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    両片想い

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    DONE10月10日ファウネロオンリー展示作品新作①
    『君への目を閉じないと』
    ファウストへの気持ちに気づいたネロが逃げようとする両片想いの話
    『君への目を閉じないと』
     太陽が起きて伸びをする頃、俺の一日が始まる。はっきり言って早起きは得意じゃないけど、長年料理屋をやってきたから今では勝手に目が覚めるようになった。朝食を作り、魔法舎で暮らす魔法使いと人間のそれぞれが起きてきたら出来上がった朝食に仕上げをして器に盛り付ける。大抵早いのが騎士さんとか羊飼い君あたり、それとシノ。この3人は鍛錬をしてるから朝からよく食べる。次にお子ちゃまやら若いもんが起きてくる。朝からほんとに元気だよな。リケなんかは明日の朝はオムレツだぞって言ってやるといつもより早く起きてきて、「ネロ!手伝いますよ!」っていうもんだからなかなか可愛い。
     それから大人。百歳を超えた奴らは基本的に遅めの朝食になることが多い。婿さんやフィガロなんかは仕立て屋くんとかミチルに引っ張られて本来起きない時間帯だろうから、いつも眠そうに朝食を食べている。そして最後に来るのは大体ファウストかな。来ないこともあるけど最近は来てくれる。晩酌を共にした次の日なんかはほとんど昼みたいな時間に来ることもある。
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    とーい

    DONE1日1ロールタグ五周年とハピエンロルのコラボ企画用作品。
    お題が「夏の花とロール」とのことだったので、いろいろ調べてみてクレオメという花で書いてみました。密かに両片想いなロールです。話に出てくる花は、物語のなかで実際の花とは少し違う不思議な花として描写しています。
    宵に舞う蝶の秘密 そろそろか、とグラスを置き視線を動かしたローに、ルフィもスプーンを動かしていた手を止めた。
    上陸するときは目を開けていられないくらい眩しかった太陽も、この島で一番うまい食事を出すと連れてこられた宿の一階にあるレストランで飲み食いしている間に、水平線へとその緋色の体を沈めようとしていた。
     ただ、ローがそろそろだといったのは、何も活動しやすい時間になったという理由だけではない。風を取り入れるために開け放たれた窓の下に視線を向ければ、色合いを変えた街のなかを歩く人々が同じ方角に歩いているのが見える。目深にかぶった濃紺のローブも、手に掲げた小さなランタンも同じものだ。
     行くか、とたちあがったローの手にも、小島に入る際に火を入れると説明されたそれがある。もう一方の手を差し出されたルフィは、これから始まるという祭りに胸を躍らせながら、麦わら帽子の上からローブをかぶせ、その手を取った。
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    かいと

    TRAINING鍾タルワンドロ・ワンライ 第五回 お題「祝福」で書かせて頂きました。前回投稿の設定の続きになってしまいました→https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=9112&TD=4862537 読まずとも、両片想いだった二人、公子が今際の際に魂をあげることを約束して、生まれ変わった公子が先生と再会した後って事を念頭に置いて頂ければ十分かと思います。
     生まれ変わった俺が先生と再会して約半年経った。
     大人と子供がどうやって交流するんだって思ったけど、実は先生はお隣の大きな空き家に越してきた人で、近くの大学の客員教授してたり、歴史関係の執筆活動をしたりする有名な先生で身分もしっかりしている上に以前より完璧に“凡人らしく”振舞えるようになっていたので気付けば俺の家族とも仲良くなっていて、

    「先生、お邪魔するよ」
    「あぁ。良く来たな“公子殿”」

     "物知りな鍾離先生に懐いてる俺"が、先生の家に頻繁に泊まりに行くのも家族に何も不思議がられる事が無いくらい俺の家族と馴染んでいた。
     先生に再会した時に前世の記憶を思い出したので精神的にはとっくに成人しているけど、見た目はまだまだ子供だから前の人生と続きの関係を築くには、色んな意味で人目をはばかる必要がある。
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