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    満ツ雪

    @32_yu_u

    相出しか書けません

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    満ツ雪

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    相出パロ。勢いだけで書いてます。続く。

    #相出
    phaseOut

    人外さんの嫁パロ2ぎゅるるる。
    って、僕のお腹の虫が切ない声を上げた。

    「あ、」

    真っ赤になってお腹をおさえる。
    黒猫さんはまた少し首を傾げただけでどこかへと行ってしまった。
    家の荷物をとりあえず持てるだけ持ってきて片付けているうちにいつの間にかすっかり日が暮れていたようだ。開け放しておいた縁側の雨戸を閉めていると、黒猫さんが戻ってきた。

    「?」

    何かを持っているらしい右手を差し出される。
    黒猫さんの大きい手に隠れて何かは分からない。両手を出すと、僕の手の上に冷たい何かが乗っかった。わりとずっしり重い。

    「……ゼリー飲料?」

    それはどこでもよく見かけるゼリー飲料だった。ソッコー!パワーチャージ!五種類のマルチビタミン!グレープフルーツ味!と書いてある。

    「えっと、あ、もしかして、僕がお腹が空いてると思って?」

    返事の代わりにまた黒猫さんが首を傾げる。
    目の中の光がくるりって動いた。
    食べられるか?って聞かれてるような気がする。

    「あ、ありがとうございます。でも、あの、夕飯、何か作ります!」

    ゼリー飲料を黒猫さんに返すと、心無しか落ち込んでいるように見えた。
    あ、気のせいじゃない!
    耳がぺしょってなってる!
    う、ご、ごめんなさい!

    「えっと、あの、ゼリー飲料が嫌いって訳じゃないんです、夕飯、ちゃんと僕が作ります。何が食べられますか?お魚?お肉?猫さんが食べれないものって何だったかな……って、イレイザーヘッドさんは猫と同じって考えちゃ駄目なのかな、」

    二足歩行だし。
    大きいし。

    そもそも、
    ……なんなんだろうか……。

    どうして人間の、しかも男の僕をお嫁さんにしたんだろうか。

    思案に耽っていた僕の耳に、カチリって音が届いた。猫さんがゼリー飲料の蓋を開けた音だ。あの大きな猫手でどうやって蓋を開けられたんだろう。ペンも普通に持っていたし、見た目に反して黒猫さんはとっても器用みたいだ。

    あ、て開いた猫さんの赤い口。
    案外大きな口に細長い舌と鋭い牙が見えて、ドキリとしたのも束の間。

    ずごっ。

    って、何か凄い音がした。

    一瞬でぺしゃんこになったパッケージ。
    ごくり、って飲み込む音。

    「え、」

    ゼリー飲料は一口で黒猫さんの胃の中に収まったらしかった。

    物凄い吸引力……!

    「あ、あの、お夕飯、」

    ふるふるって黒猫さんが首を横に振ってまたどこかへ行ってしまう。

    「あ、あの!」

    とてとてとその背中を追いかけていくと、キッチンに積み上がった段ボールを指差された。
    中身を見るとぎっしりゼリー飲料が詰まっている。もしかして、この段ボール全部中身ゼリー飲料……?

    「ひょっとして、これしか食べられないんですか?」

    こくこく黒猫さんは頷いた。

    「そうなんですね……そっか……残念、です」

    ……一緒にごはん、食べたかったな。
    僕にも猫耳があったらきっと、ぺたんって下がっていたと思う。無くて良かった。


    ───────



    「あー、と、お風呂、先に入りますか?」

    黒猫さんが首を傾げる。

    「お風呂苦手とかありますか?」

    黒猫さんが反対側に首を傾げる。
    癖なのかな。

    「ええと、僕が先に入ったほうがいいですか?」

    二足で立っていた黒猫さんがとすって四足になって僕の背後に回り込んだ。もふって背中に柔らかい毛並みが押し付けられる。
    うう、気持ちいい。

    「わ、わ、えっと、」

    黒猫さんの額に背中を押されて廊下に出る。向かっている先はどうやら浴室みたいだ。
    脱衣所に押し込まれて、黒猫さんがドアを閉めた。じっと見つめてくる黒猫さんにちょっと困ってしまう。

    「あの、もしかして、一緒に入ろうって、こと、ですか」

    たしたし、って黒猫さんの尻尾が二回床を叩いた。多分、肯定なんだと思う。

    「お気持ちは嬉しいんですけど、」

    出会った初日に一緒にお風呂なんて恥ずかし過ぎる……!

    でも僕たちは夫婦。
    お母さんにも立派な嫁になりなさいって言われた。
    頑張らないと……!

    「あ、あの!お背中お流ししますね……!」



    ────────


    お風呂は結構広くて、猫さん用のシャンプーもきちんと用意されていた(やっぱり猫さんってことで良いんだよね……?)。
    大きい身体はなかなか洗い甲斐があって楽しかった。黒猫さんは水が苦手ということは無いらしい。広い浴槽で気持ち良さそうに肩までお湯に浸かっている。
    誰かと一緒にお風呂に入るなんて久し振りだ。
    きっと、お母さんと子どもの頃に入って以来だと思う。
    何とはなしに黒猫さんの顎を撫でたら、ぐるるって鳴いてくれた。


    ────────

    脱衣所には大きなドライヤーが置いてあった。
    こんな大きいの見たことが無い。ぺしょっとなってしまった黒猫さんにドライヤーを当てる。シャンプーの香りのするほかほかの黒猫さんの毛がどんどん艶々のほわほわになっていく。
    耐えきれなくてその中に顔を埋めたら、もう抜け出せなくなりそうなほどのモフモフ具合だった。

    ああ、これは!
    人を駄目にするクッションそのもの!

    その心地よさに気を取られて僕はすっかり忘れていた。

    これから僕らが向かうのは、

    そう、

    寝室。

    夫婦になって初めて布団を共にする。

    つまり、初夜──!


    二組並んで敷いた布団の上で、僕はガチガチに固まって正座していた。

    (僕は、お嫁さん……!どこに出しても恥ずかしくない嫁にならなくちゃ……!)

    でも、

    でも初夜って、

    初夜って、

    何をするの?!

    「ま、枕投げ、します?」

    枕を差し出した僕に黒猫さんが首を傾げた。
    今のは本気で疑問に思われた気がする。
    こんなことでは立派な嫁になんてなれやしない。落ち込む僕をよそに黒猫さんは、そっと僕の手を取った。

    「えっと、あ、」

    そのまま引き寄せられて僕の身体はふかふかの毛に覆われる。頭は前足の上、背中には尻尾が巻きついている。
    あったかい……!
    どんなお布団より極上の寝心地……!

    「あ、あの、初夜は、これで、良いんでしょうか……」

    そう言いながらもう瞼が落ちかけている。
    恐るべし魔性の毛並み。

    くるる、って鳴った喉の音を聞きながら、僕はまどろみの中に落ちていった。
    ぎゅうって、その身体にしがみつく。

    黒猫さん。
    僕、きっと立派なお嫁さんになってみせます……!
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    Replies from the creator

    満ツ雪

    DONE♀️装♂子な🥦くんは👀先生のことが大好き。今日も元気に猛烈アタック!
    普通のコーコーの普通のきょーしとせーとな👀🥦の話。👀の担当きょーかとか決めてません。自由に想像してほしい🙆
    がんばれ女装男子🥦くんあいざわせんせい。


    僕の担任の先生。

    僕の大切なひと。


    僕の大好きなひと。



    「失礼します!一年A組緑谷出久です!相澤先生!来ましたっ!」

    昼休み。
    職員室の入口でそう僕が声を上げると、先生方の視線が一斉に相澤先生に注がれた。呆れや羨望の入り交じったその視線を面倒そうな顔で受け止めながら、相澤先生が立ち上がる。

    「良いなあ愛妻弁当」
    「山田そういうこと言うとコイツが調子に乗る」
    「ふふ、相澤先生の愛妻でーす」

    そう言って先生の腕に絡み付くと、こらって軽く頭を叩かれる。優しいからちっとも痛くない。むしろ撫でられてるみたいで嬉しい。

    「良いわねえ相澤くん、かわい~い幼妻がいて」
    「やめてくださいよ香山先生」

    心底辟易した様子で相澤先生が睨みを効かせても、香山先生にはちっとも通用しない。「アオハルいいわ~頑張りなさい」って僕の背中をぐいぐい押してくれる。相澤先生とぴったりくっつく形になって、ぎゅうってその腰に抱き着こうとしたらさすがに相澤先生に本気で押し返された。
    1790

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    満ツ雪

    DONE俳優澤×ドル出勝手に書きました。すみません。え、ドル出が鈍すぎて俳優澤はいつまでも出くんとくっつくことができないんですか?ごめんなさい、もうくっつけちゃいました…ごめんなさい。
    俳優澤とドル出のお話『テレビ局の地下駐車場にいるよ』

    そんなメッセージをもらって僕は私物のパーカーを引っ掴んで慌てて走り出した。派手なステージ衣装のままだし、髪も瞼もキラキラしたままだけど、とにかく時間が惜しくて全力で走った。でもテレビ局は騒々しいから誰も僕のことなんか気にも留めない。おはようございます、お疲れ様ですって笑って挨拶しながら人の波をくぐり抜ける。もう1ヶ月も会っていないあの人の元へ急ぐため。

    ハア、ハアって息が上がる。
    さすがに駐車場だと真っ青な衣装の僕は悪目立ちする。荷物を搬入しようとしているスタッフさんたちがチラチラとこっちを見てくるから、パーカーの前を掻き合わせながら足早にその場を後にした。
    相澤さんの車は、柱の影になって一段と暗い一角に停まっていた。黒い二人乗りの、車種に詳しくない僕でも名前を聞いたことがある車。壁に向かって前向きに駐車されているから車内が見えなくて、何度もナンバープレートを確認してから助手席の窓をそっと覗き込んだ。
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