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    カジノ

    オルト

    TRAINING625文字
    ガリカジのタイカケ
    「ねぇね、タイガきゅんなんか機嫌悪くない?」
    「別に、悪くねぇよ」
    「そー?」
     ソファに座る俺の膝に頭を乗せて横になるタイガは、先程から眉間にしわを寄せて、ふぅーっと溜息を吐いている。その度、前髪が揺れて、可愛いおでこが見える。機嫌の悪さを否定してはいるけど、明らかに不機嫌だ。いつもタイガの傍にいるから、わかっちゃうもんね。
    「よしよ~し」
     頭を撫でてやると、タイガは少しムッとしたものの「嬉しい!」というオーラを出した。こういう時、タイガからはふわふわした魔力が溢れ出す。おれはこっそりソレを吸い取って、自分の中に貯めている。
    「なぁ、カケル……」
    「ん?」
    「俺、おめぇが努力家でホントにすげぇと思ってるし、自慢の寮長だと思ってる。それに、お、俺が……カケルの、一番で……腰巾着じゃなくって、俺、カケルの……っ」
    「うん。タイガきゅんが思ってくれてること、ちゃんとわかってるよ」
    「……ん」
     自分の気持ちを言葉にするのがあまり上手じゃないタイガだけど、時々こうして一生懸命伝えようとしてくれる。
     そして、タイガの不機嫌な理由が何となく想像がついた。
    「おれっち、タイガきゅんがそう思って 649

    ぱんつ二次元

    DONEED後時空でカジノでルーレットするモクマさんのモクチェズ。モブ視点です。 軽やかなピアノの音色に合わせて澄んだ歌声がホールに響く。カジノのBGMにしておくには勿体ない美しい声が、けれどきっと何処よりこの場に似合う挑発的な歌詞を歌い上げる。選曲はピアニスト任せらしいのでこれは彼女の趣味だろう。
     鼻歌に口ずさむには憚られるようなその歌が、どれほどこの場の人間に響いているかは分からないけれど。
     ルーレット台の前には、今日も無数のギャラリーがひしめいていた。ある人は、人生全てを賭けたみたいな必死の面持ちで、ある人は冷やかし半分の好奇の視線で、いずれもチップを握って回る円盤を見つめている。
     片手で回転を操りながら、もう一方の手で、乳白色のピンボールを弾く。うっとりするほどなめらかな軌道が、ホイールの中へとすとんと落ちる。かつん、と、硬質な音が始まりを告げる。赤と黒の溶けた回転のうちがわ、ピンに弾かれ跳ねまわるボールの軌道を少しでも読もうと、ギャラリーの視線がひりつくような熱を帯びる。
     もっとも、どれだけ間近に見たところでどのポケットが選ばれるかなんて分かるはずもないのだけれど。
     ルーレットは理不尽な勝負だ。
     ポーカーやバカラと違って、駆け引きの余地が極端 9552

    オルト

    TRAINING1244文字
    ガリカジのタイカケ
    付き合ってるかもしれないし、両片想いかもしれない
    「タイガきゅ~ん……お部屋戻っていいよ?」
    「だめ。今夜は俺がここで見張ってる」
    「う~ん……」
     虎の尻尾と耳を出したタイガが、カケルの部屋の前で仁王立ちをしている。もうすぐ日付が変わる。寮の消灯時間はとっくに過ぎていて、廊下は薄暗くしんとしている。カケルはもう一度小声で言った。
    「僕は大丈夫だから、もうお部屋に帰って寝なさい」
    「やだ」
     先程より真剣な声を上げる。寮長の威厳を……と思い意識していつもより低く落ち着いた声を出したが、タイガには効果が無いようだ。タイガは眉間にシワを寄せて、廊下の両端を交互に睨む。カケルはそんなタイガの様子を見て小さく溜息を吐いた。
     なぜタイガがこうしているのかというと、それは今日の昼までさかのぼる。
     昼休み、少し授業が延びてしまいタイガはカケルの元に行くのが遅くなった。タイガはいつも、時間が開けばカケルの所に飛んでいく。いつの頃からか、少しでもカケルの傍に居たいと言い、どれだけ短い時間でも、カケルの所に通うようになっていた。それがたまたま遅れた今日、この時を待っていましたと言わんばかりに他の寮生たちがカケルを取り囲んで猛アタックをした。普段、タイ 1281