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    aki

    DONEカドぐだ♀双六アンソロに寄稿しようと思って書いた作品で、以前SNSに投稿した作品のぐだちゃん視点リメイク加筆修正版です。
    やっぱりアンソロには一から書き下ろそう!と新たに別作品を書いたためこちらは展示に回すことにしました。
    たとえこれが夢だとしても! 透き通るような白い肌がしっとりと汗ばみ、火照っているのかほんのり赤く染まっている。
     意識が朦朧として倒れそうになったところをその汗ばんだ腕に抱き止められた。肌の温度を直に感じる距離で、虚ろに視線を寄越した先には細身だが筋肉質で引き締まった腹と二つの黒子が見える。

     カドック、こんなところに黒子があったんだ——。


     そんな、夢を見た。


     いや夢にしてはあまりにも生々しすぎる。黒子の位置なんて妄想だとしてもマニアックすぎるし、汗ばんだ肌が触れた感覚も支えてくれた腕の温かさも何故だかありありと思い出せるのだ。
     それに、夢の記憶はそれだけではない。カドックの運転する車の助手席に乗ってドライブをしていたこともうっすらと覚えている。珍しくサングラスをかけていて、横顔がかっこいいなぁと思って眺めていた。だが別にデートというわけではなく、後部座席には新所長と、なぜかオベロンも同行していたような気がする。でもみんなでドライブをしているのにあまり楽しい雰囲気ではなくて、何か切羽詰まった状況にあったような、そんな気がするのだ。夢なので明確に何に切羽詰まっていたのかは分からないのだが。
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    unknown_thunfan

    DONE★注意★
    萬軍破中心の殤不患との友情+睦天命の小説
    「虎嘯風生」後日談ネタバレあり
    「月の都」から別の話の「砂漠の花」へ一部の設定が続きますが、別々でも読むことができます。
    雷鳴に続け2025で無償配布しました。
    ★あらすじ★
    ◎月の都
     西部総督の告発の証拠を受け取った萬軍破は、逆に濡れ衣を着せられて追われてしまう。逃げる萬軍破を殤不患と睦天命が助けて、告発のために一緒に関所まで旅をする。
    月の都「魔剣を作る呪法に心あたりはあるか?」
     萬軍破の発した問いかけに、殤不患と睦天命は驚いた。
    「そんなもん、しらねぇな」
     殤不患の言葉に、睦天命も首を振る。
     崩れかけた廃墟で夜の焚き火を睨みながら、萬軍破は言葉を続けた。
    「俺が西部総督について調査を行ったところ、西部総督は不正を行い私腹を肥やしていたが、それ以外にも魔剣の情報を集めて、あまつさえ神誨魔械も手に入れようと画策していた。
     そして、魔剣を作る呪法にも関わっていた」
    「俺がいうのもなんだが、西幽じゃ魔剣は厳しく管理されてるはずだろ?
     西部での皇帝の代理人の総督が隠れて禁断の魔剣集めか?
     こりゃ、驚きだな。あんな迷惑な代物、集めて喜ぶ奴の気がしれねぇが」
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    unknown_thunfan

    DONE★注意★
    萬軍破中心の殤不患との友情+睦天命
    「虎嘯風生」後日談ネタバレあり「流刀縁起」ネタもあり。
    神や呪術の禁忌に関する内容もあります。萬軍破と殤不患のブロマンス、萬軍破が女性にモテる表現あり。
    「月の都」の一部の設定の続きがあります。
    ★あらすじ★
    ◎砂漠の花
     西武総督の告発を終えた萬軍破が、夷狄の村の殤不患と睦天命の元を訪れる。三人は再開を喜び共に休暇を過ごす。
    砂漠の花 殤不患と睦天命は天幕の入り口に見慣れた顔を認めて、喜びで顔を輝かせた。
    「あら、萬将軍」
    入り口の萬軍破に気がついて睦天命が、嬉しそうな声をあげた。
    「おっ、閣下、お出ましで。
     こんな所まで共の者も連れずに、今日はどんな御用で?」
    殤不患が入り口で萬軍破を出迎えて、砕けた様子で軽口を叩いた。
    「ふふ、軍破でよいと言ったではないか。
     不患、今日は将軍ではなく、萬軍破として非公式の訪問だ」
    「では遠慮せずに、軍破って呼ばせてもらうぜ」
    萬軍破を部屋の中に招いて、殤不患は嬉しそうに向かい合って座り、睦天命も隣に座る。
    「で、どうだった?」
     こう聞かれて、話題は一つだろう。
     以前、三人は西部総督の不正を告発するために一緒に西幽で短い旅をして戦った仲だ。
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    nozomiya_zuka

    DONEfrmmハルプル 🍎🍀です。



    ムュきっかけの新規ですが、原作ep5まで履修済です。これはハルプルだ!!と強く確信したのですが、なかなかに少なく……🥲
    告白し結ばれる甘酸っぱい2人が見たかったので、自家発電しました。私が見たいものを詰め込みました。新規ゆえ、色々間違っていたらごめんなさい。
    (加筆修正する可能性あります)(また、準備が整い次第、支部にも掲載予定です)
    ずっと、伝えたかった夕暮れの庭園は、あちこちに咲いた色んな花の甘い香りに包まれている。ついさっきここで見かけたって、メロルドが教えてくれた。
    あ、いた!
    「プ、プルース!」
    「どうしたのハルリット、そんな深刻そうな顔して。」
    「あの、さ……、えと、その……」
    だめだ、今日こそって思ってたのに、この気持ちを何て伝えようか色々考えてきてたのに……。
    「うん、どうしたの?ゆっくりで良いよ。待ってるから」
    「……っ、うん、うん、ありがとう。」
    胸に手を当て、大きくひとつ深呼吸。
    身体の空気が入れ替わって、スッキリした感じがする。首を傾げながら、オレのことを真っ直ぐ見てくれるプルースの顔、今日ようやくまともに見たかもしれない。
    そうだ、オレはプルースのこういう所が好きなんだ。オレのことを、ちゃんと見てくれてる。
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    オールトの沈没船

    DONE文三木
    『それは、きっと。』

    先輩後輩以上、恋人未満。
    優しい文次郎と、満更でもない三木ヱ門のお話。

    rkrn43巻・予算会議〜の段を読んで見えた幻覚。
    それは、きっと。
    あと、少し。
    文三木『それは、きっと。』 それは、きっと。
     
     新学期を迎えた忍術学園における特大イベントのひとつである予算会議が始まる、数日前の事だった。
     かくかくしかじかで夏休みが消し飛んだ私たち四年生が、各々のやるべきことを終えて、ヒマを潰していた頃。夏の終わりとはいえ、茹るような暑さに汗を流す日々。
     夏休みを減らされた二年生から順に学園へと戻り始めて、しばらくの間静かだった長屋が賑やかな声に包まれていく、そんな時のこと。

     私はその瞬間、ぼうっとしていた。
     四年生の長屋の傍で、四年い組の綾部喜八郎が我武者羅に穴を掘りまくる音。同じく四年い組の平滝夜叉丸が喧しい舞を繰り広げる音。それから、そんなふたりを見守るかのように縁側へ腰かけた、四年は組の斎藤タカ丸さんが縁側で茶を啜る音。そんな音が幾多にも重なり合って耳へ届くものだから、何だか悔しいけれど、存外心地よくって。諸事情で睡眠時間を削っていた私の眠気を誘うには十分だったのだ。
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