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    リターン

    真砂長文倉庫

    DONE1の続きです。2とは別時空。2より少し短いです。
    死者はいませんが、メリバ風味です。
    王子の思考回路が女々しいので、無理な方はリターン願います。

    2を書きながら「こんなん俺が許せねぇ…っ!」と悶えたのですが、「乙女的思考回路で本人が納得すればメリバ?」(訊くな)と言い訳しつつ頑張りました。
    「これを書くから2を思いっきりバドエンにできる!」
    ……我ながら無理矢理すぎる尻叩き。
    「Thank You」 3 Resigned Calm Dawn(白王子Ver.)ごぼっ、ごほ……っ!
    急激に意識が浮上する。喉を圧する水を吐いたぼくは、夜空を背にしたクラウチを下から仰ぐ形となっていた。
    そのまま、数回咳き込む。頬にクラウチの髪から滴る海水が当たる。短く呼吸を紡ぐクラウチがぼくをきつく抱きしめた。

    「王子…っ!良かった……っ!」
    身体を離し、ぼくの額を撫で上げ、両手で頬を包み、そのまま肩を抱く。
    「どこか異変はないか?」
    「う…っん、だい、じょうぶ。大丈夫だよ」
    ほう、と呼気を落として再びぼくを抱きしめた。今度は、包み込むように柔らかく。
    「そうか……。心臓が潰れるかと思ったぞ」
    両手をクラウチの背に回し、二度、撫で下ろす。
    「……ごめん。ちょっと酔いが回ったみたいで…はしゃいじゃった」
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    shitan_libra

    DONEカフェミュウミュウでのバイト後、いちごはキッシュから「見せたいものがある」と声を掛けられる。その表情や声色からは、普段の軽薄さは感じられなくてーー

    キシュいち 旧アニメ設定&りたーん後のお話です。
    メモリア 放課後、ちょうどおやつ時のこの時間、カフェミュウミュウはいつも人で賑わっている。
    「すみませーん、注文いいですかー?」
    「はーい! ただいまー!」
     いちごは客を席に案内するや否や、すぐさまスカートを翻し、次の客のもとへ注文を聞きに行く。カフェの制服はとても可愛く、いちごのお気に入りだ。ふんわりしたハートのエプロンとお揃いのレースのヘッドドレスに、赤いプリーツスカートのワンピース。胸元のピンクのリボンと、スカートの裾に入った、リボンと同じ色の一本ラインがポイントだ。ワンピースの色は一人一人違っていて、各々の魅力を引き出している。
     ウェイトレスのバイトは大変だが、この制服と閉店後の赤坂のケーキがモチベーションを高めてくれている。何せ、いちご一人で何人分もの働きをしなければならないのだ。みんとはティータイムの時間だと言って働かないし、れたすはドジを連発するし、歩鈴は大道芸に力を注ぐし、ざくろは忙しいため、そもそもあまりバイトに入れないのだが、バイトに入るも、無表情な接客で客が怖がるため、いちごができる限り接客を行うようにしている。ベリーが新たに仲間に加わってから負担は少し減ったが、今日はその頼りになるベリーは来ていない。
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    hirameria1997

    DONEワンダーランドの海で暮らすマーメイドぬすじと、売れないベーシストぬすまるの恋物語。****注意:悲恋です****
    2023年5月のプリコンにてマーメイドぬすじが本になります!!
    こちらは収録される修正版です。他書き下ろしとして続編となる「マーメイドぬすじ・リターンズ」と「epillogue〜帰国の途中〜」が収録されます。全体の3/2程度が書き下ろしです。
    マーメイドぬすじ『ワンダーランドの海には“上半身がぬす、下半身が魚"の未知なる生物がいるという』
     
     人魚——それは昔から言い伝えられてきた神秘的な存在。時を経ていつしか童話にもなった美しくも悲しいその物語は、長きに渡ってワンダーランドの子ぬすたちに広く親しまれています。
     
     ぬすじはまさに現代に生きる「人(ぬす)魚」でした。上半身は普通のぬすと同じで下半身は魚。……とはいっても、魚の形状をしているだけで質感はぬすの肌と変わりません。フカフカとした感触もぬすそのもの。しかし性質だけは魚にかなり近く、水辺でないと生きてはいけないのです。
     そんな特性からとても希少であり、普通のぬすとの交流はほぼない生活をしている「人魚」という種族。ぬすじ自身はというと陸の上の生活やそこで暮らす脚のあるぬすたちに興味はあるのですが、自分には縁のないものとして一線を引き、海の中でひっそりと暮らしていました。
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