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    Mogmogsmaka

    真Vフィン主文字置き場跡地

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    Mogmogsmaka

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    23年1月〜6月までのTwitterのフィン主お題まとめです。夫婦、牡鹿化は外してあります。

    #フィン主
    finMaster

    Twitterお題まとめ⑩お題はこちらからお借りしました。
    【お題ひねり出してみた】様https://shindanmaker.com/392860
    【140文字のSSお題】https://shindanmaker.com/587150


    【未練たらしい】
    繋いだ手が解かれようとする。引き寄せて強く繋いで、手の甲に口付けを落とす。
    「フィン…?」
    未練たらしくてまるで駄々を捏ねる子供だと自分を嘲笑しながらも、まだ愛しい王を離したくはない。
    「…もう少しだけ、いいか?」
    尋ねれば優しく握り返される。
    「もう少しじゃなくて、もっと長くてもいいよ」


    【ふたりっきりでいたかった】
    仲魔達が眠る夜営から二人抜け出し手を取り合って雪の降る道を進む。ビルを潜り、小高い丘に登る。
    まだ葉の残る大きな木の袂に辿り着くと徘徊する悪魔も居ない静かなその場所で躰を繋いだ。
    二人は寒さなど感じない。感じるのは互いを愛する心と繋がり合う体温、この時が永世に続いて欲しいという願い。


    【振り返ることもないだろうから】
    「もういいのか?」
    王座に向かう王に従者が尋ねた。二人の後ろには仲魔達が、静かにその背を眺めている。
    「いいんだ。もう振り返る事もないだろうから」
    二人は手を取り合って王座へ向かう。愛し気に見つめる瞳に迷いは無い。
    「これからの話をしよう。俺達の世界の話を」
    「ああ、勿論」
    二人だけの王座。


    【器用なのに言えない私と、不器用だから気付かない貴方】
    マントを掴んで軽く引っ張る。
    「ん?どうかしたか?」
    振り返り彼が尋ねる。何でもないと頭を振ってまた二人雪道を歩く。
    「…」
    俺はいつだってフィンへの好意を告げる覚悟はできている。ただこんなにも態度に出してるのに、お前は一つも気付かないんだ。
    「…鈍感」
    自慢の従者だけど、困ったもんだなぁ。


    【誉められると嬉しいのですが、素直には喜べません】
    抱き締めて口付けあって愛を確かめる。王はふやけた、幸せそうな笑顔を見せて俺の頭を撫でた。
    「フィンは本当に強いし格好良いね」
    まるで飼犬を褒める飼主のようだなと思いつつも甘んじてその手を受け入れた。けれど俺は褒めて欲しい訳じゃない。今二人きりのこの時は、誉れより愛の言葉が欲しいんだ。


    【欲しいのは、そっちじゃない】
    手を取り忠誠を誓う騎士の様に口付ける。音を立てて離し顔を上げれば、不満気に見つめる王と目が合った。
    「どうかしたか?」と態と尋ねてやる。何でもないと拗ねて離れていくも、すぐ俺の元へ戻ってくるのも分かっている。
    お前さんが望むのは唇への甘い口付けだと知っていて、つい意地悪をしてしまう。


    【寝惚けてた、寝惚けてたんです!】
    鬱血の散る首筋を指し、目の前で慣れぬ正座をして顔面蒼白な従者を見下し吼えた。
    「お前は犬か!?食われるかと思った!」
    「ち、違うんだ…その、寝惚けてて…!」
    「寝惚けて首噛むとかどんだけ寝相悪いんだ!」
    憤慨し踵を返す王に従者は胸を撫で下ろした。あるまじき慕情に気付かれずに済んだからだ。


    【君の涙の味】
    王座から愛しい従者を見下し、心の中で侘びた。永世の忠誠を捧げれくれた彼を取り残す事に。連れて行きたかった。共に生きたかった。詫びても届く事はないのだろう
    けど、それでも。
    「ごめんね、フィン。愛してるよ」
    切れ長の緑玉が潤み一筋の涙が溢れて頬を濡らしている。その味も、二度と分からない。


    【うるさい、わかってるくせに】
    フィンと目が合ったり、手を繋いだり、キスしたりするだけで俺の胸は煩いほど高鳴る。たまにこの音が聴こえてないか不安になる程だ。
    『煩いな、分かってるんだよ』
    フィンの腕の中で今も煩い胸に悪態を吐く。フィンが好きすぎてこうなってしまうなんて、自分が一番分かってる…だから静まれよ、俺の胸。


    【あの甘いセリフを君の口から、】
    仲魔から勧められ何となく読んだだけだった。それなのに一節に心を奪われて、お前さんの口から聴いてみたいだなんて乙女の様な事を考えてしまう。
    「お前さん」
    まるであのお伽噺をなぞる様に白い頬に触れる。指先で輪郭を辿り、そっと唇を寄せていく。
    聴かせてくれないか。ただ一言、「お前だけだ」と。


    【来世は他人がいい】
    もし生まれ変われたなら対等な立場でもう一度お前と恋に落ちてみたい、と言ったら忠義に厚いお前は複雑な顔をするんだろう。
    上下なんて無くて、背中合わせで互いを守り合って愛を育むのも素敵だと思わないか?…安心してくれよ。
    永世の契を結んだ俺達の絆は生まれ変わっても切れはしない。そうだろう?


    【一番心臓に悪い存在になりたい】
    「アイツを見てると胸がきゅーって苦しくなって、目が合うと鼓動が煩くて顔が暑くなるし、何故か恥ずかしくて目を背けちゃうし、声を掛けられたら優しくしたいのについ素っ気なくしちゃうんだ。本当は仲良くしたいのにそんなだから出来なくて…でもそんなになるのアイツだけなんだ…何かの病気かな…」


    【この世界で二人きりになれたらいいのにね】
    創世とか東京を救うとか、そんな綺麗事はどうでもいい。それはただの手段に過ぎない。俺とお前がこうして共にある為の。
    「フィン」
    「お前さん」
    隣で優しく微笑んで口付けを落としてくれるお前さえ共に居てくれれば、俺は頑張れる。お前のためだけに、俺は強く地を踏み前に進む王で在り続けられるんだ。


    【好き好き大好き、愛してる】
    俺を越える強い力、王たる志、悪魔をも思い遣る懐の深さは勿論、見惚れてしまうほど麗しい姿、俺にだけ見せてくれる可愛らしい笑み、甘く囀る声色、同じ想いを寄せてくれる愛らしさ…どれを取っても好きで好きで堪らなくなる。
    長く王を探し旅をしてきた終点がこんなにも幸せで愛しくて、俺は幸せ者だ。


    【それは恋なんてものじゃなかった】
    手を取った瞬間から絶対に誰にも渡さないと、永世の忠誠と共に誓った。
    志高く隔てない慈しみの心を持ち、誰よりも強い貴方を慕い、そして深い想いを抱いているんだ。
    もしこの手を離れて行ってしまうのなら、周りの全てを壊してでも貴方を閉じ込めてやる。
    だからこれは、恋だなんて綺麗なものではない。


    【私の前だけにしておいてね】
    綺麗な緑玉が熱を持ちうっとりと潤んでいるのが見える。白磁の頬は淡く染まり薄く開かれた形の良い唇から感嘆の溜息が艶やかに漏れた。
    「…お前さん…」
    低く一瞬で耳が火照る甘い囁きを聴き、口付けを交す。彼の頬を両手で包み隠した。
    こんな顔を見たら誰だってフィンに恋してしまう。
    俺だけのフィン。
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    Mogmogsmaka

    MOURNING元ネタは🐜様の曲です。狩猟を行うおフィンと主ちゃんの雰囲気のみな小話。そんなに絡んでません。
    狩猟日誌小さい頃に生きるための術として狩りを教えられていた為、狩猟は得意だった。時折自分よりも体躯の大きな獲物に出会う事もあったがその知識と持ち前の腕で難なく狩る事が出来る。
    ダアトの荒廃した土地を疾駆する牡鹿を草むらに隠れながら追いかける。あれは脚が速いからと拵え携えた弓矢を構え、弦を引きその時を息を殺して待つ。耳元で弦が張るきりきりという音と草が風に揺れる音だけが響いている。顔を上げ辺りを警戒していた鹿が、僅かながらに残った青い草を食べようと首を下げる。その一瞬とも言える無防備な姿を逃さない。
    張りつめていた弦が弾け、空気を裂いて矢が飛んでいく。フィンの手から放たれたその矢は鹿の心臓を一息に貫いた。
    小さな鳴き声を上げて倒れた鹿は、少し藻掻いてそれから動かなくなった。隠れていた草むらから身を起こしたフィンは、新雪の残る土を踏みならして仕留めた獲物に近寄った。鮮血で地を濡らす鹿は確かに絶命しており、腰に下げた皮袋から手入れを施され研ぎ澄まされた狩猟用のナイフを取り出すと鞘を抜き刀身を鹿の喉へと突き立て、先程までその体を巡っていた血を抜く。次いで丸い腹に切り込みを入れて温かな腸を取り出す。手に伝う温かさに命を頂く尊さを感じてフィンは心の内で鹿に感謝を述べる。そうして軽い処理を行った鹿の両の手足を縛り上げ麻袋に放り込むと、肩に担いで王の待つ野営地へと戻ることにした。
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