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    指輪

    ろまん

    DONE【あとねこ/おおねこ】恋愛の類が介在しない関係を数年続けてきたある日、音子ちゃんが唐突に阿鳥に婚姻届と指輪を渡してプロポーズする話です。現世にはいない大外の存在が大きく関わっています。
    ※トゥルーエンド軸
    ※特ストの内容も反映されています
    ※一部倫理のない描写があります
    pixivにも同じものを投稿しています。
    独善的マリアージュ「君は繋ぎ止めたかったんだろう? 塚原音子」

     そう言って、今夜も大外さんはその綺麗な顔を歪めて、皮肉げに微笑んだ。



     

     いつからか恒例の待ち合わせ場所となったカフェの店内は、いつもと変わらず落ち着いた雰囲気に満ちている。
     小さく流れるジャズの洒落た音色を妨げる者は誰もおらず、聞こえてくるとすれば、マドラーがカップに触れてカチャ、と響く音くらいだ。
     時刻は午後三時を過ぎたあたり。目の前に座る人物の右側は窓から差し込むあたたかな日の光で包まれ、左側へは薄く影を落としていた。その様はまるでどこぞの美術館に収納されている絵画のような仕上がりで、思わず感嘆の吐息を漏らしてしまう。
     そんな絵画のような美しき人物――もとい阿鳥先輩は、宝石のような深い青の瞳で、ある一点を眺めたまま固まっていた。
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    Lei

    DOODLE👹に指輪を投げつける🦊の話
    指輪机の上に置かれた、指輪の入った箱。勢いで買ってしまったこれを、一体全体どうしたらいいのか。名探偵であるはずの自分でさえ分からない、この難問。捨てるには高すぎて、渡そうとした相手に渡すには正気に戻ってしまった。
    「何で俺はこれを買っちゃたの!????馬鹿なのか!?」
    頭を抱えながら、これを買った時を思い出す。

    ぶらぶらと洋服を買った帰り道。普段は目にも止まらない、高級アクセサリー店。それに目が行ってしまったのは、何故だろう。もしかしたらヴォックスとの交際が5年目を迎え、彼との“これから”を考えるようになったからかもしれない。普通のカップルなら結婚も視野に入っているであろう期間。しかし俺たちは“普通”のカップルじゃない。男同士ってこともそうだけど、何よりヴォックスは400年生きる鬼だ。俺が寿命を迎えても、彼はその後もずっと生きるのだろう。そう考えれば、俺と過ごす時間は彼の中ではちっぽけなものに過ぎない。そんな俺が彼を一時でも縛り付けるのは、いけないことだろう。それでも、5年という月日を彼に愛されてしまった俺は、彼を縛り付けてしまいたいという身分不相応な願いを抱いてしまっている。フラフラと入ったそこは、幸せそうなカップルでいっぱいだった。
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