60 min in Williams 「雨水/우수」「ちぇー。結局、雪にはならなかったんだね」
朝起きてすぐにカーテンを思いっきり開けて、その瞬間視界に飛び込んできたのは窓ガラスを伝う雨のしずくだった。
それからずっとふてくされてる僕に、朝ご飯の用意をしながら父さんが笑いかける。
「ああ、思ったほど寒くならなかったみたいだな。
もともと今日は家でゆっくり映画を見ようって予定だったし、別に雨でも……それとも、雪のほうが嬉しい理由でもあるのか?」
「だって今は冬だし、どうせなら雪が見たくない?」
「ははは! そりゃ雨は冬じゃなくどの季節でも降るからな、新鮮味がないって? だがエリントンの雪だって、そこまで珍しくもないんじゃないか」
「そ、それはまあ、そうなんだけど」
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