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    三次創作

    miki_gkm

    DONE縛壱さんのお宅の式神パロ鯉月の超解釈三次創作です。
    ぽちを。さんと休日さんにエンクロージャーされて書きました。
    平安と江戸と明治のほぼ全部乗せ設定な上にググりながら書いた代物なので、何も信じずに読んでください。
    これでMMD沼に帰らせてもらえるんですよね!? そうなんですよね!?
    護国の鳥 まだ鶏も鳴かぬ夜半に、広げた翼の一丈にも届かんばかりの鳥が庭に降り立った。
     月の欠けた夜である。足元は闇に溶けて、夜露が蹴られて音を立てて散った。音を立てたから初めて夜露と知れるほど暗い中に、しかしもう舞い降りた鳥はいなかった。ぼんやりと白く霞むような狩衣の男が項垂れたまま、草を分ける音だけを立てて屋敷へと向かっている。紙燭も持たずに濃い夜の中をまっすぐに歩く男は、菅笠を被った上に俯いているから前の見えるはずもない。それどころか笠のうちには雑面が垂れていた。
     男は庭から直接濡れ縁に上がったが、白い足袋は濡れても汚れてもいなかった。相変わらず項垂れて、滑るように縁側を進んでいく。やがて障子から灯火の明かりが透けて見える部屋の前に至ると、待ち構えたようにすうと障子が開いた。見れば赤子ほどの背丈の細面の男が二人、それぞれ左右の障子の縁を掴んでいた。雑面の男が中に入ると、小さな男達は外から障子を閉めて消えた。
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    あぷ🍎

    DONEしばいぬ先生のメイドの五夏の三次創作。
    傑が高校生の時のハロウィン近くの話。季節感とは?
    傑がどうでもよくなったところで、私もどうでもよくなった。
    星の金貨 その日傑はイライラしていた。義務教育を終え、最低限の出席日数を得るために通っている高校から帰宅した日は大抵イライラしていたが、もちろんご主人様やご当主様の前でそんな態度をとる愚か者ではない、この日はいつもの比ではなかった。原因は一つ。ハロウィンが近いからである。
     五条家に関わる者として、五条家の息のかかったそれなりの身分の人間のみが通う高校に通わせてもらっているが、どこにでも猿というものは一定数いるらしい。世がハロウィンに浮き立つ中、久しぶりに登校すれば、傑を待ち受けていたのは大量のお菓子であった。基本的にエスカレーターの私立高だが、外部からの編入がないわけではなく、学年が上がる度に傑を新しく知った人間がこうして無謀にも近付いてくるのだった。正確にははっきりと近付けないからお菓子だ手紙だと回りくどいことをしてくる。しかし傑も自分のどんな行動が巡り巡って五条家の傷となるか分からないため、ありがとう、と人好きのする笑顔で応えるしかなかった。それがまた噂を呼び人を惹きつけ、と悪循環である。早く卒業したい。これが傑の口癖であった。
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