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    とうこ

    じゃっと書いた落書きとか、なんかの下書きとか、適当な奴をぽいぽいしていきますよ!

    ついったー
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    マシュマロ
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    とうこ

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    ワンライで書いた「キス」がテーマの七五。

    #七五
    seventy-five

    ⭐︎

     悟は目を覚ますとまず最初に隣で眠る男が呼吸をしているかを確かめる。とても静かに眠るので、もしかして死んでいるんじゃないかと、そういう自分でも馬鹿げていると笑ってしまうような杞憂に取り憑かれるからだ。口や鼻に手を当てて、呼気が温かく手のひらを湿らすのを実感して、ほっと息を抜く。
     これが共寝の朝の癖になってしまっている。七海が眠っているうちの、密やかなルーティンだ。胸に手を当てて上下していることや、心臓の音が低く響くことを一つずつ確認して、安心をする。幸福を感じる。これで一日を幸せに始められる。
     皮膚の薄い神経質そうな額に口をつける。白人らしく見える所以の通った鼻筋にくちびるを滑らす。くすぐったいのか、一瞬眉を寄せたけれど、まだ起きない。ゆっくりとした呼吸が続いている。
     へこんだ頬の肉は柔らかい。吸うととてもよく伸びるので、悟は一人で笑う。くちびるの山の尖ったところを、くちびるで摘んで引っ張る。やっぱり柔らかくて、よく伸びる。
     今度は下唇を引っ張ってみようと、いったん離す。それから食いつく。
     食いついた瞬間に、眠っていたはずの腕が素早く悟を捕まえた。両腕は背中に回り、ガッチリとホールドされる。ぎゅうぎゅうと、腕と七海の胸の間で押し潰されそうなほどだ。
     ぐるりと視界が回転する。目を開けた七海の無表情を至近距離に見上げる。押し倒されて、拘束される。
     無遠慮なキスが降りてくる。食むようにしてくちびるを吸われ、ぬるりと舌が入り込み、勝手知ったる様子で口内をぐるりと一周する。すぐに角度を変えてもう一度、入ってきた舌に舌を絡め取られ、吸い上げられて引っ張り出される。出した舌を歯で噛まれたけれど、痛みに顔を顰めたら、歯列からはすぐに解放された。歯形もついていそうにピリピリとする舌を、根本からべろりと粗雑に舐め上げられる。
    「おはようございます、五条さん」
     寝起きの掠れた声の、まったく表情を変えない七海を、悟は少しあきれて見上げる。
    「おはよー、七海。朝からすけべだねー」
    「寝込みを襲ってきたのは五条さんのほうですよ」
    「えー、人のせいにする? 僕のキスなんかかわいいもんだったじゃん」
     七海はそれに返答はせず、また悟の口に食いついてくる。
     悟は、はむはむと食われながら、七海の金色の髪を撫でる。よしよしと可愛がる。
     別段自分と同じような不安を七海が今胸中に抱えているとまでは思わない。けれど、寝起きからこんなにまで濃厚にキスをしてしまう七海のことは切ないなあと、撫でて慰める。何を考えているのかは知らないけれど、食って気が済むならいくらでも食っていいよと我が身を供す。
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    ju__mati

    DONE負傷して流血したけど諸々あってうまく反転術式を回せなかった五が七に見つかって…というお話。
    なこさんの『その後の話』(https://www.pixiv.net/artworks/92989745)という漫画に触発されて書いてしまいました…
    追記:なこさんがこのお話を受けてイラストを描いてくださいました!😭
    https://poipiku.com/2376993/5356322.html
    反転術式に頼りすぎるのは良くないよ、という、現在の主治医で元同級生の言葉を思い出した。ないと思って戦えよ、と。けれどあるものはあるし、これだって五条のスキルのひとつだ。戦闘でスキルをわざわざ封印する方が良くない、と思う。
    要するに、五条は怪我をしていた。油断をしたつもりもないが、領域を使う呪詛師との戦闘後で、一時的に術式が解けていた。ほぼ体術のみで複数の呪霊の跋除を終えた直後に、古典的なしかけにやられた。物陰に仕掛けられたボウガンが、とどめに集中していた五条の脇腹を抉ったのだ。
    掠めた程度だと思っていたが、戦闘を終えて確認した傷は思ったよりも深かった。矢を抜くと吹き出すほどの出血があったが、冷静に手のひらで抑える。毒の有無を見定め、内臓は傷ついていないことを確認する。反転術式を回そうとして、ふと、面倒臭いな、と思う。
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    4_haru100

    DONEシャ白さんとの共同企画🍽
    5話目!

    ⚠︎ストレスに狂った七海がストレス発散のために五条に料理を食べさせる話です
    ⚠︎付き合ってないしロマンスの兆しはすごく微かです
    ⚠︎なんでも許せる方向け
    ■とびうお / クークー普通の先輩後輩みたいな、七海がそういう感じで思ってくれてたら良いな、なんて、つい先日思ったばかりのことが頭をよぎる。確かに思った、思ったけれど、じゃあ今この息苦しさはなんだろう。

    「え?五条さん?」
    いつも通り、七海の部屋に玄関からちゃんと来た。いつも通りじゃなかったのは、ドアを開けたのが家主じゃあなかったってところだ。
    「猪野くん、じゃあまた今度……」
    部屋の奥から言いかけた家主が、あと気が付いた様子で顔を上げた。入り口で立つ五条と、玄関を開ける猪野と、廊下から二人を見る七海。一同少し固まって、そうして一番最初に口を開いたのは自分だった。
    「帰った方がいい?」
    「は?」
    「えっなんでですか!」
    この部屋で誰かと出くわすことを考えていなくて、動揺する。頭が上手く回らない。いや、そうだよな別に誰かがいたって、帰ることないよなとようやく脳細胞が動き出した頃、猪野がドアを開けたままなことに気が付く。
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