ハイルベカラズ「神さん」
どうかしましたか? というカムイの言葉が最後まで届く前に、扉は閉められてしまっていた。
バタンという音と少しばかりの風圧だけを残されて、カムイはいったいどういうことだろうと隼人の部屋の前で考える。
昼食を食べるところまでは、いつも通りだったと思う。
カムイの作った料理を食べ終えた隼人はいきなり立ち上がると自室へと去ってしまったが、席を立つ時も不機嫌そうな様子ではなかった。
今日は冷凍うどんに、正月の残りの餅やら野菜類やらをありったけ入れ土鍋で煮込んでみた。
お互いあまり食べることに興味があるわけではないが、インスタントや出前ばかりで済ませられるほど何でも良いというわけでもなく。
かといって外食を好むわけでもない。そこが揃って面倒臭い奴らだと言われる所以だ。
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