九年生の生徒だろう。父子家庭の次男で何度か保護者と連絡を取ったが必要性を感じていないのか反応が鈍く、安定した登校への協力は期待できそうにない。
それにしてもクロードには呆れてしまった。結婚していた頃は効率よく連絡を取るため時間割をシェアしていたが離婚した今は当然、そんなことをしていない。彼はどうやって今年度の時間割を手に入れたのだろうか。何にしてもあと十分早ければクロードからの電話を受けることはできなかった。離婚してから努力されても戸惑ってしまう。
943不登校もしくは不登校気味な生徒たちの顔と名前を下の学年から一人ずつ思い出していく。おそらくクロードが説諭したのは九年生の生徒だろう。父子家庭の次男で何度か保護者と連絡を取ったが必要性を感じていないのか反応が鈍く、安定した登校への協力は期待できそうにない。
それにしてもクロードには呆れてしまった。結婚していた頃は効率よく連絡を取るため時間割をシェアしていたが離婚した今は当然、そんなことをしていない。彼はどうやって今年度の時間割を手に入れたのだろうか。何にしてもあと十分早ければクロードからの電話を受けることはできなかった。離婚してから努力されても戸惑ってしまう。
翠雨(すいう)
REHABILIツシマ/イニリュ/現代パロ/お題ガチャ「どえろいスケベしろ」https://odaibako.net/gacha/15000?share=tw&id=06a0f45c9fec4ae6870ec7172742301dの「37」です。 1989111strokes111
REHABILIゆる〜い現パロ(警官×教師)です。クロロレ
離婚して再婚するやつ(仮)6 先日、ローレンツが警察署まで迎えに来た五年生の児童は簡単に引き返せる。ナイフを見せびらかしてしまうくらい幼かったので周りの大人も早めに彼の問題に気づくことができた。
だが小銭欲しさに運び屋をするような子供は自分が何に関わったのか、を自分自身からも隠してしまう。止めてくれる大人がいない環境で育った子供は肯定される体験が少ない。自分を褒めてくれる悪い大人のために中身に気付かないふりをして頑張ってしまう。麻薬も金も筒状で蓋がついているポテトチップの容器に隠されてしまうと自由に麻薬探知犬が使えないクロードたちからは声がかけにくい。
現在、クロードから疑いの目を向けられている制服姿の少年は背の高さから言っておそらく八年生か九年生だ。とにかく腹の減る年頃なので普通なら彼が持っている炭酸飲料とポテトチップは午前中には全て胃の中に消えてしまうだろう。
948だが小銭欲しさに運び屋をするような子供は自分が何に関わったのか、を自分自身からも隠してしまう。止めてくれる大人がいない環境で育った子供は肯定される体験が少ない。自分を褒めてくれる悪い大人のために中身に気付かないふりをして頑張ってしまう。麻薬も金も筒状で蓋がついているポテトチップの容器に隠されてしまうと自由に麻薬探知犬が使えないクロードたちからは声がかけにくい。
現在、クロードから疑いの目を向けられている制服姿の少年は背の高さから言っておそらく八年生か九年生だ。とにかく腹の減る年頃なので普通なら彼が持っている炭酸飲料とポテトチップは午前中には全て胃の中に消えてしまうだろう。