坂田をコネコネする高杉の話(高銀)体がモゾモゾする感覚に目が覚める。
夜はまだ深く、朝が来るまでにはまだ遠い時間だ。
違和感の正体はすぐにわかった。尻を撫でられている。
同じ布団で寝ている男にだ。
「なにしてんの?」
すぐそこにあった額にこつんと合わせて、その顔を覗き込む。翡翠の目が、じっと俺を見ている。
「したいの?」
俺はまだ眠くて、うとうとしながら問いかけてやると、男はーー高杉は無言のまま俺に唇を合わせてきた。薄い唇の先を擦り合わせてから、ちゅっちゅと啄むよう吸い付いてくる。
こそばゆくて声を漏らせば、高杉は不機嫌そうに口付けを深めてきた。にゅるりと口の中に入ってくるそれを、俺はいつも生きた蛇のようだと思う。もちろん、実際に口の中に蛇を入れたことなんてない。ただ、それは高杉の体の一部のようでいて、高杉とは違う意志を持った生き物のような不思議さを感じるのだ。
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