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    和解

    みなも

    DOODLE頑張ったー! 和解回&少女マンガ(?)回!
    うちよそ第2話【第3幕】 再び黒服に見送られ、まだ人の行き来の少ない昼下がりの歓楽街を一度抜けた後、追眠は路地裏を抜けた先の萎びた窮屈な雀荘に入り込む。擦り切れ古ぼけた麻雀台のうち、一席が空いている台を探すと五百円玉を台に置く。隣に座る老人が黙って金を回収すると、ゲームが始まった。
     ほんの数百円を賭けるだけの麻雀は、考え事をするのにちょうどいい。並ぶ自分の牌を目で追うと、追眠の指先はほとんど自動的に不要な牌を切り、新たな牌を引いていく。
     劉仁の件は、そのうち芙蓉か玖朗に繋いでもらおう。それよりもまず、芙蓉の言っていた男の話だ。芙蓉は、中華街において芸能人的存在であり、その身請け話はビッグニュースで誰もが知るところである。当然獏乱だとか名乗っているその男の耳にも入っているに違いない。盗難騒ぎ以来さらに警備の厳しくなっている仁華楼に侵入することは至難の業だろうが、例えば芙蓉が必ず姿を現すことになる身請けの当日に何か仕掛けようなどと画策している可能性は十分にある。いずれにしてもなるべく早く捕まえて、芙蓉がこの街を去る前に報告してやりたい。
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    建河羊子

    DONE赤エンド後の、野盗と地頭の話。甥御もいますが、カップリングの含みはありません(が、例のごとく限界オタムーブっぽいものはかましています)。地頭が元地頭になっていたり、いろいろ捏造しています。また書き手は地頭推しのため、お嫌いな方はご注意ください。
    ツにはまって三本目くらいに勢いだけで書いたネタを今さら形にしてみました。
    二人の間に、和解まではいかないものの何かしらの歩み寄りがあれば、という願い。
    たなごころに黎明積みて 飯を作るのもひとり分なら、食うのだって当然ひとり。洗い物だってひとり分で。夜に響く寝息も、気配も、ひとつきり。
     その空虚とは一年近い付き合いとなり、そろそろ寄り添われるのが当たり前になりつつはあるのだけれど――唐突に、どうしようもなく受け入れ難くなる時がある。
     胸中にて起こる、通りもののごとき凪いだ嵐は、自身にすらどんな契機で発生するのか予測もつかない。

     けれども、いかなる手段によるものか。この男は毎度、その瞬間を予め見越しているかのよう、姿を現すのだ。

    「久しいな、ゆな。息災であったか」
    「……あんたに比べりゃあね」
     同じ言葉をそっくりそのまま叩き付けてやりたい衝動をぐっと抑え込んだ代わりに、皮肉が飛び出てしまった。
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