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    りいた

    ngmch_

    DONE【夏インテ新刊先読み】
    8月21日のインテ頒布予定の新刊です。
    ファーベリの2人がドライブデートからカーセッにいたるR18小説になります🚗³₃
    お祭り便乗したいので、冒頭~挿入の直前の約半分をこちらからお読みいただけるように置いときます🥳
    やや暗めりんり低めの展開がありますが、お気に入りいただけると幸いです。
    夏インテ新刊先読み夏インテ終了後しばらくしたら全文公開(無期限)の予定です。(2023年6月のファベオンリー後くらいかな?と思ってます。)
    その他の既刊もほぼ全てポイピクからご覧いただけます(R18、R18g、ファべ以外カプ作品も含みます)。
    紙の本は、手元に欲しい方向けに少部数ご用意しております。通販の予定はございません。



         ― ◇

     広い旅館にはオレたち二人きりで、目の前にどかどかと並べられた夕食たちは自慢の海の幸ではなく、さっき拝借したキッチンでこしらえたオレの手作りメシと、途中見かけたコンビニで調達した酒と飲料、あとは雑多な食べ合わせの悪いツマミ類で、せっかくの旅行らしい揃いの浴衣姿に少しもったいない気すらした。駆け込みでやって来ているため、マトモな夕食の提供に期待していた訳ではなかったが、これでは折角の遠出に色気がなさすぎる。それでも、ファーさんは黙って箸をつけている。こんなとき美味しいかい?と聞くのは野暮。ベリアルは代わりの話題を探した。
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    wks

    DONE・お題箱よりいただいたリクエストのトマ人です
    ・自己解釈が非常に強め
    ・ストーリー諸々全然回収できていないので齟齬があるかもしれない
    ・付 き 合 っ て な い のにやることやってます
    水に灯り、夜は明ける 時の流れは、その偉大なる歩みは、矮小な人間でも遥かなる神でも止めることは決してできない。そしてその時の流れとともに、万物は流転していく。永遠などありはしないし、すべての生き物は日々を生きるだけで変化していくものなのだ。いつか命に終わりはくるし、子どもとは大人になるのだから。
     だからこそ、神里綾人は約束というものの無情さを知っている。誓いの惨さも、神の目という名の意思の固定がどれほどにひとの理を外れたものであるのかも。それに拘泥するほど繊細でいるつもりはなかったが、同じくらい、それを理解していてなおそれらを紡ごうとするほど自由でもいられなかった。神里という巨大な家の頂点に立つ前から一歩引いて物事を見る性質に自覚はあったが、変わらないものなどないのだと思い知らされたあの日から、綾人はますます永遠というものを信じなくなった。不変などない。あらゆる物事は、時の流れに乗って前へ前へと進むしかない。それが正しい方向であるかどうかは誰にも分からないから、神里のような家の者たちが、民草の命を正しく運ぼうと日々世界を整えているのだ。それを自覚したときから、綾人は、変わらないものを求めることを諦めた。永遠はない。この世界のどこにも、変わらないものなど、ない。
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