hagi_pf
DONE雨クリのことが大好きなそらくんが初めて雨クリ宅にお邪魔する話※特にイチャイチャとかない
「なんか、ちょっと緊張するかもー」
駅を出て歩き始めること約5分。スマートフォン上に表示した地図では、目的地まであと4分と出ている。
そわそわと気分が落ち着かない想楽は、手にした紙袋の中をちらりと覗き見た。
想楽は今日、雨彦とクリスが暮らすマンションを訪れる約束をしていた。
恋仲である二人が共に暮らすべく引っ越したのは一ヶ月ほど前。ようやく荷解きや家具の搬入などが落ち着いたと聞いたのが先週のことだ。
クリスが想楽を一番に招きたいのだと言い、雨彦もそれに賛同した。そんな二人の誘いに、想楽は少し照れくささを感じながらも頷いて、オフである今日二人の部屋を訪れることになったのだ。
思い返すと、こうして二人が恋仲になり、共に暮らすようになるまでには、いろいろなことがあった。
3439駅を出て歩き始めること約5分。スマートフォン上に表示した地図では、目的地まであと4分と出ている。
そわそわと気分が落ち着かない想楽は、手にした紙袋の中をちらりと覗き見た。
想楽は今日、雨彦とクリスが暮らすマンションを訪れる約束をしていた。
恋仲である二人が共に暮らすべく引っ越したのは一ヶ月ほど前。ようやく荷解きや家具の搬入などが落ち着いたと聞いたのが先週のことだ。
クリスが想楽を一番に招きたいのだと言い、雨彦もそれに賛同した。そんな二人の誘いに、想楽は少し照れくささを感じながらも頷いて、オフである今日二人の部屋を訪れることになったのだ。
思い返すと、こうして二人が恋仲になり、共に暮らすようになるまでには、いろいろなことがあった。
hagi_pf
DONE2021/11/20 雨クリワンドロお題「こたつ」
夕食の後、洗い物を終えた雨彦がリビングに戻ると、クリスは炬燵で眠りに落ちていた。
「古論?」
近づくとすうすうと規則正しい寝息が聞こえてくる。長身を少し丸め、首から下を炬燵にすっぽり包まれたクリスの表情は安らかだ。
そんなクリスの様子に、雨彦はやはり良い買い物だったと一人頷いた。
二人の暮らす部屋に炬燵が導入されたのはつい先日のことだ。
海をこよなく愛するクリスは、季節を問わず頻繁に海に足を運ぶ。寒い時期は海に潜っていた方が温かい、などと言い出した時にはさすがの雨彦も慌てたものだ。
そんなクリスを温める手段は、多いに越したことはない。そして炬燵で二人、ゆっくりと鍋を囲むというのも悪くない。
様々な理由をつけて購入した炬燵は、二人の長身も考慮した、ゆったりとしたサイズのものだった。
1128「古論?」
近づくとすうすうと規則正しい寝息が聞こえてくる。長身を少し丸め、首から下を炬燵にすっぽり包まれたクリスの表情は安らかだ。
そんなクリスの様子に、雨彦はやはり良い買い物だったと一人頷いた。
二人の暮らす部屋に炬燵が導入されたのはつい先日のことだ。
海をこよなく愛するクリスは、季節を問わず頻繁に海に足を運ぶ。寒い時期は海に潜っていた方が温かい、などと言い出した時にはさすがの雨彦も慌てたものだ。
そんなクリスを温める手段は、多いに越したことはない。そして炬燵で二人、ゆっくりと鍋を囲むというのも悪くない。
様々な理由をつけて購入した炬燵は、二人の長身も考慮した、ゆったりとしたサイズのものだった。
hiisekine_amcr
DOODLE雨クリワンドロで「誕生日前日」(60+45分)雨彦さんお誕生日おめでとうございます!(気が早い)寝る前の話だとどうしても髪の毛おろしがちなんだけど個人的には上げてる方が好きです 2hagi_pf
DONE2021/10/30 雨クリワンドロお題「ハロウィン」
「雨彦、今日は楽しんでいただけましたか?」
そう尋ねるクリス自身がニコニコとご機嫌な様子なのを見て、雨彦はふっと微笑んだ。
「ああ、楽しかったよ」
「それは良かったです!」
「古論が準備を頑張ってくれたんだろう?ありがとうな」
雨彦の誕生日を祝うため、クリスがそれはもう奔走していたらしい、というのは先ほど想楽から聞いた話だ。
事務所でのパーティーに、二人からのプレゼント。誕生日恒例ともいえるそれらが、この年になっても嬉しいと感じるようになるとは、アイドルになる前の自分は思っていなかった。
パーティーは盛り上がり、もういい時間だ。プロデューサーは想楽を送りに出てしまい、居合わせた仲間たちも片づけが一段落すると順に帰路についていった。
1276そう尋ねるクリス自身がニコニコとご機嫌な様子なのを見て、雨彦はふっと微笑んだ。
「ああ、楽しかったよ」
「それは良かったです!」
「古論が準備を頑張ってくれたんだろう?ありがとうな」
雨彦の誕生日を祝うため、クリスがそれはもう奔走していたらしい、というのは先ほど想楽から聞いた話だ。
事務所でのパーティーに、二人からのプレゼント。誕生日恒例ともいえるそれらが、この年になっても嬉しいと感じるようになるとは、アイドルになる前の自分は思っていなかった。
パーティーは盛り上がり、もういい時間だ。プロデューサーは想楽を送りに出てしまい、居合わせた仲間たちも片づけが一段落すると順に帰路についていった。
hagi_pf
DOODLE2021/10/23雨クリワンドロお題:秋
雨彦がシャワーを浴びてリビングに戻ると、ソファに腰掛けたクリスは少し難しい顔で考え込んでいる様子だった。
「古論?」
声を掛けると、クリスはパッと顔を上げて雨彦の方を見る。
「雨彦、戻ってきたのですね」
「随分と考え込んでいるようだが……」
そう言いながら近づくと、クリスがスケッチブックとペンを手にしていることが見て取れた。クリスが見られても問題なさそうな様子であることを確認して、雨彦はクリスの隣に腰掛ける。
「今度出演する特番で、私たちは似顔絵を描くコーナーに出る予定のようなので、少し練習をと思いまして」
毎年秋に放送される特番に、今年はLegendersも出演することが決まった。その特番は秋にちなんだコーナーで構成されており、スポーツやグルメ、芸術といったテーマで出演者が様々なことに挑戦するらしい。
1280「古論?」
声を掛けると、クリスはパッと顔を上げて雨彦の方を見る。
「雨彦、戻ってきたのですね」
「随分と考え込んでいるようだが……」
そう言いながら近づくと、クリスがスケッチブックとペンを手にしていることが見て取れた。クリスが見られても問題なさそうな様子であることを確認して、雨彦はクリスの隣に腰掛ける。
「今度出演する特番で、私たちは似顔絵を描くコーナーに出る予定のようなので、少し練習をと思いまして」
毎年秋に放送される特番に、今年はLegendersも出演することが決まった。その特番は秋にちなんだコーナーで構成されており、スポーツやグルメ、芸術といったテーマで出演者が様々なことに挑戦するらしい。
hagi_pf
DOODLE初夜突入直前の雨クリ書きたかったとこだけらくがき※経験が少なくてぐるぐる考えてるタイプの論さん 心臓がバクバクと煩いまま鎮まらない。
クリスはつい先日恋仲になったばかりの雨彦と、オフを利用した小旅行を計画した。
初めての土地をお忍びで観光し、宿にやってきたのが数刻前。それから名産を使用した豪勢な料理を堪能し、二人で温泉を楽しんだ。
後は部屋に戻って休むだけ、というところで、クリスは少し困ってしまった。
経験の少ないクリスには、恋人との交際というものがあまりわからない。だが恋人同士の、初めての小旅行の夜が何も起こらないまま過ぎていくだろうか。
遅かれ早かれ、いつかはそのタイミングが訪れるのだろう。クリスはとっくに覚悟を決めているつもりでいた。だがいざチャンスとも言えるタイミングに直面すると、途端にどうしたらいいかわからなくなってしまう。
1344クリスはつい先日恋仲になったばかりの雨彦と、オフを利用した小旅行を計画した。
初めての土地をお忍びで観光し、宿にやってきたのが数刻前。それから名産を使用した豪勢な料理を堪能し、二人で温泉を楽しんだ。
後は部屋に戻って休むだけ、というところで、クリスは少し困ってしまった。
経験の少ないクリスには、恋人との交際というものがあまりわからない。だが恋人同士の、初めての小旅行の夜が何も起こらないまま過ぎていくだろうか。
遅かれ早かれ、いつかはそのタイミングが訪れるのだろう。クリスはとっくに覚悟を決めているつもりでいた。だがいざチャンスとも言えるタイミングに直面すると、途端にどうしたらいいかわからなくなってしまう。
hiisekine_amcr
DONE雨クリで「誕生日前々日」。ワンドロ参加したかったけど一時間に全く収まらなかったのでお題だけお借りしました。(前々日にも間に合わなかったけど今は10/9の27時30分ですそういうことにして) 5sy_leg
DONE雨クリワンライ10/9お題『誕生日前々日』で書いたもの 明日の夜会えないか、と雨彦からメッセージが来たのは十月九日の夜のことだった。雨彦とクリスは恋仲であり、二人の間で「夜に会えないか」というフレーズは端的に言ってしまえば情事の誘い文句としていつしか定着してしまった言葉だ。
アイドルという仕事柄もあり、そういった行為が可能な日は限られている。明後日は仕事の予定こそ入っていないが、三人で会う予定になっているので珍しい提案だなとクリスは思う。
会うことはやぶさかではないが、雨彦の意図が汲めずクリスはメッセージアプリを開き返信をすることが出来ないまま指を彷徨わせる。
すると、クリスの戸惑いを察したかのようなタイミングで雨彦から着信が入った。
「はい」
「すまない。そういう意味ではなかったんだが…紛らわしかったと思ってな」
1252アイドルという仕事柄もあり、そういった行為が可能な日は限られている。明後日は仕事の予定こそ入っていないが、三人で会う予定になっているので珍しい提案だなとクリスは思う。
会うことはやぶさかではないが、雨彦の意図が汲めずクリスはメッセージアプリを開き返信をすることが出来ないまま指を彷徨わせる。
すると、クリスの戸惑いを察したかのようなタイミングで雨彦から着信が入った。
「はい」
「すまない。そういう意味ではなかったんだが…紛らわしかったと思ってな」
hagi_pf
DOODLE彦のあのええ声で羊数えてほしいだけの雨クリ※事後「羊が1匹、羊が2匹」
低く穏やかな声が羊を数えるのを、クリスは目を閉じて静かに聞いている。
雨彦に眠りにつく前に羊を数えてほしいと頼んだのはクリスだった。
先日出演した番組の、ファンに向けてシチュエーションに沿った一言を言う企画で、雨彦は夜眠る前というシチュエーションを与えられた。
「眠れないのなら、眠りにつくまで俺が隣で羊でも数えてやろう」
そう言って微笑む雨彦の威力は絶大だ。スタジオも大層盛り上がった。
雨彦の言葉を聞いていたクリスは、確かに雨彦に羊を数えてもらったらよく眠れるのではないか、と考えた。
雨彦は良い声をしている。独特の色気を持ったその声はいつだって優しくて、クリスは雨彦の声が大好きだった。
1113低く穏やかな声が羊を数えるのを、クリスは目を閉じて静かに聞いている。
雨彦に眠りにつく前に羊を数えてほしいと頼んだのはクリスだった。
先日出演した番組の、ファンに向けてシチュエーションに沿った一言を言う企画で、雨彦は夜眠る前というシチュエーションを与えられた。
「眠れないのなら、眠りにつくまで俺が隣で羊でも数えてやろう」
そう言って微笑む雨彦の威力は絶大だ。スタジオも大層盛り上がった。
雨彦の言葉を聞いていたクリスは、確かに雨彦に羊を数えてもらったらよく眠れるのではないか、と考えた。
雨彦は良い声をしている。独特の色気を持ったその声はいつだって優しくて、クリスは雨彦の声が大好きだった。
hiisekine_amcr
TRAININGアロスヴェ。R15くらい?だいぶぬるめですが少しだけ性的な感じです。色々設定捏造、アロルドさんがちょっと最悪な感じです。フィンも出ます。【アロスヴェ】その感情は執着「今日は強い嵐が来るから、決して家から出てはいけないよ」
薄暗い部屋の中、重たい布団をかけられながら、スヴェンはこくりと頷いた。
村で一番の占い師が、今夜の嵐は死人が出ると言ったらしい。村中の大人たちが、今も外で嵐に備えている。
「私に何かできることはありますか?」
「お前は家にいなさい。窓も扉も、開けてはいけない。夜が明ける頃には嵐も去るらしいから、それまでの辛抱だよ」
そう言うと、父は大きなぬいぐるみをスヴェンに手渡した。スヴェンが幼い頃に抱いて寝ていたものだ。
「父上、私はもう子供ではありません」
「私にとっては大切な子供だ。……良い子にしているんだよ」
そう言うと、父はスヴェンの部屋から立ち去り、間もなくがちゃりと重い音が響いた。どうやら鍵をかけられたらしい。
4636薄暗い部屋の中、重たい布団をかけられながら、スヴェンはこくりと頷いた。
村で一番の占い師が、今夜の嵐は死人が出ると言ったらしい。村中の大人たちが、今も外で嵐に備えている。
「私に何かできることはありますか?」
「お前は家にいなさい。窓も扉も、開けてはいけない。夜が明ける頃には嵐も去るらしいから、それまでの辛抱だよ」
そう言うと、父は大きなぬいぐるみをスヴェンに手渡した。スヴェンが幼い頃に抱いて寝ていたものだ。
「父上、私はもう子供ではありません」
「私にとっては大切な子供だ。……良い子にしているんだよ」
そう言うと、父はスヴェンの部屋から立ち去り、間もなくがちゃりと重い音が響いた。どうやら鍵をかけられたらしい。
hagi_pf
DONE雨クリワンドロ第2回お題「手を繫ぐ」すごくn番煎じの朝の海に行く二人
冬の朝の海はきんと冷え切っている。
クリスと二人海辺を歩きながら、雨彦は朝日の昇る海を眺めた。
地方ロケで泊まる宿がたまたま海の近くだったことに、クリスはとても喜んだ。クリスが早朝に海を見に行く予定だと聞いた雨彦は、せっかくだからとクリスについて行くことにした。
しっかりと着こんでは来たが、風が吹くとやはり少し寒さを感じる。きらきらとした目で海を眺めるクリスも、鼻のてっぺんが少し赤い。あまり長居をすると身体が冷え切ってしまうだろう。よく見れば、クリスは手袋もしていない。
「古論、手袋はどうした?」
「宿に置いて来てしまいました」
クリスは冷えた両手にはあ、と息を吹きかける。
「まだもう少し見ていくかい?」
1005クリスと二人海辺を歩きながら、雨彦は朝日の昇る海を眺めた。
地方ロケで泊まる宿がたまたま海の近くだったことに、クリスはとても喜んだ。クリスが早朝に海を見に行く予定だと聞いた雨彦は、せっかくだからとクリスについて行くことにした。
しっかりと着こんでは来たが、風が吹くとやはり少し寒さを感じる。きらきらとした目で海を眺めるクリスも、鼻のてっぺんが少し赤い。あまり長居をすると身体が冷え切ってしまうだろう。よく見れば、クリスは手袋もしていない。
「古論、手袋はどうした?」
「宿に置いて来てしまいました」
クリスは冷えた両手にはあ、と息を吹きかける。
「まだもう少し見ていくかい?」
たつほ
DONE雨クリワンライて書いたやつ。「手を繋ぐ」 思わず手を掴んだ。人波に飲まれて離れそうになったからだ。お互いの身長からすれば離れたからと言って見失うものでも無いが、思わず掴んでいた。掴まれ振り向いた目とかち合う。俺が何か言おうとする前に、するりと掴んでいた手を繋がれた。
「ふふ、ありがとうございます雨彦。ここからは離れないよう手を繋いでおきましょうか。」
ほら、雨彦…と。そのまま流れるように大きな水槽の中の魚達の話へと移っていく。水槽からの淡い明かりに照らされる横顔を見る。子供連れの喧騒が背後を駆け回る水族館。指差してあれはどうとかこれはそうとか真剣に話してくるので、俺はその喧騒をBGMに相手の心地良い声に耳を傾けた。
次の水槽へ、と。繋いだ手を引かれて歩く。少し早足でグイグイと引っ張るように歩くのは、相手が嬉しくて興奮している時の癖のようなモノだ。
1109「ふふ、ありがとうございます雨彦。ここからは離れないよう手を繋いでおきましょうか。」
ほら、雨彦…と。そのまま流れるように大きな水槽の中の魚達の話へと移っていく。水槽からの淡い明かりに照らされる横顔を見る。子供連れの喧騒が背後を駆け回る水族館。指差してあれはどうとかこれはそうとか真剣に話してくるので、俺はその喧騒をBGMに相手の心地良い声に耳を傾けた。
次の水槽へ、と。繋いだ手を引かれて歩く。少し早足でグイグイと引っ張るように歩くのは、相手が嬉しくて興奮している時の癖のようなモノだ。
sy_leg
MOURNING何度も死ぬ古論さんを助けたい雨彦さんの話(非タイムリープ)を書こうとしてたんだけど、タイプリが来たので多分もう書かないだろうな…と思ったので順序とか色々整理してない状態ですが置いておきます 眠ると夢を見る。見る夢は大抵“彼”の夢だ。
見る夢は過去だった。確証などないが、そうだったのだろうという漠然とした、けれど確実な思いがある。
そして過去、何度も“彼”と出会い惹かれ合った。それが運命であるかとでもいうように。何度も生まれては出会い、そして死に別れた。
葛之葉雨彦は今まで過ごした数多の人生を、その中でも“彼”と過ごした日々を夢に見る。
だから、雨彦は眠ることを厭うようになった。
海はあまり好きではない。“彼”の死に際を思い出す。
“彼”はいつでも美しかった。美しいまま、必ず海で死んでいく。ある時は生贄として、ある時は人間の手にかかり、ある時は世界に絶望して、ある時は事故で、ある時は雨彦を助ける為に。
2172見る夢は過去だった。確証などないが、そうだったのだろうという漠然とした、けれど確実な思いがある。
そして過去、何度も“彼”と出会い惹かれ合った。それが運命であるかとでもいうように。何度も生まれては出会い、そして死に別れた。
葛之葉雨彦は今まで過ごした数多の人生を、その中でも“彼”と過ごした日々を夢に見る。
だから、雨彦は眠ることを厭うようになった。
海はあまり好きではない。“彼”の死に際を思い出す。
“彼”はいつでも美しかった。美しいまま、必ず海で死んでいく。ある時は生贄として、ある時は人間の手にかかり、ある時は世界に絶望して、ある時は事故で、ある時は雨彦を助ける為に。
hagi_pf
DOODLETPとか経てイケイケゴーゴーになった彦に論さんがわーってなるやつのはずだった雨クリらくがき 雨彦は最近少し変わったように思う。
これまでもよくクリスの話を聞いてくれていたが、最近は雨彦の方からクリスのことを聞いてくる回数が増えたような気がするのだ。クリスが雨彦のことを尋ねた時も、曖昧に流されることが減り、素直な言葉で答えてくれることが増えた。
そして変化はもう一つ。
クリスに触れる雨彦の手にも、これまで僅かに垣間見えていた躊躇いがなくなっていた。
「古論」
二人きりの部屋の中で、雨彦が真剣な眼差しでクリスを見つめてくる。クリスは照れたように顔を背けようとするが、雨彦がクリスの頬に触れてやんわりとそれを防いでしまった。
雨彦と関係を持つようになったのはいつからだったろうか。クリスは密かに雨彦に想いを寄せているが、その想いを伝えたことはないし、雨彦がクリスをどう思っているのかもわからない。恋人と呼ぶには遠く、セフレと呼ぶには近すぎる、曖昧な関係だった。
1309これまでもよくクリスの話を聞いてくれていたが、最近は雨彦の方からクリスのことを聞いてくる回数が増えたような気がするのだ。クリスが雨彦のことを尋ねた時も、曖昧に流されることが減り、素直な言葉で答えてくれることが増えた。
そして変化はもう一つ。
クリスに触れる雨彦の手にも、これまで僅かに垣間見えていた躊躇いがなくなっていた。
「古論」
二人きりの部屋の中で、雨彦が真剣な眼差しでクリスを見つめてくる。クリスは照れたように顔を背けようとするが、雨彦がクリスの頬に触れてやんわりとそれを防いでしまった。
雨彦と関係を持つようになったのはいつからだったろうか。クリスは密かに雨彦に想いを寄せているが、その想いを伝えたことはないし、雨彦がクリスをどう思っているのかもわからない。恋人と呼ぶには遠く、セフレと呼ぶには近すぎる、曖昧な関係だった。
27tael
PROGRESS暁理…いやぜったいバディ時代そういう関係あったってば(力説
ためらいがちなノック。
「入れ」
わざとディスプレイに眼差しを落としたまま相手を迎える。
足音を残して、動きが止まる。
ちらりと目をやり、業務中のこちらへ配慮したのか、今日の任を終えた私服姿でも律儀に敬礼をしてくる元バディに神経をくすぐられるような思いをしながら、ナハトは表情を崩さぬまま告げた。
「ああ、来たか。急ぎの稟議があるから、少しそこで待っていなさい」
実働部隊からの報告を受けるため広く取られた執務卓前のスペースとは別に、傍には事務方の役職者などと話し込むための応接セットがある。
はい、と簡潔に返事をして、ゆったりと設られた二人がけのソファに腰掛けた姿は、眼差しを落としながらもどこかソワソワと落ち着かない様子だ。
1308「入れ」
わざとディスプレイに眼差しを落としたまま相手を迎える。
足音を残して、動きが止まる。
ちらりと目をやり、業務中のこちらへ配慮したのか、今日の任を終えた私服姿でも律儀に敬礼をしてくる元バディに神経をくすぐられるような思いをしながら、ナハトは表情を崩さぬまま告げた。
「ああ、来たか。急ぎの稟議があるから、少しそこで待っていなさい」
実働部隊からの報告を受けるため広く取られた執務卓前のスペースとは別に、傍には事務方の役職者などと話し込むための応接セットがある。
はい、と簡潔に返事をして、ゆったりと設られた二人がけのソファに腰掛けた姿は、眼差しを落としながらもどこかソワソワと落ち着かない様子だ。
sy_leg
MEMO理人さんの髪の毛の話。暁理です。「その長い髪は邪魔じゃないのか?」
不法タイムジャッカーを引き渡した後でナハトはそう理人に声をかける。バディを組んでからずっと気になっていたことだった。
「目障りであれば切りますが」
「いや、そうじゃない」
刃物を手にしていれば今すぐにでも髪を切り落としかねない理人の言い方にナハトは苦笑する。
「この通り私自身は髪が短いし、単純に邪魔じゃないのかと気になってね。手入れも手間だろう?」
即座に切ると言い出すところを見るに、取り立ててこだわりがある訳ではないのだろう。にも関わらず、手間をかけてまで長髪を維持しているのが不思議だった。
「確かに手間ではありますが、便利でもあるので」
「便利?」
予想していなかった言葉に思わず理人の言葉を聞き返す。
1515不法タイムジャッカーを引き渡した後でナハトはそう理人に声をかける。バディを組んでからずっと気になっていたことだった。
「目障りであれば切りますが」
「いや、そうじゃない」
刃物を手にしていれば今すぐにでも髪を切り落としかねない理人の言い方にナハトは苦笑する。
「この通り私自身は髪が短いし、単純に邪魔じゃないのかと気になってね。手入れも手間だろう?」
即座に切ると言い出すところを見るに、取り立ててこだわりがある訳ではないのだろう。にも関わらず、手間をかけてまで長髪を維持しているのが不思議だった。
「確かに手間ではありますが、便利でもあるので」
「便利?」
予想していなかった言葉に思わず理人の言葉を聞き返す。
sy_leg
MEMOループしていた暁さんの話。暁理というか暁→理人な感じ。 小さくない破裂音と共に、此方に走り跳んで来ていた長身の男が受け身も取らないまま崩れ落ちた。即座にその身体を支え起こしたい衝動をどうにか押さえ付け、襲撃者に向けてブラスターを撃つ。
動かなくなった襲撃者を別の隊員達が拘束しにかかったのを視界に入れるや否や、血を滴らせながら地に伏せている彼の身体に触れ声をかけた。
「理人!!」
目を閉ざして痛みに耐えていた理人は、ナハトの呼び掛けでゆっくりと瞼を開けようとする。
「あかつきさん、おけがは、ありませんか…?」
瞼が開き切るよりも先に、浅い呼吸を繰り返しながら理人はそう尋ねて来た。何故、と思うが問うことはしない。ここでそう問うてしまえば激情のまま言葉を発して止まらなくなるだろうことが分かっていた。
1483動かなくなった襲撃者を別の隊員達が拘束しにかかったのを視界に入れるや否や、血を滴らせながら地に伏せている彼の身体に触れ声をかけた。
「理人!!」
目を閉ざして痛みに耐えていた理人は、ナハトの呼び掛けでゆっくりと瞼を開けようとする。
「あかつきさん、おけがは、ありませんか…?」
瞼が開き切るよりも先に、浅い呼吸を繰り返しながら理人はそう尋ねて来た。何故、と思うが問うことはしない。ここでそう問うてしまえば激情のまま言葉を発して止まらなくなるだろうことが分かっていた。
27tael
DOODLEノイくんと理人、そして横から出てくる管理官…もう読みたすぎて書きました。ナハトぜったい相手が望むように仕向けると思うの、、わるい管理官だいすき… ノイくんはかわいい。
シュイ、と拘束具で後ろ手に回させた手首を束ね、そのまま気絶している相手の腰に固着させた理人は、隊服の襟元に仕込まれている通信モジュールに唇を寄せた。
「1700、対象確保。これで最後だ。保護部隊を頼む」
明らかにこの時代の者ではないタイムジャッカーといえど、法で裁かれるまではあくまで被疑者だ。
その身柄を輸送するための応援を要請し、雨の近い鈍色の空へ向かい顔を上げる。そこで、たん、と地を蹴る音がした。
本来の身体能力を補強するため、重量を無視した跳躍を可能にするブーツを履いた足が、赤茶けた地面に着地する。
「ノイ」
落ち着いた声音で名を呼び向き直った先、そこにたたずむブラスターを携えた若者は、バディの姿を認めると、星を挙げたというのにあからさまに眉をひそめた。
3185「1700、対象確保。これで最後だ。保護部隊を頼む」
明らかにこの時代の者ではないタイムジャッカーといえど、法で裁かれるまではあくまで被疑者だ。
その身柄を輸送するための応援を要請し、雨の近い鈍色の空へ向かい顔を上げる。そこで、たん、と地を蹴る音がした。
本来の身体能力を補強するため、重量を無視した跳躍を可能にするブーツを履いた足が、赤茶けた地面に着地する。
「ノイ」
落ち着いた声音で名を呼び向き直った先、そこにたたずむブラスターを携えた若者は、バディの姿を認めると、星を挙げたというのにあからさまに眉をひそめた。
sy_leg
MEMOノイくんにマウント取る大人気ない暁さんの話。暁理のつもりで書いたのだけれど暁さんも理人さんも殆ど出てこない上にそもそもコレは暁理なのか自信がなくなりました。
「あーーーー終わんない!!」
時空警察庁にある一室、特殊部隊に割り振られている事務室で真白ノイは大声をあげた。目の前にある端末には書きかけの報告書が表示されている。出動1回につき1通の報告書を提出する決まりになっているが、出動が続き未提出の報告書が溜まってしまっていた。今表示されているものが5つ目で、まだ残り6件分の報告書がある。
ノイが報告書に追われているということは、バディである理人もまた同量の報告書に追われているということでもあった。大声をあげたことで理人に叱られるかと思ったが、声すらかけられないのでノイは拍子抜けする。
「気が済んだなら報告書の作成に戻れ」
ノイの視線に気付いたらしい理人はそこでやっと声をかけて来た。既に既定の勤務時間は過ぎてしまっているのだから理人の言うようにすぐ報告書の作成に戻るべきなのだが、ノイの気は重いままだし集中力も切れてしまっている。これらの報告書の提出期限は今日の2359までだが、まだ2000を少し過ぎたところなので余裕はあった。
1367時空警察庁にある一室、特殊部隊に割り振られている事務室で真白ノイは大声をあげた。目の前にある端末には書きかけの報告書が表示されている。出動1回につき1通の報告書を提出する決まりになっているが、出動が続き未提出の報告書が溜まってしまっていた。今表示されているものが5つ目で、まだ残り6件分の報告書がある。
ノイが報告書に追われているということは、バディである理人もまた同量の報告書に追われているということでもあった。大声をあげたことで理人に叱られるかと思ったが、声すらかけられないのでノイは拍子抜けする。
「気が済んだなら報告書の作成に戻れ」
ノイの視線に気付いたらしい理人はそこでやっと声をかけて来た。既に既定の勤務時間は過ぎてしまっているのだから理人の言うようにすぐ報告書の作成に戻るべきなのだが、ノイの気は重いままだし集中力も切れてしまっている。これらの報告書の提出期限は今日の2359までだが、まだ2000を少し過ぎたところなので余裕はあった。
27tael
DOODLEノイくん着任時妄想。アイドルの現実をみるノイくんの巻。ノイくんとナハトさんがバチバチするのを見たくて書いた。はーかわいいかわいい…
「本日着任しました。真白ノイ隊員です」
顔合わせに指定された本部のミーティングルーム、少し早めに到着したつもりが、ドアを開けると既にそこには求める人の姿があった。
敬礼を受けて、戦闘を想定した隊服ではなく、濃紺をベースとした儀礼服を着た相手がゆるりと立ち上がる。
「ああ。理人・ライゼ警邏長だ。今日からよろしく頼む」
椅子から無駄のない所作で立ち上がった美丈夫に敬礼を返されて、ノイはこくりと息を飲んだ。
(背、高っ。僕も小柄な方じゃないはずなんだけど)
憧れのひと。
彼は、そして先日まで彼のバディだった暁ナハトは、ノイにとってそう呼んで差し支えない存在だった。
圧倒的な強さ、挙げられた功績、防がれた犯罪の数々。
2171顔合わせに指定された本部のミーティングルーム、少し早めに到着したつもりが、ドアを開けると既にそこには求める人の姿があった。
敬礼を受けて、戦闘を想定した隊服ではなく、濃紺をベースとした儀礼服を着た相手がゆるりと立ち上がる。
「ああ。理人・ライゼ警邏長だ。今日からよろしく頼む」
椅子から無駄のない所作で立ち上がった美丈夫に敬礼を返されて、ノイはこくりと息を飲んだ。
(背、高っ。僕も小柄な方じゃないはずなんだけど)
憧れのひと。
彼は、そして先日まで彼のバディだった暁ナハトは、ノイにとってそう呼んで差し支えない存在だった。
圧倒的な強さ、挙げられた功績、防がれた犯罪の数々。
sy_leg
SPOILERこの話https://poipiku.com/51425/5219902.htmlが前提にある暁理…というか暁→理のような暁さんの話です。 未来の自分が訪ねて来た。
過去の世界では荒唐無稽に思えたのだろうこの言葉も、今や現実味のある事象だ。尤も、それをさせない為の組織がTPAであるのだが。
ナハトがそんな現実逃避をする原因は目の前にいた。戦闘を終えた後のような傷と汚れを纏って現れたのは明らかに未来のナハト自身だった。
TPAは何をしているのかと思うが、未来の自分はそれなりの地位にいるらしく、タイムワープの許可は自身の裁量で出せるようだった。なるほど、内部のしかも地位のある人間がタイムワープを悪用すれば取り締まる者など居なくなってしまう。権力と権限の分散化が必要だなとひとり考えていると、真剣な目をした自分に「よく聞いてほしい」と告げられた。
1282過去の世界では荒唐無稽に思えたのだろうこの言葉も、今や現実味のある事象だ。尤も、それをさせない為の組織がTPAであるのだが。
ナハトがそんな現実逃避をする原因は目の前にいた。戦闘を終えた後のような傷と汚れを纏って現れたのは明らかに未来のナハト自身だった。
TPAは何をしているのかと思うが、未来の自分はそれなりの地位にいるらしく、タイムワープの許可は自身の裁量で出せるようだった。なるほど、内部のしかも地位のある人間がタイムワープを悪用すれば取り締まる者など居なくなってしまう。権力と権限の分散化が必要だなとひとり考えていると、真剣な目をした自分に「よく聞いてほしい」と告げられた。
27tael
DOODLE思わず書いた暁理 雨クリベースなのですが、どちらかというとタイプリみた315世界のオタク感が 拿捕したタイムジャッカーを事務方に引き渡し、本部執務室で上長である管理官に敬礼をした後。
夜半過ぎに足を踏み入れたロッカールームは、空間を塗りつぶすような青白い光の元、人気なくしんと静まりかえっていた。
「理人」
私服を格納しているロッカーの扉に手をかけたところで呼ばれ振り返った先。顎を有無を言わせない指に掬い上げられて、背中に打ちつけるような衝撃を感じる。
「ん……っ」
恋人がいるのが理想的だが、不規則かつ守秘義務を伴う職務のせいか、平和に続いた話を聞いた試しがない。あるいは女を買うようなことをする隊員もいるのかも知れない。
ナハトからの何の甘さもない口づけを受けながら、理人は両の眼差しを閉ざした。
1475夜半過ぎに足を踏み入れたロッカールームは、空間を塗りつぶすような青白い光の元、人気なくしんと静まりかえっていた。
「理人」
私服を格納しているロッカーの扉に手をかけたところで呼ばれ振り返った先。顎を有無を言わせない指に掬い上げられて、背中に打ちつけるような衝撃を感じる。
「ん……っ」
恋人がいるのが理想的だが、不規則かつ守秘義務を伴う職務のせいか、平和に続いた話を聞いた試しがない。あるいは女を買うようなことをする隊員もいるのかも知れない。
ナハトからの何の甘さもない口づけを受けながら、理人は両の眼差しを閉ざした。
hagi_pf
SPOILERタイプリ撮影後の雨クリ。論さんがちょっとりひとを引きずっているやつ。「古論、大丈夫かい?」
雨彦が少し心配そうに顔をのぞき込んでくる。
行為の後の気怠さに包まれながら、クリスはこくりと頷いてみせた。
こうして二人でホテルになだれ込むのは、随分と久しぶりのことだった。
最近は映画の撮影に宣伝のための番組出演と、スケジュールがぎっしり詰まっていて、時間を作るのが難しかったのだ。
久しぶりの二人の時間は、久しぶりの恋人同士の逢瀬にしては穏やかに、互いの存在を確かめあうように過ぎていった。
おそらくはクリスだけではなく雨彦も、直近の仕事の中で何か思うところがあったのだろう。
今回出演した映画でクリスと雨彦は、長く相棒として共に戦ってきた関係性を持つ役を演じた。
相棒とはいっても、物語の開始時点で既に、雨彦が演じたナハトは怪我で現役を退き、クリスが演じた理人は想楽が演じたノイとバディを組んでいる状態ではあるのだが。そして物語の最後には、ナハトが黒幕として理人の前に立ちはだかり、理人は未来のために大切な元相棒であるナハトをその手にかける。
1308雨彦が少し心配そうに顔をのぞき込んでくる。
行為の後の気怠さに包まれながら、クリスはこくりと頷いてみせた。
こうして二人でホテルになだれ込むのは、随分と久しぶりのことだった。
最近は映画の撮影に宣伝のための番組出演と、スケジュールがぎっしり詰まっていて、時間を作るのが難しかったのだ。
久しぶりの二人の時間は、久しぶりの恋人同士の逢瀬にしては穏やかに、互いの存在を確かめあうように過ぎていった。
おそらくはクリスだけではなく雨彦も、直近の仕事の中で何か思うところがあったのだろう。
今回出演した映画でクリスと雨彦は、長く相棒として共に戦ってきた関係性を持つ役を演じた。
相棒とはいっても、物語の開始時点で既に、雨彦が演じたナハトは怪我で現役を退き、クリスが演じた理人は想楽が演じたノイとバディを組んでいる状態ではあるのだが。そして物語の最後には、ナハトが黒幕として理人の前に立ちはだかり、理人は未来のために大切な元相棒であるナハトをその手にかける。
sy_leg
MEMO暁理?ナハ理?の出会い編妄想。理人さんが暁さんって呼んでる理由がこうだったらなという妄想です。
「今日からバディを務めさせて頂きます、理人・ライゼです。よろしくお願いします」
長髪長身の新人隊員はそう言うと深々と頭を下げた。
その様子を冷めた目で眺めながら、ナハトはおざなりによろしくと返す。実際のところは名前も覚える気が無かった。覚えたところで無駄になるだけだ。
この新人でナハトのバディは六人目だった。今までのバディは任務中の怪我を理由に現場を去ったり、自己都合で他所に行ったりなどしていずれも長く続いたことがない。この新人も近い内に去っていくだろう。
ナハトが相手を陥れたりした事実は無く、単にナハトの身体能力や判断に付いて来れない相手が限界を訴えて自らバディの解消を願い出ている。
だが、あまりにも短期間でのバディの解消が続いた為、「ナハトと組むと壊される」などという不名誉な噂が立ち始めていた。それ故ナハトとバディを組もうという人間が居なくなり、何も知らない哀れな新人が充てがわれたのだろう。
1512長髪長身の新人隊員はそう言うと深々と頭を下げた。
その様子を冷めた目で眺めながら、ナハトはおざなりによろしくと返す。実際のところは名前も覚える気が無かった。覚えたところで無駄になるだけだ。
この新人でナハトのバディは六人目だった。今までのバディは任務中の怪我を理由に現場を去ったり、自己都合で他所に行ったりなどしていずれも長く続いたことがない。この新人も近い内に去っていくだろう。
ナハトが相手を陥れたりした事実は無く、単にナハトの身体能力や判断に付いて来れない相手が限界を訴えて自らバディの解消を願い出ている。
だが、あまりにも短期間でのバディの解消が続いた為、「ナハトと組むと壊される」などという不名誉な噂が立ち始めていた。それ故ナハトとバディを組もうという人間が居なくなり、何も知らない哀れな新人が充てがわれたのだろう。
hagi_pf
DONE自覚あり片思いの雨彦さんと自覚なし片思いのクリスさんな雨クリ好みのタイプの話「はい、オッケーです!お疲れ様でした!」
カメラマンの軽快な声がスタジオに響く。
ふう、と一息ついた雨彦が撮影場所を離れると、撮影用の衣装に身を包んだ想楽が入れ替わるようにその場に立った。
プロデューサーに一声掛け、その足で控え室に戻る。控え室に足を踏み入れると、先に撮影を終えていたクリスが、雨彦に気づきぱっと顔を上げた。
「雨彦、お疲れ様です」
「ああ、お疲れさん。後は北村の撮影が終われば、今日のスケジュールは終いだな」
どかりと椅子に腰掛けた雨彦は、早速窮屈だったネクタイを緩める。
女性向けのファッション誌に特集として掲載される今回の撮影は、読者の女性を恋人に見立てたものになるようだった。
「……あの、雨彦」
2455カメラマンの軽快な声がスタジオに響く。
ふう、と一息ついた雨彦が撮影場所を離れると、撮影用の衣装に身を包んだ想楽が入れ替わるようにその場に立った。
プロデューサーに一声掛け、その足で控え室に戻る。控え室に足を踏み入れると、先に撮影を終えていたクリスが、雨彦に気づきぱっと顔を上げた。
「雨彦、お疲れ様です」
「ああ、お疲れさん。後は北村の撮影が終われば、今日のスケジュールは終いだな」
どかりと椅子に腰掛けた雨彦は、早速窮屈だったネクタイを緩める。
女性向けのファッション誌に特集として掲載される今回の撮影は、読者の女性を恋人に見立てたものになるようだった。
「……あの、雨彦」
hagi_pf
DONEパバステの時に展示した同棲雨クリ夏の夜 その日は、今年初の猛暑日だった。
うだるような暑さの中、雨彦とクリスが撮影に取材に番組収録にと、ぎっしり詰まったスケジュールを終えた時には、時刻は21時を回っていた。
日が落ちても朝から続く蒸し暑さは変わらない。
二人は共に暮らすマンション近くのコンビニでタクシーから降り、軽い買い物をする。コンビニからマンションまでのほんの少しの移動だけで、じっとりと汗が滲んできた。
「暑いな……」
「雨彦、大丈夫ですか?」
帰るなりソファに沈み込んだ雨彦に声をかけながら、クリスは慌ててエアコンのスイッチを入れる。
ごろりと仰向けに寝直した雨彦は、そのまま沈黙した。
雨彦とクリスがこのマンションに越してきたのは、一月ほど前のことだ。
2789うだるような暑さの中、雨彦とクリスが撮影に取材に番組収録にと、ぎっしり詰まったスケジュールを終えた時には、時刻は21時を回っていた。
日が落ちても朝から続く蒸し暑さは変わらない。
二人は共に暮らすマンション近くのコンビニでタクシーから降り、軽い買い物をする。コンビニからマンションまでのほんの少しの移動だけで、じっとりと汗が滲んできた。
「暑いな……」
「雨彦、大丈夫ですか?」
帰るなりソファに沈み込んだ雨彦に声をかけながら、クリスは慌ててエアコンのスイッチを入れる。
ごろりと仰向けに寝直した雨彦は、そのまま沈黙した。
雨彦とクリスがこのマンションに越してきたのは、一月ほど前のことだ。
sy_leg
MAIKINGIKLパロのような雨クリ。雨彦さんが何故クリスを氷の王にしたのかは考えてあるんだけど形にならないまま今日に至っている
「わたし、は…」
瞳を揺らし頭を抑えながら膝をついたクリスを見て、だからこの人は面倒なのだと想楽は思う。
こうなっては仕方ない。力を行使する為に杖を振りかぶると、自分の脇を何かが通り過ぎて行った。雪の影のような髪色で誰だかはすぐに分かったので想楽は杖を収める。
「どうした」
雨彦が声をかけるとクリスはビクリと肩を揺らす。想楽は雨彦を見たクリスの瞳に一瞬浮かんだ怯えの色を見逃さなかった。やはり、思い出しかけている。
「あめ…ひ…こ…?」
「眼を閉じて、ゆっくり息をしな。……そう、良い子だ」
クリスを包むように抱き込み、酷く優しく、言い聞かせるように雨彦が言葉を口にする。
ゆっくりと肩が上下する度に、クリスの頬の色が白く白くなって行く。この地に降る雪のように——雨彦や想楽と同じように。もう、大丈夫だろう。
1806瞳を揺らし頭を抑えながら膝をついたクリスを見て、だからこの人は面倒なのだと想楽は思う。
こうなっては仕方ない。力を行使する為に杖を振りかぶると、自分の脇を何かが通り過ぎて行った。雪の影のような髪色で誰だかはすぐに分かったので想楽は杖を収める。
「どうした」
雨彦が声をかけるとクリスはビクリと肩を揺らす。想楽は雨彦を見たクリスの瞳に一瞬浮かんだ怯えの色を見逃さなかった。やはり、思い出しかけている。
「あめ…ひ…こ…?」
「眼を閉じて、ゆっくり息をしな。……そう、良い子だ」
クリスを包むように抱き込み、酷く優しく、言い聞かせるように雨彦が言葉を口にする。
ゆっくりと肩が上下する度に、クリスの頬の色が白く白くなって行く。この地に降る雪のように——雨彦や想楽と同じように。もう、大丈夫だろう。
ことこ
DOODLEPassion! VIRTU@L STAGE!3雨クリの冬のお話です。
古論さんのポケットの中には名刺がいっぱい入ってる
とかこういう…公式の小さいいろいろを拾って
メモみたいな話をずっと描きたいなと思ってて。 6