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    フィクション

    斑猫ゆき

    MAIKING精神科の患者タンジロと医者タミオチャンの炭魘②です。なんでも許せる人向け。
    ※精神疾患やその治療などに関する記述がありますが、あくまでフィクションであり現実に精神疾患を患った方を揶揄する意図はありません。
    ジョハリの箱庭・Ⅱ『解放』

     四十五分丁度に四〇一号病室へと足を踏み入れた民尾を、彼は柔らかい笑みで迎えた。昼間は眠っていることが多い彼にしては珍しい。そんな考えをおくびにも出さず、民尾は穏やかな微笑みを作って返した。
     開け放たれた窓からは新緑の匂いが風に乗って、薄いカーテンを揺らしている。目の粗い生地を突き抜けた淡い光が、ベッドの上に落ちては揺れ、かたちを変えていく。そうして砕かれた影が、壁の翡翠色を含んで少年の額にある大きな痣にかかっていた。
    「あ、民尾先生。こんにちは」
    「こんにちは、起きてたんだね」
    「はい、最近はこの時間もあまり眠くならなくなってきて」
     少年の診断名はナルコレプシーだった。
     嗜眠症の一種であるそれは、一般的には日中の強い眠気や睡眠発作、脱力症状が主な症状とされている。少年はそれに加えて入眠及び覚醒時の幻覚が酷く、やっと眠りについたと思えば叫びながら起き出すのが少し前までは日常茶飯事だった。こちらに転院して間もなくは民尾を罵りながら掴みかかってきたことすらある。それを思えば、大分落ち着いたものだろう。民尾は満足げにうなずく。
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    narehate42

    DONEなんとなくGoogle翻訳調
    昔こういうノンフィクションを本当に読んだんです!本当なんです!(多分雌ライオンだったけど…)

    江澄がガチでガチの獣なのでご注意ください
    いや本当にこれを曦澄と言い張る勇気な
    あるレポート

     彼と出会ったのは吉林省東部でのフィールドワークの最中でした。もともと私の調査対象には彼の種族も含まれていましたが、生活の痕跡ではなく生きた個体に遭遇するとは思ってもみませんでした。
     彼は遠東豹。学名をPanthera pardus orientalisといい、IUCNのレッドリストにも規定された絶滅危惧種でした。
     知っての通り豹は群れを形成せず単独で生活します。彼はまだ若く、母親から離れて間もないように見えました。だからおそらく彼がこのあたりを縄張りにしたのは最近のことだったでしょう。
     幸いにしてそのとき彼はちょうど腹が満たされていたようで、私を見てすぐに顔を背けてしまいました。
     横たわる姿は優美で、狩猟の対象にされ絶滅危惧の原因となった毛皮が夕陽を浴びて輝いていました。彼は本当に美しい生き物でした。

     私は彼の縄張りの近くでフィールドワークを続けました。
     ある晩、私のキャンプに彼が忍び入ってきた時、私は死を覚悟しました。
     しかし彼はおとなしく私の目の前に横たわり、優雅に欠伸をしました。
     どうやら彼はこのコンクリートの建物を根城にすることに決めたようで 1954

    kanamochiko

    TIRED【声が聞こえる】
    現代AU竜仁
    ※土地情報分からないのでフィクションだよ
    竜三という男は実に心根の優しい男だ。みてくれこそ粗暴で人を剣呑な気持ちにさせるところがあるが、実際に関わっているとそうでもないことに誰もが気づく。その言動は不器用だが人の機敏に聡く気遣いができるし、子供や動物、お年寄りにも優しい。
    一度その人となりに触れれば自然と皆竜三のことを信頼する。何よりその隣にいることがとても俺を安心させた。

    「仁……?」
    「ああ、悪い」

    知らぬ間に物思いに耽ってしまい、竜三が話しかけていることに気が付かなかった。一言謝ると、「大丈夫か?」と聞かれる。
    竜三はこういうことに腹を立てたりはしないのだ。昔から俺は興味のあること、思いついたことに夢中になって周りが見えなくなる節がある。そんな俺に飽きもせずついてまわり、見守ってくれていたことを思うと、こいつの懐の深さが伺えるというものだ。
    「あ、竜三。コンビニに寄ろう、新商品があったはずだ」
    休日デートの帰り道、道すがらに見かけたコンビニに寄ることを提案する。手元のスーパーの袋をちらと確認しつつも、竜三は返事も聞かず先走る俺の後をついて来てくれた。

    僅かに増えた荷物を手に帰宅する。
    明日は日曜日。特に何をして過ご 2969

    いなり

    DONE坂木龍也誕生日 2021お祝いSS
    坂木×幼なじみ
    !ご注意 !
    ・名前変換無し
    ・原作の年末とは違うのでご注意。
    ・エセ土佐弁注意
    ・新幹線などはフィクションです
    >正月帰る


    神奈川に行ってしまった幼なじみからきた久しぶりのLINE。幼なじみの龍こと坂木龍也は、神奈川の横須賀にある防衛大学校で日々汗を流している。

    そして私は高校を出てから就職をしたので高知の地元に残っている。 特に将来の夢も無い私と、夢に向かって日々頑張っている龍。


    ・・・そんな彼ももう4年生で、今年いよいよ卒業だ。

    お母さんに龍の迎えに行って欲しいと頼まれて私はコートと羽織り、マフラーを巻くと玄関に置いてある車のキーを掴んで車に乗り込んだ。家族ぐるみで仲がいいので、こういう事はよくある。


    免許を取った時に就職祝いとして買ってもらったベージュ色のパオ。私はハンドルをグッと握ると

    「(龍に会える・・・!)」

    久しぶりだ、龍に早く会いたい。ブレーキを踏んで鍵を捻り、エンジンを掛けるとアクセルを踏んで法定速度の範囲で駅まで車をすっ飛ばした。




    駅前のロータリーでハザードをつけてスマホを開くと、1件の通知。龍からだ。


    >ついた
    >どこ?
    >龍馬像の前

    龍馬像・・・私はキョロキョロと龍馬像を探すと、そこには見慣れた顔がスマホと睨めっこをして立っていた。
    嬉し 5769

    カニせんべい

    MEMO【201214更新】A島の生き物についてのメモ
    もちろん全てデタラメのフィクションです
    A島の変な生き物について

    【2級変異体】
    現実世界でいう突然変異した生き物。
    例:白いカラス

    現実と同じくらいの確率で起こり得る。
    変異の原因が判明している場合は2級とされる。


    【1級変異体】
    元の生物の面影が残されているが、原因不明の変異個体。
    例:7色に発光するカツオ・透明なカエル

    2級変異体に比べると生まれる確率は低いが、数年に1度の頻度で発見される。
    1級変異体は変異の原因が判明次第、2級変異体となる。


    【特級変異体】
    どの生物にも分類されない謎の生き物。
    例:ニエスチャー家の杖

    1級変異体は変異元の生物が判明しているが、特級変異体は全てが不明。
    無機物のような見た目をしている変異個体も存在する。
    発見される頻度は、1級、2級にくらべると圧倒的に少ない。
    研究も進んでおらず、一部の研究者(オカルトマニア)は「特級変異体は地球外生命体である」と主張している。



    【歴史等】

    変異体は、神や、神の使いとされていた歴史がある。

    また、特級変異体が富や権力の象徴とされ、各地方の有権者が所有していた時代もあった。

    歴史上の謎の災厄は特級変異体が引き起こしたと考える 1223

    咲楽優

    MEMO他サイトにて公開しているサウンドノベルです
    バックログで文章を確認出来ないつくりにしていたのでテキストにしてみました
    タイトル【Endless road】
    ※約900字
     ダークファンタジー系
     一部残酷な表現が含まれます
      この物語はフィクションです

    (ひとりごと)
    確かにギャレリアの方が機能は豊富だけど私はこっちも好きです
    あるところにひとりの男がおりました
    男は頭からマントをかぶり、手にはつえを持っています
    その男がどこからやって来たのかは分かりません
    男はある目的を胸に、旅をしていました

    男は旅をしています
    あるとき、耳の長い少年が声をかけてきました
    「ねえ、君はどうしてつえをついているの?」
    男はこう答えました
    「私は足が不自由だからだよ」
    男は曲がった足をさすりながら言いました

    =男は昔、ある国の王様でした=

    男は旅をしています
    あるとき、羽の生えたおじいさんが声をかけてきました
    「おぬしはどうしてマントをかぶっているのじゃ?」
    男はこう答えました
    「それは、私の顔が醜いからだよ」
    男はマントを深くかぶりながら言いました

    男は旅をしています
    あるとき、尾びれの生えた女が声をかけてきました
    「あなたはなぜ旅をしているの?」
    男はこう答えました
    「ひとりぼっちはさみしいからだよ」
    男は遙か彼方を見つめながら言いました

    =男は昔、大きな罪をおかしました=

    花ほころぶ丘をこえ、砂塵(さじん)の嵐をぬけました
    海を渡り、広い草原にたどり着いたところで男は腰をおろします
    野原にはゆるやかな風が吹い 943