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    サッパ

    味噌煮(そのみ)

    Reuse Christmas2022.12.18開催SHOW TIME でしょ!にて無料配布していたジョ双小説ペーパーを気まぐれ公開します。
    第2弾。今回はクリスマス話。

    今のところは12月いっぱいの公開を考えていますが消し忘れたりして残っているかも。ポイピクの使い方がさっぱどわかりません。教えてください。

    ペーパーに載せていたあとがき等は削っています。会場で手に取ってくださった皆様ありがとうございました!ジョ双、いいぞ
    2022.12.18 SHOW TIMEでしょ! 無配ペーパー仮題『食う寝る所に、』第二章
    ※ジョウ✕双循です
    ※交際&同棲前提なのでわりと結構甘々です。朗報!



    手馴れた様子で三つ編みにされる豊かな巻きの髪は、未だ少ししっとりと湯を浴びた名残を残している。
    光を浴びてつややかに光るそれに伸ばした指先は、まさに今それを束ねていた器用な手にピシャリと弾かれた。そんなに強く弾く事は無いだろうに、じんわり熱を帯びる指先を軽く振ったジョウを緑の双眸がじろりと睨み付ける。
    「上着くらい脱いで来んかい、たわけが」
    喉奥から低く唸るような声からは、この我儘で傲慢な恋人の機嫌の悪さが伺える。幾度も明け暮れた殴り合いの喧嘩の中ではすっかり聞き慣れた声だ。尤もここは廃工場でも校舎裏でもなく、二人で住むには些か窮屈な勝手知ったるワンルームなのだが。
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    ma99_jimbaride

    SPUR ME2022/12/11「種蒔くは待つ君が為」で頒布予定の新刊冒頭です。
    本当に間に合うのかさっぱり分からないのですが残りも頑張ります……。
    楽園にあらず ずっと潮騒が鳴っている。
     ざあ、と緑が揺れた。まだ青い稲は風に煽られて一息音を立てると、あとはさわさわ、さわさわ、囁くような余韻を残した。本物の波音と違って遠ざかっていくだけだ。不安定ながら繰り返す、あの律動ではない。
     立ち上がると眼下には山を削って段々に開かれた小さな田畑の連なりがあり、雑木林があり、その向こうに本物の海があった。ちらちらと白い光を返して、遠くからでも揺れているのが分かる。
     あの波音が聞こえたわけじゃない。
     松井江はしばらく、その海の表面に光が揺れるのを見ていた。太陽はそろそろ南中しようとしている。暦の上では秋になったとはいえ、額や背中に汗が滲んでいた。
    「終わった?」
     にょっきり、といった感じですぐ下の段で立ち上がる姿が見えた。桑名江が手拭いで額の汗を拭き取りながら松井をじっと見上げている。目許は前髪で隠れているのに見つめているのが分かるのは、さっき額を拭ったときに稲穂色の目が覗いたからだ。それに、誰かと目が合ったからといって、逸らしてしまうような奴ではないのだ。特に松井相手、しかも畑に関することなのだから。
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