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    糸宮 キョロ

    DONEワルワリ。正確に言うと私の性癖を詰め込んだワルワリもどきの短編。こういう何が言いたいのか分かんないような仄暗い小説が好き(書けるとは言ってない)

    pixivに投げたワルワリと同じ世界線で書いてるけど本編とは全くの無関係なのでこっちにポイ。本編続きは待ってて(待ってる人いる?忘れられてるんじゃね?)


    あ、そうそう。新郎新婦の立ち位置は新郎が右で新婦が左なんですってね。これ書く時に初めて知った。
    分かたれた蝶はまた出会う。テーブルに置かれた、様々な種類の紫が詰まった小瓶。
    明度や彩度はそれぞれ違い、ラメ入りのものもあれば、パステルカラーのマットなものもある。
    こんなにたくさんの種類があると、マニキュアに興味はなくとも壮観だ。魔女の妙薬を想像させる。
    「気にいったか?」
    突然視界の先に細く節くれだった長い指が現れ、小瓶を一つつまんだ。
    親指と人差し指の間で不安定にゆらゆら揺れる小瓶には、一番スタンダードな、紫といえばこれといった色をした液体が詰まっている。
    いやらしい感じにテカテカ光って、ワルイージの趣味の少し暗めの暖色照明の光をゆるく跳ね返している。
    まぁでも、答えとしては………
    「どうでもいいな。」
    「お前らしいよ。」
    言うと思った、と言いながらことりと小瓶を机に戻す。
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    Laurelomote

    PASTカー●ィギャグパロアンソロ『ポヨポヨコミック』付録冊子にて掲載させていただきました、仄暗いサスペンスです。
    mtkb気味です。
    さらばマヌカン
    作:ロゥレル

    本文の内容はフィクションです。
    登場する用語は全て架空のものであり、実在の人物・団体・出来事等の名称とは一切関係ありません。


    カシャ、カシャ…
    軽快な音と共に繰り返される光の点滅、角度を変えて何度も切られるシャッター、その向こう側…スクリーン上のビーチの前に、彼は立っていた。
    「…はい!オッケーでーす、お疲れ様でしたー!」
    カメラマンの響く声を合図に、被写体であるカービィは自身を飾るハイビスカスの花はそのままに、作り物の青空・青い海から飛び出し簡素なパイプ椅子に沈み込んだ。
    「お疲れさま!今日も頑張ったね〜」
    「…」
    「…元気ないね」
    マネージャーのワドルディが駆け寄り顔を覗いても、つい先程までカメラに晴れやかな笑顔を見せていたはずのトップモデル・星のカービィの表情は曇ったまま。
    今の彼は、身につけたアイテムは銀河中の女性がこぞって買い漁り売り切れ続出、最近はテレビ出演など活動の幅も広がっている話題のスーパーモデル・星のカービィ。SNSでは『何してもカワイイ!』ともっぱらの好評を受け続け、その勢いは誰にも止められないとまで評されているのだが、
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    hariyama_jigoku

    DONE鍾タル小説。ボツなんだけどキスの日のSSということにしました。「仄かな夜」.

    「先生、好きだよ」
     そう初めて聞いたのは、食事の席でのことだった。

     新月軒で食事を取っている最中のこと、その日は公子が酒を呷るペースが妙に早かったことを覚えている。折を見て水を飲ませていたものの、肴を置き去りに杯だけを重ねるものだからすっかりと公子は潰れてしまっていた。個室で他人の目がない場所だったからだったのか、本人が突っ伏してしまっている以上真偽は定かではない。
    「公子殿」
     軽く肩を揺さぶっても、意味を成さない声が返ってくる。腕を枕に頭を横たえていて、時折目を瞬かせるもののその動きは酷く緩慢だ。顔も耳も朱に染まっていて、どうやって店から連れ出すべきかと思案する。
     ふと思い出して、己の財布を探った。が、見当たらない。当ては寝に伏している。流石にそんな相手の懐を探ることは憚られて、ツケを頼もうと椅子を引いた。すると立ち上がるかくらいのところで、公子の頭がゆらりと持ち上がる。起きてくれるならそれに越したことはない。会計をしたい旨を口に出そうとすると、赤い相貌がふわりと崩れる。眉を下げて、水を孕む瞳は深い青を蕩かした色をしていた。そして公子は口角を上げて、とっておきの秘密を 1844