きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/05/11 お題「休憩」120分ほど。
ダ様のことに関しては周りと自分が見えなくなるラーのストッパーはヒュンだと思うので。お互いにお互いのストッパーであってほしい 4
あかつき
TRAINING5/4のお題「タンデム」。約1時間オーバー…第100回の開催、おめでとうございます!そして100回もの継続開催、本当にありがとうございます!毎週、ワンドロのおかげで生きているようなものです…(-人-) 2060
きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/05/04 お題「タンデム」120分ほど。
100回おめでとうございます!毎週お題をありがとうございます!これからもよろしくお願いします!
現パロの二人。ヒュンは原作軸よりちょっとしたたかでわがままにしがちです。ラーはより振り回されがち。
タンデム自転車は全国で去年から公道オッケーになったみたいです。 4
SKR
DOODLE「高嶺の花」 ラーヒュン ワンライ 2024.04.28. ヒュンケルとラーハルトは、光り輝く小山を見上げた。
空は暗い灰色で、周囲の景色は植物も生えぬ岩ばかりだ。なのにこの丘は、そこだけが色彩の付いた楽園かのように草原となっており、頂上からの光に照らされていた。
「村のご神体みたいに扱われてます。これのおかげで気候がいいんで。皮肉なモンですよねえ、ご先祖の敵だった奴等の置き土産が……」
ここまで案内をしてくれたのは、年の頃は400代か500代くらいかに見える中年の魔族だった。
「あれは?」
ヒュンケルが指さしたのは、頂上にある水晶の塊、さらにその尖端に頂かれている青い石だ。光はあれから発されている。
「賢者の石です。うちのじいさんが子供の頃……だから900年くらい前かな。竜の騎士が地上から討伐に来て、そのパーティの誰かが戦死したときに落とした装備品から水晶が湧いたんだとか。けどあれ、魔界にはそぐわない聖なるアイテムでしょう? 『清く聡明な者』しか手にできないと言われてて。光で癒やしを与え続けるんだそうですけど、誰にも取れません。なぜかあそこに辿り着けなくて」
1784空は暗い灰色で、周囲の景色は植物も生えぬ岩ばかりだ。なのにこの丘は、そこだけが色彩の付いた楽園かのように草原となっており、頂上からの光に照らされていた。
「村のご神体みたいに扱われてます。これのおかげで気候がいいんで。皮肉なモンですよねえ、ご先祖の敵だった奴等の置き土産が……」
ここまで案内をしてくれたのは、年の頃は400代か500代くらいかに見える中年の魔族だった。
「あれは?」
ヒュンケルが指さしたのは、頂上にある水晶の塊、さらにその尖端に頂かれている青い石だ。光はあれから発されている。
「賢者の石です。うちのじいさんが子供の頃……だから900年くらい前かな。竜の騎士が地上から討伐に来て、そのパーティの誰かが戦死したときに落とした装備品から水晶が湧いたんだとか。けどあれ、魔界にはそぐわない聖なるアイテムでしょう? 『清く聡明な者』しか手にできないと言われてて。光で癒やしを与え続けるんだそうですけど、誰にも取れません。なぜかあそこに辿り着けなくて」
Jeff
DOODLEお題:「高嶺の花」#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/04/28
出待ちの陸せん騎💐
Etoile ヒュンケルは頬杖をつき、あらためて目の前の男をじっと見た。
ベンガーナ中心街をやや外れた、洒落た一角のカフェにて。
初夏の風を楽しむ余裕もないのか、ラーハルトは呆然と掌を見つめたままだ。
「そろそろじゃないか」
ヒュンケルが声をかけると、ああ、と蚊の鳴くような声で答える。いつもの鉄面皮はどこへやら、頬の産毛が数えられそうなくらい幼く見える。
久しぶりだ、相棒のこんな姿は。
ヒュンケルはほくそ笑んで、冷たいライム水を一口含んだ。
彼の相棒、世界一の戦士ラーハルトは。
意外なことに、惚れっぽい。
数年前なら、魔界まで踏み抜く大喧嘩に発展していただろう。実際何度か揉めて、罪もない山岳が半分消し飛んだりもした。
2438ベンガーナ中心街をやや外れた、洒落た一角のカフェにて。
初夏の風を楽しむ余裕もないのか、ラーハルトは呆然と掌を見つめたままだ。
「そろそろじゃないか」
ヒュンケルが声をかけると、ああ、と蚊の鳴くような声で答える。いつもの鉄面皮はどこへやら、頬の産毛が数えられそうなくらい幼く見える。
久しぶりだ、相棒のこんな姿は。
ヒュンケルはほくそ笑んで、冷たいライム水を一口含んだ。
彼の相棒、世界一の戦士ラーハルトは。
意外なことに、惚れっぽい。
数年前なら、魔界まで踏み抜く大喧嘩に発展していただろう。実際何度か揉めて、罪もない山岳が半分消し飛んだりもした。
SKR
DOODLE「墓参り」 ラーヒュン ワンライ 2024.04.04. よく晴れた庭で。
「墓? オレの?」
芝生にしゃがむラーハルトは、桶に手を突っ込んで洗濯板に下着をこすりつけながら、訝しげに横のヒュンケルを見た。
ヒュンケルもまた別の桶で手を濡らし、洗濯物をじゃぶじゃぶ濯ぎながらこたえた。
「違う、オレの」
ラーハルトは泡を立てながら頭にハテナをいっぱい浮かべた。
「欲しいのか?」
「いや? 要らんぞって話だ」
ヒュンケルは、じゃーっと絞ったラーハルトのパンツを持って立ち上がり、パンパンッと空中で払って伸ばして、物干し竿にかけた。
なんでこんな話になったんだ? とラーハルトは首を捻り、そうそう伝説の武具がピラミッドにあったらしいけどそれって墓荒らしだよな、という流れからだったと思い出す。しかしながら。
1729「墓? オレの?」
芝生にしゃがむラーハルトは、桶に手を突っ込んで洗濯板に下着をこすりつけながら、訝しげに横のヒュンケルを見た。
ヒュンケルもまた別の桶で手を濡らし、洗濯物をじゃぶじゃぶ濯ぎながらこたえた。
「違う、オレの」
ラーハルトは泡を立てながら頭にハテナをいっぱい浮かべた。
「欲しいのか?」
「いや? 要らんぞって話だ」
ヒュンケルは、じゃーっと絞ったラーハルトのパンツを持って立ち上がり、パンパンッと空中で払って伸ばして、物干し竿にかけた。
なんでこんな話になったんだ? とラーハルトは首を捻り、そうそう伝説の武具がピラミッドにあったらしいけどそれって墓荒らしだよな、という流れからだったと思い出す。しかしながら。
asamag108
DOODLE仕事中あまりにも眠すぎたので妄想した「セッしたいんだけど眠すぎてどうにもならないラーヒュン」。とりあえずざっと書いただけで推敲をしていないらくがきですが、明日も眠いと困るのでこのまま投げて今日のところは寝ます…💤
2024.4.18 3369
Jeff
DOODLEお題:「修羅場」#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/04/14
Deadline それは、ある晩突然やってきた。
否、既にそこにあったのに、あえて目を逸らしていたのだ。
「それで?」
ラーハルトは冷静を保ちつつ、机に突っ伏した相棒を見下ろした。
「助けて欲しい」
と、ヒュンケルはかすれ声で返す。
見事な銀髪はこんな時にも艶めいているが、てっぺんに紙屑が絡まっていた。
「いつからだ」
重々しく問うと、罪深き男はおもむろに視線を上げた。
徹夜明けの頬に謎の文字が転写されている。インクが乾かぬまま寝入ったのだろう。
「……三日」
「本当は?」
「一週間」
「正直に言え」
「一か月、くらいだ」
「締め切りは、一か月前?」
こくり、と頷くヒュンケル。
「誤解しないでくれ、ラーハルト。これは単純なミスだ。姫の提示する原稿提出期限にはかなりの余裕がある。一か月くらい超過して丁度いい。いつもなら問題ないんだ。だが、複数の記事を請け負っていたことをすっかり忘れていて」
1874否、既にそこにあったのに、あえて目を逸らしていたのだ。
「それで?」
ラーハルトは冷静を保ちつつ、机に突っ伏した相棒を見下ろした。
「助けて欲しい」
と、ヒュンケルはかすれ声で返す。
見事な銀髪はこんな時にも艶めいているが、てっぺんに紙屑が絡まっていた。
「いつからだ」
重々しく問うと、罪深き男はおもむろに視線を上げた。
徹夜明けの頬に謎の文字が転写されている。インクが乾かぬまま寝入ったのだろう。
「……三日」
「本当は?」
「一週間」
「正直に言え」
「一か月、くらいだ」
「締め切りは、一か月前?」
こくり、と頷くヒュンケル。
「誤解しないでくれ、ラーハルト。これは単純なミスだ。姫の提示する原稿提出期限にはかなりの余裕がある。一か月くらい超過して丁度いい。いつもなら問題ないんだ。だが、複数の記事を請け負っていたことをすっかり忘れていて」
きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/04/13 お題「修羅場」120分ほど。
姫はどこにでも首をつっこんでくるな…。今回いないけどポも。ツッコミ役二人にはいつもお世話になっております。
武器の意思のありなし問題は、ダの剣よりは薄めだけどちゃんとあるという設定です。持ち主のところに帰るし。 2
SKR
DOODLE「変装」 ラーヒュン ワンライ 2024.04.10.「オレがやる」
ヒュンケルの発言に、ダイとレオナは渋い顔をするばかりだった。
当初、二人の婚約がこのような難件を招くとは考えもしなかった。しかしパプニカの一部の者達にとっては、突然にあらわれた人間では無い者が王配の地位を占めるなど、許しがたい事態だったらしい。
女王と勇者の婚姻を推進する大臣達は、軒並み暗殺予告をされているのが現状だった
実際に襲われてもいる。国を挙げて騎士団の警護を着けていたにも関わらず、その護りが蹴散らされて、馬車に乗っていた大臣が一名、重症を負った。
相手はかなりの腕前と知れた。以来、ダイとラーハルトも動員して大臣達を守っていた。
「確かに、ダイ様までが警護に当たっているのはちぐはぐだ。早く状況を打開せねばならん。……が、ヒュンケル。おまえは襲われても、もう戦えまい」
2795ヒュンケルの発言に、ダイとレオナは渋い顔をするばかりだった。
当初、二人の婚約がこのような難件を招くとは考えもしなかった。しかしパプニカの一部の者達にとっては、突然にあらわれた人間では無い者が王配の地位を占めるなど、許しがたい事態だったらしい。
女王と勇者の婚姻を推進する大臣達は、軒並み暗殺予告をされているのが現状だった
実際に襲われてもいる。国を挙げて騎士団の警護を着けていたにも関わらず、その護りが蹴散らされて、馬車に乗っていた大臣が一名、重症を負った。
相手はかなりの腕前と知れた。以来、ダイとラーハルトも動員して大臣達を守っていた。
「確かに、ダイ様までが警護に当たっているのはちぐはぐだ。早く状況を打開せねばならん。……が、ヒュンケル。おまえは襲われても、もう戦えまい」
asamag108
PROGRESS「ピクリエ使ってみよう@橙オンリー」にて展示していた新刊冒頭の初稿を期間限定で再公開(なお期間は未定)。支部に上げたやつが本にした決定稿なので、麻さんずっと手直し作業してるけど具体的に何してるん?とご興味持たれた方は見比べてみると面白いかもしれないしそうでもないかもしれない。
パスワードはくるっぷの新刊サンプル宣伝記事にございます。 12021
SKR
DOODLE「くしゃみ」 ラーヒュン ワンライ 2024.04.08. なりゆきで同じ職場なので、三人はわりと頻繁に昼食を共にしていた。ここも、よく来る大衆食堂だ。
ポップの口が、ふえ、と緩んだ次の瞬間。
「……っぶしゅんっ!」
向かいの席に座るヒュンケルとラーハルトは、瞬時に上体を大きく横に傾けて飛んでくる唾を避けた。さすがの敏捷性だ。
「くしゃみは手で押さえろ」
というヒュンケルの顰蹙はもっともだけれど。
「ごめんごめん。今のは間に合わなかったんだ」
ポップは、てへへと後頭部を掻いた。幸い、卓上の料理はすでに腹に収めていたので被害を受けなかったのだが。
「とめろ。くしゃみくらい」
ラーハルトは不快を隠さずに苦言を呈してきた。
「ムリだろ、生理現象なんだしよ」
ポップの反論を聞いて、戦士二人はしばし黙り込んだ。
1324ポップの口が、ふえ、と緩んだ次の瞬間。
「……っぶしゅんっ!」
向かいの席に座るヒュンケルとラーハルトは、瞬時に上体を大きく横に傾けて飛んでくる唾を避けた。さすがの敏捷性だ。
「くしゃみは手で押さえろ」
というヒュンケルの顰蹙はもっともだけれど。
「ごめんごめん。今のは間に合わなかったんだ」
ポップは、てへへと後頭部を掻いた。幸い、卓上の料理はすでに腹に収めていたので被害を受けなかったのだが。
「とめろ。くしゃみくらい」
ラーハルトは不快を隠さずに苦言を呈してきた。
「ムリだろ、生理現象なんだしよ」
ポップの反論を聞いて、戦士二人はしばし黙り込んだ。
Jeff
DOODLEお題:「くしゃみ」#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2024/04/07
Blessing 朝風呂は最高の贅沢だ。
と、ラーハルトは思う。
春風そよめくこの家に帰ってくると、つい所望してしまう。
彼の相棒は、汚れてもいないのに長風呂なんて気が知れない、と、子犬のように疑り深い目を向けるけれど。一緒に入るかと揶揄うと、ヒュンケルは片眉を上げるだけで、古文書の解読に没頭してしまった。
パプニカ産の高級綿を肩にかけ、裸の胸を見せつけても、微動だにせずページを繰っている。
――この至福がわからぬとは、不幸な奴め。
煌めく水面に癒されたのち、草原の香りを胸いっぱいに吸い込んで。
途端に冷えが鼻腔を刺激し、ラーハルトは珍しくくしゃみをした。
「へっくし」
「ルビスの加護あれ」と、ヒュンケル。
「む……」
1107と、ラーハルトは思う。
春風そよめくこの家に帰ってくると、つい所望してしまう。
彼の相棒は、汚れてもいないのに長風呂なんて気が知れない、と、子犬のように疑り深い目を向けるけれど。一緒に入るかと揶揄うと、ヒュンケルは片眉を上げるだけで、古文書の解読に没頭してしまった。
パプニカ産の高級綿を肩にかけ、裸の胸を見せつけても、微動だにせずページを繰っている。
――この至福がわからぬとは、不幸な奴め。
煌めく水面に癒されたのち、草原の香りを胸いっぱいに吸い込んで。
途端に冷えが鼻腔を刺激し、ラーハルトは珍しくくしゃみをした。
「へっくし」
「ルビスの加護あれ」と、ヒュンケル。
「む……」
きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/04/06 お題「くしゃみ」150分ほど。
ちょっとしたことでもすぐに周りが大事にしそう。きっとそれだけみんな心配してるって事ですね。その筆頭がラー。なぜかって?ラーヒュンの民が描いてるからです! 3
きのこ
DONE #LH1dr1wr2024/03/30 お題「傷跡」150分ほど。
なんか勝手な解釈と勝手な捏造してますが、そのへんは御愛嬌ってことでお許しください。
麻さんちのネタとかぶってしまいましたが、開き直っちゃう。 3
きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/03/16 お題「マーキング」100分ほど。
常々、ラーはヒュンを自らの手で自分好みに全身着飾らせたいと思ってると思うですよね。独占欲を隠しもしない。ヒュンはヒュンでラーの好きにすれば良いとか思ってそう。 3
きのこ
DONEhttps://poipiku.com/5185671/9890453.htmlコレの続きのホワイトデー漫画と言い張る。ホワイトデー要素なんて全くの皆無だけども。無駄にページ数アリ。そしてラーヒュンと言い張る。
※雑に現パロっぽいです
※布面積の低い女装アリなので、苦手な人はご注意ください。 16
きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/03/09 お題「本命」170分ほど。
他のお客さんも呆れた目で見てますよ!もはや賭けどころじゃないって。
全く、隙あらばいちゃつこうとする困った奴らですわ。 3
SKR
DOODLE「太陽」 ラーヒュン ワンライ 2024.03.05. 二人して城の勤めともなれば、共に食事をする機会も増えるものだ。
しかしながらヒュンケルは、休憩時間である食事の際ですら、ピクリとも表情を変えなかった。
俯き加減で咀嚼だけを繰り返す。
暗い。なんと暗いヤツだ。
「おまえな、ちょっとくらいは笑うなりなんなりしたらどうなのだ。飯が不味くなる」
ついにラーハルトが苦言を呈すると、ヒュンケルはいつもの無表情で答えた。
「しかし別段楽しいことが起きたわけでもないのに笑うのもな」
ラーハルトのこめかみに血管が浮いた。
はぁ? このオレと食事をしていて楽しくないだと?
その日から調査を開始した。菓子か、肉か、酒か。ヒュンケルが好きなものを突き止めるために聞き込みをし。
1953しかしながらヒュンケルは、休憩時間である食事の際ですら、ピクリとも表情を変えなかった。
俯き加減で咀嚼だけを繰り返す。
暗い。なんと暗いヤツだ。
「おまえな、ちょっとくらいは笑うなりなんなりしたらどうなのだ。飯が不味くなる」
ついにラーハルトが苦言を呈すると、ヒュンケルはいつもの無表情で答えた。
「しかし別段楽しいことが起きたわけでもないのに笑うのもな」
ラーハルトのこめかみに血管が浮いた。
はぁ? このオレと食事をしていて楽しくないだと?
その日から調査を開始した。菓子か、肉か、酒か。ヒュンケルが好きなものを突き止めるために聞き込みをし。
SKR
MOURNING「毒」 ラーヒュン ワンライ 2024.03.01. 国際軍事裁判が始まったのは、勇者が帰還してから一年も過ぎてからだった。その頃にやっと各地の情勢が落ち着いてきたと言ってもいい。
大魔王の脅威が去ったとて、その爪痕が消えたわけではない。一切の家財を失って路頭に迷う者や、大黒柱を失って生活に困窮する者たちもいる。
そういった国々の混乱を、ようやく世界が振り返り、見直す機会がやってきたということだろう。
元魔王軍の幹部、その処遇について人間達が考える間、身柄を確保させて欲しいと打診してきた。それはラーハルトがヒュンケルと共に登城した折のことであった。寝耳に水だった。
当然、投降する選択肢など持たなかったラーハルトはヒュンケルを連れて去ろうとした。
そこで予期せぬことが起こった。
3745大魔王の脅威が去ったとて、その爪痕が消えたわけではない。一切の家財を失って路頭に迷う者や、大黒柱を失って生活に困窮する者たちもいる。
そういった国々の混乱を、ようやく世界が振り返り、見直す機会がやってきたということだろう。
元魔王軍の幹部、その処遇について人間達が考える間、身柄を確保させて欲しいと打診してきた。それはラーハルトがヒュンケルと共に登城した折のことであった。寝耳に水だった。
当然、投降する選択肢など持たなかったラーハルトはヒュンケルを連れて去ろうとした。
そこで予期せぬことが起こった。
SKR
DOODLE「願い事」 ラーヒュン ワンライ 2024.02.27. 大魔王の甘言。暗い謁見の間にて。
『おまえの望み、余が叶えてやっても良いぞ?』
ヒュンケルは未だ力の無い少年に過ぎなかったが、それを毅然と断った。
「不要だ。オレはただ勇者の首だけが欲しいのではない。自らの力で成し遂げ、その時に奴が浮かべるであろう苦しみ、屈辱、その眼差し、すべてが欲しいのだ」
悲願とは、己が手で成就させてこその喜びなのだ。
たとえそこに辿り着くまでに、どれほどの苦難が待ち受けていようとも。
全力で立ち向かう。
精霊の誘惑。エネルギーの奔流、光の中にて。
『あなたの望み、私が叶えてあげてもいいわよ?』
ヒュンケルはもう碌に戦えない男に過ぎなかったが、それを笑って断った。
「いいんだ。オレはただアイツの心だけが欲しいのではないから」
2781『おまえの望み、余が叶えてやっても良いぞ?』
ヒュンケルは未だ力の無い少年に過ぎなかったが、それを毅然と断った。
「不要だ。オレはただ勇者の首だけが欲しいのではない。自らの力で成し遂げ、その時に奴が浮かべるであろう苦しみ、屈辱、その眼差し、すべてが欲しいのだ」
悲願とは、己が手で成就させてこその喜びなのだ。
たとえそこに辿り着くまでに、どれほどの苦難が待ち受けていようとも。
全力で立ち向かう。
精霊の誘惑。エネルギーの奔流、光の中にて。
『あなたの望み、私が叶えてあげてもいいわよ?』
ヒュンケルはもう碌に戦えない男に過ぎなかったが、それを笑って断った。
「いいんだ。オレはただアイツの心だけが欲しいのではないから」
SKR
DOODLE「びしょ濡れ」 ラーヒュン ワンライ 2024.02.19.「どこへ行く」
ヒュンケルと二人、ベッドで過ごした次の朝のことだった。
まだ寝間着のラーハルトは、すっかり外出の準備を終えたヒュンケルを見つけた。彼と同棲を始めてから長いが、休日の朝に黙って出て行かれるなど初めてだ。
扉を開けた所に声を掛けると、彼は立ち止まるどころか外へと走り出したのでラーハルトは驚き、追いかけた。
寝静まる街の無人の道は障害物もない。一区画ほど先で難なくヒュンケルを捕まえた。
「……なんだ、その格好は」
抱きすくめた身体を離して、改めて見れば彼は礼服を着ている。しかも軍の正装のようだ。
「少々用事が」
「今日はパプニカの国民の休日だったな? 余程の事情が無ければ働かん日だと聞いているが?」
1630ヒュンケルと二人、ベッドで過ごした次の朝のことだった。
まだ寝間着のラーハルトは、すっかり外出の準備を終えたヒュンケルを見つけた。彼と同棲を始めてから長いが、休日の朝に黙って出て行かれるなど初めてだ。
扉を開けた所に声を掛けると、彼は立ち止まるどころか外へと走り出したのでラーハルトは驚き、追いかけた。
寝静まる街の無人の道は障害物もない。一区画ほど先で難なくヒュンケルを捕まえた。
「……なんだ、その格好は」
抱きすくめた身体を離して、改めて見れば彼は礼服を着ている。しかも軍の正装のようだ。
「少々用事が」
「今日はパプニカの国民の休日だったな? 余程の事情が無ければ働かん日だと聞いているが?」
SKR
MOURNING「ウィンク」 ラーヒュン ワンライ 2024.02.17. ヒュンケルが快癒したのは僥倖だった。元の戦闘能力が戻らなければ、とてもではないがラーハルトと二人連れの魔界調査になどは出向けなかっただろう。
しかし二人はまったく反りが合わなかった。
剣戟の喧噪を駆け抜けて、ヒュンケルとラーハルトは、剣と槍を振るう。
「だから言ったのだ、時間が無駄だと! 早くダイ様を探さねばならんものを……!」
敵の魔族を一人、また一人と薙ぎ払い、ラーハルトは苛立たしげに吠えた。
「だが大勢が命を落とすのはダイとしても本意ではあるまいっ」
ヒュンケルが襲い来る敵を切り伏せながら反論すると、ラーハルトは更に食って掛かってくる。
「こんなものは唯のマフィア同士の抗争だ! オレたちが割って入る必要はなかったろうが!」
3497しかし二人はまったく反りが合わなかった。
剣戟の喧噪を駆け抜けて、ヒュンケルとラーハルトは、剣と槍を振るう。
「だから言ったのだ、時間が無駄だと! 早くダイ様を探さねばならんものを……!」
敵の魔族を一人、また一人と薙ぎ払い、ラーハルトは苛立たしげに吠えた。
「だが大勢が命を落とすのはダイとしても本意ではあるまいっ」
ヒュンケルが襲い来る敵を切り伏せながら反論すると、ラーハルトは更に食って掛かってくる。
「こんなものは唯のマフィア同士の抗争だ! オレたちが割って入る必要はなかったろうが!」
きのこ
DOODLE #LH1dr1wr2024/02/10 お題「照れ隠し」150分ほど。
某御方のつぶやきの「ラーヒュンは生き返ってきてから互いに触れていない」というお言葉から着想をいただきました。なるほど、日常では安易に触れ合ってないんだな、と。 3
SKR
DOODLE「照れ隠し」 ラーヒュン ワンライ 2024.02.10.「ヒュンケル、おまえ最近は剣を使ってるか?」
食事の終わったテーブルで書類に目を通しながら、ラーハルトは何気ない風を装って問いかけた。
「いや、すっかり包丁のほうが持ち慣れたな。でなければ鋤や鍬だな」
ヒュンケルは鍋の水を切って立てかけた。
「家の切り盛りもやってみれば楽しいものだ。剣はもう、誰かが攻め込んででも来ない限りは握らんだろう」
パプニカに入ったダイに仕える形で城に勤めることになったラーハルトは、郊外に構えた居をヒュンケルに任せていた。
良い仲なのだとは思う。だが未だ決定的な関係でもない。
「どうしたラーハルト。オレが剣を取らねばならぬほど手の足りぬ事態なのか?」
「いやっ、違う、そうではない」
1988食事の終わったテーブルで書類に目を通しながら、ラーハルトは何気ない風を装って問いかけた。
「いや、すっかり包丁のほうが持ち慣れたな。でなければ鋤や鍬だな」
ヒュンケルは鍋の水を切って立てかけた。
「家の切り盛りもやってみれば楽しいものだ。剣はもう、誰かが攻め込んででも来ない限りは握らんだろう」
パプニカに入ったダイに仕える形で城に勤めることになったラーハルトは、郊外に構えた居をヒュンケルに任せていた。
良い仲なのだとは思う。だが未だ決定的な関係でもない。
「どうしたラーハルト。オレが剣を取らねばならぬほど手の足りぬ事態なのか?」
「いやっ、違う、そうではない」
ImmortalWindil
DOODLEマムメルとラーヒュンが成立している世界のポップとエイミの会話幸せな百合と薔薇を見守る会を結成しよう旅の途中で合流した二組のパーティ。
ポップがエイミに話がある、と二人きりに…
ポ「エイミさん聞いてくれ…なんでか分からないが、マァムとメルルが付き合うことになっちまった…」
エ「えっ? あなたはマァムと付き合ってたんじゃないの? 初めて会った時のやりとりが、どう見てもカップルそのものだったから、てっきり付き合ってるんだと思ってたわ。ほら、鼻の下伸ばしてビンタされたり…」
ポ「…付き合っていません…」
エ「そう…でも、おめでとう!」
ポ「おめ…?」
エ「だって、好きな人が幸せだと、嬉しくない?」
ポ「……」
エ「私は毎日、幸せそうにしているヒュンケルとラーハルトと一緒にいられて、幸せよ」
ポ「…エイミさんは、つえーなぁ…」
423ポップがエイミに話がある、と二人きりに…
ポ「エイミさん聞いてくれ…なんでか分からないが、マァムとメルルが付き合うことになっちまった…」
エ「えっ? あなたはマァムと付き合ってたんじゃないの? 初めて会った時のやりとりが、どう見てもカップルそのものだったから、てっきり付き合ってるんだと思ってたわ。ほら、鼻の下伸ばしてビンタされたり…」
ポ「…付き合っていません…」
エ「そう…でも、おめでとう!」
ポ「おめ…?」
エ「だって、好きな人が幸せだと、嬉しくない?」
ポ「……」
エ「私は毎日、幸せそうにしているヒュンケルとラーハルトと一緒にいられて、幸せよ」
ポ「…エイミさんは、つえーなぁ…」
きのこ
DONEhttps://poipiku.com/5185671/9719102.htmlヒュ右で展示した↑コレの続きのラーにょたヒュ正月の話。今更・・・?って感じですがすみません。にょたヒュで正月っていうか「息子の結婚と父」って感じ。太陽ママがおもしろキャラになったのは申し訳ありません。ヒュンが女体化していますのでご注意。※設定補足※ヒュンの実親はやばい感じの組織関係の人だった的な。 16
SKR
MOURNING「裏切り」 ラーヒュン ワンライ 2024.02.05.「いいんだな?」
魔性のヒュンケルは呟いた。
「かまわない」
初心なヒュンケルは頷いた。
三時間ほど遡ると。
魔性のヒュンケルは男に抱かれていた。恋人のラーハルトには悪いが自分はこういう人間である。そこらの棒を勝手に銜え込んで頻繁に発散せずにいられない性質だ。
そのくせ恋人には指一本すら触れさせていなかった。積極的に拒んでいる訳では無いのだが。しかしラーハルトは、艶を込めて微笑んでやるだけで目を逸らすほどの奥手であった。
体を貪られることにあまりに慣れすぎたヒュンケルには、それが面白かった。素知らぬふりでからかっては及び腰にさせ、その裏で適当に引っ掛けた雄と遊んだ。突っ込まれながら恋人は童貞なんだと暴露すれば大抵の相手は下品な言葉でからかってくる。それに感じてしまう。何も知らないラーハルトが未だにヒュンケルを清い体だと信じているだろうことにも、どうにもならぬほど興奮してしまう。
3889魔性のヒュンケルは呟いた。
「かまわない」
初心なヒュンケルは頷いた。
三時間ほど遡ると。
魔性のヒュンケルは男に抱かれていた。恋人のラーハルトには悪いが自分はこういう人間である。そこらの棒を勝手に銜え込んで頻繁に発散せずにいられない性質だ。
そのくせ恋人には指一本すら触れさせていなかった。積極的に拒んでいる訳では無いのだが。しかしラーハルトは、艶を込めて微笑んでやるだけで目を逸らすほどの奥手であった。
体を貪られることにあまりに慣れすぎたヒュンケルには、それが面白かった。素知らぬふりでからかっては及び腰にさせ、その裏で適当に引っ掛けた雄と遊んだ。突っ込まれながら恋人は童貞なんだと暴露すれば大抵の相手は下品な言葉でからかってくる。それに感じてしまう。何も知らないラーハルトが未だにヒュンケルを清い体だと信じているだろうことにも、どうにもならぬほど興奮してしまう。