フィーネ
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DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
・フィーネ=リゾルート
「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
ある「元」光の戦士の6.03その14 フィーネは今日もこき使われていた。
「こんなことなら罰金、自分で払うんだった~」
なげくフィーネをよそ目に、フェオ=ウルはミーン工芸館の職人の仕事を眺めていた。
「あなた、本当はお金持ちなのに隠しているからそんなことになるのよ」
彼女は旅に同行するうちに、フィーネが各地域に隠し持つ資産を知ったのだ。
「どこだったかしら、家を貸してお金をもらっている地域もあったわよね。確か……」
「シロガネね。でも意外と利益は少ないんだよ。建物の老朽化も私のお金で対処しないと入居者が減っちゃうしさ」
「少なくとも罰金や食費の支払いを惜しむ必要はないでしょう、あなた」
「何もしたくない時期だってあるじゃない?そういう時のために貯金してるんだよ」
3069「こんなことなら罰金、自分で払うんだった~」
なげくフィーネをよそ目に、フェオ=ウルはミーン工芸館の職人の仕事を眺めていた。
「あなた、本当はお金持ちなのに隠しているからそんなことになるのよ」
彼女は旅に同行するうちに、フィーネが各地域に隠し持つ資産を知ったのだ。
「どこだったかしら、家を貸してお金をもらっている地域もあったわよね。確か……」
「シロガネね。でも意外と利益は少ないんだよ。建物の老朽化も私のお金で対処しないと入居者が減っちゃうしさ」
「少なくとも罰金や食費の支払いを惜しむ必要はないでしょう、あなた」
「何もしたくない時期だってあるじゃない?そういう時のために貯金してるんだよ」
紅茶箱
DOODLE自分用まとめ。探索者/曲パロ/トレス/らくがき/画面直撮り
🗝紅茶の誕生日
【ネタバレ】
・エリュフィーネ
・おまあん
【いる人間】
双子、千代人、みずさえ、韶花さん、玲さん、キイロとかなで、澄と流、香之助、惟都 13
せがわしょうこ
MOURNINGふぃーね4人で怪談会をする漫画を考えたものの肝心の怪談が固まらないのでネーム供養!渉が怪談を語る→次は英智が語る→(英智は人から聞いた怪談を語る。その怪談もじゅうぶん怖いが、その怪談を聞かせてくれた病院のスタッフは実は人間じゃなかったかも。ほかのスタッフが誰も知らないと言っていたから……)→「不審者では?」と仲間たちに言われる中、英智は「やっぱり今思うと人間じゃなかった気がする」と思う〜終わり〜 8
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DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
・フィーネ=リゾルート
「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
ある「元」光の戦士の6.03その13 よく晴れた日に見上げるクリスタルタワーは壮観だ。クリスタリウムでは雨や霧の頻度も高く、タワーの頂上が覆い隠されていることも多い。
生まれた時からそこにあるタワーに、ライナが思いを馳せていた時。星見の間の扉が開いてエンジン音が轟いた。
音の主たるバイクは運転手のドランを乗せて勢いよく階段を下りてくる。
「やっほーライナ!元気だった?」
階段のふもとに立っていたライナの脇を通り過ぎて、横に滑るようにして停止したバイクの上から運転手が声を掛けてくる。
「フィーネさん」
ライナは運転手の名を呼んだ。運転手の頭には彼女の『美しい枝』フェオ=ウルが掴まっている。
「はいよ」
「クリスタリウムの街中でのバイクの運転は禁止されたはずです」
1589生まれた時からそこにあるタワーに、ライナが思いを馳せていた時。星見の間の扉が開いてエンジン音が轟いた。
音の主たるバイクは運転手のドランを乗せて勢いよく階段を下りてくる。
「やっほーライナ!元気だった?」
階段のふもとに立っていたライナの脇を通り過ぎて、横に滑るようにして停止したバイクの上から運転手が声を掛けてくる。
「フィーネさん」
ライナは運転手の名を呼んだ。運転手の頭には彼女の『美しい枝』フェオ=ウルが掴まっている。
「はいよ」
「クリスタリウムの街中でのバイクの運転は禁止されたはずです」
maru464936
PASTTwitterの過去つぶやきまとめ。リーゼお婆ちゃんが亡くなった時のちょっとした騒動。語り手はフィーネ似の孫だと思う無題孫たちの述懐で、「母方の祖父は、物静かで穏やかなひとだった。」みたいに言われてたらいいよね。
「だから私たちは、祖父にまつわるさまざまな不吉な話を、半ば作り話だろうと思っていた。祖母が亡くなった日、どこぞの研究所とやらが検体提供のご協力の「お願い」で、武装した兵士を連れてくるまでは。
結論から言うと、死者は出なかった。数名、顎を砕かれたり内臓をやられたりで後遺症の残る人もいたみたいだけど、問題になることもなかった。70を超えた老人の家に銃を持って押しかけてきたのだから、正当防衛。それはそうだろう。
それから、悲しむ間も無く、祖父と私たちは火葬施設を探した。
私たちの住んでいる国では、土葬が一般的だけど、東の方からやってきた人たち向けの火葬施設がある。リストから、一番近いところを調べて、連絡を入れて、みんなでお婆ちゃんを連れて行って、見送った。腹立たしいことだったけど、祖母の側に座り込んだまま立てそうになかった祖父が背筋を伸ばして歩けるようになったので、そこは良かったのかもしれない。怒りというものも、時としては走り出すための原動力になるのだ。
573「だから私たちは、祖父にまつわるさまざまな不吉な話を、半ば作り話だろうと思っていた。祖母が亡くなった日、どこぞの研究所とやらが検体提供のご協力の「お願い」で、武装した兵士を連れてくるまでは。
結論から言うと、死者は出なかった。数名、顎を砕かれたり内臓をやられたりで後遺症の残る人もいたみたいだけど、問題になることもなかった。70を超えた老人の家に銃を持って押しかけてきたのだから、正当防衛。それはそうだろう。
それから、悲しむ間も無く、祖父と私たちは火葬施設を探した。
私たちの住んでいる国では、土葬が一般的だけど、東の方からやってきた人たち向けの火葬施設がある。リストから、一番近いところを調べて、連絡を入れて、みんなでお婆ちゃんを連れて行って、見送った。腹立たしいことだったけど、祖母の側に座り込んだまま立てそうになかった祖父が背筋を伸ばして歩けるようになったので、そこは良かったのかもしれない。怒りというものも、時としては走り出すための原動力になるのだ。
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DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
・フィーネ=リゾルート
「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
ある「元」光の戦士の6.03その12「なンだこの部品は?見たことない技術じゃねェか……」
石の家の椅子の上でくつろぎながら、ネロは部品を組み立てたり分解したりを繰り返していた。この間分解した、「私が帰ってくるまでに絶対直しておいてよ!」とフィーネに言われたバイクの部品である。あれから何日も経過していたが、テーブルの上の部品の数々は大半がバラバラのままだった。
「フィーネさん、すぐ帰るって言っていましたでっすよ。早く直さなくて良いのでっすか?」
タタルがお茶を差し出しながら問いかける。
「こンな面白いオモチャ目の前にしたら大人しくなンてしていられねぇよ!だいたい、あいつも不用心だぜ。珍しい乗り物をその辺に置いておくなンてよ。だから悪いのはあいつであって……」
2454石の家の椅子の上でくつろぎながら、ネロは部品を組み立てたり分解したりを繰り返していた。この間分解した、「私が帰ってくるまでに絶対直しておいてよ!」とフィーネに言われたバイクの部品である。あれから何日も経過していたが、テーブルの上の部品の数々は大半がバラバラのままだった。
「フィーネさん、すぐ帰るって言っていましたでっすよ。早く直さなくて良いのでっすか?」
タタルがお茶を差し出しながら問いかける。
「こンな面白いオモチャ目の前にしたら大人しくなンてしていられねぇよ!だいたい、あいつも不用心だぜ。珍しい乗り物をその辺に置いておくなンてよ。だから悪いのはあいつであって……」
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大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
・フィーネ=リゾルート
「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
ある「元」光の戦士の6.03その11 波に揺られながら甲板の手すりに背中を預けるフィーネとフェオの眼前で、クガネが遠ざかっていく。
第一波止場ではフィーネの父親が手を振っている。父はもっと手紙を書くようにと便箋や封筒をフィーネにたくさん持たせていた。
「手を振っているわよ?」
フェオがフィーネの手をつつくが、フィーネはむすっとしたままだ。
「なんか恥ずかしいからやめて欲しいよね」
「お―――い!フィーネ―――!見えてるか―――?」
無視しようと思ったら父が叫びだした。
「嘘でしょ」
見かねたフェオが顔を背けたフィーネの手をつかんでむりやり振る。
遠くてよく見えていないらしく、娘が手を振り返していると思った父は喜び両手を大きく振り始めた。
「知らない人知らない人」
2345第一波止場ではフィーネの父親が手を振っている。父はもっと手紙を書くようにと便箋や封筒をフィーネにたくさん持たせていた。
「手を振っているわよ?」
フェオがフィーネの手をつつくが、フィーネはむすっとしたままだ。
「なんか恥ずかしいからやめて欲しいよね」
「お―――い!フィーネ―――!見えてるか―――?」
無視しようと思ったら父が叫びだした。
「嘘でしょ」
見かねたフェオが顔を背けたフィーネの手をつかんでむりやり振る。
遠くてよく見えていないらしく、娘が手を振り返していると思った父は喜び両手を大きく振り始めた。
「知らない人知らない人」
せがわしょうこ
DOODLEフェアなワルツ感想なぐりがき よかったね英智……この調子で楽しく長生きしような桃李の「ボクが英智さまを守ればいいんだ!」ってとこからの仲良しおふぃーねもかわいかったし桃李ほんとかわいい
アドニスくんもよかった
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DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
・フィーネ=リゾルート
「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
ある「元」光の戦士の6.03その10「なあ、木材ここで良いのかよ?」
ナマイ村の少年、イッセはパイン材を山と積んだ荷車を引きながら、足のつま先でとある倉庫を指す。フィーネが切り出したパイン原木は少しでも運びやすいように材木に加工してナマイ村に持ち込み、その後イッセを雇ってクガネまで運搬してきてもらったのだ。
「うん、そこそこ。中に適当に突っ込んどいて」
第一波止場を歩きながら、フィーネは近くで買ったとろろ蕎麦をすすっていた。
「歩きながら蕎麦食う人初めてみたよ……普通歩きながら食うのって団子とかだろ」
「蕎麦の気分だったんだよ」
「お蕎麦美味しいわよ?」
フィーネの隣を飛びながら、フェオはフォークで蕎麦を巻き取り口に入れる。
「飛びながら蕎麦を食う人も初めてみた」
3146ナマイ村の少年、イッセはパイン材を山と積んだ荷車を引きながら、足のつま先でとある倉庫を指す。フィーネが切り出したパイン原木は少しでも運びやすいように材木に加工してナマイ村に持ち込み、その後イッセを雇ってクガネまで運搬してきてもらったのだ。
「うん、そこそこ。中に適当に突っ込んどいて」
第一波止場を歩きながら、フィーネは近くで買ったとろろ蕎麦をすすっていた。
「歩きながら蕎麦食う人初めてみたよ……普通歩きながら食うのって団子とかだろ」
「蕎麦の気分だったんだよ」
「お蕎麦美味しいわよ?」
フィーネの隣を飛びながら、フェオはフォークで蕎麦を巻き取り口に入れる。
「飛びながら蕎麦を食う人も初めてみた」
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DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
・フィーネ=リゾルート
「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
ある「元」光の戦士の6.03その9「なぜクラフターをやるんだ、という人がいる」
フィーネは斧を振り下ろす。脇には既に伐採を終えたパイン原木が山になっていた。
「ええ」
フェオはその山の上に腰掛けて両手で頬杖をついている。
「なぜギャザるのかと問う人もいる」
「そうなのね」
静寂の中をアオサギ滝の水が流れ落ちる音が心地良い。二人はヤンサを訪れていた。
「でもクラフターもギャザラーも目的のためにするわけじゃないんだ」
木に斧が打ち込まれる音がリズミカルに静寂を切り裂いていく。
「お仕事だからするんだと思っていたのだわ」
「順番が逆なんだよ。クラフターもギャザラーも仕事ではあると思う。だけどそうじゃない。仕事だからするんじゃあないんだ。やりたいことをして、楽しくなって続けているうちにそれが仕事になっていくのが一番良いんだ」
3035フィーネは斧を振り下ろす。脇には既に伐採を終えたパイン原木が山になっていた。
「ええ」
フェオはその山の上に腰掛けて両手で頬杖をついている。
「なぜギャザるのかと問う人もいる」
「そうなのね」
静寂の中をアオサギ滝の水が流れ落ちる音が心地良い。二人はヤンサを訪れていた。
「でもクラフターもギャザラーも目的のためにするわけじゃないんだ」
木に斧が打ち込まれる音がリズミカルに静寂を切り裂いていく。
「お仕事だからするんだと思っていたのだわ」
「順番が逆なんだよ。クラフターもギャザラーも仕事ではあると思う。だけどそうじゃない。仕事だからするんじゃあないんだ。やりたいことをして、楽しくなって続けているうちにそれが仕事になっていくのが一番良いんだ」
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大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
・フィーネ=リゾルート
「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
ある「元」光の戦士の6.03その8「お前ら、会うたびに喧嘩するのなんとかならねえのかい?」
フィーネの母の腕にできた傷の手当てをしながら、父親がため息をつく。
「ため息のつき方が若木にそっくりなのだわ……!」
フィーネに出された緑茶をすすっていたフェオが感激するその横で、フィーネもまたため息をつく。
「似てないよ」
「ほら、今、そっくりだったのだわ!」
フェオは喜び、フィーネと父の間を飛び回る。
「それにしてもお前、風の噂じゃあ聞いていたが腕が立つようになったんだなあ」
父親の感嘆をよそに娘は淡々と答える。
「母さんより腕っぷしが強い人のほうが少なかったよ?あ、でもアジムステップはもっと喧嘩っ早い人がいたなあ」
「いやあ、それでも母さんに喧嘩で勝てるようになったなんてなあ。父さんなんだか涙腺にきたよ」
2599フィーネの母の腕にできた傷の手当てをしながら、父親がため息をつく。
「ため息のつき方が若木にそっくりなのだわ……!」
フィーネに出された緑茶をすすっていたフェオが感激するその横で、フィーネもまたため息をつく。
「似てないよ」
「ほら、今、そっくりだったのだわ!」
フェオは喜び、フィーネと父の間を飛び回る。
「それにしてもお前、風の噂じゃあ聞いていたが腕が立つようになったんだなあ」
父親の感嘆をよそに娘は淡々と答える。
「母さんより腕っぷしが強い人のほうが少なかったよ?あ、でもアジムステップはもっと喧嘩っ早い人がいたなあ」
「いやあ、それでも母さんに喧嘩で勝てるようになったなんてなあ。父さんなんだか涙腺にきたよ」
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DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
・フィーネ=リゾルート
「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
ある「元」光の戦士の6.03その7 目の前にそびえ立つのは大きな城。複数の建物が連結したような複雑な構造だ。こんなに大きいと掃除をするだけで何日かかるかわからない。
「いつ見ても高圧的な城ですこと……」
見上げるアウラ、フィーネの口ぶりは否定的だ。その一方で。
「なんだか不思議な味がするのだわ」
腰を下ろしたフェオ=ウルはのんびりとサザエの壺焼きを頬張っている。
「醤油の味が懐かしいね」
フィーネもまた、同じくサザエを口に運ぶ。
紅玉海で追いかけてきた侍が海に落ちたので、引き上げたら一緒にサザエがついてきた。
侍の方は適当に縛って知り合いのいる赤誠組に引き渡し(押しつけ)、サザエの方は街で醤油と料理酒を買い、七輪で焼いていたところだ。
1599「いつ見ても高圧的な城ですこと……」
見上げるアウラ、フィーネの口ぶりは否定的だ。その一方で。
「なんだか不思議な味がするのだわ」
腰を下ろしたフェオ=ウルはのんびりとサザエの壺焼きを頬張っている。
「醤油の味が懐かしいね」
フィーネもまた、同じくサザエを口に運ぶ。
紅玉海で追いかけてきた侍が海に落ちたので、引き上げたら一緒にサザエがついてきた。
侍の方は適当に縛って知り合いのいる赤誠組に引き渡し(押しつけ)、サザエの方は街で醤油と料理酒を買い、七輪で焼いていたところだ。
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DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
・フィーネ=リゾルート
「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
ある「元」光の戦士の6.03その6 きゅりきゅりきゅり。紅玉海の水面は静かに揺れ、リールをゆっくりと巻く音だけが軽快に鳴り響く。
「あっ、引いているわよ」
「ほいほい」
黒い鱗のある手が竿を引き、海水の飛沫をまきながら獲物が釣り上げられる。
「サンゴノオトシゴ。食べれないからリリースだね」
釣りあげたアウラ、フィーネは静かにサンゴノオトシゴを海へと返す。
「そもそも、このあたりの魚は食べられるのかしら?」
傍らの石の塀に座って眺めていたフェオ=ウルが訊ね、フィーネは再度竿を投げながら答える。
「トラフグとか、美味しいらしいよ」
「あら、楽しみね!」
「毒の処理失敗すると死ぬけどね」
「あら……あなた先に食べてくれる?」
「毒はもう嫌です」
ウルダハの祝賀会で、ナナモ毒殺の容疑者にされた経験のあるフィーネとしては毒の可能性があるものを口にする気は全く起きない。
2351「あっ、引いているわよ」
「ほいほい」
黒い鱗のある手が竿を引き、海水の飛沫をまきながら獲物が釣り上げられる。
「サンゴノオトシゴ。食べれないからリリースだね」
釣りあげたアウラ、フィーネは静かにサンゴノオトシゴを海へと返す。
「そもそも、このあたりの魚は食べられるのかしら?」
傍らの石の塀に座って眺めていたフェオ=ウルが訊ね、フィーネは再度竿を投げながら答える。
「トラフグとか、美味しいらしいよ」
「あら、楽しみね!」
「毒の処理失敗すると死ぬけどね」
「あら……あなた先に食べてくれる?」
「毒はもう嫌です」
ウルダハの祝賀会で、ナナモ毒殺の容疑者にされた経験のあるフィーネとしては毒の可能性があるものを口にする気は全く起きない。
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DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
・フィーネ=リゾルート
「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
ある「元」光の戦士の6.03その5「舐められたものです」
かかと落としで昏倒させたスリをイエロージャケットに引き渡しながら、フィーネはぱんぱんと両手を叩きほこりを払う。
「治安の悪い街ね」
彼女の頭には相棒のピクシー、フェオ=ウルがつかまっていた。
「リムサは海賊の街だからねー」
訪れたのは何ヶ月ぶりだろうか。シャーレアンから船で戻ってきたのがはるか昔のことのように思える。感傷に浸る暇もなくスリが現れたが、仮にも英雄と呼ばれたフィーネを標的にするとは運の悪い奴である。
「ん?久しい顔がいるな」
後ろからかけられた声に、フィーネは振り返りもせず前方にスプリントする。
「どうして逃げるの?」
「面倒事に巻き込まれたくないから」
フェオの問いに、彼女がつかまっている頭の主は端的に答える。
2619かかと落としで昏倒させたスリをイエロージャケットに引き渡しながら、フィーネはぱんぱんと両手を叩きほこりを払う。
「治安の悪い街ね」
彼女の頭には相棒のピクシー、フェオ=ウルがつかまっていた。
「リムサは海賊の街だからねー」
訪れたのは何ヶ月ぶりだろうか。シャーレアンから船で戻ってきたのがはるか昔のことのように思える。感傷に浸る暇もなくスリが現れたが、仮にも英雄と呼ばれたフィーネを標的にするとは運の悪い奴である。
「ん?久しい顔がいるな」
後ろからかけられた声に、フィーネは振り返りもせず前方にスプリントする。
「どうして逃げるの?」
「面倒事に巻き込まれたくないから」
フェオの問いに、彼女がつかまっている頭の主は端的に答える。
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大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
・フィーネ=リゾルート
「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
ある「元」光の戦士の6.03その4「若木のバカァ!」
フェオの小さな手に頬をひっぱかれ、フィーネの顔が向こう側にねじれる。
「あいたぁ!」
完全に気を抜いていたところにもらった一撃にフィーネの首はポキッという音を立てた。
「若木のバカバカ!私という枝がありながら、そうやってすぐに別の妖精に浮気するのだわ!」
首に手を当てて、痛めていないか確認するフィーネの頭をフェオがぽかぽかと殴り続ける。
「浮気?フジュンでふっち……」
フィーネの目の前にいたシルフ族が驚いた様子で後ずさるように空中を移動し離れていく。
「あなたのせいなのだわ!」
フェオが長い爪の生えた指でシルフ族……ノレクシアをさした。
「指差すなんて失礼でふっち!それに……あんた、変な語尾の話し方でふっち!」
3390フェオの小さな手に頬をひっぱかれ、フィーネの顔が向こう側にねじれる。
「あいたぁ!」
完全に気を抜いていたところにもらった一撃にフィーネの首はポキッという音を立てた。
「若木のバカバカ!私という枝がありながら、そうやってすぐに別の妖精に浮気するのだわ!」
首に手を当てて、痛めていないか確認するフィーネの頭をフェオがぽかぽかと殴り続ける。
「浮気?フジュンでふっち……」
フィーネの目の前にいたシルフ族が驚いた様子で後ずさるように空中を移動し離れていく。
「あなたのせいなのだわ!」
フェオが長い爪の生えた指でシルフ族……ノレクシアをさした。
「指差すなんて失礼でふっち!それに……あんた、変な語尾の話し方でふっち!」
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大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
・フィーネ=リゾルート
「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
ある「元」光の戦士の6.03その3「ほんとにひどいよね」
マトンシチューを平らげながら、フィーネは今日何度目かの文句を言った。
「いつまでも言っていても仕方ないわよ。もっと楽しい話はないのかしら」
フェオがつかんだラビットパイの最後の一切れを、同時にフィーネもつかんでいた。
「そうは言ってもさあ」
フェオとフィーネはパイを取り合いながら、しばらく膠着状態を続けていた。
「こらこら、食べ物を粗末に扱っちゃいけないよ」
ネロにバイクを分解され、帰る足が無くなったフィーネは結局、グリダニアを訪れていた。旅路にはチョコボポーターが使えたのだが、クリスタリウムにチョコボを借りていくわけにも行かないので帰ることはできず、それでグリダニアに来たというわけである。
3174マトンシチューを平らげながら、フィーネは今日何度目かの文句を言った。
「いつまでも言っていても仕方ないわよ。もっと楽しい話はないのかしら」
フェオがつかんだラビットパイの最後の一切れを、同時にフィーネもつかんでいた。
「そうは言ってもさあ」
フェオとフィーネはパイを取り合いながら、しばらく膠着状態を続けていた。
「こらこら、食べ物を粗末に扱っちゃいけないよ」
ネロにバイクを分解され、帰る足が無くなったフィーネは結局、グリダニアを訪れていた。旅路にはチョコボポーターが使えたのだが、クリスタリウムにチョコボを借りていくわけにも行かないので帰ることはできず、それでグリダニアに来たというわけである。
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DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
・フィーネ=リゾルート
「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
ある「元」光の戦士の6.03その2「帰りてえ……」
タタルにお茶を淹れてもらっている最中に、つい小声で本音が漏れる。
「おまたせしましたでっす」
タタルが駆け寄ってきて、お茶とプレッツェルを並べてくれる。
「美味しそうなお菓子ね?」
ぴょこんとフィーネの服のフードから頭を出したフェオが、さっそくプレッツェルに手を伸ばしていた。
「夢の中に出てきた妖精さんでっす……!」
タタルが目を輝かせながらフェオを見つめている。
「お話するのは初めてね?」
フィーネはフェオにはたびたび、第一世界から原初世界への手紙や伝言を頼んでいる。タタルとも初対面ではないのだ。
「その羽根は飛べるのでっすか?」
フィーネにとってはフェオは身近な存在になりすぎているが、タタルからすればピクシーは初めてみる存在だ。フェオもまた、クリスタリウムでは当たり前で誰もしない質問に興味深そうに答えていく。
2327タタルにお茶を淹れてもらっている最中に、つい小声で本音が漏れる。
「おまたせしましたでっす」
タタルが駆け寄ってきて、お茶とプレッツェルを並べてくれる。
「美味しそうなお菓子ね?」
ぴょこんとフィーネの服のフードから頭を出したフェオが、さっそくプレッツェルに手を伸ばしていた。
「夢の中に出てきた妖精さんでっす……!」
タタルが目を輝かせながらフェオを見つめている。
「お話するのは初めてね?」
フィーネはフェオにはたびたび、第一世界から原初世界への手紙や伝言を頼んでいる。タタルとも初対面ではないのだ。
「その羽根は飛べるのでっすか?」
フィーネにとってはフェオは身近な存在になりすぎているが、タタルからすればピクシーは初めてみる存在だ。フェオもまた、クリスタリウムでは当たり前で誰もしない質問に興味深そうに答えていく。
FineRisoluto
DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
・フィーネ=リゾルート
「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
ある「元」光の戦士の6.03その1「私はヒトではないわ」
風になびく髪を手で抑えながら、フェオは隣にいる『かわいい若木』に向けて告げる。
「そうだね。でもほら、生きる目的とか。そういうやつないの」
答える若木は、自分の長い髪が風に流されて顔に張り付き、視界を取り戻そうと四苦八苦している。
「順番が逆ではないかしら。生まれてきたら生きるものよ。目的がなくても生きていて良いのだわ。そうやってなんにでも理由をつけようとするの、ヒトの悪いクセよ」
「うーんでも、人生を浪費するのもどうかなとか思うんだよ」
若木……つまりフィーネは、目に突き刺さる髪の毛をなんとか手で払い除けるもすぐさま次の髪が飛んでくる。
「どうせ生きるなら楽しくすればよいのよ」
4305風になびく髪を手で抑えながら、フェオは隣にいる『かわいい若木』に向けて告げる。
「そうだね。でもほら、生きる目的とか。そういうやつないの」
答える若木は、自分の長い髪が風に流されて顔に張り付き、視界を取り戻そうと四苦八苦している。
「順番が逆ではないかしら。生まれてきたら生きるものよ。目的がなくても生きていて良いのだわ。そうやってなんにでも理由をつけようとするの、ヒトの悪いクセよ」
「うーんでも、人生を浪費するのもどうかなとか思うんだよ」
若木……つまりフィーネは、目に突き刺さる髪の毛をなんとか手で払い除けるもすぐさま次の髪が飛んでくる。
「どうせ生きるなら楽しくすればよいのよ」