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    芸術

    rupam17wt

    MOURNINGひいあいワンライ お題 『○○の秋』『色』
    ということでおそらく芸術の秋とかをイメージしてこねくり回したものです。当時読んでくださった方ありがとうございました。
    その絵画に描かれていたのは、穢れなき純白というべき美しい色のドレスを纏う王妃様だった。
    「きれいだなァ」
    隣の藍良がうっとりとため息を吐いた。
    「うむ、今すぐにでも動き出しそうなくらいリアルな絵だね。」
    「ねぇ、この布の感じとかすごくない?この光沢とか。触ってないのに感触わかっちゃう。」
    「触っちゃダメだよ。」
    「分かってるよォ。」
    侵入禁止のラインをほんの少し超えて王妃様に手を伸ばした藍良を嗜めると、ぷうと頬を膨らませながら藍良は腕を下ろした。ちなみに今日は二人でお忍びなので、藍良はいつもの「ラブい」を封印している。
    「絵ってあんまり見ないけど、そんなおれでも『すごい!』ってなるんだから、芸術ってすごいね。」
    「西洋画は僕も馴染みないけど、その魅力に取り憑かれてしまいそうだ。」
    先ほどは藍良を注意したけれど、うっかり絵画に手を伸ばしてしまいそうになる不思議なパワーがあることはよく理解できる。
    「ちなみにこれはフランスの王妃の肖像画だそうだよ。」
    解説のパネルを読みながら僕が言うと、藍良は途端にしかめ面をする。
    「どうしたんだい」
    「別にィ。ただあんまりいい思い出のない言葉を聞いちゃっ 1797