ネームレス
髭泥棒ver.1.8
DOODLEマイクの夢小説 ネームレス、性別不問夢主 恋愛表現無しマイクの夢パン屋さんになろう(提案)
無題1番忙しいランチの時間帯を過ぎ、人のいなくなった店内で私は軽く伸びをした。慌ただしかった店内は、先程の喧騒が嘘のように穏やかな時間が流れている。空いた棚へ商品を補充し直しながら鼻歌を歌っていると、バロロロ、と店の外からバイクとも車とも違う不思議なエンジン音が轟いた。
「……あ、」
音は店の前で止まった。多分、いつもの常連さんだろう。
「いらっしゃいませ!」
「……ドモ。」
カランコロンと来客を報せるベルの音と共に現れたのは、やはり予想通りこのパン屋の常連客……マイクくんだ。恐らくこの街で知らない人は居ないだろうと思われる、自称天才科学者……Dr.クライゴアが作ったロボットである彼は、時折こうして内陸にふらっと訪れては買い物をして帰っていく。最初は私含めてみんな面食らっていたが、いつしか彼が街に現れて買い物をしていくことはすっかりダイヤモンドシティに溢れる日常の一部になっていた。
1193「……あ、」
音は店の前で止まった。多分、いつもの常連さんだろう。
「いらっしゃいませ!」
「……ドモ。」
カランコロンと来客を報せるベルの音と共に現れたのは、やはり予想通りこのパン屋の常連客……マイクくんだ。恐らくこの街で知らない人は居ないだろうと思われる、自称天才科学者……Dr.クライゴアが作ったロボットである彼は、時折こうして内陸にふらっと訪れては買い物をして帰っていく。最初は私含めてみんな面食らっていたが、いつしか彼が街に現れて買い物をしていくことはすっかりダイヤモンドシティに溢れる日常の一部になっていた。
assa_BF
SPOILERCoCシナリオ「ネームレス・カルト」未クリア× 自陣○
二年目くらいの自PCの話
前提→誕プレ決定日→渡す日
幻覚しか見えてない
捏造もたくさんしてる
今後卓中で不具合あれば変更します
それぞれに、というより今年はコレをみんなにあげよう、って感じの選び方をしそうだなという妄想 8
niho_tyn
DONE鷹村さんネームレス夢小説世話焼いてくれる話
今日も鴨川ジムは練習生と選手たちが一心不乱に練習に励んでいる。私はジムの端で活気のある声や音を聞きながら、使われた道具を掃除しつつ、整理していた。使い込まれたものは、修繕や交換しなければならない。そういったものをまとめて、箱に詰めていた。
作業が一段落して、箱を抱えて立ち上がった瞬間、すうっと血の気が引いて視界の端が暗くなった。ああ、立ちくらみだ。このまま耐えればじきに治るだろうけど、しゃがんでしまった方がいいだろうか、どこか他人事のように状況を見ていた自分が迷った束の間に、足元がふらついて身体が後ろに傾いた。なんとか足を後ろに出そうとした瞬間、何か硬いものが背中にぶつかった。
壁のようなものにそのまま身体を預けていると、じわじわと頭に血が巡っていき、次第に明るく開けていく視界に、練習風景がはっきりと映ってきた。くらくらとしていた感覚もほぼ消えたので息を吐くと、上から低い声が降ってきた。
2616作業が一段落して、箱を抱えて立ち上がった瞬間、すうっと血の気が引いて視界の端が暗くなった。ああ、立ちくらみだ。このまま耐えればじきに治るだろうけど、しゃがんでしまった方がいいだろうか、どこか他人事のように状況を見ていた自分が迷った束の間に、足元がふらついて身体が後ろに傾いた。なんとか足を後ろに出そうとした瞬間、何か硬いものが背中にぶつかった。
壁のようなものにそのまま身体を預けていると、じわじわと頭に血が巡っていき、次第に明るく開けていく視界に、練習風景がはっきりと映ってきた。くらくらとしていた感覚もほぼ消えたので息を吐くと、上から低い声が降ってきた。
おこめ🍚
INFO【既刊】目の前が紅に染まる2021年10月16日 オンラインイベント
戦国BASARA夢オンリー【戦に花よ、恋を見よ】
幸村ネームレス夢小説集
頒布価格:1,000円
WEB再録(推敲)+ 中編かきおろし(一部WEB再録)
WEB再録のもとのお話はポイピク掲載済み
中編はイベント当日限定でWEB公開予定ですが、ページめくり位置にこだわったので、紙媒体もお手にとって頂けたら嬉しいです。 7
a_mary_llis__
DOODLE※カラマリ榎本峰雄ゆめ※ネームレス年上ヒロイン(≠市香ちゃん)
※やまもおちもいみもないSSS
かぜっぴきのみねお 元気が取り柄の年下の恋人が、どうやら風邪をひいたらしい。
のんびりとした部署にしてはめずらしくたて続けに急を要する仕事が入り、それをこなしているうちにいつの間にか終業時刻を過ぎていた。今日は峰雄の家に行く日だった、と慌てて携帯電話を開いたのは午後七時をまわった頃。「風邪をひいたので今日は会えそうにありません。申し訳ございません」と妙に他人行儀なLEAFのメッセージを受信していたのはその四時間前、午後三時のことだった。
「風邪か、めずらしいな……」
連絡が遅くなったことに対する謝罪と体調を気遣う文面を作りながら、半端に残った缶コーヒーを飲み干した。メッセージを送信し、てきぱきと荷物をまとめて職場を後にする。普段であれば仕事かよっぽどのことがない限り数秒もかからずに既読がつくのだが、しばらく経ってもメッセージ画面に変化はない。これはなかなかの重傷かもな、そう思ってわたしは年下の恋人――榎本峰雄の自宅まで急いだ。
1601のんびりとした部署にしてはめずらしくたて続けに急を要する仕事が入り、それをこなしているうちにいつの間にか終業時刻を過ぎていた。今日は峰雄の家に行く日だった、と慌てて携帯電話を開いたのは午後七時をまわった頃。「風邪をひいたので今日は会えそうにありません。申し訳ございません」と妙に他人行儀なLEAFのメッセージを受信していたのはその四時間前、午後三時のことだった。
「風邪か、めずらしいな……」
連絡が遅くなったことに対する謝罪と体調を気遣う文面を作りながら、半端に残った缶コーヒーを飲み干した。メッセージを送信し、てきぱきと荷物をまとめて職場を後にする。普段であれば仕事かよっぽどのことがない限り数秒もかからずに既読がつくのだが、しばらく経ってもメッセージ画面に変化はない。これはなかなかの重傷かもな、そう思ってわたしは年下の恋人――榎本峰雄の自宅まで急いだ。
a_mary_llis__
DOODLE※カラマリ笹塚尊ゆめ※ネームレスヒロイン(≠市香ちゃん)
※やまもおちもいみもない
かぜっぴきとたける カップ麺のうどん、レトルトの梅粥、プリンにぶどうゼリー。ベッドサイドのローテーブルの上には、俺が仕事帰りに買い込んだ病人用の食糧がところ狭しと並べられている。多忙な彼氏サマがわざわざ仕事を切り上げて看病をしに来てやったと言うのに、ベッドの上で微動だにしない羽毛布団の塊――もとい「俺の彼女サマ」を俺はきっと睨みつけた。
「おい、とりあえず何か食って薬飲め」
自分でも驚くくらい拗ねた子供のような声が、彼女の住むワンルームの室内に響いた。声に呼応するようにまっしろな羽毛布団の塊がもぞもぞと蠢く。そのまま黙って見守っていると、熱で顔を真っ赤にした彼女サマがその潤んだ目元だけを布団から覗かせた。弱りきった姿はまるで巣のなかから外を伺う小鳥のようだ。彼女の視線は食糧の山の稜線をゆっくりとなぞり、そして力尽きたように俺の鼻の上にぽとりと落ちた。
1165「おい、とりあえず何か食って薬飲め」
自分でも驚くくらい拗ねた子供のような声が、彼女の住むワンルームの室内に響いた。声に呼応するようにまっしろな羽毛布団の塊がもぞもぞと蠢く。そのまま黙って見守っていると、熱で顔を真っ赤にした彼女サマがその潤んだ目元だけを布団から覗かせた。弱りきった姿はまるで巣のなかから外を伺う小鳥のようだ。彼女の視線は食糧の山の稜線をゆっくりとなぞり、そして力尽きたように俺の鼻の上にぽとりと落ちた。
niho_tyn
DONE千堂さんネームレス夢小説一緒に料理する?話
※同棲してる設定
日が沈んで空がオレンジから濃紺へと変わる頃、晩ごはんの支度をするために立ち上がりキッチンへと向かった。
献立を考えつつ冷蔵庫から野菜やらお肉やらを取り出していると、ふと背後に気配を感じた。一緒に住んでいるのだから、考えるまでもなく、千堂さんだ。
「手伝おか」
人懐っこい笑顔を浮かべて、私の肩越しに覗き込む千堂さんと目が合った。思いの外距離が近くてドキドキする。
以前、構ってほしかったのか、料理をしているところを猫のようにウロウロされ、危ないからと諌めたことがあったので、手伝うなら許されるという考えなんだろう。
一緒に料理なんて新婚みたいだ、なんて考えが頭を過ぎって思わず頬が緩んでしまった。
「それじゃあ……切っていただけますか?」
1541献立を考えつつ冷蔵庫から野菜やらお肉やらを取り出していると、ふと背後に気配を感じた。一緒に住んでいるのだから、考えるまでもなく、千堂さんだ。
「手伝おか」
人懐っこい笑顔を浮かべて、私の肩越しに覗き込む千堂さんと目が合った。思いの外距離が近くてドキドキする。
以前、構ってほしかったのか、料理をしているところを猫のようにウロウロされ、危ないからと諌めたことがあったので、手伝うなら許されるという考えなんだろう。
一緒に料理なんて新婚みたいだ、なんて考えが頭を過ぎって思わず頬が緩んでしまった。
「それじゃあ……切っていただけますか?」
niho_tyn
DONE宮田くんネームレス夢小説宮田くんと星を見る話
※幼なじみ
夏本番前の今、昼間は汗ばむ気温だけれど、日が沈むと涼しくて過ごしやすい。
この時期、天気の良い日の夜は土手に来るのが日課になっている。目の前を流れる川のせせらぎと、風で草木がさらさらと揺れる音が耳に心地良い。
自然を肌で感じつつ、夜空に浮かぶ星々を見上げるのが大好きで、暇さえあればここに訪れていた。土手の傾斜も寝転がって空を見るにはちょうどいい。
今日は新月だから、星がよく見える。たくさんの星の中で一際明るい星──スピカを見つけて、思わず頬が緩んでしまった。
スピカは乙女座の一部。乙女座といえば星よりも大好きな彼の星座だ。私にとっては夏の大三角形よりも大事な星。
ちらちらと瞬く星を眺めているところに、突如ぬっと視界に人の顔が入り込んだ。
1994この時期、天気の良い日の夜は土手に来るのが日課になっている。目の前を流れる川のせせらぎと、風で草木がさらさらと揺れる音が耳に心地良い。
自然を肌で感じつつ、夜空に浮かぶ星々を見上げるのが大好きで、暇さえあればここに訪れていた。土手の傾斜も寝転がって空を見るにはちょうどいい。
今日は新月だから、星がよく見える。たくさんの星の中で一際明るい星──スピカを見つけて、思わず頬が緩んでしまった。
スピカは乙女座の一部。乙女座といえば星よりも大好きな彼の星座だ。私にとっては夏の大三角形よりも大事な星。
ちらちらと瞬く星を眺めているところに、突如ぬっと視界に人の顔が入り込んだ。
十二月の猫
SPOILER※4枚目より、ネタバレ・妄想後日談あり!未通過・現行【禁止】※甲西=ネームレス・カルト/ある一樹の影にて/○○だよ!チキチキカップル大決戦♡
戌水=ピース・メイカー
酉三=エルズ・コール 7
HSM_TRPG
MEMOクトゥルフ神話trpg 現代探索者現身 成子(うつしみ なるこ) 高校生
怒涛の高校生探索者。
「ネームレスカルト」通過。
お名前がとても近く、めっちゃ親近感湧いたnpcがおりましたなぁ。
わんわんに見つかるかもしれないって書いてあったから、多分わんわんに追っかけられるんだと思う(適当)
絵柄幅すごくない?これ多分描く気おきなくて、ギリギリで書いたやつだろーな
なつのおれんじ
DONE性別不明ネームレスヒカセン / オル光糖度低め
背中と熱 ルビートマトを四等分に切り、用意していた皿に一つずつ盛り付けていく。コテージチーズを添えてオリーブオイルでさっと味を整えれば、シンプルなサラダが完成した。焼き具合を確認するためオーブンを開けると、チーズの焦げるなんとも香ばしい香りが周囲に漂っていく。このイイ香りはきっと上手く出来ている証拠だろう──よし、と小さく声を漏らした私は、ずり落ちてきたシャツの袖を捲ると、バゲットを食べやすい大きさに切るためパンナイフを手に取った。
「わぁ、良い匂い!」
その時、聞き慣れた声がして、私はバゲットを切ろうとする手を止めた。振り返ると、我が盟友がキラキラとした眼差しをこちらに向けている。慌てて外から帰ってきたのだろう──頭には微かに雪が積もっており、冷気に晒された頬が赤く染まっている。
2866「わぁ、良い匂い!」
その時、聞き慣れた声がして、私はバゲットを切ろうとする手を止めた。振り返ると、我が盟友がキラキラとした眼差しをこちらに向けている。慌てて外から帰ってきたのだろう──頭には微かに雪が積もっており、冷気に晒された頬が赤く染まっている。
niho_tyn
DONE千堂さんネームレス夢小説雨で迎えに来てくれる話
※同棲してる設定
大きな車窓を斜めに雨水が走っていく。
ぼんやりとその様子を眺めながら、満員電車の中、静かにため息をついた。
仕事で疲れた上に、この土砂降りの中歩いて帰らないといけない事実をなかなか受け入れられない。
電車に乗ったときに抱いた、家の近くでは雨が弱くなってるかも、という淡い期待も見事に裏切られてしまった。最寄り駅でホームに降り立つ一瞬、電車と屋根の隙間に降り注ぐ雨が髪を濡らし、ため息がまたひとつ漏れる。
今朝は雨足がまだ弱くて、折りたたみ傘でも十分だったけれど、この土砂降りではほとんど役に立たないだろう。
そろそろ濡れて帰る覚悟を決めなければ。駅の構内を進みながら、カバンの中の傘を探る。
出口が見えて雨音も近くなったとき、出口近くの柱に立つ、見覚えのある佇まいの人が目に入った。羽織っている上着の赤が人混みの中でも鮮やかに映えて、眩しく感じた。
2199ぼんやりとその様子を眺めながら、満員電車の中、静かにため息をついた。
仕事で疲れた上に、この土砂降りの中歩いて帰らないといけない事実をなかなか受け入れられない。
電車に乗ったときに抱いた、家の近くでは雨が弱くなってるかも、という淡い期待も見事に裏切られてしまった。最寄り駅でホームに降り立つ一瞬、電車と屋根の隙間に降り注ぐ雨が髪を濡らし、ため息がまたひとつ漏れる。
今朝は雨足がまだ弱くて、折りたたみ傘でも十分だったけれど、この土砂降りではほとんど役に立たないだろう。
そろそろ濡れて帰る覚悟を決めなければ。駅の構内を進みながら、カバンの中の傘を探る。
出口が見えて雨音も近くなったとき、出口近くの柱に立つ、見覚えのある佇まいの人が目に入った。羽織っている上着の赤が人混みの中でも鮮やかに映えて、眩しく感じた。
niho_tyn
DONE千堂さんネームレス夢小説千堂さんにクリンチしていちゃついてるだけ
「えい!クリンチ〜」
軽口を叩きながら、千堂さんに抱きつく。腕も、胸板も、背中も、逞しい筋肉で覆われていて、触れるだけで胸が高鳴る。
かっこいいな、と思いながらしばししがみついていたが、何の反応も返ってこないのが気になって、ちらりと千堂さんの顔色をうかがうと、真顔でこちらを見下ろしていた。背中にひやりとしたものが走る。
いけない、ボクシングを茶化したかと思われただろうか。
「あ、あの、ごめんなさ──」
「え〜ぇ度胸や。こうするんやで!」
「きゃ!」
私が謝りかけた瞬間、打って変わって不敵な笑みを浮かべると、私の腕を簡単に振りほどいて、腕ごと抱え込まれた。
ぎゅうぎゅうと力強く締め上げられて息が詰まる。いつもの加減をされた抱擁とは全然違う。押し潰されて肺から息が出ていく一方で吸うことができない。
1325軽口を叩きながら、千堂さんに抱きつく。腕も、胸板も、背中も、逞しい筋肉で覆われていて、触れるだけで胸が高鳴る。
かっこいいな、と思いながらしばししがみついていたが、何の反応も返ってこないのが気になって、ちらりと千堂さんの顔色をうかがうと、真顔でこちらを見下ろしていた。背中にひやりとしたものが走る。
いけない、ボクシングを茶化したかと思われただろうか。
「あ、あの、ごめんなさ──」
「え〜ぇ度胸や。こうするんやで!」
「きゃ!」
私が謝りかけた瞬間、打って変わって不敵な笑みを浮かべると、私の腕を簡単に振りほどいて、腕ごと抱え込まれた。
ぎゅうぎゅうと力強く締め上げられて息が詰まる。いつもの加減をされた抱擁とは全然違う。押し潰されて肺から息が出ていく一方で吸うことができない。
mt_pck
MEMOCoC『ネームレス・カルト』KP⇒きりこ
PL1⇒あしゅれい(HOオカ研部:院瀬見 瑠衣)
PL2⇒月(HOオカ研部:錦 氷織)
PL3⇒ぷちこ(HO新聞部:早乙女 麗子)
PL4⇒うみ(HO新聞部:国見 望)
全員でハッピーエンドで生還です。
ネタバレ無し。
お部屋、立ち絵、差分、オマケ。 7
maguro_is_tuna8
MEMO「ネームレス・カルト」作:もすい。様KP:あるKさん
PL:雪うさぎ、春ちゃん、八坂まぐろ、らびさん(左から)
全生還しました~!!みんなでいっぱい悩んで悩んで勝ち取った全生還・・・!
たくさんのんびりはっちゃけました。ありがとうKP、PL。私はまともです。
みつき
MOURNINGアズ監♀ ネームレス ※未完成悩みがある監督生と相談に乗ってくれる(?)妖精の話
長くて言い難い名前のキャラを出したかった&シリアスな話に挑戦したけど、🐙の誕生日お祝い文でそれどころじゃないので途中で放置したもの
一応シリーズの子とは別人設定今週全ての授業を終えた監督生が廊下を歩いていた。何とかテストで平均点を取れたことにより、補習を回避出来たのでその足取りは軽い。親分ことグリムはそうはいかなく、現在その真っ最中なのだが。ふたりでひとりの生徒として認められているものの、こういう場合は連帯責任ではなくて正直助かる。勉強嫌いなあの親分を宥めて机に向かわせるのは一苦労なのだ。ふなふな泣いて帰ってくるであろう彼に、今日は労ってツナ缶を増やしてあげよう。もふもふボディに甘い監督生はひとつ頷いて家路を進む。そんな彼女に一際強い突風が巻き起こった。
「わっ」
あまりの風量に顔を庇う。流石に吹き飛ばされはしないが、バランスを崩しそうな勢いだ。少しよろけた監督生の耳にクスクスと笑う声が聞こえた。
「ごめんなさい、はしゃぎすぎてしまったわ」
その声が女性のもので監督生は驚いた。何せここは男子校。生徒も教師も皆男性だ。一応話す絵画に女性はいるが、生きている人では例外である自分以外にはいないはず。風が収まったので、声が聞こえた方に視線をやると。
「うふふ。こんにちは、可愛らしいお嬢さん」
「……妖、精?」
落ち着いた大人の女性の 3461
みつき
MOURNING幼児化アズ監♀ ネームレスボツ程ではないけど、なんだか納得出来なかったので供養「わああああ!!!ジェイドぉぉ!フロイドぉぉ!!!」
閉店後の静かなラウンジに子供の悲痛な泣き声が響いて、呼ばれた双子は顔を見合わせた。監督生がアズールではなく、自分たちを呼ぶなど珍しい。あの子供はアズールに大層懐いているので、何かあればアズール、アズールとひっきりなしに彼を呼ぶ。……彼の身に何かあった、ということか。同じことを考えた双子はすぐさま踵を返し、彼女の声の元へその長い脚で駆けていく。おそらく発生源は客席だ。その予感は当たり、そこに監督生がしゃがみこんでいた。
「どうしました!?」
「どうしたの!?」
大きな音を立てて入ってきた双子を認識した監督生が振り向いた。絶望を顔に浮かべ、大粒の涙を溢しながら大水槽へ指を指す。彼女の普段とはかけ離れたその様子を見た彼らは、その事態が大事だと察し内心冷や汗をかきながら指された大水槽を見やる。
「…………ッ」
そこには人魚の姿をしたアズールが漂っているだけで。彼は何かに襲われているわけでもないし、怪我も見られない。……ただ、酷く傷付いた表情を浮かべてはいたが。その理由に、すぐ双子は気が付いた。
アズールは自身の人魚としての 1515