王妃
Mangetuko_o1
MOURNINGおめでとうございます。お世話になっている大好きな方へ捧げたお話しです。
掲載許可いただきましたので投稿します。
エチエチ無しです。
リン君がガノ様へ、プレゼントを考える話です。
リン君なんでもこなす超人だと思っていますが、今回は苦手を作ってみました。ごめんね。
設定→リン君王妃様。夢渡りと同設定です。
心を込めて貴方に「採寸ですか?」
「もうすぐ新たな年になりますから、その神事にてお召しになるもののご準備です。」
リンクは自室にて身支度をされながら専属侍女から説明を受けている。
「この前も作ったばかりですが?」と首を傾げれば、あれは、月見祭のものですから意匠が違いますとの言葉。
「それに、この度はガノンドロフ様からの要望でもありますのでどうかお受け下さいますよう。」
「・・・はい」
そう、言われて仕舞えば首を縦に振るしか選択肢はない。
「それに新年祭の日に大切な方に贈り物をすれば幸せに過ごせると言われています。」
「え?そうなの?」
「えぇ。ですからガノンドロフ様はリンク様に新しい服を送りたいのだと思いますよ。」
その言葉にふと考えを巡らす。
2708「もうすぐ新たな年になりますから、その神事にてお召しになるもののご準備です。」
リンクは自室にて身支度をされながら専属侍女から説明を受けている。
「この前も作ったばかりですが?」と首を傾げれば、あれは、月見祭のものですから意匠が違いますとの言葉。
「それに、この度はガノンドロフ様からの要望でもありますのでどうかお受け下さいますよう。」
「・・・はい」
そう、言われて仕舞えば首を縦に振るしか選択肢はない。
「それに新年祭の日に大切な方に贈り物をすれば幸せに過ごせると言われています。」
「え?そうなの?」
「えぇ。ですからガノンドロフ様はリンク様に新しい服を送りたいのだと思いますよ。」
その言葉にふと考えを巡らす。
Soror
DONE王妃様とドミニッチ家(と殿下)漫画(5p)。25話前編、王妃様の高潔な魂に感服いたした………あと「シルベスト」って名前呼び慣れてる感がめちゃくちゃ刺さった!!省略したけどこれは「王妃様からシルベストに菓子を下賜する」という体の呼び出しで、公式に王妃様が殿下を気にかけていたという記録は残ってないです2024/12/11差替:パパ上名前判明おめでとう!!!!死ぬほどかっこいい!!!!!!!! 7
まみや
DOODLEハッ主前提(本人たちは出てこない)、シェーラ王妃とレイドック城のメイド長の話。ネタバレ注意&かなり独自設定色が強い話です。メイド長は見た! シェーラ王妃様は、わたくしの事をいつも「ねえや」とお呼びになる。
それはシェーラ様がレイドック王に見初められ、若い身空でこのお城にお輿入れされたころから。
わたくしがシェーラ様の侍女に抜擢され、初めてお会いした時、シェーラ様はご自身と同じ年頃のわたくしに、
「ねえ、あなたのこと、ねえやとお呼びしてもいいかしら? 私、普通の家の出だから、レイドック王家のしきたりや、そういうことは何もわからなくて、正直、不安なんだけれど……でも、あなたみたいに年の近い方がそばにいてくださるのなら安心だわ」
と言って、わたくしに微笑まれた。
そう言われてふんわりと嬉しくなり、頷いたのがきっかけで、今に至るまでわたくしはシェーラ様にねえやと呼ばれている。もう、ねえやというような歳では、お互いにないのだけれど。
4579それはシェーラ様がレイドック王に見初められ、若い身空でこのお城にお輿入れされたころから。
わたくしがシェーラ様の侍女に抜擢され、初めてお会いした時、シェーラ様はご自身と同じ年頃のわたくしに、
「ねえ、あなたのこと、ねえやとお呼びしてもいいかしら? 私、普通の家の出だから、レイドック王家のしきたりや、そういうことは何もわからなくて、正直、不安なんだけれど……でも、あなたみたいに年の近い方がそばにいてくださるのなら安心だわ」
と言って、わたくしに微笑まれた。
そう言われてふんわりと嬉しくなり、頷いたのがきっかけで、今に至るまでわたくしはシェーラ様にねえやと呼ばれている。もう、ねえやというような歳では、お互いにないのだけれど。
クラック
MEMO #伽藍夜会 にて展示しております「王妃の首飾り」の個人的な補足というか小ネタというか…主に後ろに飾ってある絵画の説明です。興味のある方は是非
pass:# 伽藍夜会□□□□ と伯爵の身長 計7桁
kaji_koma
DOODLE怖い話をします。今日終わるからとガチャを回したら王妃が来ました でも暗殺者の方は来なかったなぁ…と思って強化し始めたんですすると、そこには…暗殺者がいたんです……レベル80の…!
多分めっちゃ眠い時に来て強化したとこで寝落ちから忘れたんだね…あとは伯爵ガチャだよ!
やま富士
PROGRESS視線誘導・悩装飾の意味合い・悩
オープンスケベorじっとりスケベ・悩・嘘
悩んでない、じっとり一択
一枚絵描く時間あったら原稿やるべきって?
たしかにぃ~~~!
オイビのビルを描くときは骨ぼねしさやクソ真面目感をやけに意識してしまう
小柄な女体の曲線美とのコントラストを強めたいってのと、やっぱね、王妃の前では頼れる男でいたいと踏ん張ってる臆病者くんを愛しているから
d_kenpis
MAIKING前書いた支部リュラファ♂の懐妊ラのやつの続きですが、多分読まなくても問題ないやつ。かなりご都合世界なので深く考えちゃだめです。突っ込むのも飽きたのでラはもう王妃呼び受け入れてます。全然裏まで遠くて参る…。
ラがかなり雌なので何でも許せる方向け。
本番ないし大した内容じゃないけど♡喘ぎあるのでパスつけました…(ラファの誕生日) 11426
haka_hakah
DONE(女体化ネタ注意)女騎士のローランと王妃の辺境伯ちゃんのおしゃべり。
某スレで出てたネタを拝借しました。いつも素晴らしいネタをありがとうございます。
王妃の辺境伯ちゃんはしっかり者でプライド高めのクール系、女騎士のローランは通常版よりちょっと子供っぽい天真爛漫系のイメージで書きました。
大帝と聖騎士帝はいつも通り。可愛い嫁と一緒に末永く幸せに暮らせ!(ご祝儀を捧げる) 1532
yosino_sirayuki
DONE「カイさんと過ごす。おおもりっ」展示作品です決まった合図で娘を呼び出す大臣
※新人公演「不眠王」の公演CPです
※小説・月の道しるべのネタバレがあります
※時間軸は本編終了後です
※娘が王妃になっています
※軽い流血表現があります 2358
imori_matsu
DONE魔王なミステリアスクールと王妃の肉食系肉のしょうもない話。「ミステリアスクールな魔王は肉食系肉の兄を王妃にしたい」の世界線です。
今の所エロくはないが、全力で阿呆な下ネタです。
続き…間に合うかな…? 2406
老外( ´∀`)
PROGRESS(。A。)我好ㄎㄧㄤ總之永井圭單戀論ㄉ叔,不過因為海斗濫好人所以會認真考慮雙方交往的可能性← 幹勁它都去妄想了啊啊啊好想瑟瑟好想看西批在床上(規制)_(:3 」∠ )_突然回頭去處理第一張PO的幼帝王妃——我是說二世(σ′▽‵)′▽‵)σ藍鬼鬼鬼鬼
PAST《廢案》為抵抗即將到來的大災難,遂將歷史上的英雄王轉生到現代協助避免末日。前世經歷了追妻火葬場後終成眷屬,現世將亡妻作為使魔召喚出來。
究竟英雄王能不能成功阻止世界末日呢?加油啊大帝!你可以的大帝!
妻管嚴英雄王❌冷嬌使魔王妃的救世物語❗
🔺️王妃之後被我改了一下挪去當龍使魔女主了。 10
mmk_035
DOODLE⚠️捏造キャラ⚠️🥗王妃のキャラデザ妄想してた頃の絵
M字前髪は外せない!と思い意識して描いたつもりだけど今みるとそうでも無いかも…
私から見て王は力はあるけど盲目的(親バカ)で可哀想で面白い人だと思ってるから、王妃はより冷酷で聡明だったりするかもね!という妄想からできました(王子を見ながら)
虚無から生み出すキャラデザ楽しいね!
mhyk_skk
PAST2021年3月画的,是阿雷娶了浮的妹妹做王妃的if,进展很阴间开幕就是掐脖子所以上个预警,请确保可以接受再点开
我自己很喜欢所以应该会画完,甚至其实还起草了一段结婚时的前传
虽然没想到已经是超过一年前画的了…… 8
kourou_akat_v
DONE★☆芥敦オンリーのウェブイベント『黒と白のレゾネヰト』にて展示の作品です★☆【くれない庵】(う1)
芥敦短編小説①花片小話
支部で掲載中の芥敦小説シリーズ。
王様(芥)✕元家人の王妃(敦)。同性間での婚姻妊娠出産が可能ななんちゃって中華風パロのSSSです
★パスワードの入力をお願いします☆
ヒント→芥敦と〇〇〇〇〇秋(ひらがな5文字)
※『黒と白のレゾネヰト』サークルのお品書きに記載 5766
torimaruma
PAST3パターンのへそ出しローザ様を並べてみた左側:スーファミドット版の緑ビキニイメージ姿
真ん中:リメイク版お腹露出アレンジな出べそなローザ様
右側:お年を召されたTAローザ王妃様の夏仕様?ビキニへそ出し
Yako_san8
DONE★hadesweekly6回目お題・《めしあがれ!》冥界王妃と宴会することになった王子と死神の話。※王子と死神は伴侶になって日が浅いくらいの距離感です。
灼熱のシンポシア「―ねぇ、ザグレウス。今度アスポデロスを《通過》するとき、エウリュディケのところに顔を出してお行きなさい」
「え……、彼女が何か言っていましたか?オルフェウスからは特に聞いていませんが」
冥王譲りの闇色の結膜に浮かぶ紅い瞳がきょとんと見返してくる様が何だか微笑ましくてペルセポネはふふっと笑う。
「行ってみればわかるわ!」
「はい、母上がそうおっしゃるのなら、忘れずに立ち寄ってみます!」
一片の疑いもなく素直に頷いた王子の姿に、我が息子ながら純粋に育ち過ぎやしないかと一抹の不安が頭をもたげた冥界王妃だったが、あの気難しやのハデスの元ですくすく育った彼自身の強かさを信じることにした。
◇
「―ふぅ、こう暑いと早く歌乙女の所に寄って美味しいフレッシュネクタルでも飲みたくなるな……」
6542「え……、彼女が何か言っていましたか?オルフェウスからは特に聞いていませんが」
冥王譲りの闇色の結膜に浮かぶ紅い瞳がきょとんと見返してくる様が何だか微笑ましくてペルセポネはふふっと笑う。
「行ってみればわかるわ!」
「はい、母上がそうおっしゃるのなら、忘れずに立ち寄ってみます!」
一片の疑いもなく素直に頷いた王子の姿に、我が息子ながら純粋に育ち過ぎやしないかと一抹の不安が頭をもたげた冥界王妃だったが、あの気難しやのハデスの元ですくすく育った彼自身の強かさを信じることにした。
◇
「―ふぅ、こう暑いと早く歌乙女の所に寄って美味しいフレッシュネクタルでも飲みたくなるな……」
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部12話後のクロウリー学園長=カラスのディアヴァルの物語、美しき女王編の第12話です。日々研鑽に励む王妃グリムヒルデが女王となる日がついにやって来ました。しかしグリムヒルデは意外なことに……。
(本文約3100文字/豆知識(サファイアについて)410文字)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部⑫話「喪服と戴冠」 王妃は公務と秘薬の研究に勤しみつつも、決して忘れないことがあった。
それは自らの「美」を磨く努力だった。
「私はね、世界一美しくなければいけないの。いつどこで誰に見られても、この美で魂すら掴めるようなカリスマにならなければ。我が君亡き今、民を従え諸国と渡り合うためには、私自身にカリスマ性が必要。秘薬で絡め取るのは補助に過ぎないのよ。勝負は第一印象で決まるの。だから絶対手を抜いては駄目」
そして彼女は、毎朝毎晩、あの魔法の鏡に尋ねるのだ。
「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのは誰?」
と。すると鏡は必ず応える。
「王妃様、貴女さまが世界で一番美しい」
ディアヴァルには、王妃はそうやって鏡に尋ね、答えを得ることで自分を鼓舞しているように見えた。なんて強い女性なのだろう。夫を失い、突然国政を任されて辛い日々なのに、それを他人に見せることもなく一人で運命に立ち向かっている。その姿を見ているだけで、心の底から深い尊敬の念と狂おしいほどの愛おしさが湧き上がってくるのだった。
3573それは自らの「美」を磨く努力だった。
「私はね、世界一美しくなければいけないの。いつどこで誰に見られても、この美で魂すら掴めるようなカリスマにならなければ。我が君亡き今、民を従え諸国と渡り合うためには、私自身にカリスマ性が必要。秘薬で絡め取るのは補助に過ぎないのよ。勝負は第一印象で決まるの。だから絶対手を抜いては駄目」
そして彼女は、毎朝毎晩、あの魔法の鏡に尋ねるのだ。
「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのは誰?」
と。すると鏡は必ず応える。
「王妃様、貴女さまが世界で一番美しい」
ディアヴァルには、王妃はそうやって鏡に尋ね、答えを得ることで自分を鼓舞しているように見えた。なんて強い女性なのだろう。夫を失い、突然国政を任されて辛い日々なのに、それを他人に見せることもなく一人で運命に立ち向かっている。その姿を見ているだけで、心の底から深い尊敬の念と狂おしいほどの愛おしさが湧き上がってくるのだった。
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部11話後のクロウリー学園長=カラスのディアヴァルの物語、美しき女王編の第11話です。
隣国の王を退けてからの王妃は、ディアヴァルを連れて毎日のように地下室へと降りてゆき、秘薬の研究をするようになります。ある日、王妃は子ども時代の思い出を語り始めました。それは哀しい物語だったのです…。
(本文約3000文字/豆知識(魔女の大釜について)約1160文字)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部⑪話「王妃、生い立ちを語る」 隣国の王が穏便に帰っていってからのこと。
ディアヴァルは今では城のあちこちに出入りして、時に姿を見せつけ、時にひっそりと物陰に隠れて聞き耳を立てて人々の噂を集めていた。それをグリムヒルデに伝えることは出来なくても、いつか役に立つこともあるかもしれない。それに何よりも、愛する人がどう評価されているのか気になってしまったのだ。
人々の噂は、はっきりと変化していた。
いまや王妃は、一日の多くを地下室で過ごすようになった。寂しがる姫には、おかあしゃまは大事なお仕事があるから、と言い聞かせて乳母に任せ、ディアヴァルを伴って地下へと降りてゆく。そこで秘薬の調合の研究に没頭するのだった。
そんな日が続くと、城の中には「王妃は魔女だ」という噂が再び囁かれるようになった。ただ、以前とは違って、その囁きは畏れこそ含んではいたが、悪意は含まれていなかった。
4185ディアヴァルは今では城のあちこちに出入りして、時に姿を見せつけ、時にひっそりと物陰に隠れて聞き耳を立てて人々の噂を集めていた。それをグリムヒルデに伝えることは出来なくても、いつか役に立つこともあるかもしれない。それに何よりも、愛する人がどう評価されているのか気になってしまったのだ。
人々の噂は、はっきりと変化していた。
いまや王妃は、一日の多くを地下室で過ごすようになった。寂しがる姫には、おかあしゃまは大事なお仕事があるから、と言い聞かせて乳母に任せ、ディアヴァルを伴って地下へと降りてゆく。そこで秘薬の調合の研究に没頭するのだった。
そんな日が続くと、城の中には「王妃は魔女だ」という噂が再び囁かれるようになった。ただ、以前とは違って、その囁きは畏れこそ含んではいたが、悪意は含まれていなかった。
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部10話後のクロウリー学園長=カラスのディアヴァルの物語、美しき女王編の第10話です。秘薬を調合した数日後、とうとう隣国の王が王妃の元を訪れます。ディアヴァルは気が気ではなく…。(本文=約4040文字/豆知識(ゴブレットについて)=約590文字)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部十話「王妃、隣国の王をもてなす」 ディアヴァルと王妃グリムヒルデが地下室で秘薬を調合した日から数日後。
麗々しい行列を仕立てた一行が入城した。隣国の王とそのお供、そして護衛の兵士たちだった。
派手な衣装をまとい飾り立てた幟を持った先触れの男がまず現れ、新たな王の到来を告げる。それを聞いた住民たちはみなそそくさと家の中に引きこもり、新たな王ってどういうことだ? と口々に言い合うのだった。我らが王は討たれて崩御した。それではあの男がこの国を我が物にしたというのか? いやいや、今から王を名乗るのはいくらなんでも早すぎるだろう…。人々の不安や憶測をよそに、隣国の王ご一行様は堂々と行進して、王妃の待つ城へと向かうのだった。
4770麗々しい行列を仕立てた一行が入城した。隣国の王とそのお供、そして護衛の兵士たちだった。
派手な衣装をまとい飾り立てた幟を持った先触れの男がまず現れ、新たな王の到来を告げる。それを聞いた住民たちはみなそそくさと家の中に引きこもり、新たな王ってどういうことだ? と口々に言い合うのだった。我らが王は討たれて崩御した。それではあの男がこの国を我が物にしたというのか? いやいや、今から王を名乗るのはいくらなんでも早すぎるだろう…。人々の不安や憶測をよそに、隣国の王ご一行様は堂々と行進して、王妃の待つ城へと向かうのだった。
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部9話後のクロウリー学園長=カラスのディアヴァルの物語、美しき女王編の第9話です。「クロウリー」の名を王妃から賜ったディアヴァルは、王妃から「お前の助けが必要なの」と言われ、地下の実験室へといざなわれます…。(本文=約1900文字/豆知識=約800文字)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部九話「地下室にて」 奇妙な地下室の中で、王妃グリムヒルデはディアヴァルを棚に置かれた髑髏の上にとまらせた。四方の壁は、天井まで届く棚に所狭しと置かれた大小の瓶詰めや干物になった動物の身体の一部や植物の欠片が仕舞い込まれている。空気には奇妙に金臭い匂いが混ざっていた。
王妃は部屋の真ん中に陣取った大釜の下に火を入れ、釜に張った液体を長柄の柄杓でかき混ぜながら様々な瓶を厳しい目でチェックし、少しづつ素材を足してゆく。新たな素材が液面に触れる度に、シュっと小さな音がして怪しげな色の煙が吹き上がる。
一通り素材を足すと、王妃は柄杓を回す手を止めて、ディアヴァルを見た。
「さて、クロウリーや、お前の力を分けておくれ。でも痛い思いはさせたくないわ。だからこれを飲んで頂戴」
2745王妃は部屋の真ん中に陣取った大釜の下に火を入れ、釜に張った液体を長柄の柄杓でかき混ぜながら様々な瓶を厳しい目でチェックし、少しづつ素材を足してゆく。新たな素材が液面に触れる度に、シュっと小さな音がして怪しげな色の煙が吹き上がる。
一通り素材を足すと、王妃は柄杓を回す手を止めて、ディアヴァルを見た。
「さて、クロウリーや、お前の力を分けておくれ。でも痛い思いはさせたくないわ。だからこれを飲んで頂戴」
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第2部第8話後のクロウリー学園長=カラスのディアヴァルの物語、美しき女王編の第8話です。
王妃と再会したディアヴァルは、ずっと側にいて欲しいと言われて幸福に酔いしれるのだった。そこへ誰かがドアを開けて入ってきた…。(本文約1630文字/豆知識は今回はお休みです。支部移植字に話数が減る予定なので今回はそれを見込んでの調整です)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部八話「命名」 ディアヴァルが王妃グリムヒルデに背中を撫でられて恍惚となっていたその時、部屋のドアがキィっと開く音がした。
誰か来た?! まさか追い払われたりはしないだろうか。王妃に魔女の疑いがかかってしまったりしたらどうしよう……。
そんな心配が頭の中を駆け巡る。
だが、次の瞬間、部屋に飛び込んできたのはスノーホワイト姫だった。
「おかあしゃま、あのね……」
そう言いかけた姫の顔はたいそう寂しげで、ディアヴァルはこんな小さな女の子がこんなにも寂しげな顔をするなんて、と胸を痛めた。が、次の瞬間、姫の顔がぱっと輝いた。
「あっ!! カラスしゃん!! カラスしゃんだ!!」
「そうよ、カラスさんが遊びに来てくれたのよ」
1634誰か来た?! まさか追い払われたりはしないだろうか。王妃に魔女の疑いがかかってしまったりしたらどうしよう……。
そんな心配が頭の中を駆け巡る。
だが、次の瞬間、部屋に飛び込んできたのはスノーホワイト姫だった。
「おかあしゃま、あのね……」
そう言いかけた姫の顔はたいそう寂しげで、ディアヴァルはこんな小さな女の子がこんなにも寂しげな顔をするなんて、と胸を痛めた。が、次の瞬間、姫の顔がぱっと輝いた。
「あっ!! カラスしゃん!! カラスしゃんだ!!」
「そうよ、カラスさんが遊びに来てくれたのよ」
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第2部第7話後のクロウリー学園長=カラスのディアヴァルの物語、美しき女王編の第7話です。王亡き後の王妃が心配で仕方ないディアヴァルは、一計を案じて姿を変え、王妃の元へと向かいます。(本文約2000文字/豆知識は約680文字)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部七話「王妃の元へ」 ディアヴァルは王妃グリムヒルデの居室まで飛んでくると、出窓の手すりにトン!と乗った。
いまの彼は、全身にまぶした小麦粉のおかげで灰色っぽい白い鳥に見えるはずだ。この姿ならきっと、王妃の部屋の窓辺にとまっているところを誰かに見られても、不吉だなどと陰口を叩かれることはないだろう。
運の良いことに窓は開いていた。ディアヴァルは手すりからバルコニーの床に飛び降りると、部屋の中を覗いてみた。すると、部屋の中には王妃が居て、壁にかかった大きな鏡に見入っていた。鏡は縦長の楕円形で、絡み合う蛇のレリーフの縁取りがある見事な作りだった。なめらかな鏡面には美しい王妃の姿が写っている。だが……。
「鏡よ鏡、憎っくき仇、隣国の国王は今何を企んでいるか?」
2719いまの彼は、全身にまぶした小麦粉のおかげで灰色っぽい白い鳥に見えるはずだ。この姿ならきっと、王妃の部屋の窓辺にとまっているところを誰かに見られても、不吉だなどと陰口を叩かれることはないだろう。
運の良いことに窓は開いていた。ディアヴァルは手すりからバルコニーの床に飛び降りると、部屋の中を覗いてみた。すると、部屋の中には王妃が居て、壁にかかった大きな鏡に見入っていた。鏡は縦長の楕円形で、絡み合う蛇のレリーフの縁取りがある見事な作りだった。なめらかな鏡面には美しい王妃の姿が写っている。だが……。
「鏡よ鏡、憎っくき仇、隣国の国王は今何を企んでいるか?」
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第2部第4話後のクロウリー学園長=カラスのディアヴァルの物語、美しき女王編の第4話です。
今回は王妃グリムヒルデと白雪姫の仲睦まじいティータイムにディアヴァルがお邪魔します。こんなにも仲睦まじい二人がなぜあんなことになってしまうのか、それは今後のお楽しみ…。(本文1940文字)
※今回の豆知識はWIRED誌から、鳥の「名付け」について。そう、鳥たちも「名前」を持っているのです……!
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部四話「小さなお茶会」 華やかな結婚式から数日後。王城の庭園で虫を漁っていたディアヴァルは、新王妃グリムヒルデと小さな女の子がやってくるのに気がついた。女の子は、結婚式でドレスの裳裾を持っていたあの子だ。参列者からは姫と言われていた。年の頃は6歳かそこらだろうか。どうも人間の子どもの年齢はわかりにくい。
グリムヒルデは、幼い姫の手を引いて庭園の東屋をめざしているようだ。片手にはバスケットを下げている。
「東屋についたらおやつを頂きましょうね」と、グリムヒルデは小さな姫に声をかけた。
「はい、おかあしゃま!」と元気よく姫が答える。
ディアヴァルには、その声や口調は、見た感じの年齢より少しばかり幼く感じられた。だがその幼さは姫をより愛らしく見せているとも思った。
3128グリムヒルデは、幼い姫の手を引いて庭園の東屋をめざしているようだ。片手にはバスケットを下げている。
「東屋についたらおやつを頂きましょうね」と、グリムヒルデは小さな姫に声をかけた。
「はい、おかあしゃま!」と元気よく姫が答える。
ディアヴァルには、その声や口調は、見た感じの年齢より少しばかり幼く感じられた。だがその幼さは姫をより愛らしく見せているとも思った。