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    onionion8

    @onionion8

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    DOODLE今さらまた一人先生の誕生日ネタにたぬきを添えた胡乱な話。富Kのつもりで書いてはいるけどCP要素はあんまりない。
     実家に戻った富永は、忙しいなかでの眠りのうちによく夢を見るようになった。それは今さら国試に落ちる夢ではなく、どこか異世界を旅するような夢でもない。何度も繰り返し見る夢は、懐かしい、T村で過ごした日々だった。吹雪と血。違法な医療行為と警察沙汰。はじまりは凄惨なものであったのに、気がつけば穏やかな暮らしがそこにあった。
     同居を許された診療所。同居人となったその主。起きている時にも時おり思い出しはするが、夢ではいっそう鮮やかに、あの頃のKが目の前に現れる。それは白衣姿であることも、マント姿のこともあるが、そのどちらでもなく、くつろいだ部屋着であることも多い。
     富永がKとともに過ごした八年間を振り返ると、やはり医者としての姿が浮かぶので、不思議といえば不思議だった。どうしてこうも、何でもない日の何者でもない彼を夢に見るのだろう。まだ預かった子も昔の執事も看護師だっていない頃、ふたりきりだった診療所。寝起きのKがぺたぺたと、スリッパを鳴らして歩く姿。あるいは風呂から上がって出てきたKが、濡れた髪をタオルで巻いている姿。
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    onionion8

    CAN’T MAKE今さらバレンタインのケイアキな話
     甘い予感というものが、アキレウスには分からない。ふんわり漂う甘いにおいを嗅ぎとることはできるものの、それは予感と呼ぶのはきっと違う。予感というのはそうした五感で確かに捉えられるものではなく、首筋がぞわぞわとする感覚だとか、踵がずくりと疼く感覚だとか、そんなものだとアキレウスは思っている。
     それは戦いの予感や死の予感、もっと大雑把に言ってしまえば嫌な予感を基準に考えているせいではあるが、それを指摘する者はいない。長く続くカルデアの廊下はしんとして、戦闘用にシミュレータを起動するまでの道のりにはアキレウスひとりが通るだけだった。
     何もない空間が指先ひとつで変化して、怪物が叫ぶ声がする。すぐさま槍を手にすれば、そこからは殺るか殺られるかだけに思考が研ぎ澄まされていく。蹴り上げる土、飛び散る血。すべては機械が生み出した幻想であると分かっていても、懐かしい戦場のにおいにアキレウスは昂ぶった。マスターがいない今魔力を馬鹿喰いする宝具を出すことは出来ないが、それでも身体ひとつで敵を蹂躙するのが英雄だ。かつてトロイアの兵を恐れさせ、今なおその名を語り継がれる戦士としての血が騒ぐ。
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