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    Mogmogsmaka

    ハマったものを軽率に書いていきたいです。現在は真Vのフィン主メイン。

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    Mogmogsmaka

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    分霊おフィンとお付き合いしてる初代フィンと主ちゃんの小話。

    #フィン主
    finMaster

    早くしろ(キスを)「我が王が愛しくて仕方ないんだ」
    と言う、先に王の従者となったフィンの言葉に、同じフィンであり別のフィンでもある分霊の彼はイラ…と眉間に皺を寄せた。
    何度も世界を廻る王に分霊の彼もフィンと同じく仕えるべき王の器を感じ、モトアサクサの丘で対峙したのだが先にフィンが従者となっていたため「そいつのことをよろしくお願いします」と告げ身を引こうとしたのだが、去り際に王に手を取られ

    「お前も一緒に行こう」

    と、何とフィンと分霊フィンの幻魔フィン・マックール二人を従者にする事に決めたのだ。最初こそ戸惑っていた分霊だが王が求めるならそれもいいかと、その提案に動揺していたフィンと違い楽観的に捉えその手を握り返したのはもう世界を二つ巡る前の事である。
    旅の中で王とフィンが恋仲であることを知り、そういう主従関係もあるのか、とこれまた関心しながら共に旅を続けていたが、見るにフィンは奥手だった。
    それこそ分霊であるフィンが苛々としてしまう程。
    「惚気ける暇があるなら口付けの一つでも交わしてこい」
    「で、できるわけ無いだろう…!俺が触れたら穢れてしまうかもしれない…!!」
    「…はぁ」
    コイツは本当に自分なのだろうか?と尻込みする姿が不甲斐なさ過ぎて尻を蹴り飛ばしたくなる。想い合っているならそのくらいの事、寛大なあの王は赦してくれるだろうに。
    「あの麗しい唇を眺めているだけでも幸せなんだ…桜色で艷やかに熟れて…」
    と、また惚気が始まってしまいそうだったので彼は「そうかい」とだけ返して王の元へ向かった。
    分霊であるため見た目も声色も全く一緒だが性格は多少異なっている。王はそれをしっかり理解していて、分霊の彼が近付くと恋仲のフィンとは違う反応を見せる。こちらは互いに恋愛感情はない。どちらかといえば友人関係というものだった。
    「我が王ながら、お前さんは罪なやつだなあ」
    「ん?」
    あそこまでフィンを夢中にさせる事ができるのだから。
    「フィンがどうかしたのか?」
    呆れたように言い放たれた言葉が示すのは恋仲のフィンの事であると察した王が訊き返せば、彼は肩を竦めた。惚気と奥手が同居しているフィンと比べて少年という年端の王の方が肝が据わっているようにも見える。
    「我が王はアイツと口付けをしたくはないのか?」
    直球な質問に、王は長い睫毛を蓄えた瞼を瞬かせると困り顔を浮かべた。
    「キス…うーん。…お前にだけ教えるな…内緒だぞ?」
    そう言うと爪先立ちになって彼の耳元に唇を寄せる。
    「実は、フィンが寝てる間にこっそりしてるんだ…」
    やはり王の方が上手である。しかしわざわざ寝ている隙を覗わずとも堂々とすればいいだろう。その疑問をぶつける。
    「寝てる間に?起きている内にしないのか?」
    「いや、その、フィンは俺を美化しすぎてるから面と向かってキスしよう…て言い辛くて」
    卒倒しそうじゃない?と言われ確かに、と思い直す。あまりにも王の事が好きすぎるだろうと。そして美化…というより最早神格化している。
    「俺はしたいんだよね。フィンの唇、ぷるぷるしてて柔らかいんだよ。近寄ると良い匂いもするし、それにね…」
    「…」
    うっとりとしてフィンの唇の感触を話し始めた王に彼はやってしまった、と思った。
    この主従は恋仲にあり、こうやって自然に互いの惚気話を始めてしまうくらいには互いを愛し想い合っているのは十二分に理解していた。はずなのに。
    「ああもうまどろっこしいな!そこまで想い合っているのなら早く面と向かって口付けしろ!」
    彼は主従の惚気話を聞かされて、もう何度目か分からない絶叫を上げた。
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    Mogmogsmaka

    MOURNING元ネタは🐜様の曲です。狩猟を行うおフィンと主ちゃんの雰囲気のみな小話。そんなに絡んでません。
    狩猟日誌小さい頃に生きるための術として狩りを教えられていた為、狩猟は得意だった。時折自分よりも体躯の大きな獲物に出会う事もあったがその知識と持ち前の腕で難なく狩る事が出来る。
    ダアトの荒廃した土地を疾駆する牡鹿を草むらに隠れながら追いかける。あれは脚が速いからと拵え携えた弓矢を構え、弦を引きその時を息を殺して待つ。耳元で弦が張るきりきりという音と草が風に揺れる音だけが響いている。顔を上げ辺りを警戒していた鹿が、僅かながらに残った青い草を食べようと首を下げる。その一瞬とも言える無防備な姿を逃さない。
    張りつめていた弦が弾け、空気を裂いて矢が飛んでいく。フィンの手から放たれたその矢は鹿の心臓を一息に貫いた。
    小さな鳴き声を上げて倒れた鹿は、少し藻掻いてそれから動かなくなった。隠れていた草むらから身を起こしたフィンは、新雪の残る土を踏みならして仕留めた獲物に近寄った。鮮血で地を濡らす鹿は確かに絶命しており、腰に下げた皮袋から手入れを施され研ぎ澄まされた狩猟用のナイフを取り出すと鞘を抜き刀身を鹿の喉へと突き立て、先程までその体を巡っていた血を抜く。次いで丸い腹に切り込みを入れて温かな腸を取り出す。手に伝う温かさに命を頂く尊さを感じてフィンは心の内で鹿に感謝を述べる。そうして軽い処理を行った鹿の両の手足を縛り上げ麻袋に放り込むと、肩に担いで王の待つ野営地へと戻ることにした。
    1811

    おんじゃ@ojachanco

    DONEどうも初投稿&初執筆でございます。
    以前投稿したのが完成しましたm(_ _)m
    フィンに一目惚れの初恋をしてしまった主人公による苛烈で理不尽なドタバタハートフルラブコメ少女漫画風フィン主です。

    ※主人公の名前は「青空ツグミ」元ネタは漫画「あそびあそばせ」のあの子。
    ※ネタバレ、捏造、シナリオ改変、キャラ崩壊、稚拙な文面等々様々な問題がございますがそれでも宜しければお願いします。
    路は短し、恋せよ少年 邂逅編ー感情の起伏が乏しい、無表情、お人形さんみたい
     散々他人から言われてきたが自覚はしている、それはダアトに飛ばされナホビノとして戦っている今でも変わらない。
     ーただ、成り行きで此処まで来た
     どんな苦境や鬼門だってその一言ですべて乗り越えて、くぐり抜けてきた。最初は恐れていた悪魔も逆に自分に恐怖を覚えるようになる程だ
     ー今日もやり過ごせるだろう、そう思っていたのに…

       あの瞳の、あの輝きを見た瞬間。

     芽生えた知らない感情に、心の臓を揺さぶられー



    樹島を攫ったラフムを追うためダアト品川区を進み続ける僕と磯野上はアオガミが探知した気配を便りにコウナン四丁目方面へ向かうべく御楯橋を渡っていた、この辺りに悪魔はいない事を確認し、彼女と慎重に歩を進めていた。
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