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SPUR ME花火を観に行くイコプリと迅三輪。ギャグでしかない。
花火「今度隣町で花火大会するやんか? 一緒に行けへん?」
王子が面白いと尊敬してやまない生駒からお誘いを受け、空に舞いたいほど有頂天となった王子は即座に「行く!!」と返事した。
「そんでな、迅も一緒やねん」
「え……ふたりっきりじゃないの?」
「ああ、2人やとこの花火大会は過酷すぎる。三輪も連れてくる言うてたから俺ら無敵やで」
「三輪くんも来んの?!」
「数は多ければ多いほどええ」
「ぼく、三輪くん苦手なんだけど!」
「仲良うなれるチャンスやな」
「やだ! イコさんとふたりきりがいい!」
「我儘言いな。俺はオージのためを思うて言うてるんやで? 俺はなぁ、オージにきれいな花火を見て貰いたいんや」
真っ直ぐな瞳でそう訴えられると惚れた弱みからか、王子は目を逸らし「わかったよ……」と頷いてしまう。
3138王子が面白いと尊敬してやまない生駒からお誘いを受け、空に舞いたいほど有頂天となった王子は即座に「行く!!」と返事した。
「そんでな、迅も一緒やねん」
「え……ふたりっきりじゃないの?」
「ああ、2人やとこの花火大会は過酷すぎる。三輪も連れてくる言うてたから俺ら無敵やで」
「三輪くんも来んの?!」
「数は多ければ多いほどええ」
「ぼく、三輪くん苦手なんだけど!」
「仲良うなれるチャンスやな」
「やだ! イコさんとふたりきりがいい!」
「我儘言いな。俺はオージのためを思うて言うてるんやで? 俺はなぁ、オージにきれいな花火を見て貰いたいんや」
真っ直ぐな瞳でそう訴えられると惚れた弱みからか、王子は目を逸らし「わかったよ……」と頷いてしまう。
shimo_anko_2272
SPUR MEほんまに書き上げます ほんまに黒コー あの後、俺は仕事が増えて、インタビューやらなんやらが終わってからすぐ、リュックひとつにカメラを抱えて世界を飛び回る日々を過ごしている。
人間は星空が好きだ。視界の端から端までの暗闇に無数に浮かぶ小さな光。その一部を写真として切り取って、記事にする。夜空の写真だけを何枚撮っただろうか。
でもそのどれもがあの日と同じじゃなかった。
星空を見ると思い出す。丸い眼に映る景色を。つんと尖った鼻先が赤くなっているのを。引き締まったフェイスラインは彼が大人の男であることを示しているのに、子どものように見開かれた目が記憶に焼き付いている。あの時もっと言葉を交わしておけばよかったのだろうか。もう名前を声に出しても返事が返ってこない。脳内で呼んだらめんどくさそうに返事が聞こえる気がする。なんで彼のことだけを思い出すのか、答えを知る術も失っている。
1870人間は星空が好きだ。視界の端から端までの暗闇に無数に浮かぶ小さな光。その一部を写真として切り取って、記事にする。夜空の写真だけを何枚撮っただろうか。
でもそのどれもがあの日と同じじゃなかった。
星空を見ると思い出す。丸い眼に映る景色を。つんと尖った鼻先が赤くなっているのを。引き締まったフェイスラインは彼が大人の男であることを示しているのに、子どものように見開かれた目が記憶に焼き付いている。あの時もっと言葉を交わしておけばよかったのだろうか。もう名前を声に出しても返事が返ってこない。脳内で呼んだらめんどくさそうに返事が聞こえる気がする。なんで彼のことだけを思い出すのか、答えを知る術も失っている。