窓から差し込む朝日に目が覚める。
天蓋がついているベッドではこのような光とは無縁なのだが生憎昨晩は仮眠しようと思ってソファーに横たわったら、そのまま朝を迎えてしまっていたらしい。
眩しさに目を細くしながら、クロードは身体を起こす。
「失礼します陛下。………あ、良かった。起きられましたか。おはようございます」
タイミングを見計らったかのように、フィリックスが静かにドアを開けて顔を覗かせた。
恐らく何度かこうして部屋を覗いたものの、まだ起きていない自分を見ては引き返していたのだろう。
「陛下、実は」
「…フィリックス、それは後で聞く。今は水を持ってこい」
「…え?で、ですが」
「どうせ緊急の要件ではないだろう。早く持ってこい」
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