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    kitanomado

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    kitanomado

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    「レッスンしてあげてもいいですけどかわりにキスしてください」と聡実くんに言われた狂児がぐるぐるしたりもだもどしたりする話です。

    2/11福岡のオンリーで頒布した話です。
    なんでも叶えてあげたいの聡実くんの小さい口から覗く前歯、ほんまかわええなぁリスみたいやなぁとかそういうことを考えながら話を聞いていたせいで、言われた意味が一瞬理解出来ずに咄嗟に「なんてぇ?」と声が出た。
    自分でも随分間の抜けた声やなぁと思うが、出てしまったものは仕方がない。
     聡実くんも「アホやな」というか「なんでちゃんと聞いてないんですか」というか、口に出しては言わなかったが、きっとそういう感情が入り混じった顔をして、出来の悪い生徒に言い含めるように繰り返した。
    「やから、キスしてくれたらレッスンしてあげます」
     ──キス。キスってあれ?俺の知ってるあれか?日本語でいうと口付け、接吻とかそういうやつ。   いやいやいやいやそんなアホな。もしかしたら聡実くんの言うとるキスとかいうやつと、自分の知っているキスはちゃうやつかもしれない。ほら、中学生の間で流行ってるやつで〜歌ったり踊ったりして動画とったりするやつで〜て、そんな訳あるか。
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    kitanomado

    INFO「19802005」A5/p250(予定)/二段組/R18
    Web再録の書き下ろし分サンプルです。

    鬼のきょうじと村の子さとみくんの話続と狂児と二人で出かける事になった正実の話。他の書き下ろしは初夜後の話とか入る予定です。
    発行は1月上〜中旬予定です。おまけでツイまとめ本がつきます。通販決まりましたらツイなどでお知らせします。
    ご興味ありましたらよろしくお願いいたします🙏
    19802005『鬼のきょうじとさとみくん 都へ行く』

     むかしむかし。西の国の高い高いお山のてっぺんに、鬼たちが住む国がありました。その国は、祭の国と呼ばれていました。祭の国にはたくさんの鬼がいましたが、その中にひとりだけ、さとみ、という人間の男の子がいました。
     さとみは、十四の年の頃にこの鬼たちの住む山へ贄として連れてこられたのです。それからずっと鬼たちと一緒に暮らしていました。
     鬼たちは、人間よりも少しだけゆっくりと年をとります。鬼達の中でいちばん偉い「くみちょう」と呼ばれている鬼は、今年で二百歳になりますが、外見は人間のおじいさんよりもとても若く見えます。
    お山の不思議な空気と、お山の森になる赤いざくろの実を食べると、少しだけ、年をとるのが遅くなるのです。なので人間の子のさとみも、少しだけゆっくり年をとっていました。
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