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    ルート

    くいっくすた

    DONEきょうはなんの日?【耳の日】
    ついったに不定期で載せてるきょうはなんの日シリーズ。ほとんどが140字なんですが、少しだけ長めのSSで。
    例によって3月3日の当日には全然間に合わずの大遅刻。
    竹で作るバージョンが百年以上前の科学本に載ってたそうです。北の大地に竹は自生しないので謎ルートで入手した謎の高級品仕上げに…。
    伝う 長い冬の鎖からようやく解放されつつあるらしい。開く花々に満ちるのはまだ先だろうが、雪解けの土の下には真新しい緑色の気配が顔を出し始めている。
     弥生初めの午後などまださほど温もりはしないものの長閑で、縁側には柔らかく陽が差し込む。座卓にガラクタ様の材料をがらがらいわせながら並べてみたら、早速好奇心の強い男が寄ってきた。
     皆出払って今日は夜まで暇だから気まぐれに思い立って、ちょっとしたツテで調達してきたものだ。いやまぁ大体暇なんだけど。今日はそれなりのやる気と創意が天から降ってくる方の暇な日だったのだ。
    「門倉何だこれ?わざわざゴミ拾ってきたのか?ジジイ見分けつかなかったか?何する気なんだ?」
    「ちょっとちょっとそう矢継ぎ早に訊くんじゃないよ。ひとっつずつ順に訊きなさいっての」
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    MAIKINGそのうちクロロレになります。ェュ前提なのでご注意下さい。紅花ルート
    有情たちの夜.7「枠の中5_7」 クロードはセイロス教の影響を受けずに育っているので時に思いもよらないようなことを言う。
    「再現性ですか」
    「俺やヒューベルトだってやろうと思えば人間が魔獣に変化する条件を整えられるんじゃないのか?」
     それには紋章石が必須で白きものの血液もあるに越したことはない。だから彼らはフレンを拐かしたのだ。レアの要請がなければセテスとフレンはガルグ=マクにやって来なかったのだから、彼らだけに責を負わせるのは間違っている。それでもヒューベルトはどうして人里離れた土地で安全を確保してくれなかったのか、と思ってしまう。
    「それともあれはトマシュさんの顔を奪ったような連中にしか出来ないのか?」
     ヒューベルトの答えを待たずに話し続けたクロードは暗に取り上げられたフェイルノートとフライクーゲルのことを言っている。紋章を持たない者に英雄の遺産を握らせれば魔獣になるだろう。だがヒューベルトの脳裏に浮かんだのは闇に蠢くものたちの拠点のことだった。奪ったら即座に破壊せよ、と主君であるエーデルガルトから命じられている。だが───
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    MAIKINGそのうちクロロレになります。ェュ前提なのでご注意下さい。紅花ルート
    有情たちの夜.2「箱の中」 もしフォドラにクロード=フォン=リーガンが現れなかったらレスター諸侯同盟はどうなっていただろうか。オズワルド公亡き後はエルヴィン=フリッツ=グロスタール伯が盟主の座に就いたはずだ。親帝国派の彼をどのように遇するか、で意見が割れたかもしれない。闇に蠢く者たちが彼に成り代わった可能性もあった。
     その場合、彼の嫡子ローレンツはヒューベルトたちと同じ地獄を見ただろう。彼はクロードのもたらした混沌に救われている。そんなローレンツは───クロードを見極めねばならない─── そう言ってベレスの勧誘に対し、首を頑として振らなかった。不規則な彼女の意志は混沌を呼び、世界は撹拌され不規則な救いをもたらす。
     目の前で口角を上げている緑の瞳の男が、金継ぎしやすい形で皿を割れたのはグロスタール家の協力があってこそだが、その協力も或いは───という気持ちになる。腹立たしいのが帝国の国庫を当てにしてデアドラの軍港を派手に壊したことだ。これから直接、王国と戦うには海上における補給路を確保せねばならない。黒鷲遊撃軍の中では比較的港湾経営に明るいフェルディナントにこの件を任せる必要があった。
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