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    とらのめ

    版権二次創作/ハルスグ相手左右完全固定
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    とらのめ

    DONEハルスグ短編

    ハルト君とスグリ君の傷のお話。お話の前半はDLC番外編後の時間軸、後半は成長後設定です。
    名無しの一般トレーナーがちょこっと登場します。
    リジェネレイト、アンダーレイン その日、ハルトが買い物のために立ち寄ったマリナードタウンの市場で、たまたま目と目が合うなり突然ポケモンバトルを挑んできたのは、ほかの地方からパルデアへ来たという、旅行者の少女だった。
     バトルの腕には自信があるのだと言っていた通り、少女はハルトがまだ見たことのない、相当に鍛え上げられたポケモンたちを次々と繰り出してきた。油断すれば、流れを持っていかれる。ハルトは互いのポケモンたちの動きを注視しながら、市場内のバトルコートで、暫くぶりにひりつくような緊張感を味わった。
     カミツオロチが相手の攻撃を耐えきってくれて生まれた隙に、すかさず反撃を叩き込んで、なんとか勝利をおさめることができた。相手のポケモンたちの強さと、彼らをそこまで鍛えた少女の実力を称えようと、ハルトが少女のほうへ駆け寄っていったとき。少女が、下を向いた。握り締めたモンスターボールを見つめる大きな瞳に、涙が滲んでいる。その姿に、過去の、ここではない場所の記憶が重なって見えた。ずきりと胸が痛んで、ハルトの足が止まる。
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    とらのめ

    DONE成長後設定ハルスグSS

    前作『treasures』からまたまた話が繋がっています。
    ハルト君がひたすらノロケる話(聞き役:オモダカさん)。
    だって愛しくってしょうがない スグリと結婚式を挙げたあと、もう家族なんだしいいよねと思って、ゼイユがよく呼んでるみたいにスグリのことを『スグ』って呼んでみた。
     ずっと前からやりたかったことではあったんだけど、そのときは不意打ちで言ったから、効果は抜群だったみたいだ。びっくりして目を白黒させてたスグリは照れて頬っぺたを赤くしながら、「その呼びかた、ハルトが言うとなんかこそばゆいな」って、にへへって笑ってくれた。僕はスグリのそういう顔がすごく好きで、それから隙を見つけては、スグって呼ぶようにしてる。
     スグリが幸せそうな顔をしてくれると、僕もうれしい。スグリはちょっと恥ずかしがり屋なところもあるけど、子供のころから自分の感情をとっても豊かに表現してくれるひとで、ころころと変わるその表情のなかでも、やっぱり、あんな風に喜んだときの、うれしそうにふにゃっと笑う顔が僕は一番好き。毎日ああいう顔をしていてほしいから、スグリが喜ぶことを、これからもたくさんしてあげたい。
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    DONE前作『想いは伝えてこそ』から地続きになっている続編です。ハルト君の交換留学期間が終わる直前→終わったあとのお話。前半はスグリ視点、後半はハルト視点。

    雰囲気バトル第二弾。捏造設定およびハルト君への独自解釈が強めに含まれています。
    ハルト君の手持ちはパッチ使用済で、宝食堂の特別メニューも食べているという設定です。
    太陽の裏側「マスカーニャ、行くよ!」

     バトルコートのあちこちに散乱した水飴の位置をハルトがナビゲートして、マスカーニャは水飴に足をとられることなく、華麗に踊るようにそれらをかわして接近してくる。
     カミツオロチが総勢で放つ本気のレーザーも、ギリギリまで引きつけてから頭上へ高くジャンプすることで回避された。
     雲一つない青空へ舞い上がるマスカーニャは、ちょうど中天にある真昼の太陽を背にしていて、見上げた瞳の底まで[[rb:灼 > や]]くような光に、スグリは両目を細める。けれども今日は、闘志が挫ける気がしなかった。
     ハルトがこの学園に来た日と逆で、今ではハルトがブルベリーグチャンピオンの座にいて、スグリのほうが挑戦者の立場だ。身の回りが落ち着いたらもう一度挑みに行くからなと、かつてハルトと約束をした、今日がその日。
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    とらのめ

    DONE番外編後、プチ遠距離恋愛中のハルスグ。スグリ視点。ハルト君は今回出てきません。
    暖かくなる前に出さねばと思ったお正月ネタ。
     つけっぱなしの居間のテレビで、正月番組の合間に天気予報が始まった。ここんとこずっと降ってた雪は今朝には降り止んで、明日の予報は快晴。
     よかった。ほっとして、それから、楽しみだーって気持ちがどんどん湧いてきて、こたつの反対側に入ってるねーちゃんにバレないようにこっそり、足の先っぽのほうだけ揺らしてみる。
     半月くらい前に長い冬休みが始まって、俺はねーちゃんと一緒に、ブルーベリー学園からこのスイリョクタウンに帰省してきた。
     実家に着いて何日か経ったあと、俺たちと同じようにパルデアの実家に帰ってるハルトから、手紙が一通、届いた。ちょっと丸っこくてめんこい形の手書きの文字で、うちの住所と、宛名のところに俺の名前が書かれてて。ハルトってこんな字書くんだなあってなんだか新鮮な気分になりながら、できるだけきれいに封を開けてみたら、中に入ってた便箋いっぱいに、さっきのハルトの字がびっしり並んで書いてあった。丁寧な挨拶から始まって、俺やねーちゃんたちが元気でいるか、風邪ひいたりしてないか心配してくれて、ハルトがパルデアでどんな冬休みを過ごしてるのか、細かく書いてあって。『年が明けたら、スイリョクタウンに遊びに行ってもいいですか? あけましておめでとうって、スグリに会って直接言いたいです』……なんてことも、書いてあった。
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