へし
mona5770
DONE(燭へし)ワンライ2022.4.11「なれそめ」リーマンバチバチやりあい系の燭へし
(燭へし)君のひとみに……「長谷部くん!いる?」
静かな管理本部に響く声に「長谷部、ご使命だぞ」「またですか。飽きませんねえ」と長谷部の周りからクスクスと笑いとヤジが飛ぶ。
「飽きるもなにもないだろう。あいつがちゃんとすればすむことだ」
「ねえ!また伝票差し戻されたんだけど!」
「何回同じことを言わせるんだ。これは経費の範疇じゃない」
「それは君が決めることじゃないよね!上司の許可もおりてるんだけど」
「結果が出ていない」
「はあ?それこそどうして君が決めるの?」
欠員がでた本社第一営業部に年明けとともに転勤してきたのは、地方支社にいながらも本社で知らないものがいないというトップセールスマンの長船光忠だった。
入社1年目からセールスランキングに名を連ねた光忠は、数年で全国で五本の指に入るほどの営業担当に成長した。
2614静かな管理本部に響く声に「長谷部、ご使命だぞ」「またですか。飽きませんねえ」と長谷部の周りからクスクスと笑いとヤジが飛ぶ。
「飽きるもなにもないだろう。あいつがちゃんとすればすむことだ」
「ねえ!また伝票差し戻されたんだけど!」
「何回同じことを言わせるんだ。これは経費の範疇じゃない」
「それは君が決めることじゃないよね!上司の許可もおりてるんだけど」
「結果が出ていない」
「はあ?それこそどうして君が決めるの?」
欠員がでた本社第一営業部に年明けとともに転勤してきたのは、地方支社にいながらも本社で知らないものがいないというトップセールスマンの長船光忠だった。
入社1年目からセールスランキングに名を連ねた光忠は、数年で全国で五本の指に入るほどの営業担当に成長した。
mona5770
DONE(燭へし)燭へしワンドロワンライ2022.3.11「春」春に出会った燭へしのはなし。
(燭へし)まだ肌寒い春の日に「ただいま」
外の空気を纏った長谷部の身体からはわずかに春の香りがした。
「春の匂いがする」
「そうだな。まだ桜には早いようだが、すっかり春めいていたぞ」
このコートだともう暑いくらいだな、そう言いながら長谷部が脱いだ黒いウールのコートを受け取ると光忠はしばし外の空気を味わった。
「外に、出たいか?」
さりげなく口にしたつもりだったけれど、声が微かに震えたのを隠すように長谷部は咳払いをした。
「全然。あ、でもそうだね久々に桜は見たいかな」
「散歩にでも行ってくるか?」
「いいの?」
「別に出るなとは言ってないだろう。もう鍵も閉めていない」
ちらとリビングから廊下に続く扉に目をやる長谷部に、そうだったねと光忠は頷いた。
3197外の空気を纏った長谷部の身体からはわずかに春の香りがした。
「春の匂いがする」
「そうだな。まだ桜には早いようだが、すっかり春めいていたぞ」
このコートだともう暑いくらいだな、そう言いながら長谷部が脱いだ黒いウールのコートを受け取ると光忠はしばし外の空気を味わった。
「外に、出たいか?」
さりげなく口にしたつもりだったけれど、声が微かに震えたのを隠すように長谷部は咳払いをした。
「全然。あ、でもそうだね久々に桜は見たいかな」
「散歩にでも行ってくるか?」
「いいの?」
「別に出るなとは言ってないだろう。もう鍵も閉めていない」
ちらとリビングから廊下に続く扉に目をやる長谷部に、そうだったねと光忠は頷いた。
mona5770
DONE(燭へし)燭へしワンドロワンライ20220211テーマ「ゲーム」
無双をふたりでやるリーマン燭へしのはなし。
直前にみた配信にやられたので「こんのすけー」と連呼する長谷部くんがいます。
(燭へし)手合わせを一本長谷部くんは負けず嫌いだ。
初めて出会ったのは高校の受験会場。
落とした学生証を拾いながら「内部進学しないのか」って聞いてきたときにはじめて声を聴いた。
「なんかちょっと違ったんだよね」
「おとなしく内部進学してくれたら一人ライバルが減るんだけどな」
にやりと笑う顔にどきんとしたと言ったらきっと長谷部くんは「趣味が悪いな」と言うだろう。
再会したのは合格発表の会場。
ネットで結果なんてわかるのにわざわざ会場に足を運ぶのは、合格と確信してその場で手続きを済ませようと考える人間だけだ。
「なんだ受かったのか」
「君こそ」
そういいながら並んで事務室に足を運び、そのまま手続きをした。
「春からよろしくね」
「ふん」
運命だと思っているのは僕だけだと思うけれど、運命のように同じクラスになり三年間あたりまえのように隣にいた。
2995初めて出会ったのは高校の受験会場。
落とした学生証を拾いながら「内部進学しないのか」って聞いてきたときにはじめて声を聴いた。
「なんかちょっと違ったんだよね」
「おとなしく内部進学してくれたら一人ライバルが減るんだけどな」
にやりと笑う顔にどきんとしたと言ったらきっと長谷部くんは「趣味が悪いな」と言うだろう。
再会したのは合格発表の会場。
ネットで結果なんてわかるのにわざわざ会場に足を運ぶのは、合格と確信してその場で手続きを済ませようと考える人間だけだ。
「なんだ受かったのか」
「君こそ」
そういいながら並んで事務室に足を運び、そのまま手続きをした。
「春からよろしくね」
「ふん」
運命だと思っているのは僕だけだと思うけれど、運命のように同じクラスになり三年間あたりまえのように隣にいた。
tubaki2891
CAN’T MAKEにほへし小説家パロ。プロットがっつり出来てるのに書けないまま早半年……夏にぴったりのハッピーラブコメになる予定だったものまずはウサギを捕まえろ チープだ。あまりにもお粗末。
週末に浮かれた者どもで賑わう居酒屋のテーブルで、思いも寄らない相手から告白され、今なんて? と耳を疑う。そんな始まりの小説なんて誰が読むか。
「今なんて?」
だが、現実は、小説のように格好がつくことばかりではない。
その日、デビュー時からの担当である長谷部国重が持ち込んだ企画は、上から目線でも何でもなく、自分にはそぐわないと思った。
小説家日ノ本号の代表作は、時代物の推理小説だ。トリック自体はそう複雑ではなく、周囲の人間模様に重きを置いているのでミステリーというより人情ものと言った方が正しいかもしれない。寡黙な庭師が好奇心旺盛な雇い主のせいで面倒ごとに巻き込まれていく。正反対な二人の関係性と軽妙なやりとりが読者に受けたらしく、あれよあれよという間にシリーズ化した。
3942週末に浮かれた者どもで賑わう居酒屋のテーブルで、思いも寄らない相手から告白され、今なんて? と耳を疑う。そんな始まりの小説なんて誰が読むか。
「今なんて?」
だが、現実は、小説のように格好がつくことばかりではない。
その日、デビュー時からの担当である長谷部国重が持ち込んだ企画は、上から目線でも何でもなく、自分にはそぐわないと思った。
小説家日ノ本号の代表作は、時代物の推理小説だ。トリック自体はそう複雑ではなく、周囲の人間模様に重きを置いているのでミステリーというより人情ものと言った方が正しいかもしれない。寡黙な庭師が好奇心旺盛な雇い主のせいで面倒ごとに巻き込まれていく。正反対な二人の関係性と軽妙なやりとりが読者に受けたらしく、あれよあれよという間にシリーズ化した。
waremokou_2
DOODLE吉川のエプロンについての返歌です。その節は大変美味しいスイーツコンビをありがとうございました。
今日改めて8回読み返し、ゲヘゲヘしています。
美味しい小説をありがとうございました。
※これはスイーツ組のファンフィクションです。
青空の夢を みんなが各々騒ぐ声を聞きながらする皿洗いは家事の中でも好きなものの一つだった。とはいっても、特に嫌いな家事があるわけでもなく――確かに、排水溝のゴミを捨てるのはいい気持ちではないし、虫の駆除は無理だけど――そんな風に思えるのはひとえに、みんなが分担してくれているからだ、というのが大きいだろう。今日は深津が夕飯作りを担当してくれて、俺が皿洗い。彼の料理は山内さん仕込みだと聞いているから、毎食丁寧で感動する。本人が〝そんなことない〟と謙虚なのもまた好ましいのだから、彼にファンが多いのも頷ける。さらには料理中片付けまでしてしまうのだから、こちらとしては彼の後皿洗いをするのは楽でいい。もっと散らかしていい、というのだが、癖だから、気になるから、と料理の片手間にさっさとキッチンまで整えてしまう。俺はと言えば、そのあとみんなで食べた残りの食器を呑気に洗うだけ。そりゃ、家事が嫌いじゃないなんてのうのうと言えるだろうな、と改めて自分の呑気さに呆れた。残りはグラスを濯いでしまえば終わり、という頃になっておおい、とリビングから呼ぶ声がする。
6097mona5770
DOODLE(燭へし)バレンタインポストにつけていた小話(再編・加筆)リーマン光忠×長谷部主任
まだ両片思いのふたりwith早く付き合え!なモブ。
(燭へし)しかたないオトナたちそれはバレンタインの朝、始業間際の出来事だった。
以前からチョコを受け取らないと公言しているにも関わらず、ここ営業一課の長船さんの席には色とりどりの包みを手にした女性が押しかけてきていた。
「ごめんね。誰のも受け取らないって決めてるんだ」
「みなさんに一律配っているものですから」
いやいやそれ絶対違うよね。
そのチョコレート、初日に完売してたやつじゃん。
毎年のことながらバレンタイン特設会場がそのまま移動してきたかのような、今年のイチオシとカタログに書かれていたもの総動員って感じ。
受け取らないって言ってるのにねえとPCを立ち上げながら、その押し問答をぼんやりと見ていると背後から一人の男が姿を現した。
「長船、ちょっといいか」
2331以前からチョコを受け取らないと公言しているにも関わらず、ここ営業一課の長船さんの席には色とりどりの包みを手にした女性が押しかけてきていた。
「ごめんね。誰のも受け取らないって決めてるんだ」
「みなさんに一律配っているものですから」
いやいやそれ絶対違うよね。
そのチョコレート、初日に完売してたやつじゃん。
毎年のことながらバレンタイン特設会場がそのまま移動してきたかのような、今年のイチオシとカタログに書かれていたもの総動員って感じ。
受け取らないって言ってるのにねえとPCを立ち上げながら、その押し問答をぼんやりと見ていると背後から一人の男が姿を現した。
「長船、ちょっといいか」
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DOODLE図録を頂いてしまった…!!!めちゃくちゃありがたい…!!!ずーっと買わなきゃ買わなきゃ言ってたのに、実行に移さないでいたら、相互さんから頂いてしまった…!!!本当に図録めっちゃ凄い…。あと思った以上に大きくて慄いた(笑)あとペン設定カスタムしてみたらいい感じになった気がする…
gifも追加 2
_o__k__b
DONEベくんが号くんをよしよしするタイプのにほへし の小話。目をあければ如月新年を迎えたばかりと思っていたら、日常とは忙しなく過ぎるもので、居室の卓上に置かれたカレンダーを確認した長谷部は、日記に1月31日と書きつけた。
就寝前の習慣として、文机の前に座る長谷部の後ろでは、日本号が押入れを開けて布団を取り出している最中だ。睦月も終わりに差し掛かった、ここ数日の冷え込みは特に厳しく、空調がきいている本丸の中ですら、廊下に出ると、服に染み込んでくるような、冷たい空気に満ちている。だが、寒さというものは、長谷部にとっては、そこまでしのぎにくいものではない。冬の間、寒さを都合よく和らげてくれる槍は、毛布を足す事にしたようで、天袋を覗き込んでいる。
長谷部がこの旧知の槍と、情を交わす間柄になり、生活を共にするようになったのは、今から季節を三巡ほど遡った、秋の深まった頃だった。暮らし始めた当初、二口とも鍛えられた成人男性の器である事や、着く任務の違いによる生活時間のずれを考慮し、布団は二組敷いていたが、睦月を半ばも過ぎた頃から、朝起きると、日本号が長谷部の布団に潜り込んでいるようになった。
2120就寝前の習慣として、文机の前に座る長谷部の後ろでは、日本号が押入れを開けて布団を取り出している最中だ。睦月も終わりに差し掛かった、ここ数日の冷え込みは特に厳しく、空調がきいている本丸の中ですら、廊下に出ると、服に染み込んでくるような、冷たい空気に満ちている。だが、寒さというものは、長谷部にとっては、そこまでしのぎにくいものではない。冬の間、寒さを都合よく和らげてくれる槍は、毛布を足す事にしたようで、天袋を覗き込んでいる。
長谷部がこの旧知の槍と、情を交わす間柄になり、生活を共にするようになったのは、今から季節を三巡ほど遡った、秋の深まった頃だった。暮らし始めた当初、二口とも鍛えられた成人男性の器である事や、着く任務の違いによる生活時間のずれを考慮し、布団は二組敷いていたが、睦月を半ばも過ぎた頃から、朝起きると、日本号が長谷部の布団に潜り込んでいるようになった。
tondagosan
INFO※成長黑限三輪さん(@lxh_miwa)に黑限男産卵(https://fusetter.com/tw/8qMDB13x)のイメージ画もらった〜〜❤️🔥❤️🔥❤️🔥❤️🔥❤️🔥
ちゅーであやしてあげるのかわいいね…やさしいね!!!💚💙💖
ウケサンの不安げなお顔……チュッ
あと横揺れへしょたゃんがツボです(^-^)LOVE 2
いなばリチウム
DONE肥南と主へしとむつんば要素を含みます(混ぜすぎ)タイトル通りひぜなんにちょっかい出すというか巻き込まれた主へしとむつんばの話。
肥南にちょっかい出す主へしの話「肥前くん、主が呼んでいたよ」
振り返る。肥前はいつだって南海の顔を真っ直ぐに見るのに、ここのところ、そうするとほんの少しだが目を逸らされることが増えた気がした。なんだよ、と思う。思うだけだ。
「おれを? なんだって?」
「さあ。部屋に来て欲しいと言っていたから、直接聞いてみてはどうかな」
「……分かったよ」
つまみ食いに忍び込んだ厨を追い出され、時間を持て余していたところだった。ちょうどいいか、とそのまま審神者の部屋へ向かう。肥前がこの本丸に来たのは特命調査の折であった。その時点でも刀の数は多かったが、今や百に届く程の刀剣男士が生活している本丸だ。近侍を務める刀は数振りで、ひとりひとりと話す時間が取れないことを憂いた審神者はこうして時々自室に刀剣男士を呼び出すのだ。不満はないかとか、最近どうだとか、肥前にとってはどうでもいい話ばかりではあったが、何度か呼び出しを無視すると機動の早い近侍が文字通り首根っこを捕まえに来る上に最近では部屋に行くと茶菓子やちょっとしたつまみをふるまわれる。食べ物で釣られている自覚はあったが、適当に話をしていれば損はないのだ。久方ぶりに大人しく呼ばれてやるか、という気持ちだった。
7942振り返る。肥前はいつだって南海の顔を真っ直ぐに見るのに、ここのところ、そうするとほんの少しだが目を逸らされることが増えた気がした。なんだよ、と思う。思うだけだ。
「おれを? なんだって?」
「さあ。部屋に来て欲しいと言っていたから、直接聞いてみてはどうかな」
「……分かったよ」
つまみ食いに忍び込んだ厨を追い出され、時間を持て余していたところだった。ちょうどいいか、とそのまま審神者の部屋へ向かう。肥前がこの本丸に来たのは特命調査の折であった。その時点でも刀の数は多かったが、今や百に届く程の刀剣男士が生活している本丸だ。近侍を務める刀は数振りで、ひとりひとりと話す時間が取れないことを憂いた審神者はこうして時々自室に刀剣男士を呼び出すのだ。不満はないかとか、最近どうだとか、肥前にとってはどうでもいい話ばかりではあったが、何度か呼び出しを無視すると機動の早い近侍が文字通り首根っこを捕まえに来る上に最近では部屋に行くと茶菓子やちょっとしたつまみをふるまわれる。食べ物で釣られている自覚はあったが、適当に話をしていれば損はないのだ。久方ぶりに大人しく呼ばれてやるか、という気持ちだった。
ritan_nerd8__
MEMO☃️バトロワパロのめめ、と武器。にっかり青江。
本当はへし切り長谷部とか堀川国広とかも迷ったけど、逸話的ににっかり青江にしました。
打刀にしなかったのは少しでも機動力を上げるため。脇差なら多少は機動力上がるからね。
まぁ言うてにっかり青江は大脇差だから大きいんだけども。
いなばリチウム
MOURNING六年近く前(メモを見る限りだと2016年4月)に利き主へし小説企画で「初夜」をテーマに書いた話です。他にもいくつか初夜ネタを書いてたのでまとめてpixivに載せるつもりだったんですけど全然書ききれないので一旦ここに載せておきます!当時いつも書いてた主へしの作風とすこし雰囲気変えたので楽しかったし、性癖の一つでもあったので今読んでも好きな話です。
CPではない二人の話です。長谷部が可哀想かも。
夜な夜な(主へし R18) その日は朝から体がだるかった。
目を覚ますと、頭は内側から叩かれているように錯覚するぐらい痛み、窓から差し込む朝日や鳥の囀りがひどく耳障りで、長谷部はそう感じてしまう思考と体の不調にただただ戸惑った。しかし、昨日はいつも通り出陣したはずだったし、今日もそれは変わりない。死ななければどうということはないが、あまりひどければ出陣に、ひいては主の戦績に支障が出る。長引くようであれば手入れ部屋へ入ることも検討しなければ、と考える。
着替えてからだるい体を引きずって部屋を出ると、「長谷部、」と今まさに長谷部の部屋の戸に手を掛けようとしたらしく、手を中途半端に宙に浮かせて困ったように佇んでいる審神者がいた。無意識に背筋が伸びる。
6533目を覚ますと、頭は内側から叩かれているように錯覚するぐらい痛み、窓から差し込む朝日や鳥の囀りがひどく耳障りで、長谷部はそう感じてしまう思考と体の不調にただただ戸惑った。しかし、昨日はいつも通り出陣したはずだったし、今日もそれは変わりない。死ななければどうということはないが、あまりひどければ出陣に、ひいては主の戦績に支障が出る。長引くようであれば手入れ部屋へ入ることも検討しなければ、と考える。
着替えてからだるい体を引きずって部屋を出ると、「長谷部、」と今まさに長谷部の部屋の戸に手を掛けようとしたらしく、手を中途半端に宙に浮かせて困ったように佇んでいる審神者がいた。無意識に背筋が伸びる。