半田
_to_ki_
DONE少年半田と少年ロナルドが一緒に花火を見に行く話花火それはとある夏の日の出来事。昼間に眩しく輝いていた太陽が沈み、僅かに空の淵を明るく照らす頃、木々に囲まれた草むらで黒髪の少年が一人しゃがみこんでいた。少年は両親と共にこの近くで開かれる夏祭りに遊びに来ていたのだが、その会場でうっかり二人とはぐれてしまったのだ。
そんな彼が何故祭りの会場では無くこんな薄暗い森の中に居るかというと、それにはとある理由がある。
彼は幼いながらも吸血鬼探知能力を有する優秀なダンピールであり、その力を使って吸血鬼である母親を見つけようとしていたのだ。しかし他の吸血鬼も多い喧騒の中では上手くいかず、少し人ごみから離れようと移動している内にいつの間にか祭りの会場からずいぶん離れた所に来てしまったという訳だった。
6448そんな彼が何故祭りの会場では無くこんな薄暗い森の中に居るかというと、それにはとある理由がある。
彼は幼いながらも吸血鬼探知能力を有する優秀なダンピールであり、その力を使って吸血鬼である母親を見つけようとしていたのだ。しかし他の吸血鬼も多い喧騒の中では上手くいかず、少し人ごみから離れようと移動している内にいつの間にか祭りの会場からずいぶん離れた所に来てしまったという訳だった。
スヅキ
DONE《赤い退治人をねらい撃ち!2》展示小説。ロナルドからドラルクと付き合ってると言われた夢を見て、いてもたってもいられなくなった半田くんの話。
以前Twitterに上げたネタに肉付けしました。
寝起きと徹夜明け【半田side.】
「な、なぁ、半田。その…」
いつもの様に、ロナルドの事務所へセロリトラップで襲撃をし一悶着した後、ロナルドがソワソワと顔を赤らめながら言った。
「何だ。言いたい事があるならハッキリ言え」
「えっと…は、恥ずかしいんだけどよ…俺たち、つ、つ、付き合う事になったから! だから、今までみたいにいきなり事務所に押し掛けてくるのは止めて欲しいっていうか」
目の前で、モジモジと両の指を絡ませながら言う言葉を咀嚼しようとするが、上手くいかない。
「……付き合うとは、誰と誰が……」
「俺とドラルクに決まってんだろ! 言わせんな恥ずかしい」
どこに? と続けようとした所で間髪入れずに返された言葉。ちょっとそこまで付き合えとか、そう言うニュアンスではないと悟った。恥ずかしがる態度からして察してはいたが、理解が追いついていなかった。
3720「な、なぁ、半田。その…」
いつもの様に、ロナルドの事務所へセロリトラップで襲撃をし一悶着した後、ロナルドがソワソワと顔を赤らめながら言った。
「何だ。言いたい事があるならハッキリ言え」
「えっと…は、恥ずかしいんだけどよ…俺たち、つ、つ、付き合う事になったから! だから、今までみたいにいきなり事務所に押し掛けてくるのは止めて欲しいっていうか」
目の前で、モジモジと両の指を絡ませながら言う言葉を咀嚼しようとするが、上手くいかない。
「……付き合うとは、誰と誰が……」
「俺とドラルクに決まってんだろ! 言わせんな恥ずかしい」
どこに? と続けようとした所で間髪入れずに返された言葉。ちょっとそこまで付き合えとか、そう言うニュアンスではないと悟った。恥ずかしがる態度からして察してはいたが、理解が追いついていなかった。
ao_lake
DONE「ロナルド君お誕生日の反転半ロナ」素直な半田とお嬢様ルド君の二人を見守るドラルクの短い話。ドラルク視点。
ロナルド君お誕生日の反転半ロナ「あら、お客様ですの?ごめんなさい…今日は事務所はお休みで…半田さん!?」
「ロナルド君、突然押しかけてすまない…どうしても今日渡したいものがあって」
ドラルクはため息をつきたくなった。
めずらしくドアから事務所に来たかと思えば、入り口でもだもだとしている半田とロナルドの様子を見に来てみれば、この調子だ。
若造は誕生日にもかかわらず吸血蝶の出現でお嬢様になっているし、そこに素直な半田君がやってきた。そして甘酸っぱい雰囲気を醸し出している。
普段からなんだかんだと騒いでいながら相手を目で追っている二人だ。互いへの気持ちに気付いていないのは本人達だけなのに、反転すると二人していきなり意識し出すところが正直おかしくて面白い。
1084「ロナルド君、突然押しかけてすまない…どうしても今日渡したいものがあって」
ドラルクはため息をつきたくなった。
めずらしくドアから事務所に来たかと思えば、入り口でもだもだとしている半田とロナルドの様子を見に来てみれば、この調子だ。
若造は誕生日にもかかわらず吸血蝶の出現でお嬢様になっているし、そこに素直な半田君がやってきた。そして甘酸っぱい雰囲気を醸し出している。
普段からなんだかんだと騒いでいながら相手を目で追っている二人だ。互いへの気持ちに気付いていないのは本人達だけなのに、反転すると二人していきなり意識し出すところが正直おかしくて面白い。
シロミ
DOODLE夢主注意。イケメンが好きで顔は性格が滲み出る。だから私はかわいい……みたいな子。イケメンの範囲がバカ。爆笑すると鼻水が出るので普段はあまり笑わない。クールな表情の私が一番かわいいしな。ニヤッとはする。でもその顔があんまりかわいくないと思ってるのとパンダ推しなのででっかいゴーグルをしている。半田満天ちゃん。たぶんコアラとど~ぶつ隊を組もうと思っていたのに東さんに取られたって思ってる。ROM
DONEゲーム版GO時空。本編より少し前の話半田君が目金君の自分語りに付き合わされる話。CP要素なし
平凡な日々の一幕「えっ、俺がKFCの監督だって?」
「勿論。半田ちゃん以外にピッタシな人なんていないわよ」
桜の花びらが春風に舞い散るある土曜日の昼下がり。稲妻商店街の一角にあるカフェのテラスで半田真一は如月まこによって詰め寄られていた。如月まこは稲妻町の河川敷をホームに構えるサッカークラブ『稲妻KFC』のOGで現在はコーチとしてKFCに関わっている。KFCと半田の在籍していた雷門中サッカー部は長い付き合いに在り、部員が11人に満たなかった頃に円堂の練習に付き合ってくれていた他、雷門中サッカー部と練習試合を行ったこともあった。伝説のイナズマイレブンの一人が監督に就いていたとはいえ小学生が、それも男女混合チームの彼女達が自分たちの動きに食らいついていたのは今思い返すと中々信じられない話だと半田はしみじみと振り返る。
11125「勿論。半田ちゃん以外にピッタシな人なんていないわよ」
桜の花びらが春風に舞い散るある土曜日の昼下がり。稲妻商店街の一角にあるカフェのテラスで半田真一は如月まこによって詰め寄られていた。如月まこは稲妻町の河川敷をホームに構えるサッカークラブ『稲妻KFC』のOGで現在はコーチとしてKFCに関わっている。KFCと半田の在籍していた雷門中サッカー部は長い付き合いに在り、部員が11人に満たなかった頃に円堂の練習に付き合ってくれていた他、雷門中サッカー部と練習試合を行ったこともあった。伝説のイナズマイレブンの一人が監督に就いていたとはいえ小学生が、それも男女混合チームの彼女達が自分たちの動きに食らいついていたのは今思い返すと中々信じられない話だと半田はしみじみと振り返る。
15saihasaikou
DONE学生半田がド(15)にあまずっぺ~恋をするみたいなやつです半田くんのほんとうの初恋 半田桃の初恋の相手はお母さんだ。お母さんと結婚したいと言い続けてきたし、今後も言い続けると思っていた。ドラルクと出会うまでは。
(吸血鬼だ……)
もうすぐ高校一年生になる、中学最後の春休み。半田はいつか吸対に入るため春休み中もだらけたりせずジョギングに励んでいた。お母さんに心配をかけないよう、あまり夜遅くならないうちに帰るようにしているのだが、その日は新しいコースを見つけようとして遠回りしたために、すでに夜になっていた。
その吸血鬼は公園でポーズをとり、アルマジロに畏怖~ともちあげられていた。ふふんっと得意げにしている吸血鬼はまだ少年で、おそらく半田と同年代かその下くらいだ。か細い体をしていていかにも弱弱しい。
2898(吸血鬼だ……)
もうすぐ高校一年生になる、中学最後の春休み。半田はいつか吸対に入るため春休み中もだらけたりせずジョギングに励んでいた。お母さんに心配をかけないよう、あまり夜遅くならないうちに帰るようにしているのだが、その日は新しいコースを見つけようとして遠回りしたために、すでに夜になっていた。
その吸血鬼は公園でポーズをとり、アルマジロに畏怖~ともちあげられていた。ふふんっと得意げにしている吸血鬼はまだ少年で、おそらく半田と同年代かその下くらいだ。か細い体をしていていかにも弱弱しい。
shi_na_17
DONE半田誕のお祝いに。ロナルド君も半田もそれぞれ大事なところでポンコツなのが愛おしい〜2022半田おたおめ「ロナルドォォォォ!!!!」
ドゴッ!! 壊れる勢いで事務所の扉を開く。勿論、この程度で壊れないことは実証済みだ。そして手にはセロリ。今日はフレッシュな採れたてセロリだ。なんせこの俺が直々に可愛がって育てたセロリである。フレッシュそのもの。
「はんだ……」
………………???
思ったのと違う。いつもなら、形容し難い悲鳴を上げて泣き出すはずなのに、なんだかもう既に情けない顔で泣いている。何だ貴様、なぜそんな情けない顔でしくしく泣いて────。
「チクショーーーお誕生日おめでとーーーっ!!!!」
「ぶべっ」
怪訝に思って悩んでしまったがために、判断が鈍ってしまったのか。突如飛んできたパイ?(生クリームたっぷり)をもろに顔面に受ける事になってしまった。
3464ドゴッ!! 壊れる勢いで事務所の扉を開く。勿論、この程度で壊れないことは実証済みだ。そして手にはセロリ。今日はフレッシュな採れたてセロリだ。なんせこの俺が直々に可愛がって育てたセロリである。フレッシュそのもの。
「はんだ……」
………………???
思ったのと違う。いつもなら、形容し難い悲鳴を上げて泣き出すはずなのに、なんだかもう既に情けない顔で泣いている。何だ貴様、なぜそんな情けない顔でしくしく泣いて────。
「チクショーーーお誕生日おめでとーーーっ!!!!」
「ぶべっ」
怪訝に思って悩んでしまったがために、判断が鈍ってしまったのか。突如飛んできたパイ?(生クリームたっぷり)をもろに顔面に受ける事になってしまった。
no_nono_
PASTイナイレ男女CP(半夕(半田真一X豪炎寺夕香)一応フィディルシェ 2011年タイトルは「だぶるでーと」でした。最後の一枚絵は自分の誕生日に描いた「誕生日をお祝いしてくれる半夕」です。 10
オサハタ
MOURNINGイモータルのくちづけをきみにhttps://www.pixiv.net/artworks/91531145
のセルフカバー的なもの。
以前描いていただいたこちら
https://twitter.com/alcohol_20over/status/1270684346949595140
を参考にさせていただきつつチャレンジしたけどやはりこちらの頂き物が究極にして至高だというのが改めて分かりますね。(分かりますね)
(というかこの自分のが恥ずかしくて早くも消したいんですけども……ヒィン……いつまでも下手くそで悲しい……)
何がすごいって私は作中で二人の服装に関してはほぼ言及していなかった(半田くんがマントしてるってことくらいしか書いていないはず)にもかかわらずイメージばっちりなんですよね。いや、作中で表記しなかったのは単に私の想像力が及ばなくて書けなかったというのが正しいくらいなので、描いてもらって初めてああそうかあの話のふたりはこういう感じだったんだなと自然にしっくりきたんでまぁびっくりしたんですよっていう、そういう……そういう、ね(語彙ゼロ)
オサハタ
PAST絵じゃなくてSSなんだけども。2019年8月のもの。
これ、半田くんは、次に来るための口実にサギョウくんがわざと置いていったのかと思ったらそうじゃなかったから更におこなんだ、という裏設定があったとか無かったとか。 2
オサハタ
PROGRESSうっかり突然死とかしなければクリスマスに間に合うと思う~とか言ったけど突然死したら間に合うもクソも無いし今夜アニメだから突然死の可能性大いにあるよね、まだ油断できないわね
エンディングで突然死したよありがとうアニメ。
半田くん仕事中に買い食いする子なんだなぁ、でも上役がやってたら後輩もやりやすいよね、優しいね(ぐるぐる目
オサハタ
PROGRESSはぁはぁ……週末は、だいたい朝から外出して夜帰ってきて、その後あれこれあってから泥酔状態でお絵描きするから性癖ダダ漏れになりがちだよ…(可愛い攻めとオラオラな受けになりがちだよ)朝起きて見てみたら6コマ目の半田くんのお顔良いな。描いた記憶飛んでるけど。
オサハタ
DOODLEテンプレ元↓https://twitter.com/amedama226/status/1470336790083284994
一度でも離してしまったら二度と掴めないと思っている半田(左下思考)と、
いずれ離れるのであろうしそうなったら二度と戻ってきてはいけませんよ、と思っているサギョウ(左上思考)。
普段は「あんたと付き合えるのなんか僕くらいですからね」とか言ってても実は、みたいなね……
オサハタ
DOODLE半田くんに憧れて片想いしてるサギョウくんのSS、出会ったばかりの頃で、半田くんには相手がいると思い込んでいて、みたいな時期のもの、なんだけど半田くんもサギョウくんのこと気になってるから両片想いかも知れない何か記憶に残るモノ 先輩には、非番の次の日にだけする香りがある。
甘さと酸味が程よい、腹が減りそうな果物のにおい。
それはすれ違うときにほのかに感じる程度の軽いもの。
だけど他の日にはしないものだから、きっと、非番だからと会っている、どこかの誰かの香りなんだろうなと、僕は思っていて──感じるたびに少し、息苦しく、なっていたんだ。
それが変わった。
果物ではなく、柔らかい花の香り。
やっぱり非番の次の日だったから、僕は、ああきっと、会う人が変わったのだろうなと思って、更に息がしづらくなった。
よりどりみどり、相手には困らないだろう憧れの人。
昨日はどう過ごしたのだろう、という、下衆でくだらない妄執に囚われた僕はどんな顔をしていた?
935甘さと酸味が程よい、腹が減りそうな果物のにおい。
それはすれ違うときにほのかに感じる程度の軽いもの。
だけど他の日にはしないものだから、きっと、非番だからと会っている、どこかの誰かの香りなんだろうなと、僕は思っていて──感じるたびに少し、息苦しく、なっていたんだ。
それが変わった。
果物ではなく、柔らかい花の香り。
やっぱり非番の次の日だったから、僕は、ああきっと、会う人が変わったのだろうなと思って、更に息がしづらくなった。
よりどりみどり、相手には困らないだろう憧れの人。
昨日はどう過ごしたのだろう、という、下衆でくだらない妄執に囚われた僕はどんな顔をしていた?
オサハタ
BLANKアニメ待ちの間に描いてた。(今日もEDクレジットにサギョウくんいたけど出てた?分かんなかった~)
(補足
余るわけでもないのにただ美味しくできたからって理由で声かけてくれたのが半田くんは滅茶苦茶嬉しかったんだと思う)
オサハタ
CAN’T MAKE出ない本の表紙だけを描く遊び。この本は多分、初めての本気の恋に戸惑い、悩み、未知のもの故に後退りする半田くんを、サギョウくんが引っ張って「怖くないですよ、ほら」って、言うような、なんか、そういうノリの、こそばゆくもウワー!//////ってなる本なんじゃないかな……知らんけど……フゥ……
オサハタ
MEMO付き合ってる半サギョで、サギョウくんの部屋の合鍵持ってる時空の半田くんの半サギョ(補足:主催も別に騙したわけじゃないと思う、結果的にそうなっただけで。)
帰る場所 唐突に鳴った電話、取った相手はサギョウ。
どうした? と聞くより早く向こうから話が始まった。
『いやもう参っちゃいましたよ』
周囲の喧騒からして居るのは繁華街だと窺い知れる。
『同期会だって聞いてたから行ったのに──』
そうだな、俺もそう聞いていた。
『なんか、指定の店に着いたら知らない人も何人か居て〜──』
サギョウは走っているのだろう、弾んだ息遣いが声に混じる。
『何のことはない、蓋を開けたら合コンだったんで、適当な口実でっち上げてシンヨコに帰ってきたとこです〜』
そうだと知っていたら行かなかったのに、と零すサギョウに、それは大変だったなと応えたら、
『いや僕は別にいいんですけどねぇ』
と、続いた言葉はため息混じり。
983どうした? と聞くより早く向こうから話が始まった。
『いやもう参っちゃいましたよ』
周囲の喧騒からして居るのは繁華街だと窺い知れる。
『同期会だって聞いてたから行ったのに──』
そうだな、俺もそう聞いていた。
『なんか、指定の店に着いたら知らない人も何人か居て〜──』
サギョウは走っているのだろう、弾んだ息遣いが声に混じる。
『何のことはない、蓋を開けたら合コンだったんで、適当な口実でっち上げてシンヨコに帰ってきたとこです〜』
そうだと知っていたら行かなかったのに、と零すサギョウに、それは大変だったなと応えたら、
『いや僕は別にいいんですけどねぇ』
と、続いた言葉はため息混じり。
オサハタ
DOODLEサギョウくんを対等に見ている半田くんツーマンセル 非番の夜、歩いていた街。
ふと聞こえた喧騒、妙に気になって赴いた先には先輩たち。
切羽詰まった雰囲気、騒つく胸中。
だけど握った電話は鳴っていない、僕は必要ない?
それでも駆けた、呼んだ。
「先輩!」
弾かれたように僕を見た先輩に、『何か手伝えることは?』と、聞く前に──
「助かった!」
先輩が応えて、くれた。
「吸血鬼が逃げた! この地点から各周囲ふた区画、一般人への非難誘導を頼みたい!」
手短に、だけど要点は捉えた先輩の声に僕は頷いて、来た道を戻り駆けながら返答した。
「了解です!」
私服で丸腰の僕にできるのはそれくらいだ、だけど──
ひたすらに嬉しかった。
僕に、できることがある、そしてなにより──
先輩が、僕を頼ってくれた、その一点が。
706ふと聞こえた喧騒、妙に気になって赴いた先には先輩たち。
切羽詰まった雰囲気、騒つく胸中。
だけど握った電話は鳴っていない、僕は必要ない?
それでも駆けた、呼んだ。
「先輩!」
弾かれたように僕を見た先輩に、『何か手伝えることは?』と、聞く前に──
「助かった!」
先輩が応えて、くれた。
「吸血鬼が逃げた! この地点から各周囲ふた区画、一般人への非難誘導を頼みたい!」
手短に、だけど要点は捉えた先輩の声に僕は頷いて、来た道を戻り駆けながら返答した。
「了解です!」
私服で丸腰の僕にできるのはそれくらいだ、だけど──
ひたすらに嬉しかった。
僕に、できることがある、そしてなにより──
先輩が、僕を頼ってくれた、その一点が。