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    Mogmogsmaka

    真Vフィン主文字置き場跡地

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    Mogmogsmaka

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    プロポーズをテーマに書いているフィン主ですが遅々として進まないのでお尻叩きに上げます。
    ギンザのクイーンメイブさんとおフィンのやり取り。

    #フィン主
    finMaster

    ダイヤモンド「何かご用かしら騎士様」

    クイーンメイブが訊けば、彼は節張った長い人差し指をすいと伸ばして宝石の詰められた小箱を示した。
    「あの虹色の宝石はどういう意味があるんだ?」
    先程の彼女の説明にダイヤモンドが含まれていないことが気になったのだろう。
    初めて交わした言葉が思ったよりも面白い質問で、彼女はあらあらと笑う。小箱を開くと、中から虹色の宝石を取り出して翳して見せた。

    「これはね、ヒトにとっては特別な宝石よ」
    「…特別、とは」

    濁した物言いに、幻魔フィン・マックールは形の良い眉を寄せた。その様子に一つ意地悪でもしてやろうかと考える。少年の背中と目の前の幻魔を見やり、彼らが主従を越えた間柄にあるのは夜の世界を生きていた彼女にとって想像に難くなかった。

    「直ぐに教えたんじゃ面白くないわ。貴方自身で見つけてこられたならご褒美に教えてあげる…それほどこれは特別なものなのよ」

    「む…分かった」
    「フィン、行くぞー」
    遠くで少年が手を振りながら騎士の名を呼んでいる。フィンはクイーンメイブへ丁寧に一礼をすると少年であり仕える王の元へと駆けていった。

    「とってもお似合いよね」
    二人に向けて呟かれた言葉は聞かれることなくダアトの空に吸い込まれて消えていった。
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    Mogmogsmaka

    MOURNING元ネタは🐜様の曲です。狩猟を行うおフィンと主ちゃんの雰囲気のみな小話。そんなに絡んでません。
    狩猟日誌小さい頃に生きるための術として狩りを教えられていた為、狩猟は得意だった。時折自分よりも体躯の大きな獲物に出会う事もあったがその知識と持ち前の腕で難なく狩る事が出来る。
    ダアトの荒廃した土地を疾駆する牡鹿を草むらに隠れながら追いかける。あれは脚が速いからと拵え携えた弓矢を構え、弦を引きその時を息を殺して待つ。耳元で弦が張るきりきりという音と草が風に揺れる音だけが響いている。顔を上げ辺りを警戒していた鹿が、僅かながらに残った青い草を食べようと首を下げる。その一瞬とも言える無防備な姿を逃さない。
    張りつめていた弦が弾け、空気を裂いて矢が飛んでいく。フィンの手から放たれたその矢は鹿の心臓を一息に貫いた。
    小さな鳴き声を上げて倒れた鹿は、少し藻掻いてそれから動かなくなった。隠れていた草むらから身を起こしたフィンは、新雪の残る土を踏みならして仕留めた獲物に近寄った。鮮血で地を濡らす鹿は確かに絶命しており、腰に下げた皮袋から手入れを施され研ぎ澄まされた狩猟用のナイフを取り出すと鞘を抜き刀身を鹿の喉へと突き立て、先程までその体を巡っていた血を抜く。次いで丸い腹に切り込みを入れて温かな腸を取り出す。手に伝う温かさに命を頂く尊さを感じてフィンは心の内で鹿に感謝を述べる。そうして軽い処理を行った鹿の両の手足を縛り上げ麻袋に放り込むと、肩に担いで王の待つ野営地へと戻ることにした。
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