人の気も知らないで壊したかった。
今までの関係を。
「好きです」
もう、その関係に満足は出来なかった。
溢れ出す感情を口に出した。
もう腹の中は焦がれて焼き爛れて、外に出す事以外、思いつかなかった。
「俺もだよ!愛弟子、」
そうじゃない。
私が欲しいのは、それじゃない。
「そうじゃなくて!私は、異性として…」
見つめた瞳は確かに同じ熱があるのに。
「……すまない」
彼の口から出たのは、全く違う言葉だった。
「キミの、その想いに応える事は出来ない」
「キミの事は妹のように思ってるよ」
「恋情は…ないんだよ」
まるで自分に言い聞かせるように紡がれる言葉の羅列に、腹が立って仕方がなかった。
「愛弟子?居るか、ぃ!?」
「何ですか?」
「ま、愛弟子!!?」
ポタリポタリ、と髪から滴が垂れる。
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