頬を撫でる▽頬を撫でる王様の話(マロお題)
▽ぐだキャスギル
夢も見ない眠りから浮上して、薄目を開け室内が暗いことを視認する。それだけで時間が解るわけではなかったが、少なくとも隣で寝ているはずの者が先に起きてどうこう……ということはなさそうだ。時間を確認するための物を探そうと身を起こしかけ、腰をがっちりホールドする腕に気づいた。見れば腕の主は隣でまだすやすやと眠っている。意識がない割にギルガメッシュが起きかけた程度では組まれた指が外れる気配はない。いつもながら器用な奴め、と苦笑で済ませて再び寝台へ身体を横たえる。立香が目覚めていないということはまだいつもの時間ではないのだろう。アラームより先に目が覚めてしまったらしい。
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