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    パレット

    おもち

    TRAININGPsyBorg&mafiyamiの仲良し紫組です。ワードパレットの「クレークル」喉・帽子・木漏れ日、がお題でした。好き勝手書いてます。
    向かいの席の椅子が引かれ、スマホから顔を上げる。そこに座った男は当然のように店員さんを呼んでアイスコーヒーを頼んだ。黙ったままそれを見届け、よくやくこちらを向いた男に「このマイクどうかな?」と先ほどまで見ていたショッピングサイトをスマホの画面に表示させたまま彼に渡す。
    「んー……あ、なんか見たことあるな。これ誰か使ってなかった?」
    「え、本当? あとでみんなに聞いてみよ」
    「うん、たぶん誰かいたはず。ていうか、さあ、聞いてよ」
    挨拶もなく、僕たちの会話は転がっていく。たぶん、気が合うんだ。浮奇といる時の僕はすごく自然だ。それにたぶん浮奇も。お互いに話したい時に話して、話す気分じゃない時は黙って、そのタイミングがなんでかすごくピッタリ合う。僕に男兄弟はいないけどもしいたらこんな感じなのかなって浮奇に言ってみたら、兄弟っていうより幼馴染って感じと返ってきて、僕だけじゃなくて浮奇も同じ感覚を持っているということが嬉しかった。思わず笑ってしまった僕に、浮奇は何コイツって顔を向けてきたけど。
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    ユウキ

    DONE晶くんオンリー5開催おめでとうございました!!ありがとうございました!!

    展示①くまのぬいぐるみとこっそりキスの練習する晶くんの話です。
    ハグのワードパレットより15番『人目に付かない』『ちぐはぐ』『息を潜める』をお借りしました!

    書き込みボードへの感想やリアクションなどめちゃくちゃ嬉しかったです!!
    当日はご覧くださってありがとうございました~!🥳
    この温もりが消えないように ある日の午後。窓から射し込む太陽の光が眠気を連れてくる穏やかな昼下がり、俺は自室で一人ぼんやりと窓の外を眺めていた。どうやら今日は南と東の合同訓練が行われているらしい。視線の先にいる人物ーーフィガロは俺の視線に気付く様子もなく淡々と先生役をこなしていた。
     いつも通りの微笑みを見届けた後、俺は窓の外から自室へと視線を戻す。手元に落とした視線は可愛らしいくまのぬいぐるみに注がれていた。目の前のつぶらな瞳を見ていると、これから自分が何をしようとしているのか意識してしまい余計に恥ずかしくなる。だけど、これは来るべき日のために必要なことだ。避けては通れない。いつかは覚悟を決めなければならないのだ。
     もう一度窓の外を確認して誰にも見つからないように息を潜める。この魔法舎で完全に人目に付かない場所は多分ない。それでも、誰かに見つかる可能性は少しでも下げておいた方がいいだろう。
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    はじめ

    TRAININGワードパレット
    17.築
    覗き込む/口を尖らせる/赤面する
    を使って書きました

    人気のない海の岩場で乳繰り合っているところを藤波父に目撃される面あた。
    入れようか最後まで迷って結局入れなかった文章を含め、加筆修正しました。
    なんでも許せる方向けです。
    父は子ども相手に妙に阿ることをしないと思う、という私の願望。
    father 浜茶屋の手伝いをするためにいつもの四人で海に来ていた。少し儚い夏の終わり。ぐずついた天気のおかげで、空には灰色の雲が浮かんでいた。
     ほんまにアルバイト代もらえるのかね。一抹の不安を覚えつつも、面堂と二人客引きを頼まれた。気乗りしないままに茶屋を出て、閑散とした浜辺を二人で歩いた。
     ざぷん、と荒々しい音を立てる波打ち際を横目で眺めつつ、声を掛ける客がいないのだから、商売なんて出来っこないだろうと呆れて口を尖らせる。
    「なあ面堂、本当にバイト代が出ると思うか?」
    「ぼくに聞くな、ぼくに」
    「にわかには信じられん」
     湿った砂浜をサンダルでざくざくと進んだ。小石を蹴ったり、打ち付けられた海藻を手に取ったりしながら退屈を散らしたが、重ぼったい砂の上は歩きにくくて、すぐに飽きた。気分が上がる水着のお姉さんがいないのだから、これは仕方のないことである。なあ面堂、とやけに整った横顔に話し掛ける。
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    🟣文庫

    ArtSummary2022⚠友人に書きました⚔hsbの夢です。
    ご理解ある方のみお進みください!


    カラーパレット
    肌着 蚊取り線香 深爪
    深爪いつからだろうか。


    「あら、素敵な藤の香りですね」

     どこの香水使われているんですか、とにこやかに店員さんが聞いてくる。いい香りがするのならそれは嬉しいことだが、何が問題かというと、私は今香水をつけていないのだ。そして、私にはそこまで香らない。ここ半年ぐらいにかけて、こうやって香りを指摘されることが増えた。
    なんとなく、要因はわかる。





    「ただいま~」
    「おかえりなさい、主」
    「あ、粟田口たちが言ってた期間限定のコンビニアイス買ってきたよ」
    「覚えていらっしゃったんですね、お優しい。すぐに粟田口部屋に届けて参ります」

     リビングからひょこっと顔を出してにこやかに廊下を駆けてきたのは、うちの近侍のへし切長谷部だ。一般男性よりも少しだけ大きいその体格に、生徒指導でもし出すかのような体育教師を彷彿とさせるジャージを着て、子供のように晴れやかに笑って玄関まで早足で駆けてくるのは少し微笑ましい。目に見えた贔屓こそはしていないが、私は長谷部がとんでもなく大好きだ。他の本丸に目を向けるとだいぶフリーダムな本丸もあったりするが、一応審神者業も仕事であるため刀たちへの接し方は偏りが無いように意識はしている。漏れ出る愛はどうしようもないため、たまに愛を伝えすぎるが(特に短刀たち)それでも特段強い想いを抱く長谷部には、他の刀にも気づかれないように意識して接してきたのだ。
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