Jeff
DOODLEメレンゲみたいに幸せな二人の日常。俺の魔法使い。
2022/08/24
Cupcake「……え?」
もと魔王軍幹部とは思えない、わたあめみたいな返事に、少年は何度目かのため息をつく。
「だから。卵をかき混ぜる時には、こっちの道具を使うんだって。それは、スープを掬うためのもの」
「ああ」
ヒュンケルは慌てて、目の前のボウルに注意を戻す。しかし、粉と卵の塊を呆然と突っつきながら、視線はすぐに窓の外へと飛んでいく。
「もう。教えてくれって言うから準備したのにさ」
「……ああ、すまない。どこまで教わっただろうか」
「もういいよ、今日はやめとこ。またちゃんと教えてあげるからさ」
「悪かった。なぜだろう、朝からどうも頭がはっきりしなくて……いや、もう一度お願いしたい。バターを溶かして、それから」
「うん、多分ヒュンケル様はお料理に向いていないよ」
5904もと魔王軍幹部とは思えない、わたあめみたいな返事に、少年は何度目かのため息をつく。
「だから。卵をかき混ぜる時には、こっちの道具を使うんだって。それは、スープを掬うためのもの」
「ああ」
ヒュンケルは慌てて、目の前のボウルに注意を戻す。しかし、粉と卵の塊を呆然と突っつきながら、視線はすぐに窓の外へと飛んでいく。
「もう。教えてくれって言うから準備したのにさ」
「……ああ、すまない。どこまで教わっただろうか」
「もういいよ、今日はやめとこ。またちゃんと教えてあげるからさ」
「悪かった。なぜだろう、朝からどうも頭がはっきりしなくて……いや、もう一度お願いしたい。バターを溶かして、それから」
「うん、多分ヒュンケル様はお料理に向いていないよ」
Jeff
DOODLE奪われたから、今度は、こっちが奪おう。2022/08/22
Hope ほとんど上下していないヒュンケルの胸を、じっと見つめる。
汗まみれで横たわる彼の相棒は、浅い眠りに落ちている。
小一時間程熱に魘され、消えない痛みに身を捩りながらのたうって、ようやく静かになったところだ。
ラーハルトはサイドテーブルに肘をついて、片手で自分の額を覆う。
脳に巣食った重たい霧を、この掌に吸い取ってしまえたら。
気を取り直して立ち上がると、古いランプに火を灯した。寝室の窓を閉めようとして、低く垂れさがった曇天に目をやる。
雨になりそうだ。
――潮時だ。
ヒュンケルも、良く分かっているはずだった。
「置いて行け、その時は」
と、当然のように、彼は言った。
二人の歩調は、最初に旅立ったときよりも、ほんの少し緩やかになっている。休息や食事のタイミングも変わった。
3034汗まみれで横たわる彼の相棒は、浅い眠りに落ちている。
小一時間程熱に魘され、消えない痛みに身を捩りながらのたうって、ようやく静かになったところだ。
ラーハルトはサイドテーブルに肘をついて、片手で自分の額を覆う。
脳に巣食った重たい霧を、この掌に吸い取ってしまえたら。
気を取り直して立ち上がると、古いランプに火を灯した。寝室の窓を閉めようとして、低く垂れさがった曇天に目をやる。
雨になりそうだ。
――潮時だ。
ヒュンケルも、良く分かっているはずだった。
「置いて行け、その時は」
と、当然のように、彼は言った。
二人の歩調は、最初に旅立ったときよりも、ほんの少し緩やかになっている。休息や食事のタイミングも変わった。
MT24429411
DONEラーヒュンワンライ「夏バテ」夏バテ「おい、大丈夫か」
「あぁー…何とも言えんな」
気だるげに答えた声の主は、問う声の主に視線すら寄越さず、寝台に身を横たえていた。
普段の凛然とした姿勢は見る影もなく、額の上に手の甲を乗せ、茫洋として虚空を見るとも無しに見つめている。
それをさほど心配するでもなく、銀髪の青年は湯気の立つ銀盆をベッドサイドテーブルに置き、傍らに腰かけた。
「そら、お前は暑いからと言って冷たい水だの生野菜だの摂ってばかりいるからだ」
「ああ、反省しているとも、大いにな。我が身の不甲斐なさが情けなくて堪らん」
バツの悪そうなラーハルトの目の前に、ぐいとスプーンが差し出される。
「ならちゃんと食え。食わんことには回復せん」
強い匂いを発するそれに、ラーハルトは思わず眉をしかめた。
1778「あぁー…何とも言えんな」
気だるげに答えた声の主は、問う声の主に視線すら寄越さず、寝台に身を横たえていた。
普段の凛然とした姿勢は見る影もなく、額の上に手の甲を乗せ、茫洋として虚空を見るとも無しに見つめている。
それをさほど心配するでもなく、銀髪の青年は湯気の立つ銀盆をベッドサイドテーブルに置き、傍らに腰かけた。
「そら、お前は暑いからと言って冷たい水だの生野菜だの摂ってばかりいるからだ」
「ああ、反省しているとも、大いにな。我が身の不甲斐なさが情けなくて堪らん」
バツの悪そうなラーハルトの目の前に、ぐいとスプーンが差し出される。
「ならちゃんと食え。食わんことには回復せん」
強い匂いを発するそれに、ラーハルトは思わず眉をしかめた。
Jeff
DOODLE旅の空と片思い。異国の夕食。
20220804
Lime...
「違う。その平たいやつに、野菜や肉を乗せる」
とラーハルトが呆れたように言う。
『平たいやつ』をフォークできちんと畳んで口に放り込んだばかりのヒュンケルは、どうしていいかわからず、そのままむしゃむしゃ平らげた。
「先に言ってくれ」
不味くはないが、どうりで、素朴な穀物の味しかしなかった。
「見ればわかるだろう、普通」
と、ラーハルトが酒場のテーブルに盛られた色とりどりの野菜と、良く煮込まれた肉の塊を手早く取り分ける。そのまま薄いパンのような皮に乗せて巻くと、一口齧った。
そして思い出したように、エメラルドみたいに輝くライムを取ると、すぱりとナイフで両断する。数滴振りかけて、また残りを頬張った。
3046「違う。その平たいやつに、野菜や肉を乗せる」
とラーハルトが呆れたように言う。
『平たいやつ』をフォークできちんと畳んで口に放り込んだばかりのヒュンケルは、どうしていいかわからず、そのままむしゃむしゃ平らげた。
「先に言ってくれ」
不味くはないが、どうりで、素朴な穀物の味しかしなかった。
「見ればわかるだろう、普通」
と、ラーハルトが酒場のテーブルに盛られた色とりどりの野菜と、良く煮込まれた肉の塊を手早く取り分ける。そのまま薄いパンのような皮に乗せて巻くと、一口齧った。
そして思い出したように、エメラルドみたいに輝くライムを取ると、すぱりとナイフで両断する。数滴振りかけて、また残りを頬張った。
Jeff
TRAINING彼の聖域、小さな書室。情動理論的迷宮に片足をつっこむヒュンと、面倒くさくてもとりあえず聞いてくれるラーとの、ある日の夕暮れの会話。
ふたたび旅立つ前、まだ王宮住まいの二人。(個人の妄想です)
Sanctum 王宮の巨大な図書館は、お気に入りの隠れ場所だった。
誰も読めなかった古代の魔導書も、真偽不明な歴史書も、ヒュンケルにとっては宝の山だ。しかも、滅多に人と会わないで済む。
修行と称して身体を苛め抜く時間が否応なく減ってしまった今、同程度の熱意を傾けて頭脳を酷使できる場所が見つかった。
これでだいぶ生活のバランスが取れるようになった、と本人は納得している。
しかし、何日も書庫に籠るヒュンケルを見かねたのか(あるいは単に目の届く範囲に引っ張り出したかったのか)、女王の指示で書斎をあてがってくれることになった。
久しく使われていなかった楽団の物置。彼専用の読書室に改造せよ、という、大掃除も兼ねた指令だ。
5750誰も読めなかった古代の魔導書も、真偽不明な歴史書も、ヒュンケルにとっては宝の山だ。しかも、滅多に人と会わないで済む。
修行と称して身体を苛め抜く時間が否応なく減ってしまった今、同程度の熱意を傾けて頭脳を酷使できる場所が見つかった。
これでだいぶ生活のバランスが取れるようになった、と本人は納得している。
しかし、何日も書庫に籠るヒュンケルを見かねたのか(あるいは単に目の届く範囲に引っ張り出したかったのか)、女王の指示で書斎をあてがってくれることになった。
久しく使われていなかった楽団の物置。彼専用の読書室に改造せよ、という、大掃除も兼ねた指令だ。
MT24429411
DONEラーヒュンワンライ「手指」
手指――バラン様と…ディーノ様を頼む…!
そう懇願した彼の手は死を前にしてなお熱く、本懐を刻みつけるがごとく力強い。手に食い込まんばかりの指を握り返すと、魂懸けた戦士の目がひたと見返してきた。
――この鎧をもらってくれないか?お前に…使ってほしいんだ。
魂を認め合った友は、そうして自分に命ともいうべき武器を託してこの世を去った。
……オレは、お前の覚悟に少しでも応えられただろうか。お前の高潔な魂に相応しくあれただろうか。
――――――――――――――――――――――………………………………
闇の中、ヒュンケルは一人佇んでいた。あたりは漆黒が広がるばかりで、一体ここがどこかも分からない。だのに不思議と不安も警戒心も湧き起らなかった。
2827そう懇願した彼の手は死を前にしてなお熱く、本懐を刻みつけるがごとく力強い。手に食い込まんばかりの指を握り返すと、魂懸けた戦士の目がひたと見返してきた。
――この鎧をもらってくれないか?お前に…使ってほしいんだ。
魂を認め合った友は、そうして自分に命ともいうべき武器を託してこの世を去った。
……オレは、お前の覚悟に少しでも応えられただろうか。お前の高潔な魂に相応しくあれただろうか。
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闇の中、ヒュンケルは一人佇んでいた。あたりは漆黒が広がるばかりで、一体ここがどこかも分からない。だのに不思議と不安も警戒心も湧き起らなかった。
MT24429411
DONEラーヒュンワンライ「熱帯夜」熱帯夜はあ、と溢した吐息は寝苦しさを紛らわせるには程遠い。
湿度の高い空気が部屋にこもり、お陰で寝汗が引かない。窓は開け放してあるが、酸素を取り込めるのが精々で、風のない今夜は内も外も気温はさほど変わらない。
ラーハルトはうんざりしつつも、とりあえず水を飲んで一息つこうと寝台から身を起こし、ふと窓の外を見遣る。賑やかに響く歌声と楽器の音、笑いさざめく人々の歓声。方々に点った灯りが夜の町を明るく照らし出している。
この街には昨日に着いた。老いも若きも何やら賑やかに犇めく人の群れに、何事かと宿屋の主人に聞いたところ、祭りがあるのだと。
この街では年に一度、夜店を開き花火を上げ、夜もすがら歌って踊って過ごすらしい。それがちょうどこの日であると。
1703湿度の高い空気が部屋にこもり、お陰で寝汗が引かない。窓は開け放してあるが、酸素を取り込めるのが精々で、風のない今夜は内も外も気温はさほど変わらない。
ラーハルトはうんざりしつつも、とりあえず水を飲んで一息つこうと寝台から身を起こし、ふと窓の外を見遣る。賑やかに響く歌声と楽器の音、笑いさざめく人々の歓声。方々に点った灯りが夜の町を明るく照らし出している。
この街には昨日に着いた。老いも若きも何やら賑やかに犇めく人の群れに、何事かと宿屋の主人に聞いたところ、祭りがあるのだと。
この街では年に一度、夜店を開き花火を上げ、夜もすがら歌って踊って過ごすらしい。それがちょうどこの日であると。
kei_shi28
DONEワンライお題「熱帯夜」で書きました。ラーヒュンがまだくっつく前の話です。
熱帯夜 自分はどんな環境でも眠れる自信があったが、その日は違った。
日が暮れたというのに気温が下がらず、異様に蒸し蒸しする。
どこからか美しい歌声が聞こえるような気がするが、暑すぎて耳もやられてしまったのかもしれない。
寝苦しさにラーハルトは身体をむくりと起こした。こんな事なら素直に宿を取っておくのだったと思いつつ少し離れた場所を見やるとヒュンケルがモゾモゾと動いている。どうやら彼も寝付けないらしい。
「ヒュンケル」
思わず声をかけると、彼はこちらを向いた。
「ラーハルトも眠れないのか。空気に熱気がこもっているな」
「ああ、こうも湿度が高ければ不快でしょうがない」
ヒュンケルは立ち上がり、スタスタと歩いてきてラーハルトのすぐ隣に座りこむ。
1965日が暮れたというのに気温が下がらず、異様に蒸し蒸しする。
どこからか美しい歌声が聞こえるような気がするが、暑すぎて耳もやられてしまったのかもしれない。
寝苦しさにラーハルトは身体をむくりと起こした。こんな事なら素直に宿を取っておくのだったと思いつつ少し離れた場所を見やるとヒュンケルがモゾモゾと動いている。どうやら彼も寝付けないらしい。
「ヒュンケル」
思わず声をかけると、彼はこちらを向いた。
「ラーハルトも眠れないのか。空気に熱気がこもっているな」
「ああ、こうも湿度が高ければ不快でしょうがない」
ヒュンケルは立ち上がり、スタスタと歩いてきてラーハルトのすぐ隣に座りこむ。
kawaO_1008
DONE蜜りんごさんへ捧げます🙌0721の日に因んで。
淫紋ヒュ設定のおひとりさまプレイ。
18歳未満の閲覧を禁じます。
パスは
蜜りんごさんのお名前を
前半→語呂合わせの数字2つ
後半→英語五文字
で。 999
kawaO_1008
DONEラーヒュン「ルール違反」の続き。土方さんとのやりとりから
「淫紋を見られたくなかったヒュと、嫉妬にかられるラ」を書いた。久々に最後まで致した!(そこかい)
おしりぺんぺんとかあります。苦手な方注意。
18歳未満は閲覧を禁じます。
パスはラーヒュンの年齢を足し算。 1390
kawaO_1008
CAN’T MAKEやまもおちも意味もない。これぞやおい。単にハッスルしてるヒュが書きたかっただけ。
ラーヒュンだけどヒュが襲い受けじみている。
恥ずかしくなったら消すかもです。
18歳未満は閲覧を禁じます。
パスはラーヒュンの年齢を足し算で。 1662
asamag108
TRAININGラーヒュンワンライ「海」のお題で書いたのですがあまり海っぽい話ではなく…。海の近くで生まれ育ったヒュンと内陸で生まれ育ったラー(たぶん結婚してる)の現パロです。 1982
あかつき
TRAINING7/16のお題「海」。後朝というかインターバル。
ロケ地はざっくり南国だけどppnkではない、程度の緩い設定。
多分なんだかんだ、腹が減るまではベッドでずっとイチャイチャしてると思う。 1802
kei_shi28
DONEワンライのお題「結婚」で書きました。ラーヒュンはスライムの言葉を理解できる設定でお願いします。
結婚スライムだけが住む王国がある。初めて訪れたヒュンケルは、そこらかしこで跳ね回るスライムを興味深げに眺めながら微笑んだ。子連れのスライム親子の中で一匹遅れている子スライムがいたので、つい手を貸して兄弟達の中に混ぜてやる。
「ピィ」
母親スライムにお辞儀をされて、ヒュンケルは軽く手をあげた。
「本当に住人はスライムしかいないのだな」
「ああ。スライムの国だからな。今からスライムの王に会いに行く。とても厳格な性格だから気をつけろよ」
ラーハルトの助言にコクリとヒュンケルは頷いた。
「ピキイ」
「ありがとう、王よ」
二人が丁重な態度で接したので、一番聞きたい情報をスライムの王はすぐに提供してくれた。
どうやら気に入られた様で、今日は泊まっていけと勧められたのでありがたく泊めてもらうことにする。お礼を言ってその場を去ろうとした時だった。王が二人の背中に問いかけてきた。
1579「ピィ」
母親スライムにお辞儀をされて、ヒュンケルは軽く手をあげた。
「本当に住人はスライムしかいないのだな」
「ああ。スライムの国だからな。今からスライムの王に会いに行く。とても厳格な性格だから気をつけろよ」
ラーハルトの助言にコクリとヒュンケルは頷いた。
「ピキイ」
「ありがとう、王よ」
二人が丁重な態度で接したので、一番聞きたい情報をスライムの王はすぐに提供してくれた。
どうやら気に入られた様で、今日は泊まっていけと勧められたのでありがたく泊めてもらうことにする。お礼を言ってその場を去ろうとした時だった。王が二人の背中に問いかけてきた。
Jeff
TRAININGラーヒュンワンドロワンライに参加しました。お題「結婚」
Feverish 溶岩の蒸気に覆われたような頭に、なにか冷たいものが触れた。ゆっくりと、汗で張り付いた銀髪を解きほぐしていく。
指先だと気づいて、ヒュンケルは時間をかけて瞼を開ける。
「少しは楽になったか」
寝台に腰かけたラーハルトが、うつ伏せのままの相棒を不安げに見下ろしている。
ヒュンケルは微笑もうとしたが、喉が動かず、ひとしきり咳き込んだ。
焼け付いた咽頭から、がらがら声を絞り出す。
「……ただの風邪だ。寝ていれば治る」
ラーハルトは、彼の髪を梳く手を止めない。まだ生きているか、確かめるように。
ヒュンケルはじっとしたまま、心地よいその動きを堪能する。
「魔族は、病気にかかることがないのか」当たり障りのないことを訊いてみる。「俺の知る限り、呪い以外の理由で寝込んでいる魔族を見たことがない」
3405指先だと気づいて、ヒュンケルは時間をかけて瞼を開ける。
「少しは楽になったか」
寝台に腰かけたラーハルトが、うつ伏せのままの相棒を不安げに見下ろしている。
ヒュンケルは微笑もうとしたが、喉が動かず、ひとしきり咳き込んだ。
焼け付いた咽頭から、がらがら声を絞り出す。
「……ただの風邪だ。寝ていれば治る」
ラーハルトは、彼の髪を梳く手を止めない。まだ生きているか、確かめるように。
ヒュンケルはじっとしたまま、心地よいその動きを堪能する。
「魔族は、病気にかかることがないのか」当たり障りのないことを訊いてみる。「俺の知る限り、呪い以外の理由で寝込んでいる魔族を見たことがない」
あかつき
TRAINING7/9のワンドロお題「結婚」はっぴーうえでぃんぐ!!!
ラーさん、「『幸せにできない』? だから何だ、オレがおまえを幸せにするのだから問題はない!」くらい言いそう。ヒュンは諦めて幸せにしてもらってくれ。 1778
ZweiFluegel
DONEラーヒュンワンドロワンライ企画第4回お題作品。○○をしないと出られない部屋「…暑い……」
と一言呟いたヒュンケルの顔は強烈な陽射しによって赤らんでいた。
「このまま日向にいたら危ない!すぐに木陰で休息を取らせなければ!」
そう叫ぶと同時にラーハルトはヒュンケルの手を握り、大きな木の下ヘ走り出した。
木の幹にもたれて背負った荷物から水筒を取り出して水を飲んで一息ついていると、どこからか冷たい空気が流れている事に気が付いた。冷気の元を辿って行くと小さな洞穴を見つけた。涼しい風に当たろうと手を伸ばした瞬間、強い光に包まれた2人は全てが氷で造られた謎の部屋に閉じ込められてしまった。
「なっ、何だこれは。ここは一体…罠にかかったのか?オレ達。」
今、目の前で起きている事を理解できなくてラーハルトは困惑している。
1771と一言呟いたヒュンケルの顔は強烈な陽射しによって赤らんでいた。
「このまま日向にいたら危ない!すぐに木陰で休息を取らせなければ!」
そう叫ぶと同時にラーハルトはヒュンケルの手を握り、大きな木の下ヘ走り出した。
木の幹にもたれて背負った荷物から水筒を取り出して水を飲んで一息ついていると、どこからか冷たい空気が流れている事に気が付いた。冷気の元を辿って行くと小さな洞穴を見つけた。涼しい風に当たろうと手を伸ばした瞬間、強い光に包まれた2人は全てが氷で造られた謎の部屋に閉じ込められてしまった。
「なっ、何だこれは。ここは一体…罠にかかったのか?オレ達。」
今、目の前で起きている事を理解できなくてラーハルトは困惑している。
MT24429411
DONEラーヒュンでヒュン先天性TS少女小説を目指したような目指さなかったような
ダッチアプリコットパイ「オメー、コーヒー淹れんのマジ上手いよな」
しみじみとポップは呟いた。ふくよかで芳醇な香りが鼻腔を満たし、自然と落ち着いた心持ちにさせる。こんな繊細な特技があるとは意外なもんだ、と目の前の顔を改めて見遣った。
「ああ、ラーハルトが拘っていてな。教えてくれたんだ」
「へぇ~…あいつが自分の好みをね~…」
煎れた当人のヒュンケルは微笑みと共に返した。この姉弟子と魔族の血を引く戦士は、最近一つ屋根の下で同居を始めたと聞く。ポップはとうとうこの堅物な姉貴分にも春が到来したかと、ニヤつきながら含みのある言葉を呟いた。
――が、その想像はあっさり裏切られることになる。
「あいつは信頼のおける親友(とも)だ。感謝してもしきれん」
25576しみじみとポップは呟いた。ふくよかで芳醇な香りが鼻腔を満たし、自然と落ち着いた心持ちにさせる。こんな繊細な特技があるとは意外なもんだ、と目の前の顔を改めて見遣った。
「ああ、ラーハルトが拘っていてな。教えてくれたんだ」
「へぇ~…あいつが自分の好みをね~…」
煎れた当人のヒュンケルは微笑みと共に返した。この姉弟子と魔族の血を引く戦士は、最近一つ屋根の下で同居を始めたと聞く。ポップはとうとうこの堅物な姉貴分にも春が到来したかと、ニヤつきながら含みのある言葉を呟いた。
――が、その想像はあっさり裏切られることになる。
「あいつは信頼のおける親友(とも)だ。感謝してもしきれん」
Jeff
TRAINING涼しくなるお話を目指したかったです。二人のちいさなバカンス。
Midsummer 王都郊外。オークと白樺の混じり合う、かぐわしい夏の森。
降り注ぐ陽が、燃える緑を通り抜けて小川に注ぎ、宝石のような川魚の鱗をきらめかせる。
樹齢幾千年の高木に寄り添う古い小屋。その屋根から、リズミカルな槌の音が響く。
器用に板を打ち付けているのはラーハルトだ。
偶然見つけた隠れ家を修繕し、盛夏を涼しく過ごそうという計画は悪くなかった。だが、ヒュンケルはもっぱら周囲を散策しており、ラーハルトがほぼ全ての作業をてきぱきこなしている。不器用かつおおざっぱな元魔剣戦士は、大工仕事に恐ろしく向いていなかったのだ。
「ラーハルト」
切羽詰まったような呼び声。半魔の戦士は地上を振り返り、相棒の姿をみとめて眉をしかめる。「……一体なにごとだ」
3453降り注ぐ陽が、燃える緑を通り抜けて小川に注ぎ、宝石のような川魚の鱗をきらめかせる。
樹齢幾千年の高木に寄り添う古い小屋。その屋根から、リズミカルな槌の音が響く。
器用に板を打ち付けているのはラーハルトだ。
偶然見つけた隠れ家を修繕し、盛夏を涼しく過ごそうという計画は悪くなかった。だが、ヒュンケルはもっぱら周囲を散策しており、ラーハルトがほぼ全ての作業をてきぱきこなしている。不器用かつおおざっぱな元魔剣戦士は、大工仕事に恐ろしく向いていなかったのだ。
「ラーハルト」
切羽詰まったような呼び声。半魔の戦士は地上を振り返り、相棒の姿をみとめて眉をしかめる。「……一体なにごとだ」
asamag108
DONEラーヒュンワンライ、お題「○○をしないと出られない部屋」。逆に普通を目指して「セックスしないと出られない部屋」にしましたが全然えっちではない不思議。
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