Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    休日

    いずみのかな

    DONEパトレイバー ごとしの ささやかな休息と、光の休日と
    かわいいひと。「そうね……、麻布温泉とか都内なら」

     夏の嵐のあと、朝日が燦燦と照る関越道で、日帰り温泉への誘いに対してそんな風に返答したときの後藤の、あからさまにがっかりした顔を思い出すたび、しのぶは何とも言えないむずがゆさと、同時にちょっとした優越感を覚える。
     全く眠れなかったのだと素直に告白してきたことと言い、普段の人を食った言動や、避難という名目で入ったラブホテルで時折見せた、あのいかがわしい雑誌を毎週愛読しているに相応しいオヤジそのものの態度とは裏腹に、中身は臆病で、遠慮がちで、ナイーブで、驚くことになによりも愛すべき紳士なのだ、後藤という男は。
     もしあの夜、電気を消してベッドとソファでそれぞれが身体を横たえた後。相手が寝ていないと悟っていながら、互いが様子を伺いに行ったとき、どちらかが思い切って振り返ったら、そして相手の身体に手を伸ばしていたら。恐らくは一夜の情熱は手に入ったであろう。ただし、それは本当に一夜だけのもので、その後二人はそれぞれに相手の熱を振り返ったとしても、二度となにも口に出さなかったはずだ。それこそ自覚した思いでさえも。
    15173

    ゆき📚

    DONE【血界】《眠れぬ夜は君のせい》
    9/20【STLO LOVE STORY】内のテーマ企画・stlo朝昼晩
    真夜中の体温をテーマにSSを書きました。
    休日前の深夜にうまいこと寝つけないスティさんとそんな彼を寝かせようとするレ君のお話
    ※基本ほのぐらい雰囲気です
    ※スティさんがマイナス思考に引っ張られてるよ
    ※大丈夫、どんなものでもどんとこいな人良かったら読んでやってください
    《眠れぬ夜は君のせい》 雨の音がする。
     浮上した意識の中で最初に思ったのがそれだった。
     眠気に半分以上意識が支配されている感覚にスティーブンはもう一度そのまま眠ろうとしてみるがしばらくしてゆっくりと目を開けた。
     耳に聞こえてくる水の音、どうやら結構な勢いで雨が降っているらしい。
     ふと自分の背中がひどく冷えている事に気がついてスティーブンはシーツを首元まで引っ張った。
     体温がこもるであろうシーツの中でどうしてこんなにも背中が冷えるのか一向に温まる気配の無い自分の背中にあぁやだな…とスティーブンは目を閉じて眉根を寄せた。

     こんな時には無理にでも起きたほうがいい
     頭はそう思っていても体が動こうとする気が無いのがわかった。普段の不摂生がここにきて響いているのを実感する。誰に言い訳するでもなくスティーブンは俺だって休めるものならしっかり休みたいよと口の中を力なく動かして閉じていた目をすーっと開けて室内の様子を見れば視界には暗闇しか映らず何が見えるでもないそれを確認してスティーブンはふたたび あぁ、嫌だ と心の中で呟いた。
    2168