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    記憶喪失

    kanade_p

    REHABILI記憶喪失のうさかどを書きたいと言ったな!
    書いた!
    そのうちもうちょっと丁寧に書くね。
    りはびりりはびり。
    記憶喪失になった門倉さんのうさかど(?) 目の前の男のことは何も思い出せなかった。
    その男のことだけではない。門倉は事故にあい、記憶の大部分を失っていた。漫画のような話だが、俗にいう記憶喪失という状態のようだった。医者によるとこれは一過性のものらしい。日常生活を送っていくうちに何とかなるかもしれないし、ならないかもしれないもののようだった。どこか他人事のようで、現実感がない。けれど、ありがたいことに自分の名前も分かったし、家の場所も分かった。日常生活に困らない程度には記憶というものがあり、その代わりに特に人に関する記憶がごっそりと抜け落ちていた。けれど記憶を失い病院に入院していた門倉にも、見舞いに来てくれる交友関係があった。友達だといったその男は、相変わらず不運だな門倉、と笑っていた。それでも気を使って心配してくれているのが分かってそれが嬉しかった。上司だと名乗るめちゃくちゃハンサムな妖怪みたいな爺さんも見舞いに来てくれた。その人を目の前にしたら自然と姿勢が伸びて緊張して、体が覚えているというのはこういうことかとそんなことを思った。
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    ( ˙👅˙ )

    PROGRESS記憶喪失になっちゃったよくあるディミレス。
    ぷらいべったー(2020-04-23)からお引っ越しとちょっと加筆。最初に書いたのが3年前という衝撃:( ´꒳` ):書き終わるのいつになるんだろうね。
    光の人1「ベレスが倒れた……?」
     フォドラの中央ガルグ=マクから、文字通り飛んできた急使が息を切らしてもたらしたその知らせに、ファーガス神聖王国国王ディミトリは愕然とした声を漏らした。
    「はい。何人もの医者に診ていただきましたが、誰もが口をそろえて原因不明と」
    「セテス殿やフレンはなんと言っていた」
    「自然と回復するのを待つしかない、と」
     ディミトリはどさりと椅子に座り込んだ。もう立っていられなかった。
    「そうか――」
     声と息を吐き出す。肺腑が空になるほど息を吐き、背が丸まるに任せてディミトリは腿に肘をつき手で顔を覆った。呼吸すら阻むような重苦しい沈黙が部屋に満ちる。伏せた瞼の裏に浮かぶのは、数節前に最後に目にしたベレスの穏やかな微笑みだ。信仰を預かる大司教の務めを果たすため、ガルグ=マクへと帰っていった人。あと数節と待たずして再びこの王都フェルディアへやってきて、春が来るまでここで過ごすはずだった。凍てつくファーガスの冬を温める、柔らかな光として。
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