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    ハハッ

    hanato1078

    DONE不思議な夢の中で、二年前の零(英)くんに会う零英の話。
    ※キャラがキャラの首を絞める/流血表現/微グロ表現があります。終始シリアスですが最後はハッピーエンドです。
    ※エレメント前提。カプ未満くらいの零英です。
    ※時系列はあいらくんが来る前。テンペストあたりです。

    新イベントが始まる前にどうしても上げたくてガーッと書いたので後々修正入れてpixivに上げます。零英両面イベおめでとう🌸
    【零英】拝啓:境界線の向こうへ 一切の電気が消え、真っ暗になった部屋の中は、また重たい空気が漂っている。肺を親指の付け根で押し潰されているような心地だった。
     ──あぁ、嫌な空気じゃな。
     零は眠れない瞳をゆっくりと開けると、寝返りを打った。右を向くと、無機質な冷たい白い壁が目に入る。暗闇に目が慣れたのだろうか、それは普段見ているそれよりも、酷く味気なく見えた。

    「っは……っ、……」
     直後。壁を向いた零の背後から、再び誰かの息遣いがする。それがたった一人の同室相手の英智であることは、もはや確認するまでもなかった。
     英智と同じ部屋で過ごす中で零が気づいたのは、英智はたまに寝ている時に「こうなる」ということだった。

     この頃の英智は、かねてからの夢が叶った、とでも言いたげに、春らしい薄いピンク色と明るいオレンジ色がほんのりとのった頬に綺麗な笑みを浮かべていた。ピンクの花びらが散り、期待と希望に満ちた春が姿を変えつつあるこの季節にふさわしいその笑みは、生気に満ち溢れていて見目麗しかった。
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    greentea

    MENU2022年9月のイベントで頒布のマヴェルス本(全年齢)の冒頭部分です。最後はハッピーエンドで終わります。
    マヴェルス「声をきかせて 僕を愛して」 別離の時はいつだって突然訪れる。俺にとってのそれは父さんが最初だった。小さかった俺は、突然無くした力強く抱き上げてくれていた腕の不在を、成長と共に思い知されていった。そして次は母さん。マーヴや父さんの友人たちが助けてくれていたけれど、それでも大変な思いをして俺を育ててくれた母さんが父さんのいる場所に旅立った。
    俺が働けるようなったら楽な生活をさせてあげられると思っていたし、いなくなるなんて思ってもいなかった。だって、父さんが突然死んで家族が一人減った俺の未来で母さんまでいなくなるなんて、そんな悲しい事があるなんて考えたくも無かった。でも、実際にそれは起こる。
    体調を崩しがちになった母さんを説得して病院に連れて行った。ただ風邪が長引いてるだけだと笑う母さんが心配だったから。頭の隅っこで長く患うような病気に罹って、しかも治る見込みがないと、そんなどこかのドラマのような事が起こったらどうしよう。でもそんなことが自分の身に実際に降りかかるわけがないと、漠然とそうも考えていた。でも、その時は訪れて、母さんもいなくなった。
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    kk_69848

    DOODLE蔵種、腐
    いつも読んで頂いてありがとうございます。
    first kissシリーズ第3部(最終章)です。
    第3部は、全3話+エピローグという構成になっています(プロローグはないのにエピローグはある謎…)

    ※2〜3話は辛い内容です※
    ※1話は2〜3話の前振りとしてイチャイチャしてます※
    ※最後はハッピーエンドです※
    no title1(上)「よぉ修二。合コンしようや合コン」
     2限が終わって食堂へ向かう途中、悪友に声を掛けられた。こいつは高校の同級生。インカレやっとるからか、別の大学に進学したはずやのにしょっちゅう会う(この場合のインカレは、複数の大学にまたがるサークルの意)。
    「合コンなんて行かへんて。俺、彼氏おるし」
    「彼氏? 彼女やのうて?」
    「せやで。めっちゃイケメンの彼氏☆」
    「ほんまぁ? ほな写真見せてや」
    「ええで。これとかめっちゃイケメンやろ」
     俺はスマホで、最近撮った写真の中でも特に写りのいい写真を表示した。
    「うわっ、ごっついイケメンやん。俺こいつやったら抱けるわ」
    「やらへんて」
     写真のノスケは、見慣れた俺でも惚れ惚れしてまうぐらいの男前で──と同時に、俺の隣ではにかんどる姿はえらい可愛らしくて。こんな写真を見たら、誰だって胸がキュンとして惚れてまうかもしれへんな。まぁ誰にもやらへんし、ましてや抱かせる訳ないけど。俺かてまだ抱いたことあらへんのに。
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    karrruko

    PAST2022年2月発行のオズフィガ本〈おまえの名と力にかけて〉より、フィガロが見ていた夢としてのパラロイ部、オズフィガがいちゃついている部分の再録です。

    ・二人は「北の国」の孤児院で育った幼馴染みで、色々あって義兄弟になり、シティに引きとられた設定です。

    ・オズにとってフィガロの夢を叶えることが第一義で、そのためにまずはハッカーとして金を稼ぎ、それを元手にして武器商人になろうとしています。
    「おまえの名と力にかけて」より一部再録 日曜日の早朝、午前五時十五分。
     オズは滲む涙と共に目を開けた。
     視界には夢がなまなまと鮮やかで、我知らず手を差し伸べる。救いたいのは砕けた欠片、ひとりの男の残骸だ。
     ありし日そのままの微細なきらめき。きめ細やかな乳白色とくすんだ青、血の色の赤、冬の海の灰色と大地の緑。正気ではうまく知覚できない奥底に、それら破片たちは荒れすさびぶつかりあって、大きな渦を巻いている。互いに身を砕き、磨り潰しあって、少しでも早くこの世から消滅しきってしまおうとしている。
     だが、そんな凄絶さと裏腹に、あたりには何の響きも聞こえてこない。一切の介入は静寂により拒絶されている。
     無音の内に滅していくのは、望みか意地か絶望か。
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