魔道祖師
紫雨(shigure)
DONE暁薛ワンドロワンライ、開催おめでとうございます!大大遅刻かつ、+20minですが参加させていただきます🙇🏻♂️
現代AUで、神待ち家出少年薛洋!みたいにしたかったはずなのに…後半の唐突さでギャグみが強い😇
後に鬼道の先輩と小悪魔系アイドルユニットとしてデビューするという裏設定があったり?
暁薛ワンドロワンライ お題なし コンビニを出た薛洋は、雨が降っているのに気が付いて舌打ちをした。
傘立てから適当な傘を拝借することにして、シンプルな持ち手の紺色の傘を手に取った瞬間、コンビニの自動ドアが開いて、声をかけられた。
「君、それは私の傘ですよ」
面倒だな、と思いながらも薛洋はとっさに笑顔を作って振り返った。
「悪かったよ、お兄さん。俺の傘にそっくりだったから間違えたみたい。あーあ、俺の傘はどこに行ったんだか……。きっと、悪い奴に持っていかれちゃったんだな」
薛洋は、大仰に肩をすくめつつ、声をかけた男に傘を返した。
傘の主は、すらりとした高身長で、清潔感にあふれる身なりをしていた。優し気な雰囲気と凛とした空気が同居する、美しい男だ。
1768傘立てから適当な傘を拝借することにして、シンプルな持ち手の紺色の傘を手に取った瞬間、コンビニの自動ドアが開いて、声をかけられた。
「君、それは私の傘ですよ」
面倒だな、と思いながらも薛洋はとっさに笑顔を作って振り返った。
「悪かったよ、お兄さん。俺の傘にそっくりだったから間違えたみたい。あーあ、俺の傘はどこに行ったんだか……。きっと、悪い奴に持っていかれちゃったんだな」
薛洋は、大仰に肩をすくめつつ、声をかけた男に傘を返した。
傘の主は、すらりとした高身長で、清潔感にあふれる身なりをしていた。優し気な雰囲気と凛とした空気が同居する、美しい男だ。
はるか
MOURNING魔道祖師温情お誕生日おめでとう作文
2021/08/12
お誕生日おめでとう!温情大・大・大・好きです!
もし、温情が死なずに観音廟事件解決後まで生きていたら…の妄想。
わちゃわちゃほのぼのです。
温情0812生日快乐!「姉さん……姉さん、大丈夫?」
「ん……阿寧?」
「うん。随分魘されていたようだけど、大丈夫?」
「ええ。大丈夫よ。なんだか……なんだかとても悪い夢でも見ていたよう。起こしてくれてありがとう」
温寧と食事を終え、温情は卓の上に置いた薬草を仕分けながら、手元の紙に筆を滑らせていた。
乱葬崗から救い出された温の五十名余りの人は全員生き延びていた。
温情は陰で市井の人々の為に薬を作り続け、今までに数えきれないほど沢山の人の命を救った。
今日もまた、不治の病と言われる子供達のため、薬草を仕分け、調合の比率を紙に記し、医師として奮闘していた。
「阿寧、今日は夜狩の約束をしてるのよね?」
「はい。いつも勝手に約束して来てごめんなさい」
3255「ん……阿寧?」
「うん。随分魘されていたようだけど、大丈夫?」
「ええ。大丈夫よ。なんだか……なんだかとても悪い夢でも見ていたよう。起こしてくれてありがとう」
温寧と食事を終え、温情は卓の上に置いた薬草を仕分けながら、手元の紙に筆を滑らせていた。
乱葬崗から救い出された温の五十名余りの人は全員生き延びていた。
温情は陰で市井の人々の為に薬を作り続け、今までに数えきれないほど沢山の人の命を救った。
今日もまた、不治の病と言われる子供達のため、薬草を仕分け、調合の比率を紙に記し、医師として奮闘していた。
「阿寧、今日は夜狩の約束をしてるのよね?」
「はい。いつも勝手に約束して来てごめんなさい」
紫雨(shigure)
PROGRESSモス羨をベースにしたファンタジー第二話ですー🦋ちょっとBLぽくなってきたはず…!
(次回か次次回にR18が入る予定です)
微妙に違和感があったので、今回から改題しました🙏💦
君と久遠の夢をみる- 2 -
――――このままではいけない気がする。
そう危機感を抱きながら、シェンシェンはずずずっとコケモモの果実酒を藁の管で吸い上げた。
「うまい」
うっかり酩酊に浸りそうになって、我にかえる。
「だめだ……ワンジーとの生活は、居心地が良すぎる」
ここ最近のシェンシェンの一日の生活の流れはこうだ。
夕方頃に目を覚まして、暗くなるころに家を明るくしてラン・ワンジーを出迎える。夕餉も一緒にとるが、自分の分は、ラン・ワンジーが手土産に持って帰ってきた花や果物だ。その後は、二人で話をしたり、ラン・ワンジーの竪琴に合わせて笛を吹いて合奏したりして過ごし、ラン・ワンジーの就寝を見守ると、森を出て遊び回る。日が上り始める頃に家に戻って二人で朝食を食べると、もうシェンシェンは起きていられなくなり、定位置となったベッド脇の棚に敷かれた手巾の上で眠りにつくのだ。
3016――――このままではいけない気がする。
そう危機感を抱きながら、シェンシェンはずずずっとコケモモの果実酒を藁の管で吸い上げた。
「うまい」
うっかり酩酊に浸りそうになって、我にかえる。
「だめだ……ワンジーとの生活は、居心地が良すぎる」
ここ最近のシェンシェンの一日の生活の流れはこうだ。
夕方頃に目を覚まして、暗くなるころに家を明るくしてラン・ワンジーを出迎える。夕餉も一緒にとるが、自分の分は、ラン・ワンジーが手土産に持って帰ってきた花や果物だ。その後は、二人で話をしたり、ラン・ワンジーの竪琴に合わせて笛を吹いて合奏したりして過ごし、ラン・ワンジーの就寝を見守ると、森を出て遊び回る。日が上り始める頃に家に戻って二人で朝食を食べると、もうシェンシェンは起きていられなくなり、定位置となったベッド脇の棚に敷かれた手巾の上で眠りにつくのだ。
紫雨(shigure)
PROGRESSファンタジー風モス羨のお話の続きです〜🦋プロローグもポイピクに置いてあるよ!
・週2〜3回更新で、今月中に完結したい
・次回もうちょっとBのLな雰囲気に
・中盤からR18シーン入ります。
その際はひとまずポイピクに。リス限フォロ限はないです。
・もう少しまとまったらpixivにも置きます
君と久遠の夢をみる- 1 -
庭で放し飼いにされている鶏が、けたたましく朝を告げた。夜半よりも濃くなった霧の隙間を縫って、霜のように冴え冴えとした光の筋が、窓辺に射しこんでいる。
いつも通りに目を覚ましたラン・ワンジーは、テーブルの上に木の実や果物が、窓辺には朝露に濡れた色とりどりの花が置かれていることに気がついた。
「おはよう、ワンジー! 起きるのが早いんだな」
タイミングよく、窓から八重咲きの白い花を抱えたシェンシェンがやってきた。
「じゃあこの花はラン兄ちゃんに」
楽しそうにラン・ワンジーに近づいたシェンシェンは、手にしていた花をそっとラン・ワンジーの髪に挿す。
「やっぱり、美人には花が似合うな!」
「やめなさい」
1749庭で放し飼いにされている鶏が、けたたましく朝を告げた。夜半よりも濃くなった霧の隙間を縫って、霜のように冴え冴えとした光の筋が、窓辺に射しこんでいる。
いつも通りに目を覚ましたラン・ワンジーは、テーブルの上に木の実や果物が、窓辺には朝露に濡れた色とりどりの花が置かれていることに気がついた。
「おはよう、ワンジー! 起きるのが早いんだな」
タイミングよく、窓から八重咲きの白い花を抱えたシェンシェンがやってきた。
「じゃあこの花はラン兄ちゃんに」
楽しそうにラン・ワンジーに近づいたシェンシェンは、手にしていた花をそっとラン・ワンジーの髪に挿す。
「やっぱり、美人には花が似合うな!」
「やめなさい」
紫雨(shigure)
PROGRESS魔法使い藍湛と、モス羨を元ネタに西洋ファンタジー風のお話を書き途中…!もう少しまとまったらpixivにもおきますが、ひとまずポイピクに。
プロローグです。
君と久遠の夢をみる〜プロローグ〜
夜霧が立ち込める、鬱蒼とした森の奥。
ひっそりとした佇まいの小屋から、竪琴が紡ぎだすやわらかな音色が流れて、夜闇に広がっていく。
薄い藤色の翅をもつ小さな生き物が、その優しい旋律に惹かれたかのように、ひらひらと飛んで小屋の窓へと降り立った。
演奏が途切れるのを待って、その生き物は奏者へと話しかけた。
「こんばんは、お兄さん」
「誰だ」
竪琴を抱いた男――――ラン・ワンジーが、短く誰何する。
「シェンシェンだよ!」
シェンシェンと名乗った夜の来訪者は、窓枠からぴょんと跳びあがって、竪琴の上に座った。
――――それは、小さな妖精だった。
大きさは、手のひらに載るくらい。ふんわりとひらめく桃色のケープをまとって、首元には赤いリボンを結んでいる。まるで少女のような風貌だが、悪戯めいた笑顔は少年のようにも見える。
1548夜霧が立ち込める、鬱蒼とした森の奥。
ひっそりとした佇まいの小屋から、竪琴が紡ぎだすやわらかな音色が流れて、夜闇に広がっていく。
薄い藤色の翅をもつ小さな生き物が、その優しい旋律に惹かれたかのように、ひらひらと飛んで小屋の窓へと降り立った。
演奏が途切れるのを待って、その生き物は奏者へと話しかけた。
「こんばんは、お兄さん」
「誰だ」
竪琴を抱いた男――――ラン・ワンジーが、短く誰何する。
「シェンシェンだよ!」
シェンシェンと名乗った夜の来訪者は、窓枠からぴょんと跳びあがって、竪琴の上に座った。
――――それは、小さな妖精だった。
大きさは、手のひらに載るくらい。ふんわりとひらめく桃色のケープをまとって、首元には赤いリボンを結んでいる。まるで少女のような風貌だが、悪戯めいた笑顔は少年のようにも見える。
sgm
DONEpixivに掲載しているR18有版は一時的に非公開にしているので、交流会時に公開してた全年齢版を再公開。当時のままなので微修正前。本編終了後。Qネタ込み。ネタバレ配慮なし。
夜狩で怪我してプチ諍い曦澄。藍曦臣が父に似ているのでは?と悩む江澄。 36
ニノ式 啓水
DOODLE忘羨ワンドロワンライの素敵なお題お借りしました。1時間+? 今回も大遅刻です(;´Д`)
旅に出るとき、藍湛は決してこんな髪型ででかけませんが、髪を描いてたら楽しくなってしまったので、欲望のままに描きました。反省はしていません(
不知火 螢。
DONE曦澄ワンドロのお題を借りました。すごく遅刻だし、なんなら4時間くらい書いてたし色々アウトですが、せっかくなので。
久しぶりに文章を書く時間が取れたので良かった。
難産だったけど。
悲しめな感じかもしれませんが、最後は光だと信じてるので。 12
ニノ式 啓水
DONE薛洋はっぴーばーすでー!! ってことで、ただ嬉しげな彼を描きたかっただけなんですが・・・・・・うん・・・なんか、ごめん薛洋・・・(自分で描いといてダメ食らうヤツ)
そして、何気に薛洋初描きですw
紫雨(shigure)
DONE2021年7月22日の、薛洋の誕生日に寄せて書いた単話です。🍬🍬🍬薛洋生日快乐!!🍬🍬🍬
甘露 「「夢見の飴?」」
義荘の中で、薛洋と阿箐の怪訝そうな声が揃った。
「はい、なんでもこの飴を舐めると、その人が望む夢を見られるそうですよ」
買い物籠を抱えた暁星塵は、にこにこと微笑みながら二人の疑問に答える。その手のひらには、薄緑の油紙に包まれた飴玉らしきものが、四つ乗せられている。
「あんたはまた、そんなもんに引っかかって……」
「道長、それ一体いくらで買ったの?」
暁星塵が一人で町へ買い物に出ると、たまにこうして押し売りにあって胡散臭いシロモノを持ち帰ってくるものだから、薛洋も阿箐も慣れた様子だ。薛洋は薄ら笑いを浮かべつつも呆れた風を装い、阿箐はこのお人よしの道長が、今度はいったいどんな詐欺にあったのかと、苛立った様子を見せた。
3694義荘の中で、薛洋と阿箐の怪訝そうな声が揃った。
「はい、なんでもこの飴を舐めると、その人が望む夢を見られるそうですよ」
買い物籠を抱えた暁星塵は、にこにこと微笑みながら二人の疑問に答える。その手のひらには、薄緑の油紙に包まれた飴玉らしきものが、四つ乗せられている。
「あんたはまた、そんなもんに引っかかって……」
「道長、それ一体いくらで買ったの?」
暁星塵が一人で町へ買い物に出ると、たまにこうして押し売りにあって胡散臭いシロモノを持ち帰ってくるものだから、薛洋も阿箐も慣れた様子だ。薛洋は薄ら笑いを浮かべつつも呆れた風を装い、阿箐はこのお人よしの道長が、今度はいったいどんな詐欺にあったのかと、苛立った様子を見せた。
amaneazumaa
DONE双傑に夢を見すぎではとなりつつ夢は見たモン勝ちなので良いんだよとなりつつのとりあえず小説の体裁が完了。そのうち肉付けして校正してまとめてからpixivに上げます。上がる筈。
ともしびを手に 6腹もくちくなりさあ出発と、二人は銅陵を後にして西へと向かう。しかし星の巡りが悪いのか、銅陵を出てしばらくもしないところで、小さな荘が妖怪に襲われている場面に出くわした。
無視する訳には無論いかず、二人して荘に降りたって妖怪退治となった。
村に出た妖怪は欽原と呼ばれる蜂に似た妖怪で、刺されると鳥獣は死に木々は枯れる。さらには群れを作りその数も多いという妖怪である。
剣で一匹一匹を切り殺すのは面倒な欽原は、火を使って退治をする。蜂と同じような薄い羽を火で焼き、地面に落としてから始末をするのだ。手順さえ踏めば時間は掛かるが脅威ではそれ程でもない妖怪である。
退治の手法に倣い二人は符術で欽原の羽を焼いて回っていたのだが、一向に減らない数に魏無羨が悪い癖を出した。効率を上げるべく広範囲を焼いてやろうと、霊符をその場で書き変えたのだ。
4394無視する訳には無論いかず、二人して荘に降りたって妖怪退治となった。
村に出た妖怪は欽原と呼ばれる蜂に似た妖怪で、刺されると鳥獣は死に木々は枯れる。さらには群れを作りその数も多いという妖怪である。
剣で一匹一匹を切り殺すのは面倒な欽原は、火を使って退治をする。蜂と同じような薄い羽を火で焼き、地面に落としてから始末をするのだ。手順さえ踏めば時間は掛かるが脅威ではそれ程でもない妖怪である。
退治の手法に倣い二人は符術で欽原の羽を焼いて回っていたのだが、一向に減らない数に魏無羨が悪い癖を出した。効率を上げるべく広範囲を焼いてやろうと、霊符をその場で書き変えたのだ。
palalanpa
MOURNINGひとつ前の凌澄、おまけ。書きたいとこだけうわああああってやった。
広まってほしいので全体公開。
拒否はしたくなかった話「俺…もう、子どもじゃないんだよ…」
迫りくる甥の顔面に、ひく、と頬を引き攣らせた。
いけない。これは、いけない。
「なっ……え?……え??、ちょ…」
ずいずいと近づいてくる甥から逃げようとするが、行き止まりだった壁に押し付けられ、体の横に両腕をつかれているので逃げ場がない。そのまま、ずるずると下へ下へと下がっていってしまう。
ドサ、という音とともに、とうとう仰向けになってしまった。転がった床板が冷たくて心地よい。
混乱した頭のまま、どうしたら穏便に逃げられるかを画策する。可愛い甥を傷つけずに、しれっと躱す術は無いものか。
そんな江澄を知ってか知らずか、金凌は請う。
「ねえ。名前で呼ばせてよ」
「はぁ?……だっ、だめだ……不敬だぞっ!」
2571迫りくる甥の顔面に、ひく、と頬を引き攣らせた。
いけない。これは、いけない。
「なっ……え?……え??、ちょ…」
ずいずいと近づいてくる甥から逃げようとするが、行き止まりだった壁に押し付けられ、体の横に両腕をつかれているので逃げ場がない。そのまま、ずるずると下へ下へと下がっていってしまう。
ドサ、という音とともに、とうとう仰向けになってしまった。転がった床板が冷たくて心地よい。
混乱した頭のまま、どうしたら穏便に逃げられるかを画策する。可愛い甥を傷つけずに、しれっと躱す術は無いものか。
そんな江澄を知ってか知らずか、金凌は請う。
「ねえ。名前で呼ばせてよ」
「はぁ?……だっ、だめだ……不敬だぞっ!」
amaneazumaa
PROGRESS少年双傑話の続き。少年藍湛とニアミスしますが今回の話には関わらない。
ともしびを手に 5二人を最後に乗せて橋桁が外されると、夜明けと共に船が漕ぎ出された。未だ薄暗いにもかかわらず、力強く皖河を下っていく船の上は長江沿いの都邑へ向かう人と荷物で混み合っている。
人と荷物をかき分けながら船の端に高く積まれた荷物を見つけると、二人は並んで腰を下ろてし荷物に背中を預けた。
「これでしばらく、身体を休めることが出来るな」
魏無羨は大きく身体を伸ばす。すると今度は演技でなく大きなあくびが出た。
夜通し御剣の術で飛びっぱなしだったのだ。休息を取ったとはいえ気の休まらない山の中だったので、安全な場所で腰を下ろした事により疲労と空腹、ついでに眠気が一気に襲いかかってくる。
隣の江澄も疲れを隠せない顔で乾坤袋から、竹を切って作った水筒と饅頭を二つ取り出すと、一つを魏無羨に投げて寄越した。受け取ってもそもそと饅頭を囓り腹に収めたが、空腹よりも眠気が勝って、もう一つとは手が伸びない。代わりに懐から隠行符を取り出した。
3190人と荷物をかき分けながら船の端に高く積まれた荷物を見つけると、二人は並んで腰を下ろてし荷物に背中を預けた。
「これでしばらく、身体を休めることが出来るな」
魏無羨は大きく身体を伸ばす。すると今度は演技でなく大きなあくびが出た。
夜通し御剣の術で飛びっぱなしだったのだ。休息を取ったとはいえ気の休まらない山の中だったので、安全な場所で腰を下ろした事により疲労と空腹、ついでに眠気が一気に襲いかかってくる。
隣の江澄も疲れを隠せない顔で乾坤袋から、竹を切って作った水筒と饅頭を二つ取り出すと、一つを魏無羨に投げて寄越した。受け取ってもそもそと饅頭を囓り腹に収めたが、空腹よりも眠気が勝って、もう一つとは手が伸びない。代わりに懐から隠行符を取り出した。
紫雨(shigure)
DOODLE友人と会話していて思いついた、義城であったかもしれない、薛洋と暁星塵の一コマです。ためらう小指「ね、道長。ちょっと俺のこと、抱きしめてみてくれない?」
「抱きしめる……ですか?」
突然の薛洋のお願いに、暁星塵は少し戸惑ったように聞き返した。
薛洋は、暁星塵がこうやって困ったような顔をするのを見るのが大好きで、隙があれば突拍子のないことを言って、暁星塵の反応を楽しんでいた。
冗談だよ、そう告げようとした薛洋の前に、白い影が差した。少しだけ屈んだ暁星塵が、薛洋の肩に手を回してそっと抱き寄せたのだ。
上衣の袖が薛洋を覆い、全身が暁星塵に包み込まれる。
息を吸うと、胸いっぱいに暁星塵の匂いが広がった。土埃と、汗の臭い。
薛洋は衝動に突き動かされるように、両手を暁星塵の背に回そうとした。
ところが、その肩に手を添える直前で、左の小指が疼き、薛洋は我にかえった。
765「抱きしめる……ですか?」
突然の薛洋のお願いに、暁星塵は少し戸惑ったように聞き返した。
薛洋は、暁星塵がこうやって困ったような顔をするのを見るのが大好きで、隙があれば突拍子のないことを言って、暁星塵の反応を楽しんでいた。
冗談だよ、そう告げようとした薛洋の前に、白い影が差した。少しだけ屈んだ暁星塵が、薛洋の肩に手を回してそっと抱き寄せたのだ。
上衣の袖が薛洋を覆い、全身が暁星塵に包み込まれる。
息を吸うと、胸いっぱいに暁星塵の匂いが広がった。土埃と、汗の臭い。
薛洋は衝動に突き動かされるように、両手を暁星塵の背に回そうとした。
ところが、その肩に手を添える直前で、左の小指が疼き、薛洋は我にかえった。