ことこ
DONE【長オリ 展示①】雨クリがいちゃいちゃしてるだけ。いつもの。
劇中劇彦さんはそれぞれ劇中劇論さんと固定カプなんですけど
それはそうとアロルドさんが全部の古論さんに手を出そうとしてほしい願望がないかといえば…あるというか…という気持ちのダイジェストです。ごめん。
なんかゆっくりもっとこみいったそういうの描きたいなって思いました。 4
hagi_pf
DOODLE昨日ワンドロ書けなかったけど私も雨クリ初デートさせてえなあとなり結局書いた。一言足りない彦とやや鈍い論の初デートの話。
ユニットでの仕事を終えた夕刻、雨彦はクリスを連れて、とある水族館へ向かっていた。
一週間ほど前に晴れて恋人という関係に収まったクリスとは、仕事のスケジュールもあってなかなか二人きりの時間をとれずにいた。ようやく時間ができた今日、雨彦は行き先も告げずに、クリスを連れ出したのだ。
「ここは……」
たどり着いた水族館の入口で、クリスはぱちぱちと目を瞬かせた。
本来であれば既に閉館しているはずの時間帯。気にせずチケットを購入する雨彦の目的に、水族館に詳しいクリスはすぐに気づいたらしい。
「ナイトアクアリウムですか?」
「ああ。お前さん、来てみたいって言ってただろう?」
「覚えていてくださったのですね……」
期間限定だというナイトアクアリウムの話をしたのはいつのことだったか。夜の水族館の魅力を力説するクリスの様子に、連れて行けばきっと喜んでくれるだろうと思っていた。
2098一週間ほど前に晴れて恋人という関係に収まったクリスとは、仕事のスケジュールもあってなかなか二人きりの時間をとれずにいた。ようやく時間ができた今日、雨彦は行き先も告げずに、クリスを連れ出したのだ。
「ここは……」
たどり着いた水族館の入口で、クリスはぱちぱちと目を瞬かせた。
本来であれば既に閉館しているはずの時間帯。気にせずチケットを購入する雨彦の目的に、水族館に詳しいクリスはすぐに気づいたらしい。
「ナイトアクアリウムですか?」
「ああ。お前さん、来てみたいって言ってただろう?」
「覚えていてくださったのですね……」
期間限定だというナイトアクアリウムの話をしたのはいつのことだったか。夜の水族館の魅力を力説するクリスの様子に、連れて行けばきっと喜んでくれるだろうと思っていた。
ことこ
DONE【ゆるいパバステ2】①スマイルアゲインの練習する雨クリです。
1枚目はスマアゲの説明。
雨彦さんの京極耀司さんの台詞があまりにも
あれだったので相手を古論さんにしてほしい
という欲望によりうまれてしまいました。 9
hiisekine_amcr
DOODLE終夜のアストロロジー×神秘のAquariumな雨クリ(蠍商人×人魚)です。オリジナル設定のお話を書いてるのでそのキャラ表もあります。後半は蠍魚のイチャイチャ落書きです。落書きのほんのりスケベ差分あり。ちょっと下品。 8
hagi_pf
DONE雨クリワンドロ11/5お題:好きな所を百個言う「ユニットメンバーの好きなところを書けるだけ書け、ですか」
事務所で雑誌に掲載される予定なのだという質問内容に目を通していたクリスは、ぱちぱちと目を瞬かせた。
ユニットデビュー記念日の特集の一部として使われる予定のこのアンケートは、いつもとは少し質問の毛色が違うようだ。つかず離れずの距離感を保っている三人の実情をより深く知りたい、といった趣旨なのだろうか。
同じく質問に目を通していた雨彦も、興味深そうな表情だ。
「書けるだけっていうほどあるかなー?」
「さすがにゼロは悲しいぜ、北村?」
「いや、ちゃんと書くけどねー。これ、雨彦さんには回答見られたくないかもー」
悩ましげな声を上げた想楽は、雨彦とそんなやりとりをしている。二人が回答を考え始めたのを見て、クリスも目の前のまっさらな回答欄に目を向けた。
2100事務所で雑誌に掲載される予定なのだという質問内容に目を通していたクリスは、ぱちぱちと目を瞬かせた。
ユニットデビュー記念日の特集の一部として使われる予定のこのアンケートは、いつもとは少し質問の毛色が違うようだ。つかず離れずの距離感を保っている三人の実情をより深く知りたい、といった趣旨なのだろうか。
同じく質問に目を通していた雨彦も、興味深そうな表情だ。
「書けるだけっていうほどあるかなー?」
「さすがにゼロは悲しいぜ、北村?」
「いや、ちゃんと書くけどねー。これ、雨彦さんには回答見られたくないかもー」
悩ましげな声を上げた想楽は、雨彦とそんなやりとりをしている。二人が回答を考え始めたのを見て、クリスも目の前のまっさらな回答欄に目を向けた。
hagi_pf
DONE彦さんの独占欲が出てて論さんの慈愛が出てる感じの雨クリ ガヤガヤとした喧騒の中、雨彦は酒を片手に周囲の話に耳を傾けていた。
今日は出演した短編ドラマのクランクアップだった。撮影を終えた雨彦は打ち上げに誘われ、こうして他の出演者や撮影スタッフと共に近場の居酒屋で酒を飲んでいる。
「やっぱりあの子可愛いよな〜!」
撮影したドラマのシナリオ上、今回の撮影チームはかなりの男所帯だ。この打ち上げの場にも、見渡す限り男しかいない。
こうも男が揃うと、女性周りの話題へ向かってしまうのも仕方がないのだろう。「あのグラビアアイドルが実物も可愛かった」だの、「付き合うとしたらあの女優がいい」だのと、酒も相まって好き勝手に話題が進む。
「葛之葉さんもそう思いますよね!」
「さてな。残念ながら俺は実際に会ったことがないもんでね」
3663今日は出演した短編ドラマのクランクアップだった。撮影を終えた雨彦は打ち上げに誘われ、こうして他の出演者や撮影スタッフと共に近場の居酒屋で酒を飲んでいる。
「やっぱりあの子可愛いよな〜!」
撮影したドラマのシナリオ上、今回の撮影チームはかなりの男所帯だ。この打ち上げの場にも、見渡す限り男しかいない。
こうも男が揃うと、女性周りの話題へ向かってしまうのも仕方がないのだろう。「あのグラビアアイドルが実物も可愛かった」だの、「付き合うとしたらあの女優がいい」だのと、酒も相まって好き勝手に話題が進む。
「葛之葉さんもそう思いますよね!」
「さてな。残念ながら俺は実際に会ったことがないもんでね」
hagi_pf
DOODLE雨クリワンドロ9/24お題:夏の終わり寝起きにイチャイチャしてるタイプの雨クリ
クリスがふと目を覚ますと、時刻は午前六時だった。
日の光で明るくなった室内。隣にはまだぐっすりと眠る恋人がいる。
喉がカラカラに乾いていて、クリスは静かにベッドを抜け出した。ベッドの外の世界は、僅かにひやりとしている。最近は、半袖では寒いと感じる日が少しずつ増えてきていた。
朝の家の中はしんと静まり返っている。クリスは冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して、喉を潤す。窓の外は青空が広がっていて、今日はどうやら良い天気のようだ。
寝室へと戻ってきたクリスは、静かに恋人の寝顔を見つめる。今日はオフだ。時間ならたっぷりある。このまままたベッドに潜って、もう一眠りしてしまうのも良いだろう。
「……古論?」
1070日の光で明るくなった室内。隣にはまだぐっすりと眠る恋人がいる。
喉がカラカラに乾いていて、クリスは静かにベッドを抜け出した。ベッドの外の世界は、僅かにひやりとしている。最近は、半袖では寒いと感じる日が少しずつ増えてきていた。
朝の家の中はしんと静まり返っている。クリスは冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して、喉を潤す。窓の外は青空が広がっていて、今日はどうやら良い天気のようだ。
寝室へと戻ってきたクリスは、静かに恋人の寝顔を見つめる。今日はオフだ。時間ならたっぷりある。このまままたベッドに潜って、もう一眠りしてしまうのも良いだろう。
「……古論?」
hagi_pf
DOODLE雨クリワンドロお題:優しく触れる昨日書けなかったのでお題だけ借りました。
n番煎じのやつを煎じた感じの、ただイチャついてる雨クリです。
「古論」
二人きりの部屋の中。低い声に呼ばれてそちらを向けば、穏やかな薄紫と目が合う。そっと頬に大きな手が触れて、その目が慈しむように細められた。
それだけで、きゅっと胸が締め付けられるような、甘やかな感覚がする。
ゆっくりと雨彦が顔を寄せてきて、クリスは静かに目を閉じた。柔らかいものが唇に触れる。ほんの数秒の触れ合いの後、クリスはそろりと目を開く。雨彦は間近でクリスの顔を覗き込んでいて、再び視線が絡み合うと、じわりと体温が上がるのがわかった。
「雨彦」
「駄目かい?」
「いえ、もっと、してください」
ほんの少し体温の低い指先が、する、と頬を撫でる。声も、表情も、手も、クリスに向けられる何もかもが優しい。
1244二人きりの部屋の中。低い声に呼ばれてそちらを向けば、穏やかな薄紫と目が合う。そっと頬に大きな手が触れて、その目が慈しむように細められた。
それだけで、きゅっと胸が締め付けられるような、甘やかな感覚がする。
ゆっくりと雨彦が顔を寄せてきて、クリスは静かに目を閉じた。柔らかいものが唇に触れる。ほんの数秒の触れ合いの後、クリスはそろりと目を開く。雨彦は間近でクリスの顔を覗き込んでいて、再び視線が絡み合うと、じわりと体温が上がるのがわかった。
「雨彦」
「駄目かい?」
「いえ、もっと、してください」
ほんの少し体温の低い指先が、する、と頬を撫でる。声も、表情も、手も、クリスに向けられる何もかもが優しい。
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DOODLE雨クリワンドロ8/28お題:夕涼みなんか生活感…みたいな雨クリのふわっとしたらくがき。当然のように同棲してる。
「雨彦、風邪をひいてしまいますよ」
穏やかな声にそう呼びかけられて、雨彦はゆっくりと目を開いた。
目の前には雨彦の様子をじっと覗き込む恋人の顔。雨彦と目が合うと、口元に柔らかい笑みが浮かぶ。
「こいつは良い目覚めだな」
「おはようございます。起こすかどうか迷ったのですが、エアコンが当たっていたので……」
「ああ、眠っちまったみたいだな。起こしてくれて助かったよ」
今日はそれぞれ別の仕事が入っていて、クリスとは朝に顔を合わせたきりだった。
八月ももう終わりだというのに、まだまだ蒸し暑い日が続いている。昼過ぎに仕事を終えた雨彦は、すっかり外の暑さにバテて、早々に家に帰ってきたのだ。そうしてリビングのソファに倒れ込み、そのまま眠ってしまったらしい。
1405穏やかな声にそう呼びかけられて、雨彦はゆっくりと目を開いた。
目の前には雨彦の様子をじっと覗き込む恋人の顔。雨彦と目が合うと、口元に柔らかい笑みが浮かぶ。
「こいつは良い目覚めだな」
「おはようございます。起こすかどうか迷ったのですが、エアコンが当たっていたので……」
「ああ、眠っちまったみたいだな。起こしてくれて助かったよ」
今日はそれぞれ別の仕事が入っていて、クリスとは朝に顔を合わせたきりだった。
八月ももう終わりだというのに、まだまだ蒸し暑い日が続いている。昼過ぎに仕事を終えた雨彦は、すっかり外の暑さにバテて、早々に家に帰ってきたのだ。そうしてリビングのソファに倒れ込み、そのまま眠ってしまったらしい。
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DOODLE雨クリワンドロ8/20お題:怪談怪談番組見てるだけの雨クリ
シャワーを浴びた雨彦が自室に戻ると、室内には不気味な音楽とボソボソとした話し声が響いていた。音の出処はテレビからで、どうやら有名な語り部が怪談を語り聞かせる番組の放送中のようだ。
夏といえば定番だろうというように、この時期はこの手の番組が増える。雨彦は好んで見るわけではないので、実際に放送されているのを目にするのは随分と久しぶりのことだった。
部屋を見渡すと、クリスが一人ソファに座り、番組をじっと眺めている。
「こういう番組を見ているのは珍しいな」
「たまたまやっていたのですが、つい見入ってしまいました」
ちらりと雨彦の方を見たクリスは、再びテレビの方に意識を戻してしまう。
クリスがこういったものを好むという話は聞いたことがない。本当に珍しいこともあるものだ、と思いながら、雨彦はクリスの隣に腰掛けた。
1446夏といえば定番だろうというように、この時期はこの手の番組が増える。雨彦は好んで見るわけではないので、実際に放送されているのを目にするのは随分と久しぶりのことだった。
部屋を見渡すと、クリスが一人ソファに座り、番組をじっと眺めている。
「こういう番組を見ているのは珍しいな」
「たまたまやっていたのですが、つい見入ってしまいました」
ちらりと雨彦の方を見たクリスは、再びテレビの方に意識を戻してしまう。
クリスがこういったものを好むという話は聞いたことがない。本当に珍しいこともあるものだ、と思いながら、雨彦はクリスの隣に腰掛けた。
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MOURNING雨クリワンドロ7/30お題:花火あめぴが片思いしてそうなやつだけどきっと両思いなんで大丈夫です。
話がまとまらない。
長引いた番組の打ち合わせが終わり、帰路へつく頃には、すっかり日が落ちていた。
「外はまだ蒸し暑いですね……」
同じ駅へと向かうため隣を歩くクリスは、ぱたぱたと手で自分を扇いでいる。
最近は暑い日が続いていて、夜になっても気温が下がりきらない。暑さを苦手とする雨彦にとっては、一年で最も過酷な時期と言えるだろう。
早いところ涼しい屋内でゆっくりしたい、などと考えながら歩いていると、どこからともなくどん、という低い音が響いた。音のする方へ目をやれば、空に光の花が咲き、ぱらぱらと散って消えていく様子が見える。
「花火大会の予定なんてあったかい?」
「いえ、特になかったと思いますが……ゲリラ花火というやつでしょうか?」
1248「外はまだ蒸し暑いですね……」
同じ駅へと向かうため隣を歩くクリスは、ぱたぱたと手で自分を扇いでいる。
最近は暑い日が続いていて、夜になっても気温が下がりきらない。暑さを苦手とする雨彦にとっては、一年で最も過酷な時期と言えるだろう。
早いところ涼しい屋内でゆっくりしたい、などと考えながら歩いていると、どこからともなくどん、という低い音が響いた。音のする方へ目をやれば、空に光の花が咲き、ぱらぱらと散って消えていく様子が見える。
「花火大会の予定なんてあったかい?」
「いえ、特になかったと思いますが……ゲリラ花火というやつでしょうか?」
hagi_pf
MOURNING雨クリワンドロ7/23お題:夕立
もったいないので供養しておきます。
昼過ぎまで晴れていたはずの空は、気づいた時にはすっかり厚い雲に覆われていた。雨彦と事務所へ向かう途中だったクリスが、おや、と空を見上げると、ぽつりと雨粒が頬を濡らす。
「傘はあるかい?」
隣からの問いかけに首を横に降ると、雨彦は俺もだ、と言いながら苦笑した。
遠くからはゴロゴロと低い音が響いて、本格的に降り出しそうな気配だ。道を行く人たちも、不穏な空の様子に足早に動き始める。
「古論」
雨彦は一つ名前を呼ぶと、ぐい、とクリスの手を引いて走り出した。
それが合図だったかのように、雨は急に勢いを増して、建物や地面を打つ音がざあざあと響く。さっきまで乾いていたはずのアスファルトもすぐに水浸しになって、一歩踏み出すたびにばしゃりと音を立てた。
1115「傘はあるかい?」
隣からの問いかけに首を横に降ると、雨彦は俺もだ、と言いながら苦笑した。
遠くからはゴロゴロと低い音が響いて、本格的に降り出しそうな気配だ。道を行く人たちも、不穏な空の様子に足早に動き始める。
「古論」
雨彦は一つ名前を呼ぶと、ぐい、とクリスの手を引いて走り出した。
それが合図だったかのように、雨は急に勢いを増して、建物や地面を打つ音がざあざあと響く。さっきまで乾いていたはずのアスファルトもすぐに水浸しになって、一歩踏み出すたびにばしゃりと音を立てた。
27tael
PROGRESSあるいは〜 の最終話冒頭 出力がんばるぞー 互いの休みが重なる前の日の逢瀬は、もはや馴染んだ感もあって、今夜は壁にプロジェクタで映像の映せる宿泊施設の部屋に身を置いていた。
夜更けに近い時間、軽く夕食を済ませて身を清めて、壁から天井までを見上げるように置かれたローソファーに並んで身を沈める。照明の絞られた部屋は、しかし相手がリモコンでネット配信サービスを繰って選んだ、壁一面に投影されたクラゲ漂う海中の画像で、相対する互いの身体を発光させるようにほの明るい。
部屋の隅に仕込まれているのであろうスピーカーが、ダイバーがプクプクと水中に息を吐き出すかのような、規則正しい音を響かせている。穏やかな立体的な音に包まれていると、自然と意識が緩やかに拡散されていく。
2798夜更けに近い時間、軽く夕食を済ませて身を清めて、壁から天井までを見上げるように置かれたローソファーに並んで身を沈める。照明の絞られた部屋は、しかし相手がリモコンでネット配信サービスを繰って選んだ、壁一面に投影されたクラゲ漂う海中の画像で、相対する互いの身体を発光させるようにほの明るい。
部屋の隅に仕込まれているのであろうスピーカーが、ダイバーがプクプクと水中に息を吐き出すかのような、規則正しい音を響かせている。穏やかな立体的な音に包まれていると、自然と意識が緩やかに拡散されていく。
hagi_pf
DONE雨クリワンドロ7/9お題:七夕普通に時間をガン無視しました。七夕イベント後の雨クリ。
七夕祭りのライブを無事に終えた夜。会場近くのホテルで一息ついていたクリスは、スマートフォンがメッセージの受信を知らせる音に気づき手を伸ばした。
待ち受け画面に表示されていたのは、雨彦の名前。メッセージアプリを開くと、そこに書かれていたのは、まだ起きているかという端的な問いかけのみだった。それに肯定で答えると、程なくしてコンコンと控えめなノック音が響く。
「雨彦」
「こんな時間に悪いな」
ドアを開けると、そこには雨彦がラフな服装で佇んでいた。部屋に招き入れようとしてみたが、雨彦は動き出す気配がない。
「もう寝るところだったかい?」
「いえ、まだもう少し起きているつもりでしたよ」
「……それなら、少し俺に付き合ってくれないか?」
1927待ち受け画面に表示されていたのは、雨彦の名前。メッセージアプリを開くと、そこに書かれていたのは、まだ起きているかという端的な問いかけのみだった。それに肯定で答えると、程なくしてコンコンと控えめなノック音が響く。
「雨彦」
「こんな時間に悪いな」
ドアを開けると、そこには雨彦がラフな服装で佇んでいた。部屋に招き入れようとしてみたが、雨彦は動き出す気配がない。
「もう寝るところだったかい?」
「いえ、まだもう少し起きているつもりでしたよ」
「……それなら、少し俺に付き合ってくれないか?」
hagi_pf
DOODLEイベスト読んだら自分が思ってる以上にヘビー感情な彦さんとそれもまるっと包む論さんが見たくなったよという雨クリ雰囲気らくがき「……あの、雨彦?」
鍛えられた逞しい腕の中。後ろからすっぽりと抱きしめられた状態のクリスは、少々戸惑うように雨彦の名前を呼んだ。
「どうした?」
そう返ってきた声はひどく穏やかで甘い。後ろを振り向こうとすると、それに応えるかのように顔を覗き込まれて、ミステリアスな色の瞳と目が合った。ふっと満足そうに微笑まれると、照れくさいような気持ちが湧き上がってくる。
「ええと、この、状態は……」
「嫌かい?」
「いえ、嫌というわけでは、ないのですが……」
よくよく見ると、当の雨彦本人も自分の行動に戸惑っているのか、その瞳にはほんの少しだけ困惑の色が混ざっている。それでも雨彦は、クリスを離してくれる気配がない。
雨彦の家で一晩を過ごして迎えた翌朝。家を出た後は一人海へ向かおうかと、身支度を整えていたところだった。
1344鍛えられた逞しい腕の中。後ろからすっぽりと抱きしめられた状態のクリスは、少々戸惑うように雨彦の名前を呼んだ。
「どうした?」
そう返ってきた声はひどく穏やかで甘い。後ろを振り向こうとすると、それに応えるかのように顔を覗き込まれて、ミステリアスな色の瞳と目が合った。ふっと満足そうに微笑まれると、照れくさいような気持ちが湧き上がってくる。
「ええと、この、状態は……」
「嫌かい?」
「いえ、嫌というわけでは、ないのですが……」
よくよく見ると、当の雨彦本人も自分の行動に戸惑っているのか、その瞳にはほんの少しだけ困惑の色が混ざっている。それでも雨彦は、クリスを離してくれる気配がない。
雨彦の家で一晩を過ごして迎えた翌朝。家を出た後は一人海へ向かおうかと、身支度を整えていたところだった。
hagi_pf
DOODLE昨日めっちゃ雨だったから書いた絶対n番煎じ&雰囲気だけの雨クリらくがき。 窓の外は鈍色。さあさあと音を立てて、雨が降っている。
世界から隔絶されてしまったみたいな、静かな部屋の中。クリスはじっと、外の世界を覗いている。
「あめ」
そう口に出してみた。それは彼の音だ。たったふたつの音がクリスの中に落ちてきて、それに心が満たされる。
包み込むように柔らかくて、優しくて、静かなその音は、彼に似合いだと思う。
そんなことを考えていると、自然と口元に笑みが浮かんだ。
「この天気なのに、随分とご機嫌だな」
いつの間にか隣にやってきた雨彦が、少し意外そうな顔でクリスを見ている。
「この天気だからですよ」
「この雨だと、海にも行けないのにかい?」
雨彦は、さらに不思議そうに小首を傾げた。雨はクリスと海とを隔てるものだと思っているのだ。
1000世界から隔絶されてしまったみたいな、静かな部屋の中。クリスはじっと、外の世界を覗いている。
「あめ」
そう口に出してみた。それは彼の音だ。たったふたつの音がクリスの中に落ちてきて、それに心が満たされる。
包み込むように柔らかくて、優しくて、静かなその音は、彼に似合いだと思う。
そんなことを考えていると、自然と口元に笑みが浮かんだ。
「この天気なのに、随分とご機嫌だな」
いつの間にか隣にやってきた雨彦が、少し意外そうな顔でクリスを見ている。
「この天気だからですよ」
「この雨だと、海にも行けないのにかい?」
雨彦は、さらに不思議そうに小首を傾げた。雨はクリスと海とを隔てるものだと思っているのだ。
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DONE雨クリワンドロ5/21お題:晩御飯の買い物生活感のある雨クリ見たい
夕方のスーパーの日用品コーナー。洗剤を手に取った雨彦は、クリスを探して店内を歩いていた。
同居人であるクリスと二人揃ってスーパーに来ることはあまり多くない。スケジュールが合わないこともあれば、外食続きになることも、家を空けることもある生活だ。どちらか片方が買い出しを引き受ける、ということも少なくなかった。
二人で買い出しに来た時には、まずは雨彦が日用品コーナーに向かい、それから食料品を探すクリスに合流することが多い。
こういう時、クリスを見つけるのは簡単だ。すっかり慣れ親しんだ店内を、雨彦は迷いなく歩く。そうしてたどり着いた鮮魚コーナーで、やはりクリスは並べられた魚とにらめっこをしていた。
「いい魚は見つかったかい?」
1356同居人であるクリスと二人揃ってスーパーに来ることはあまり多くない。スケジュールが合わないこともあれば、外食続きになることも、家を空けることもある生活だ。どちらか片方が買い出しを引き受ける、ということも少なくなかった。
二人で買い出しに来た時には、まずは雨彦が日用品コーナーに向かい、それから食料品を探すクリスに合流することが多い。
こういう時、クリスを見つけるのは簡単だ。すっかり慣れ親しんだ店内を、雨彦は迷いなく歩く。そうしてたどり着いた鮮魚コーナーで、やはりクリスは並べられた魚とにらめっこをしていた。
「いい魚は見つかったかい?」
hagi_pf
DONE雨クリワンドロ4/30お題:連休付き合ってない雨クリのはよ付き合えって感じのやつです
「皆さん本当にお疲れさまでした!」
プロデューサーの労う声が楽屋に響く。無事収録を完遂したクリスは、ほっとしたように深く息を吐いた。
Legendersの三人はこのところスケジュールがびっしりと埋まっていて、休みという休みもなかなか取れないまま、仕事に勤しんでいた。過密スケジュールの最後を飾ったのが、ついさっき終えたばかりの番組収録の仕事だ。
収録に撮影にと駆け回っていた三人をしっかりと休ませるべく、プロデューサーは四日間のオフを作ってくれた。明日からは少しの間、のんびりと身体を休め、リフレッシュすることができるだろう。
「それじゃあ、お疲れ様ですー」
収録が押した関係で、すっかり時間が遅くなってしまった。想楽を自宅に送り届けるため、プロデューサーと想楽は一足早く楽屋を出る。残されたクリスと雨彦も、支度が整い次第各々帰路につく予定だ。
1930プロデューサーの労う声が楽屋に響く。無事収録を完遂したクリスは、ほっとしたように深く息を吐いた。
Legendersの三人はこのところスケジュールがびっしりと埋まっていて、休みという休みもなかなか取れないまま、仕事に勤しんでいた。過密スケジュールの最後を飾ったのが、ついさっき終えたばかりの番組収録の仕事だ。
収録に撮影にと駆け回っていた三人をしっかりと休ませるべく、プロデューサーは四日間のオフを作ってくれた。明日からは少しの間、のんびりと身体を休め、リフレッシュすることができるだろう。
「それじゃあ、お疲れ様ですー」
収録が押した関係で、すっかり時間が遅くなってしまった。想楽を自宅に送り届けるため、プロデューサーと想楽は一足早く楽屋を出る。残されたクリスと雨彦も、支度が整い次第各々帰路につく予定だ。
hiisekine_amcr
DOODLE雨クリワンドロより「水族館」 2時間かかってしまいました…使用した写真は先日水族館に遊びに行った時に自分で撮影したものです 彦さんも論さんを通して海の生き物に親しみを持つようになってたりしたら嬉しいな~って思います 2hiisekine_amcr
DOODLE過去のワンドロの再掲です。12/11 マフラー
1/1 新しい事
1/22 ポプマス
1/29 姫抱っこ
2/12 バレンタイン
2/19 用務員室
3/5 同棲
3/19 シルバーアクセサリー 8
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DONE雨クリワンドロ4/9お題:折り紙いつも通りな感じの雨クリ
人の少ない昼下がりの事務所。クリスは雨彦が暇つぶしにと折り紙を折る様子を眺めていた。
「お前さん、見ていて退屈じゃないのかい?」
「そんなことはありません!こうして眺めているだけでも楽しいですよ」
テーブルの上には、既に完成したものがいくつか並んでいる。クリスが見ているからか、作られるのは海の生き物ばかりだ。
クリスがいくつかリクエストをしてみると、雨彦は小さく笑ってそれに応えてくれる。折り紙が特技なのだという雨彦の表情は、穏やかで楽しそうだ。その表情をクリスが時折盗み見ていることに、雨彦は気づいているだろうか。
「古論のおかげで、随分と海の生き物のレパートリーが増えちまったな」
目線で手を出すように促され、テーブルの上で両手を広げる。ぽとりと手の中に落とされた小さな生き物の姿に、クリスは思わず雨彦を見上げた。
1234「お前さん、見ていて退屈じゃないのかい?」
「そんなことはありません!こうして眺めているだけでも楽しいですよ」
テーブルの上には、既に完成したものがいくつか並んでいる。クリスが見ているからか、作られるのは海の生き物ばかりだ。
クリスがいくつかリクエストをしてみると、雨彦は小さく笑ってそれに応えてくれる。折り紙が特技なのだという雨彦の表情は、穏やかで楽しそうだ。その表情をクリスが時折盗み見ていることに、雨彦は気づいているだろうか。
「古論のおかげで、随分と海の生き物のレパートリーが増えちまったな」
目線で手を出すように促され、テーブルの上で両手を広げる。ぽとりと手の中に落とされた小さな生き物の姿に、クリスは思わず雨彦を見上げた。
hiisekine_amcr
DOODLE雨クリ+みのりーず+華村さんで、飲み会ネタのお話です。雨彦さんがあまりかっこよくないです。Twitterでアップしていたものに少し修正を加えています。下書き状態ですが、今後完成品はpixivにアップするか、あるいは本にできたらいいなと思っています(未定です)。 37
hagi_pf
DONE雨クリワンドロ4/2お題:お花見多分付き合ってる雨クリ
ユニットでの仕事の帰り道。最寄りの駅へと向かう道すがら、見事な桜並木を見つけた三人は、思わず足を止めた。
「へえ、行きは気づかなかったけど、綺麗だねー」
「ちょうど見頃ってところだな」
この後は予定している仕事もない。寄り道するのもいいだろうと、三人の足は吸い寄せられるように並木道へと向かった。両脇に植えられた桜は満開を迎え、時折はらりと花びらを落としている。
「桜といえば、やはりサクラダイの話は欠かせません!実は漢字の桜鯛と片仮名のサクラダイは別種の魚でして……」
「桜を前にしても、クリスさんは相変わらずだねー」
桜もそこそこに、いつものように話し始めたクリスに、隣の想楽が苦笑した。
桜に囲まれるクリスは、本人の持つ華やかな容姿も相まって大層絵になっている。一方で当の本人の意識は桜ではなく海へと向いてしまっているのがちぐはぐで、どこか面白い。
1355「へえ、行きは気づかなかったけど、綺麗だねー」
「ちょうど見頃ってところだな」
この後は予定している仕事もない。寄り道するのもいいだろうと、三人の足は吸い寄せられるように並木道へと向かった。両脇に植えられた桜は満開を迎え、時折はらりと花びらを落としている。
「桜といえば、やはりサクラダイの話は欠かせません!実は漢字の桜鯛と片仮名のサクラダイは別種の魚でして……」
「桜を前にしても、クリスさんは相変わらずだねー」
桜もそこそこに、いつものように話し始めたクリスに、隣の想楽が苦笑した。
桜に囲まれるクリスは、本人の持つ華やかな容姿も相まって大層絵になっている。一方で当の本人の意識は桜ではなく海へと向いてしまっているのがちぐはぐで、どこか面白い。