それはまるで茨のようで「あんたもひどい人だねぇ」
「どっちが」
赤髪が来るときは大抵機嫌が悪い。それが今日は一段と悪くなっている。理由は机に広げられた三つの宝の地図。嫌味なのか、無意識なのか、どれも示す場所は海の底。渡す相手が悪魔の実の能力者であることは充分わかっているはずなのに。
「とびきり美味しい酒は置いて帰らせたんだろ?」
「あたぼうよ。最低条件だ」
バギーと会って話をするための条件。
どこで約束したか知らないが、美味しいお酒か、お宝、もしくは宝の地図。どれかを必ず持ってくること。それを律儀に守っている赤髪はお酒は必ず持参し、時々お宝や宝の地図を持ってくる。三つも持ってくるなんて珍しいことだ。さぞや我らが座長は大喜びだっただろう。それ故に、機嫌の落下速度も酷いことは想像しやすい。
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