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    ハハッ

    狭山くん

    TRAINING2022-08-23/高校時代に空閑とハーレーで走った道を1人で走る汐見♂の話。今週末にはハッピーハッピーです(予言)
    空閑汐♂デイリー【Memories】23 ひとり荒野をバイクで駆ける。この場所で暮らしはじめて少しした頃に買ったバイクはすっかり馴染んでしまって。汐見は休暇の殆どをこうやってバイクを走らせ過ごしていた。
     同じ部隊の先輩は気のいい人間で、同期は学生時代からの仲ではある。けれど、余暇の時間まで過ごしたいとはどうしても思えなくて。大体の誘いを断り結局一人で過ごすことが多いのだ。あまりにも人付き合いが悪くて、自分でも笑ってしまう。そんな自分が平穏に過ごせているのは、ひとえに同期であるフォスターがフォローしてくれているお陰だろう。
     ――ヒロミに何を言われたのかは知らないが。
     フォスターは保護者よろしく汐見を構い、汐見が辟易とするようなあからさまな誘いの防波堤のような位置にその身を置いていて。軍に入ってから筋肉も持久力も学生時代よりも増えたとは言え、体質的なものなのか見た目はどうしても細く軟弱に見える汐見からして見れば羨ましい事この上ない恵まれた体格を持つフォスターはこの場所でグリズリーと呼ばれていた。
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    asagi_di7

    DONE環壮の日なので。初夜未遂で終わってます。
    ちゃんとこの後はハッピーエンド初夜です。後日初夜も付け加えます。
    襲い受けっぽいところで終わってます。
    ほしいなんていえない。「……」
     ごろりと寝返りを打つと、一人分が眠れるほどの空間がそこにはあった。
     かちゃりと扉が開く音がして壮五は慌てて元の位置に戻って目を閉じるとしばらくして、掛け布団が少しだけ上に上がって今まで不在だった人が隣にまるで最初からその形が変わっていなかったかのように壮五の隣にぴったりとおさまった。
     そして、「おやすみ」と言い合った時のように壮五の腰に腕を回してからやがてすうすうと寝息を立て始めた。
    「……」
     たまきくん、と声にならない声で呟く。
     それは壮五の恋人で、たった今壮五の横で眠っている人のことだった。
     なんで僕のこと、抱いてくれないの。

     環が高校2年生の冬、環から「恋人になって」と言われた。
     顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに、それでも誰よりも壮五を大事にするという顔で告げられたその言葉に「まだ高校を卒業していないからダメ」と頭の中で考えた言葉よりもするりと「お願いします」と自分の欲求に素直な言葉の方が先に出た。
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