来栖明があけちごろうくんを育てる話①願ったのは、彼に『与える』時間。
代償は、与えた『俺』が消えること。
でも、『俺』は消えても俺は居る。彼の運命はこれから変えるが、俺の運命は変わらない。
──ならばいい。充分だ。
そう伝えると、青い少女は『分かりました』と、静かに目を閉じた。
〇 〇
おかあさんが死んだ。
おそうしきで、色んなおじさんやおばさんたちに『おまえのせいだ』って、いっぱい怒られて。
そんなおじさん達がいるいえにひきとられて。おかあさんが生きてたときはあんまりいい子でいられなかったから、いい子でいようとべんきょうしたり、おてつだいしたりして頑張ったけど、やっぱり怒られて。
その家に子達とも仲良くなれなくて、それで他の家に行けって言われて、そこでもがんばったけど、だめで。
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