Jeff
DOODLE旅の空と片思い。異国の夕食。
20220804
Lime...
「違う。その平たいやつに、野菜や肉を乗せる」
とラーハルトが呆れたように言う。
『平たいやつ』をフォークできちんと畳んで口に放り込んだばかりのヒュンケルは、どうしていいかわからず、そのままむしゃむしゃ平らげた。
「先に言ってくれ」
不味くはないが、どうりで、素朴な穀物の味しかしなかった。
「見ればわかるだろう、普通」
と、ラーハルトが酒場のテーブルに盛られた色とりどりの野菜と、良く煮込まれた肉の塊を手早く取り分ける。そのまま薄いパンのような皮に乗せて巻くと、一口齧った。
そして思い出したように、エメラルドみたいに輝くライムを取ると、すぱりとナイフで両断する。数滴振りかけて、また残りを頬張った。
3046「違う。その平たいやつに、野菜や肉を乗せる」
とラーハルトが呆れたように言う。
『平たいやつ』をフォークできちんと畳んで口に放り込んだばかりのヒュンケルは、どうしていいかわからず、そのままむしゃむしゃ平らげた。
「先に言ってくれ」
不味くはないが、どうりで、素朴な穀物の味しかしなかった。
「見ればわかるだろう、普通」
と、ラーハルトが酒場のテーブルに盛られた色とりどりの野菜と、良く煮込まれた肉の塊を手早く取り分ける。そのまま薄いパンのような皮に乗せて巻くと、一口齧った。
そして思い出したように、エメラルドみたいに輝くライムを取ると、すぱりとナイフで両断する。数滴振りかけて、また残りを頬張った。
Jeff
TRAINING彼の聖域、小さな書室。情動理論的迷宮に片足をつっこむヒュンと、面倒くさくてもとりあえず聞いてくれるラーとの、ある日の夕暮れの会話。
ふたたび旅立つ前、まだ王宮住まいの二人。(個人の妄想です)
Sanctum 王宮の巨大な図書館は、お気に入りの隠れ場所だった。
誰も読めなかった古代の魔導書も、真偽不明な歴史書も、ヒュンケルにとっては宝の山だ。しかも、滅多に人と会わないで済む。
修行と称して身体を苛め抜く時間が否応なく減ってしまった今、同程度の熱意を傾けて頭脳を酷使できる場所が見つかった。
これでだいぶ生活のバランスが取れるようになった、と本人は納得している。
しかし、何日も書庫に籠るヒュンケルを見かねたのか(あるいは単に目の届く範囲に引っ張り出したかったのか)、女王の指示で書斎をあてがってくれることになった。
久しく使われていなかった楽団の物置。彼専用の読書室に改造せよ、という、大掃除も兼ねた指令だ。
5750誰も読めなかった古代の魔導書も、真偽不明な歴史書も、ヒュンケルにとっては宝の山だ。しかも、滅多に人と会わないで済む。
修行と称して身体を苛め抜く時間が否応なく減ってしまった今、同程度の熱意を傾けて頭脳を酷使できる場所が見つかった。
これでだいぶ生活のバランスが取れるようになった、と本人は納得している。
しかし、何日も書庫に籠るヒュンケルを見かねたのか(あるいは単に目の届く範囲に引っ張り出したかったのか)、女王の指示で書斎をあてがってくれることになった。
久しく使われていなかった楽団の物置。彼専用の読書室に改造せよ、という、大掃除も兼ねた指令だ。
MT24429411
DONEラーヒュンワンライ「手指」
手指――バラン様と…ディーノ様を頼む…!
そう懇願した彼の手は死を前にしてなお熱く、本懐を刻みつけるがごとく力強い。手に食い込まんばかりの指を握り返すと、魂懸けた戦士の目がひたと見返してきた。
――この鎧をもらってくれないか?お前に…使ってほしいんだ。
魂を認め合った友は、そうして自分に命ともいうべき武器を託してこの世を去った。
……オレは、お前の覚悟に少しでも応えられただろうか。お前の高潔な魂に相応しくあれただろうか。
――――――――――――――――――――――………………………………
闇の中、ヒュンケルは一人佇んでいた。あたりは漆黒が広がるばかりで、一体ここがどこかも分からない。だのに不思議と不安も警戒心も湧き起らなかった。
2827そう懇願した彼の手は死を前にしてなお熱く、本懐を刻みつけるがごとく力強い。手に食い込まんばかりの指を握り返すと、魂懸けた戦士の目がひたと見返してきた。
――この鎧をもらってくれないか?お前に…使ってほしいんだ。
魂を認め合った友は、そうして自分に命ともいうべき武器を託してこの世を去った。
……オレは、お前の覚悟に少しでも応えられただろうか。お前の高潔な魂に相応しくあれただろうか。
――――――――――――――――――――――………………………………
闇の中、ヒュンケルは一人佇んでいた。あたりは漆黒が広がるばかりで、一体ここがどこかも分からない。だのに不思議と不安も警戒心も湧き起らなかった。
MT24429411
DONEラーヒュンワンライ「熱帯夜」熱帯夜はあ、と溢した吐息は寝苦しさを紛らわせるには程遠い。
湿度の高い空気が部屋にこもり、お陰で寝汗が引かない。窓は開け放してあるが、酸素を取り込めるのが精々で、風のない今夜は内も外も気温はさほど変わらない。
ラーハルトはうんざりしつつも、とりあえず水を飲んで一息つこうと寝台から身を起こし、ふと窓の外を見遣る。賑やかに響く歌声と楽器の音、笑いさざめく人々の歓声。方々に点った灯りが夜の町を明るく照らし出している。
この街には昨日に着いた。老いも若きも何やら賑やかに犇めく人の群れに、何事かと宿屋の主人に聞いたところ、祭りがあるのだと。
この街では年に一度、夜店を開き花火を上げ、夜もすがら歌って踊って過ごすらしい。それがちょうどこの日であると。
1703湿度の高い空気が部屋にこもり、お陰で寝汗が引かない。窓は開け放してあるが、酸素を取り込めるのが精々で、風のない今夜は内も外も気温はさほど変わらない。
ラーハルトはうんざりしつつも、とりあえず水を飲んで一息つこうと寝台から身を起こし、ふと窓の外を見遣る。賑やかに響く歌声と楽器の音、笑いさざめく人々の歓声。方々に点った灯りが夜の町を明るく照らし出している。
この街には昨日に着いた。老いも若きも何やら賑やかに犇めく人の群れに、何事かと宿屋の主人に聞いたところ、祭りがあるのだと。
この街では年に一度、夜店を開き花火を上げ、夜もすがら歌って踊って過ごすらしい。それがちょうどこの日であると。
kei_shi28
DONEワンライお題「熱帯夜」で書きました。ラーヒュンがまだくっつく前の話です。
熱帯夜 自分はどんな環境でも眠れる自信があったが、その日は違った。
日が暮れたというのに気温が下がらず、異様に蒸し蒸しする。
どこからか美しい歌声が聞こえるような気がするが、暑すぎて耳もやられてしまったのかもしれない。
寝苦しさにラーハルトは身体をむくりと起こした。こんな事なら素直に宿を取っておくのだったと思いつつ少し離れた場所を見やるとヒュンケルがモゾモゾと動いている。どうやら彼も寝付けないらしい。
「ヒュンケル」
思わず声をかけると、彼はこちらを向いた。
「ラーハルトも眠れないのか。空気に熱気がこもっているな」
「ああ、こうも湿度が高ければ不快でしょうがない」
ヒュンケルは立ち上がり、スタスタと歩いてきてラーハルトのすぐ隣に座りこむ。
1965日が暮れたというのに気温が下がらず、異様に蒸し蒸しする。
どこからか美しい歌声が聞こえるような気がするが、暑すぎて耳もやられてしまったのかもしれない。
寝苦しさにラーハルトは身体をむくりと起こした。こんな事なら素直に宿を取っておくのだったと思いつつ少し離れた場所を見やるとヒュンケルがモゾモゾと動いている。どうやら彼も寝付けないらしい。
「ヒュンケル」
思わず声をかけると、彼はこちらを向いた。
「ラーハルトも眠れないのか。空気に熱気がこもっているな」
「ああ、こうも湿度が高ければ不快でしょうがない」
ヒュンケルは立ち上がり、スタスタと歩いてきてラーハルトのすぐ隣に座りこむ。
kawaO_1008
DONE蜜りんごさんへ捧げます🙌0721の日に因んで。
淫紋ヒュ設定のおひとりさまプレイ。
18歳未満の閲覧を禁じます。
パスは
蜜りんごさんのお名前を
前半→語呂合わせの数字2つ
後半→英語五文字
で。 999
kawaO_1008
DONEラーヒュン「ルール違反」の続き。土方さんとのやりとりから
「淫紋を見られたくなかったヒュと、嫉妬にかられるラ」を書いた。久々に最後まで致した!(そこかい)
おしりぺんぺんとかあります。苦手な方注意。
18歳未満は閲覧を禁じます。
パスはラーヒュンの年齢を足し算。 1390
kawaO_1008
CAN’T MAKEやまもおちも意味もない。これぞやおい。単にハッスルしてるヒュが書きたかっただけ。
ラーヒュンだけどヒュが襲い受けじみている。
恥ずかしくなったら消すかもです。
18歳未満は閲覧を禁じます。
パスはラーヒュンの年齢を足し算で。 1662
asamag108
TRAININGラーヒュンワンライ「海」のお題で書いたのですがあまり海っぽい話ではなく…。海の近くで生まれ育ったヒュンと内陸で生まれ育ったラー(たぶん結婚してる)の現パロです。 1982
あかつき
TRAINING7/16のお題「海」。後朝というかインターバル。
ロケ地はざっくり南国だけどppnkではない、程度の緩い設定。
多分なんだかんだ、腹が減るまではベッドでずっとイチャイチャしてると思う。 1802
kei_shi28
DONEワンライのお題「結婚」で書きました。ラーヒュンはスライムの言葉を理解できる設定でお願いします。
結婚スライムだけが住む王国がある。初めて訪れたヒュンケルは、そこらかしこで跳ね回るスライムを興味深げに眺めながら微笑んだ。子連れのスライム親子の中で一匹遅れている子スライムがいたので、つい手を貸して兄弟達の中に混ぜてやる。
「ピィ」
母親スライムにお辞儀をされて、ヒュンケルは軽く手をあげた。
「本当に住人はスライムしかいないのだな」
「ああ。スライムの国だからな。今からスライムの王に会いに行く。とても厳格な性格だから気をつけろよ」
ラーハルトの助言にコクリとヒュンケルは頷いた。
「ピキイ」
「ありがとう、王よ」
二人が丁重な態度で接したので、一番聞きたい情報をスライムの王はすぐに提供してくれた。
どうやら気に入られた様で、今日は泊まっていけと勧められたのでありがたく泊めてもらうことにする。お礼を言ってその場を去ろうとした時だった。王が二人の背中に問いかけてきた。
1579「ピィ」
母親スライムにお辞儀をされて、ヒュンケルは軽く手をあげた。
「本当に住人はスライムしかいないのだな」
「ああ。スライムの国だからな。今からスライムの王に会いに行く。とても厳格な性格だから気をつけろよ」
ラーハルトの助言にコクリとヒュンケルは頷いた。
「ピキイ」
「ありがとう、王よ」
二人が丁重な態度で接したので、一番聞きたい情報をスライムの王はすぐに提供してくれた。
どうやら気に入られた様で、今日は泊まっていけと勧められたのでありがたく泊めてもらうことにする。お礼を言ってその場を去ろうとした時だった。王が二人の背中に問いかけてきた。
Jeff
TRAININGラーヒュンワンドロワンライに参加しました。お題「結婚」
Feverish 溶岩の蒸気に覆われたような頭に、なにか冷たいものが触れた。ゆっくりと、汗で張り付いた銀髪を解きほぐしていく。
指先だと気づいて、ヒュンケルは時間をかけて瞼を開ける。
「少しは楽になったか」
寝台に腰かけたラーハルトが、うつ伏せのままの相棒を不安げに見下ろしている。
ヒュンケルは微笑もうとしたが、喉が動かず、ひとしきり咳き込んだ。
焼け付いた咽頭から、がらがら声を絞り出す。
「……ただの風邪だ。寝ていれば治る」
ラーハルトは、彼の髪を梳く手を止めない。まだ生きているか、確かめるように。
ヒュンケルはじっとしたまま、心地よいその動きを堪能する。
「魔族は、病気にかかることがないのか」当たり障りのないことを訊いてみる。「俺の知る限り、呪い以外の理由で寝込んでいる魔族を見たことがない」
3405指先だと気づいて、ヒュンケルは時間をかけて瞼を開ける。
「少しは楽になったか」
寝台に腰かけたラーハルトが、うつ伏せのままの相棒を不安げに見下ろしている。
ヒュンケルは微笑もうとしたが、喉が動かず、ひとしきり咳き込んだ。
焼け付いた咽頭から、がらがら声を絞り出す。
「……ただの風邪だ。寝ていれば治る」
ラーハルトは、彼の髪を梳く手を止めない。まだ生きているか、確かめるように。
ヒュンケルはじっとしたまま、心地よいその動きを堪能する。
「魔族は、病気にかかることがないのか」当たり障りのないことを訊いてみる。「俺の知る限り、呪い以外の理由で寝込んでいる魔族を見たことがない」
あかつき
TRAINING7/9のワンドロお題「結婚」はっぴーうえでぃんぐ!!!
ラーさん、「『幸せにできない』? だから何だ、オレがおまえを幸せにするのだから問題はない!」くらい言いそう。ヒュンは諦めて幸せにしてもらってくれ。 1778
ZweiFluegel
DONEラーヒュンワンドロワンライ企画第4回お題作品。○○をしないと出られない部屋「…暑い……」
と一言呟いたヒュンケルの顔は強烈な陽射しによって赤らんでいた。
「このまま日向にいたら危ない!すぐに木陰で休息を取らせなければ!」
そう叫ぶと同時にラーハルトはヒュンケルの手を握り、大きな木の下ヘ走り出した。
木の幹にもたれて背負った荷物から水筒を取り出して水を飲んで一息ついていると、どこからか冷たい空気が流れている事に気が付いた。冷気の元を辿って行くと小さな洞穴を見つけた。涼しい風に当たろうと手を伸ばした瞬間、強い光に包まれた2人は全てが氷で造られた謎の部屋に閉じ込められてしまった。
「なっ、何だこれは。ここは一体…罠にかかったのか?オレ達。」
今、目の前で起きている事を理解できなくてラーハルトは困惑している。
1771と一言呟いたヒュンケルの顔は強烈な陽射しによって赤らんでいた。
「このまま日向にいたら危ない!すぐに木陰で休息を取らせなければ!」
そう叫ぶと同時にラーハルトはヒュンケルの手を握り、大きな木の下ヘ走り出した。
木の幹にもたれて背負った荷物から水筒を取り出して水を飲んで一息ついていると、どこからか冷たい空気が流れている事に気が付いた。冷気の元を辿って行くと小さな洞穴を見つけた。涼しい風に当たろうと手を伸ばした瞬間、強い光に包まれた2人は全てが氷で造られた謎の部屋に閉じ込められてしまった。
「なっ、何だこれは。ここは一体…罠にかかったのか?オレ達。」
今、目の前で起きている事を理解できなくてラーハルトは困惑している。
MT24429411
DONEラーヒュンでヒュン先天性TS少女小説を目指したような目指さなかったような
ダッチアプリコットパイ「オメー、コーヒー淹れんのマジ上手いよな」
しみじみとポップは呟いた。ふくよかで芳醇な香りが鼻腔を満たし、自然と落ち着いた心持ちにさせる。こんな繊細な特技があるとは意外なもんだ、と目の前の顔を改めて見遣った。
「ああ、ラーハルトが拘っていてな。教えてくれたんだ」
「へぇ~…あいつが自分の好みをね~…」
煎れた当人のヒュンケルは微笑みと共に返した。この姉弟子と魔族の血を引く戦士は、最近一つ屋根の下で同居を始めたと聞く。ポップはとうとうこの堅物な姉貴分にも春が到来したかと、ニヤつきながら含みのある言葉を呟いた。
――が、その想像はあっさり裏切られることになる。
「あいつは信頼のおける親友(とも)だ。感謝してもしきれん」
25576しみじみとポップは呟いた。ふくよかで芳醇な香りが鼻腔を満たし、自然と落ち着いた心持ちにさせる。こんな繊細な特技があるとは意外なもんだ、と目の前の顔を改めて見遣った。
「ああ、ラーハルトが拘っていてな。教えてくれたんだ」
「へぇ~…あいつが自分の好みをね~…」
煎れた当人のヒュンケルは微笑みと共に返した。この姉弟子と魔族の血を引く戦士は、最近一つ屋根の下で同居を始めたと聞く。ポップはとうとうこの堅物な姉貴分にも春が到来したかと、ニヤつきながら含みのある言葉を呟いた。
――が、その想像はあっさり裏切られることになる。
「あいつは信頼のおける親友(とも)だ。感謝してもしきれん」
Jeff
TRAINING涼しくなるお話を目指したかったです。二人のちいさなバカンス。
Midsummer 王都郊外。オークと白樺の混じり合う、かぐわしい夏の森。
降り注ぐ陽が、燃える緑を通り抜けて小川に注ぎ、宝石のような川魚の鱗をきらめかせる。
樹齢幾千年の高木に寄り添う古い小屋。その屋根から、リズミカルな槌の音が響く。
器用に板を打ち付けているのはラーハルトだ。
偶然見つけた隠れ家を修繕し、盛夏を涼しく過ごそうという計画は悪くなかった。だが、ヒュンケルはもっぱら周囲を散策しており、ラーハルトがほぼ全ての作業をてきぱきこなしている。不器用かつおおざっぱな元魔剣戦士は、大工仕事に恐ろしく向いていなかったのだ。
「ラーハルト」
切羽詰まったような呼び声。半魔の戦士は地上を振り返り、相棒の姿をみとめて眉をしかめる。「……一体なにごとだ」
3453降り注ぐ陽が、燃える緑を通り抜けて小川に注ぎ、宝石のような川魚の鱗をきらめかせる。
樹齢幾千年の高木に寄り添う古い小屋。その屋根から、リズミカルな槌の音が響く。
器用に板を打ち付けているのはラーハルトだ。
偶然見つけた隠れ家を修繕し、盛夏を涼しく過ごそうという計画は悪くなかった。だが、ヒュンケルはもっぱら周囲を散策しており、ラーハルトがほぼ全ての作業をてきぱきこなしている。不器用かつおおざっぱな元魔剣戦士は、大工仕事に恐ろしく向いていなかったのだ。
「ラーハルト」
切羽詰まったような呼び声。半魔の戦士は地上を振り返り、相棒の姿をみとめて眉をしかめる。「……一体なにごとだ」
asamag108
DONEラーヒュンワンライ、お題「○○をしないと出られない部屋」。逆に普通を目指して「セックスしないと出られない部屋」にしましたが全然えっちではない不思議。
パスワード:18歳以上ですか? yes or no 2639
あかつき
TRAINING6/11のラーヒュンワンドロ・ワンライのお題「約束」で書いたものの加筆修正。今更ですが本編終了後の時間軸です。つまり加筆部分に(少しですが)ネタバレがありますので、アニメ初見さんはお気をつけください。 2441
Jeff
TRAININGお題 「愛すれば、愛されますか」Serenity「簡単な事だと思うけどな」
高いところから、子供の声が降ってくる。
「黙れ。貴様に何が分かる」
せせらぎに足先を浸しながら、ラーハルトが鼻を鳴らす。
初夏の木漏れ日が小川に跳ねて、透明な流れに彩りを添える。
地上のどんな生物もかなわない俊足も、柔らかな水の中では剣呑さを欠いて穏やかだ。
「大好きだったら、大好きだって言えばいいじゃないか」と、また小さな声が言う。
「何の見返りもないのに? 時間の無駄、精神力の無駄だ。よく聞け、クソガキ――俺は、効率に全てを賭けてきた。無駄をそぎ落とし、使命に集中し、いついかなる時にも目標を見失うことは無かった。だからこそ、最速の域に到達したのだ。我が肉体の限界を、至高の感覚を、主君への忠誠を、絶え間なく磨いてきた。脆弱な思念の付け入る隙はない」
1261高いところから、子供の声が降ってくる。
「黙れ。貴様に何が分かる」
せせらぎに足先を浸しながら、ラーハルトが鼻を鳴らす。
初夏の木漏れ日が小川に跳ねて、透明な流れに彩りを添える。
地上のどんな生物もかなわない俊足も、柔らかな水の中では剣呑さを欠いて穏やかだ。
「大好きだったら、大好きだって言えばいいじゃないか」と、また小さな声が言う。
「何の見返りもないのに? 時間の無駄、精神力の無駄だ。よく聞け、クソガキ――俺は、効率に全てを賭けてきた。無駄をそぎ落とし、使命に集中し、いついかなる時にも目標を見失うことは無かった。だからこそ、最速の域に到達したのだ。我が肉体の限界を、至高の感覚を、主君への忠誠を、絶え間なく磨いてきた。脆弱な思念の付け入る隙はない」
ZweiFluegel
DONEラーヒュンワンライに参加しようとして1時間で途中まで書いた作品を載せていましたが、ロモそく2に合わせて完成させました。。第2回お題「手指」それは、2人が夕食の調理をしていた時の事だった。
「オレが狩ってきた獣の肉を捌いてる間に、野菜を切ってくれないか。」
ラーハルトに頼まれたヒュンケルは、旅の途中に立ち寄った村で分けてもらった野菜を切り刻んでゆく。夕日が射し込む森の中に包丁の小気味良い音が静かに響いていた。
ところが――
「痛っ!」
刃物の扱いに長けているはずのヒュンケルが誤って指を切ってしまった。真っ赤な血が白い指先に流れ出している。
「大丈夫か!ヒュンケル!!」
「平気だ。この程度の傷など舐めておけば治る。」
ヒュンケルが言い終わらないうちにラーハルトはヒュンケルの指を口に含み、傷口をペロリと舐め上げた。
「なっ……いきなり何をするんだ!」
「舐めておけば治る。そう言ったのはおまえだろう。」
1208「オレが狩ってきた獣の肉を捌いてる間に、野菜を切ってくれないか。」
ラーハルトに頼まれたヒュンケルは、旅の途中に立ち寄った村で分けてもらった野菜を切り刻んでゆく。夕日が射し込む森の中に包丁の小気味良い音が静かに響いていた。
ところが――
「痛っ!」
刃物の扱いに長けているはずのヒュンケルが誤って指を切ってしまった。真っ赤な血が白い指先に流れ出している。
「大丈夫か!ヒュンケル!!」
「平気だ。この程度の傷など舐めておけば治る。」
ヒュンケルが言い終わらないうちにラーハルトはヒュンケルの指を口に含み、傷口をペロリと舐め上げた。
「なっ……いきなり何をするんだ!」
「舐めておけば治る。そう言ったのはおまえだろう。」
Jeff
DOODLEラーヒュンワンドロワンライに参加しました(原パロ/ケガの描写があります🙇♀️)
Pinky 「そうすると、大学出てから数年は実家に帰っていないのか。親不孝じゃないか、ラーハルト」
「顔は見せてる。別に親と問題がある訳じゃない」
ラーハルトはダイエットコーラを飲み干そうとして、少しむせた。
「だったらなぜ?」ヒュンケルが小首を傾げる。
「なんだろうな。なんとなく。田舎だし。こっちの空気があってるんだ」
お前にも出会えたし、と、心の中だけで呟く。
ヒュンケルと恋仲になってもう数年。暗雲立ち込めていた人生が晴れ上がり、頭痛が消え、仕事も順調になってきた。彼と話しているだけで、全てが巧く行く気がするのだ。
しかし、そんな愛の言葉は隠してほくそ笑む。ヒュンケルを付け上がらせるわけにはいかない。
「それ、」
1725「顔は見せてる。別に親と問題がある訳じゃない」
ラーハルトはダイエットコーラを飲み干そうとして、少しむせた。
「だったらなぜ?」ヒュンケルが小首を傾げる。
「なんだろうな。なんとなく。田舎だし。こっちの空気があってるんだ」
お前にも出会えたし、と、心の中だけで呟く。
ヒュンケルと恋仲になってもう数年。暗雲立ち込めていた人生が晴れ上がり、頭痛が消え、仕事も順調になってきた。彼と話しているだけで、全てが巧く行く気がするのだ。
しかし、そんな愛の言葉は隠してほくそ笑む。ヒュンケルを付け上がらせるわけにはいかない。
「それ、」