ノックス
chiocioya18
DONE月花妖異譚時空 本編の少し前の話すべて妄想の産物です
レノックス+ファウスト編
月花前日譚 二木漏れ日の朝の地面は万華鏡のように光が揺れる。茂る枝葉をたまに頭に引っ掛けながら、レノックスは迷いない足取りで進む。目的の小さな庵に着くと、丁度中から庵の主が出てきたところだった。
「ファウスト様。お久しぶりです」
「レノックス。また歩いてきたのか。一本下駄で山道なんて正気じゃないと言ったのに」
「鍛錬に丁度いいので」
「いや飛びなよ。きみも天狗だろう」
呆れた溜息を零すファウストの顔色は白い。隈取りで分かりにくいが、目の下にも疲労が見える。
「あまり眠れていないのですか? 体調が優れないのでしたら、出直しますが」
「たまたま夜更かししただけだ。きみが来るのは前々からの予定だ。調整できなかった僕が悪い」
言いながらファウストはレノックスに藤籠を手渡した。中身はファウストが煎じた薬だと聞いている。桜雲街の薬種問屋へ卸すのだ。
1119「ファウスト様。お久しぶりです」
「レノックス。また歩いてきたのか。一本下駄で山道なんて正気じゃないと言ったのに」
「鍛錬に丁度いいので」
「いや飛びなよ。きみも天狗だろう」
呆れた溜息を零すファウストの顔色は白い。隈取りで分かりにくいが、目の下にも疲労が見える。
「あまり眠れていないのですか? 体調が優れないのでしたら、出直しますが」
「たまたま夜更かししただけだ。きみが来るのは前々からの予定だ。調整できなかった僕が悪い」
言いながらファウストはレノックスに藤籠を手渡した。中身はファウストが煎じた薬だと聞いている。桜雲街の薬種問屋へ卸すのだ。
星空市
DONEレノファウ版ワンドロライお題「エンドロール」「たぶんきっと運命」「白」「シュガー」
魔法舎で会ったばかりの二人を捏造。
レノが先生を懐柔しようとがんばっています!
お題が最終回だったので全部盛り込みたくて書きました。実は今回解釈にけっこう悩んだけど、先生の人生の最期にエンドロールが流れるならばそこにレノの名前はあって欲しいと思う。
Special thanks:レノックス・ラム 6
karrruko
DONE革命軍でレノとファウスト二人への恋心にあがいて疲れ、南に逃れたフィガロの話。着地はビターなレノフィガですがファウスト←レノックスの執着と、ファウスト←フィガロの執着が話のベースにあり、ファウストとの未来こそが自分の運命だとフィガロが語る描写が多いです。ファウストは理想に邁進していて、二人の真情が見えていません。
アレクの話し言葉を捏造、モブ娼婦がレノとフィガロと親しげに会話する描写があります
あがき(レノフィガ)2020年に開催されたレノフィガワンドロライ様お題「羊」に提出したものをベースに加筆修正しています。
フィガロは最初、レノックスという男の存在を概念として捉えた。
ファウストが弟子入りを願い出たとき、レノックスはその傍に控えていたらしいが容貌がまったく意識にのぼらない。なんだか岩石みたいなやつがいるなと感じたことだけは覚えている。魔力がすこぶる弱いくせに鉄心石腸というやつか、一度こうと決めたことは絶対に揺らがせにしない怖い心根のやつだとも意識の端にちらっと思ったがそれも一瞬だった。
石が備え持つ不屈の精神の艶めきは、ファウストという華やかで明るく、柔らかな輝きの前にあっさり消え失せてしまった。だがレノックスは、ファウストの口を借りてフィガロの前に存在を絶えずほのめかせ続けた。
13438フィガロは最初、レノックスという男の存在を概念として捉えた。
ファウストが弟子入りを願い出たとき、レノックスはその傍に控えていたらしいが容貌がまったく意識にのぼらない。なんだか岩石みたいなやつがいるなと感じたことだけは覚えている。魔力がすこぶる弱いくせに鉄心石腸というやつか、一度こうと決めたことは絶対に揺らがせにしない怖い心根のやつだとも意識の端にちらっと思ったがそれも一瞬だった。
石が備え持つ不屈の精神の艶めきは、ファウストという華やかで明るく、柔らかな輝きの前にあっさり消え失せてしまった。だがレノックスは、ファウストの口を借りてフィガロの前に存在を絶えずほのめかせ続けた。
yuuan0
DONEノックス・ルプスの日記とある狼の日記20XX/XX/XX
今日から日記を付けることにする。
俺に初めての家族ができた。最初は「家族になってください」って言われた時は驚きもしたが、僅かに温かい気持ちになった様な気もした。
これが家族、なのか……これからなにがあろうと俺はお嬢を、家族を守っていきたい。
◆
◆
20XX/XX/XX
俺はぎこちないながらも、お嬢を護衛したり、家族としてお嬢と二人、生活を共にしてきて最近は毎日が楽しいものだと少しだけだが感じる事もできた。
例え、ボスにお嬢を殺せと命令されていても、俺はこの生活を、無くしたくないと思う。それは俺の我儘なのだろうか?
◆
◆
20XX/XX/XX
とうとう俺はお嬢を殺す様にとボスに釘を刺された。
眠るお嬢の枕元に立ち、俺はお嬢の寝顔を見る。
2795今日から日記を付けることにする。
俺に初めての家族ができた。最初は「家族になってください」って言われた時は驚きもしたが、僅かに温かい気持ちになった様な気もした。
これが家族、なのか……これからなにがあろうと俺はお嬢を、家族を守っていきたい。
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20XX/XX/XX
俺はぎこちないながらも、お嬢を護衛したり、家族としてお嬢と二人、生活を共にしてきて最近は毎日が楽しいものだと少しだけだが感じる事もできた。
例え、ボスにお嬢を殺せと命令されていても、俺はこの生活を、無くしたくないと思う。それは俺の我儘なのだろうか?
◆
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20XX/XX/XX
とうとう俺はお嬢を殺す様にとボスに釘を刺された。
眠るお嬢の枕元に立ち、俺はお嬢の寝顔を見る。
tekuro99
SPUR ME自分の尻叩き用に。ひまわりのエチュード直後、レノックスがひまわりの種を植える話(レノフィガ)。
※レノックスに思いを寄せる女の子が出てくる
※まだフィガロが出てこない
「あのっ……賢者の魔法使い様!」
ランズベルグ領の異変が無事に収束し、そろそろ魔法舎に戻ろうかと準備をしていたレノックスは背後から声を掛けられた。
振り返ると、両親に付き添われてきたらしいひとりの少女が立っていた。ミチルやリケよりもずっと幼い顔立ちで、年は十に満たないぐらいだろうか。太陽の光を浴びたヒマワリの花弁のように、鮮やかな色の髪と瞳をした少女だった。
話しかけたはいいもののそこから言葉が続かないようで、胸の前に何かを抱えたまま俯きがちに地面に視線を送っている。
「ほら、マーシャ。伝えたいことがあるんでしょ?」
マーシャと呼ばれた少女は両親に促され、意を決したように恐る恐る一歩前に足を踏み出した。そして大事そうに抱えていたそれを両手で差し出した。彼女の手の中にあったのは、丁寧に包装された小袋だった。
658ランズベルグ領の異変が無事に収束し、そろそろ魔法舎に戻ろうかと準備をしていたレノックスは背後から声を掛けられた。
振り返ると、両親に付き添われてきたらしいひとりの少女が立っていた。ミチルやリケよりもずっと幼い顔立ちで、年は十に満たないぐらいだろうか。太陽の光を浴びたヒマワリの花弁のように、鮮やかな色の髪と瞳をした少女だった。
話しかけたはいいもののそこから言葉が続かないようで、胸の前に何かを抱えたまま俯きがちに地面に視線を送っている。
「ほら、マーシャ。伝えたいことがあるんでしょ?」
マーシャと呼ばれた少女は両親に促され、意を決したように恐る恐る一歩前に足を踏み出した。そして大事そうに抱えていたそれを両手で差し出した。彼女の手の中にあったのは、丁寧に包装された小袋だった。
sauco_trigo
DONEネロファウ。ネロの隣室がレノックスであることに纏わる色々と、ファウストのとある決心と、大事にされなれていないネロが頑張ってそれを受け入れている話。
大事にするから大事にして「ごちそうさま、ネロ。今日の夕飯も美味かった」
「そりゃどうも」
いつもの無表情であっても、心からの賛辞であるとわかるレノックスの礼に応えつつ、使った皿はそっちと指示をした。
数人分をまとめて持ってきたらしい、両手に積まれた食器を危なげなく指定した場所に置いてくれた。人数が人数なので流し台には入りきらないため、一度作業台のあけたスペースに置くようにしている。
「手伝ってもいいか」と聞かれたので、「じゃ、お願いしようかね」と甘えることにした。一人のほうが気楽だからと断ることが多いが、こういうさり気無い聞き方をされると甘えさせてもらおうかなという気持ちになるのだからさすがはレノックスだ。
黙々と片付けをしているとおこちゃまたちが集団でやって来て、手伝いをするレノックスにいいないいなと一頻り騒いで去っていった。なんだいいなってと笑っていると、また一人食べ終わった魔法使いが入ってくる。振り向けばそこにいたのはファウストで、並んだネロとレノックスを交互に眺めてきた。
9662「そりゃどうも」
いつもの無表情であっても、心からの賛辞であるとわかるレノックスの礼に応えつつ、使った皿はそっちと指示をした。
数人分をまとめて持ってきたらしい、両手に積まれた食器を危なげなく指定した場所に置いてくれた。人数が人数なので流し台には入りきらないため、一度作業台のあけたスペースに置くようにしている。
「手伝ってもいいか」と聞かれたので、「じゃ、お願いしようかね」と甘えることにした。一人のほうが気楽だからと断ることが多いが、こういうさり気無い聞き方をされると甘えさせてもらおうかなという気持ちになるのだからさすがはレノックスだ。
黙々と片付けをしているとおこちゃまたちが集団でやって来て、手伝いをするレノックスにいいないいなと一頻り騒いで去っていった。なんだいいなってと笑っていると、また一人食べ終わった魔法使いが入ってくる。振り向けばそこにいたのはファウストで、並んだネロとレノックスを交互に眺めてきた。
nicola731
DOODLE若顕光殿と道満の捏造小話。多分けものっくす晴道の閑話みたいなもの。顕蘆(顕道)。顕光殿の酒癖がこれくらい性質悪かったらイヤだなぁという妄想。顕蘆(顕道) 年若い故なのか、顕光はあまり酒癖が良いほうではない。だから普段から気を付けているのだが、これまで上手くいったことなど一度もない。
顕光の邸宅で月見の宴を開くことになって当日は多くの客が訪れた。白拍子もやって来て、賑やかで華やかな、大貴族の邸には相応しい宴だった。代替わりして数年経ったばかりの若造が亭主を務めるものであっても客は寛大だった。酒が飲めて歌い踊る女共が見られたら彼等は満足なのだった。
訪問客に一通り挨拶を済ませた顕光は上座で脇息に体を預けて、酒を飲み出した。白拍子達は誰も彼もが美しく、良い声をしていた。だが彼は些か物足りなかった。柔らかくしなやかな肢体も、張りのある麗しい声も、顕光は既に最上のものを知っている。だから何だか物足りない。元服する前からの知己である法師陰陽師のほうがずっと良い。
1632顕光の邸宅で月見の宴を開くことになって当日は多くの客が訪れた。白拍子もやって来て、賑やかで華やかな、大貴族の邸には相応しい宴だった。代替わりして数年経ったばかりの若造が亭主を務めるものであっても客は寛大だった。酒が飲めて歌い踊る女共が見られたら彼等は満足なのだった。
訪問客に一通り挨拶を済ませた顕光は上座で脇息に体を預けて、酒を飲み出した。白拍子達は誰も彼もが美しく、良い声をしていた。だが彼は些か物足りなかった。柔らかくしなやかな肢体も、張りのある麗しい声も、顕光は既に最上のものを知っている。だから何だか物足りない。元服する前からの知己である法師陰陽師のほうがずっと良い。
mgn_nao04
DONEひか星1017で展示した作品(こちらもポイピク内で公開中)の前日譚です。ファウ晶♂前提で、ファウストがレノックスにデートの相談しているSSです。関係者の皆様、楽しいイベントをありがとうございました! 3
ゆうや
DONEレノ晶♀️足を引っ張らないよう心へ蓋をしようとしていた晶と、それに気付いて宥めるレノックスの話
忘るることなかれ「──古代生物だね。それに中々な大きさの個体が複数いるようだ」
参ったな、せっかくのお出かけだったのに。
そう肩を竦めるフィガロの表情には全く切迫感はなく、“困った振り”をしているのが明らかだ。
あくまで南の魔法使いとして振る舞うフィガロが見上げる先を、晶も同様に追いかければ、高く繁った木の中腹あたりに大きく鋭そうな爪痕が残っているのを見た。
幹を抉る5本線の痕は、晶から見ても冷々とした殺意が見て取れた。あの爪がかすっただけでも人間は致命傷になってしまうんだろうなとぼんやりと考えていれば、ふいに後ろから腕を引かれる。
「賢者様」
少し後退しながら振り向けば、木漏れ日を遮るように晶を見下ろしていたレノックスと目が合う。
3898参ったな、せっかくのお出かけだったのに。
そう肩を竦めるフィガロの表情には全く切迫感はなく、“困った振り”をしているのが明らかだ。
あくまで南の魔法使いとして振る舞うフィガロが見上げる先を、晶も同様に追いかければ、高く繁った木の中腹あたりに大きく鋭そうな爪痕が残っているのを見た。
幹を抉る5本線の痕は、晶から見ても冷々とした殺意が見て取れた。あの爪がかすっただけでも人間は致命傷になってしまうんだろうなとぼんやりと考えていれば、ふいに後ろから腕を引かれる。
「賢者様」
少し後退しながら振り向けば、木漏れ日を遮るように晶を見下ろしていたレノックスと目が合う。
nicola731
DOODLE全然けものっくす書けてないので息抜きにニャンボの話。地獄の現パロ。お父さん:顕光殿 長子:鬼一さん 二番目:諾子さん 三番目:香子さん 末っ子:道満(全員養子縁組)の、道満と結婚したい晴明さんによる口説き落としRTA話。「会議は踊る。絶対に許さぬ。」 https://poipiku.com/1112421/5111917.html
ニャンボの一日 猫のニャンボは家で飼われている。動物病院に連れて行けば獣医が三度見し「えっ猫!? デカくない!?」「コーギーじゃなくって!?」と驚き、診察台に乗せる時は獣医とスタッフの二人掛かりでないと持ち上げられないほど巨大ではあるが、一応は猫である。本猫は自分のことを「小さくて可愛い仔猫ちゃん」だと思っている。生まれたばかりの頃に小学生の道満が仔犬と勘違いして道端で拾ってきた。拾ってきたのは道満なのにあまり懐いていない。道満の上には他に三人の子供がいるがその孰れにも懐いていない。「だぁはははははっ! ジャンボ! ジャンボにゃんこ!」と大笑いしてニャンボに「ニャンボ」という名前を付けた次女にも懐いていない。玩具にされるのでほぼ近寄らない。長子と三女はまあまあ、という程度だ。ニャンボが好きなのは家長である四人の子供の父親だけだった。膝に乗れば寝心地の良いように座り直してくれるし、撫でる手は静かで穏やかで何処を撫でれば一番良いのかを理解している。ニャンボの中にある家内のカーストは明確で、頂点に父親である顕光、次点に自分、以下有象無象の子供達、という構成になっている。ニャンボは自分を顕光の妻だと思っているので当然の構成だった。ニャンボが家に来る前に巣立っていった実子三人もそれぞれ立派になっていると聞くし、今だって養子を四人も受け入れてきちんと育てている自慢の夫だ。少し前に死んだ先妻のことを忘れられずとも、自分のことを可愛がってくれる夫だ。
5241chomoikabe
DONEカラーデジタルでやろうとすると一向に進まないのでとりあえずトーンでどうにかしました!レノックスさん誕生日おめでとうございます!!!!
後でカラーも頑張ります!
ところでファウスト先生にわがままは言えましたか!?言おう?!今なら大抵のこと許してくれるよ!?
chomoikabe
DONEレノックスの誕生日がテーマのネットプリントアンソロジー企画用4p後半は描ききれなかったうるさい情緒。
大丈夫、情緒はネップリには出ません。
ネップリの番号は当日お品書き参照
両片想いレファでですね。
レノ誕カドストで賢者とお話したあと今日はいい日だったなって考えてたらどうしてもファウストさまに会いたくなって部屋の前まできてしまったとこ。
導入は全部省いた。 8